「ここで働きたい」と社員から選ばれる組織に。現場と人事が一体で動いた老舗小売店のサーベイ実践法|株式会社多慶屋

表面化しにくいメンタル不調を早期に検知し、適切にフォローする体制の整備
サーベイの回答率100%を維持。働きやすさや業務負担に関するスコアは顕著に改善し、職場環境に起因する離職も減少している。
「イイね!と笑顔の無限ループ」というバリューを掲げ、従業員満足度の向上とお客様への価値還元に挑む株式会社多慶屋。ミキワメAIの導入初期はケアが必要なメンバーの対応も手探りでしたが、徐々にメンバーの特性に合った関わりができるようになりました。今回はサーベイ回答率100%を維持し、職場環境に起因する離職を減少させたミキワメAIの活用法について、取締役常務執行役員の伊藤様と人事総務マネージャーの河田様にお話を伺います。
─── まずは、お二人の自己紹介と貴社の事業について教えてください。
伊藤氏: 取締役常務執行役員の伊藤と申します。入社32年目で多慶屋一筋でやってきました。弊社は東京・御徒町に1店舗を構える総合ディスカウントストアで、約170名のスタッフが在籍しています。食品から日用品、ブランド品、ジュエリー、リフォームまで幅広く取り扱っています。
河田氏: 人事総務部門でマネージャーを務めております河田と申します。私も入社して30年、叩き上げでやってきました。よろしくお願いいたします。
─── 貴社の「イイね!と笑顔の無限ループ」というバリューが印象的ですが、どのような想いが込められていますか?
伊藤氏:「安いだけ」「品物