- 定着率の高い会社・業界のランキング
- 社員が定着している会社の特徴とメリット
- 定着率の高い会社が実践している取り組み事例
「定着率の高い会社にはどのような特徴があるのか」
「社員の定着に成功している会社の具体的な取り組みを知りたい」
このように、社員の離職を食い止めようと試行錯誤している経営者や、人事担当者の方もいるのではないでしょうか?
定着率の高い会社は、以下のようなきめ細かい施策を行っています。
- 能力・成果に応じた給与体系の確立
- 生活スタイルに合わせた勤務制度の導入
- キャリアパスを支援する仕組みの構築
そこで本記事では、定着率の高い会社が持つ特徴やメリット、実際に企業が取り組んでいる施策を詳しく解説します。
自社の人材戦略を見直し、社員が「働きがい」を感じて長く活躍できるような会社を築き上げていきましょう。
定着率の高い会社・業界のランキングとは?
まずは、定着率の高い会社・業界をランキング形式で確認していきましょう。
同業他社と比べて「自社の定着率が高いのか低いのか」を把握し、今後の人材戦略の検討に役立ててみてください。
定着率の高い会社のランキング
東洋経済オンラインより公開されている「新卒社員の3年後定着率」のランキング記事をもとに、100位までの会社を紹介します。
なお、定着率100%の会社(1位)が92社あるため、下記の表では一部の会社だけ紹介します。すべての会社を確認したい方は、東洋経済オンラインの記事をご覧ください。
順位 | 会社名 | 定着率 | 2019年入社人数 | 2022年在籍人数 |
1 | 四国電力 | 100.0% | 92人 | 92人 |
〃 | ISID | 100.0% | 39人 | 39人 |
〃 | 三菱地所 | 100.0% | 37人 | 37人 |
〃 | 森永製菓 | 100.0% | 33人 | 33人 |
〃 | 高砂香料工業 | 100.0% | 33人 | 33人 |
※同1位、他87社あり | ||||
92 | 日立システムズ | 99.0% | 209人 | 207人 |
94 | 味の素 | 98.9% | 88人 | 87人 |
95 | 任天堂 | 98.8% | 82人 | 81人 |
96 | 中外製薬 | 98.6% | 73人 | 72人 |
〃 | 大日精化工業 | 98.6% | 71人 | 70人 |
98 | 日立建機 | 98.5% | 67人 | 66人 |
〃 | 日本新薬 | 98.5% | 66人 | 65人 |
100 | 協和キリン | 98.2% | 55人 | 54人 |
参考:「新卒社員の3年後定着率」が高い300社ランキング|東洋経済オンライン
ランキング上位の企業は、働きやすさを追求した制度はもちろん、人材育成への手厚い支援も行っています。
定着率の高い会社の特徴を詳しく知りたい方は、後述していますのでぜひ確認してみてください。
定着率の高い業界のランキング
続いては、厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」をもとに、定着率の高い業界をランキング形式で紹介します。
以下の表の定着率は、2020年3月の大卒就職者における離職率から算出(100% ー 離職率)しています。
順位 | 業界 | 定着率 |
1 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 89.5% |
2 | 鉱業・採石業・砂利採取業 | 86.5% |
3 | 製造業 | 81.0% |
4 | 金融業・保険業 | 73.7% |
5 | 情報通信業 | 72.1% |
6 | 複合サービス事業 | 72.0% |
7 | 運輸業・郵便業 | 71.7% |
8 | 卸売業 | 70.4% |
9 | 建設業 | 69.9% |
10 | 学術研究・専門技術サービス業 | 68.1% |
11 | 調査産業 | 67.7% |
12 | 不動産業・物品賃貸業 | 64.1% |
13 | その他サービス業 | 62.7% |
14 | 小売業 | 61.5% |
15 | 医療・福祉 | 61.2% |
16 | 教育・学習支援業 | 54.0% |
17 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 52.0% |
18 | 宿泊業・飲食サービス業 | 48.6% |
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)|厚生労働省
電気・ガスなどの業界では、定着率が90%近くある一方で、宿泊業においては50%を下回るなど、業界によって定着率に差があります。
定着率の高い会社が実践している取り組みは後述していますので、自社と同じ業界ではどのような施策を取り入れているか確認してみてください。
定着率の高い会社の特徴6選
ここからは「定着率の高い会社の特徴」について、6つの点を解説します。
社員の定着を図るためには、定着率の高い会社が取り組んでいることを把握し、自社の施策に活かしていく姿勢が必要です。
社員定着率の概要や計算方法を再確認しておきたい方は、以下の記事をご覧ください。計算例を用いて詳しく解説しています。
適性に合った業務を与えている
定着率の高い会社は、社員の強みやスキルを最大限に活かせるように、個々の適性に合った業務を割り当てています。
適性にマッチした業務内容であれば、社員自身も能力を発揮できていると実感しモチベーションを高め、会社に貢献しようとする努力を惜しみません。
厚生労働省の調査によれば、転職者が現在の会社を選んだ理由のなかで、以下2点の回答がもっとも多い結果となりました。
- 仕事内容・職種に満足いくから(41.0%)
- 自分の技能・能力が活かせるから(36.0%)
また、転職後の仕事内容・職種の満足度については、69.2%の人が「満足」「やや満足」と回答しています。
採用後のミスマッチによる離職を減らすには、人材の能力・性格を可視化する適性検査の活用が必要不可欠です。
以下の記事では、自社の活躍社員に近い人材の見極めや、社風とのマッチ度を確認できる適性検査ツールを紹介しています。比較検討するときの参考にしてみてください。
柔軟に働ける労働環境が整っている
社員のライフスタイルや家庭状況に合わせて、柔軟な働き方が可能な制度を設けている点も、定着率の高い会社の特徴です。
具体的には、出退社時間を変更できるフレックスタイム制度や、会社から離れた場所で働ける環境(自宅、サテライトオフィスなど)を整えています。
厚生労働省の転職に関する調査では、転職先を選んだ理由として「労働条件が(賃金以外)よいから」と26.0%の人が回答しており、全体で2番目に多い回答でした。
また、転職後の労働時間・休日・休暇の満足度については、62.3%の人が「満足」「やや満足」と回答しています。
近年では、平日の勤務時間を延ばして休日を増やす「週休3日制」への関心も高まってきているなど、より社員のニーズに応じた労働環境の構築が求められます。
良好な人間関係が構築できている
社員が働きやすさを感じる要素の一つは、上司や同僚との「人間関係のよさ」です。
社内で良好な人間関係が構築できていれば、お互いにコミュニケーションを取りながら業務を進められるため、ストレスや不満を感じるケースが少なくなります。
厚生労働省の調査によれば、転職後の人間関係における満足度では、59.7%の人が「満足」「やや満足」と回答しています。
事業所規模1000人以上の企業では、64.1%の人が人間関係に満足していると回答しており、規模別のなかでもっとも満足度が高い結果となりました。
また、人事部門や上司による1on1ミーティングを通じて、定期的に意見交換を行っている点も、定着率の高い会社の特徴だと言えます。
以下の記事では、1on1ミーティングの概要や具体的な進め方を解説していますので、自社で実践するときの参考にしてみてください。
経済面をサポートしている
定着率の高い会社では、同業他社と比べて給与水準が高く、給与以外のインセンティブなども充実しており、成果に対応した報酬体系が整っています。
社員への経済的支援を行うことで、生活の質が高まるのと同時に会社に対する満足度も向上し、長期的な雇用関係を築きやすくなるのです。
厚生労働省の転職に関する調査では、転職先を選んだ理由として「賃金が高いから」と15.1%の人が回答しています。
また、転職後の賃金に関する満足度は、46.6%の人が「満足」「やや満足」と回答しており、約半数の人が満足感を得ていることがわかりました。
高い賃金の支給によって、社員のモチベーション向上も期待できますが、長期的な目線では、社内制度や労働環境の見直しも同時に進めることが重要です。
福利厚生が充実している
定着率の高い会社は、社会保険や通勤手当などの基本的な福利厚生に加え、社員の家族も対象とした多様な施策を行っています。
【福利厚生の具体例】
- 住宅手当・住宅ローン補助
- 育児・介護の休暇制度
- 社内託児所・保育所の設置
- 保養施設などの割引サービス
- 社内預金・財形貯蓄などの制度
福利厚生の充実度は、定着率に大きく関係します。
厚生労働省の転職者実態調査によれば、転職後の福利厚生に関する満足度において、53.2%の人が「満足」「やや満足」と回答しています。
また、事業所規模1000人以上の企業では、68.2%の人が福利厚生に満足していると回答しており、規模が大きいほど満足度も高いことがわかりました。
さまざまな視点から生活面を支援することで、社員は安心して仕事に取り組め、より集中して働ける環境を作り出せるのです。
健康増進の取り組みを行っている
健康増進に関する取り組みによって、社員の心身の健康を良好な状態に保ち、体調悪化やメンタル不調による休職・離職を抑えられます。
具体的な取り組みには、定期的な健康診断の実施やメンタルヘルスケアの実践、運動習慣プログラムの提供などがあります。
社員への「健康の意識づけ」をすることで、ストレスや疲労が蓄積しにくくなり、仕事のパフォーマンス向上にもつながるのです。
厚生労働省の転職に関する調査では、転職先を選んだ理由として「安全や衛生等の職場環境がよいから」と、全体で7.4%の人が回答しています。
また、転職後の職場環境に関する満足度は、59.6%の人が「満足」「やや満足」と回答しており、事業所規模が大きいほど満足度も高くなっています。
定着率の高い会社のメリット
「定着率の高い会社」の実現によって、以下のようなメリットが得られます。
社員が長く会社で働き続けることは、企業においても雇用の安定をもたらし、人材確保や組織運営の効率化にも大きく貢献します。
採用や教育のコストを削減できる
社員が離職せず定着することで、採用の頻度や人数を減らせるため、採用活動にかかるコストを削減できます。
また、社員への教育やトレーニングにかかる時間・費用も抑えられ、より専門性の高い研修を実施するなど、効率的な人材育成が可能になります。
就職みらい研究所の「就職白書2020」によると、一人当たりの平均採用コストは、新卒採用で96.3万円、中途採用で103.3万円だとわかりました。
教育コストについては、産労総合研究所の「教育研修費用の実態調査」によって公表されています。
2022年の実績では、社員一人当たり3万2412円の研修費用がかかっており、コロナ禍となった2020年の2万4841円から増加傾向です。
社員との長期的な雇用関係を築くことで、上記のような採用・教育コストを抑えられ、企業の経済面における安定性も確保できます。
以下の記事では、新卒における定着率低下の原因とその対策方法について詳しく解説しています。企業事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
働きやすさの実現により生産性が向上する
働きやすい環境が整うことで、社員はモチベーションを高めつつ、業務の質と効率のバランスを考えながら行動します。
その結果、組織全体の生産性向上につながり、社員一人ひとりが会社の利益につながるような働きをするのです。
たとえば、人間関係のストレスが少ない職場では、社員同士のコミュニケーションもスムーズで、問題に直面してもお互いに協力し合って仕事を進められます。
厚生労働省が公開している資料でも、働く苦労・障壁が小さい「働きやすさ」の実現によって定着率が改善され、生産性が向上することを示しています。
社員同士が会話をしやすい開放的なオフィスや、仕事の疲れを癒やすリフレッシュスペースなどハード面の環境改善も、働きやすさにつながる施策です。
企業イメージ向上で人材確保がしやすくなる
定着率の高さは、企業の働きやすさや制度の充実度を示す要素となるため、社外からも魅力的な企業だと認識され、人材が集まりやすくなります。
WebメディアやSNSを通じて、企業に対するポジティブな意見が広まれば、企業のブランドイメージの向上も期待できます。
また、実際に働いている社員の声や満足度を公開することも、社員を大切にしている姿勢や企業のよさをアピールする有効な手段です。
社会的責任を果たす企業としてイメージが強化されることで、広報活動にも有利に働き、より人材確保がしやすくなる好循環が生まれます。
定着率の低い会社のデメリットとは?
定着率の低い会社には、いくつかの共通するデメリットがあります。
主なデメリット | 企業への影響 |
離職者の増加により、新たな人材の採用が必要になる | 採用コストが増加する |
社員の入れ替わりによって、業務品質・効率が悪化する | 生産性が低下する |
定着率の低さが外部に広まり、企業イメージが低下する | 人材確保が困難になる |
定着率が低下する原因の一つは、キャリアパスの不明確さや昇進の見通しがないなど、成長・スキル習得の機会が限られているケースです。
とくに新入社員や若手社員は、将来的に活躍が期待できる人材として定着が望まれるため、成長を見据えた戦略が必要となります。
以下の記事では、若い人が定着しない会社の特徴と、改善に向けた取り組みを解説しています。定着率改善に取り組んでいる経営者や人事担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
定着率の高い会社が実践している取り組み
ここからは、定着率の高い会社が実践している取り組みについて、6つの事例を紹介します。
各事例を通じて、社員から「働きやすくて満足いく会社」と認められるように、定着率を向上させる戦略を検討していきましょう。
以下の記事でも、定着率を上げる方法や具体例を解説しています。よりよい取り組みを行うためにも、本記事と合わせて確認してみてください。
多様なニーズを踏まえた勤務制度
大手電力会社の四国電力では、社員の多様なライフスタイルやニーズに応えるため、以下のような柔軟な働き方を実現する制度を設けています。
主な制度 | 内容 |
時間単位休暇制度 | 有給休暇を1時間単位で取得可能 |
スライド勤務制度 | 始業・終業時刻を10分単位で繰り上げ・繰り下げ可能 |
フレックス勤務制度 | 日々の始業・終業時刻を柔軟に設定可能 |
連続休暇取得の積極推進 | 余暇充実や心身リフレッシュを目的に連続休暇取得を推進 |
在宅勤務 サテライトワーク制度 | 自宅や他事業所などでの業務が可能 |
オフィスカジュアル | モチベーションアップや自由な発想を生み出す雰囲気づくり |
また、人事部門による個別面談を実施したり、個人の特性・適性を重視した人員配置をしたりと、他にもさまざまな取り組みを実施中です。
同社の新卒社員における3年後の定着率は、97.5%と高い水準を維持しており、社員の満足度の高さも伺えます。
参考:よんでんグループ 統合報告書 2023(P58)|四国電力
キャリアパスを支援する人材育成制度
資材調達・供給などの事業を展開する三菱電機トレーディングでは、社員一人ひとりのキャリアパスを明確にする人材育成制度を構築しています。
毎年実施する「キャリア申告面談」で本人の希望や職務適性を確認し、社員が多様なキャリアから選択していく仕組みです。
各キャリアや職務にマッチした処遇体系も整えているため、賃金や労働条件に対する不満を感じにくい制度と言えます。
また、以下のような人材育成にも注力し、社員の成長をサポートしています。
主な制度 | 内容 |
専門スキル研修 | 資材や貿易、輸出入など、実務に必要な専門スキルを習得する研修 |
自己啓発支援制度 | 担当業務に活用できる講座や資格取得試験の費用補助 |
ICTスキル向上研修 | DXに対応するための自社講師によるICT教育 |
同社のさまざまな取り組みによって、入社3年後の定着率は90%と高い水準を維持しています。
参考:定着率90%の5つの理由丨三菱電機トレーディング株式会社
社員同士で称賛し合う文化づくり
半導体・部品テストシステム事業を行っているアドバンテストでは、人財マネジメントの一環として、従業員エンゲージメント(活力・熱意など)の向上に取り組んでいます。
その一つが「社員同士で称賛し合う」という文化を構築することです。
具体的には、日常業務でよい取り組みをした同僚がいたら紙のステッカーを渡し、称賛や感謝の気持ちを伝えるといった流れです。
また、社内での称賛や感謝を伝える「動画視聴」や「ワークショップ開催」を行い、ポジティブ体験の共有化も図っています。
同社では、働きがいのある職場環境づくりなどさまざまな施策によって、2022年度の離職率7.91%(定着率92.09%)と低い水準を実現しました。
従業員エンゲージメントが高い企業の取り組みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。実践するための手順も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
健康維持・増進を重視した健康経営
研究用機器などの販売を行っているアズワングループでは、社員とその家族が心身の健康維持・増進に取り組む「健康経営」を実践しています。
具体的な取り組みは、各種検診(人間ドック・乳がん検診など)やコミュニケーションツール運用、オフィス環境の整備などです。
心身の健康に不安を感じている社員に対しては、気軽に相談できるように社外の相談窓口を設けて、サポート体制の強化も図っています。
同社では、健康経営を含めたさまざまな取り組みを行い、2023年度の離職率は3.8%(定着率96.2%)と、2020年度から低水準を維持しています。
また、社員の健康や幸福(ウェルビーイング)を重視した「ウェルビーイング経営」という経営手法もあり、その基盤となるのが健康経営です。
以下の記事では、ウェルビーイング経営を実践している企業事例を多数紹介しています。自社の施策を検討するときの参考にしてみてください。
生活面を支える援助・貯蓄制度
大手塗料メーカーの関西ペイントでは、女性が活躍できる職場づくりや、社員の暮らしをサポートする制度の整備を行っています。
生活面を支える援助・貯蓄制度には、以下のようなものがあります。
住宅関連 | ・財形住宅制度 ・持家援助制度 ・住宅手当支給制度 ・賃貸住宅家賃補助制度 |
財産形成 | ・財形貯蓄制度 ・従業員持株会制度 |
退職後の備え | ・退職金 ・企業年金基金 ・財形年金 |
また、病気による休職制度や休職明けの職場復帰プログラムなど、万が一の備えが整っている点も、社員が安心して働けるための施策の一つです。
入社3年後における定着率は89.7%(2020年卒社員)と高い水準を実現しており、社員も働きやすさを感じている結果だと言えます。
AIなどテクノロジーを活用したDXの推進
ICT機器のリース事業などを展開するNECキャピタルソリューションでは、人材戦略の取り組みとして「テクノロジー活用による働き方改革」を実施しています。
具体的には、以下のようにデジタル技術を用いて「社員の働きやすさ」を追求するための取り組みです。
- 全社員にモバイルパソコンやスマートフォンを配備
- 自宅やサテライトオフィスなど、柔軟に働けるようIT環境を整備
- 承認プロセスの電子ワークフロー化の促進
- RPA(ロボットによる自動化)・AI活用によるDX活動の推進
上記を含め「働きがいを感じ、誇りに思える会社」への変革に取り組んだことで、2023年3月期の離職率は5.2%(定着率94.8%)と低い水準を実現しています。
近年注目を集めているAIですが、採用や人材マネジメントの人事面での活用も広まりつつあり、性格診断や適性検査がその代表例です。
リーディングマークが提供する適性検査やサーベイにおいても、ChatGPTを活用した「ミキワメAI」を導入し、分析の精度や効率が向上しています。
以下の記事では、ミキワメAIを開発した経緯や今後の展望などを解説していますので、AIに興味のある方はぜひご覧ください。
組織と社員個人の「心の健康状態」を見える化
デジタル戦略のコンサルティング事業を行っているペンシルでは、社員へ月1回エンゲージメントサーベイを配信し、組織・個人の「心の健康状態」を可視化しています。
前回からの急激なスコア変化やコメントの有無を確認して、社員一人ひとりへの対応方法をデータにもとづいて検討しました。
スコアが大きく変動している社員に対しては、マネージャーとの1on1ミーティングを通して不安や悩みを聞き出し、具体的なアクションを決めています。
また、社内異動のときにもエンゲージメントサーベイを活用しています。
社員本人が納得した異動だったにもかかわらず、異動後のスコアが低く出ていたため話を聞くと、実際には大きな負担を感じていたという事象もありました。
心の状態が可視化されたことで、社員へのフォロー方法や面談の仕方を見直し、スコアの改善にもつながっています。
同社の新卒社員の定着率は、直近3年合計(2024年4月時点)で100%となっており、社員に寄り添ったサポートが実を結んだ結果だと言えます。
働きがいのある環境をつくり、定着率の高い会社を目指そう
定着率の高い会社は、社員の入れ替わりが少ないため、熟練社員による技術継承がしやすいなど多くのメリットがあります。
【定着率の高い会社の特徴】
「働きがい」のある職場環境に整えることが、定着率の向上に直結し、さらに人材が集まりやすくなるといった好循環も生み出されます。
社員の意見やニーズを取り入れながら、働き続けたいと満足してもらえるような取り組みを検討し、実行に移していきましょう。
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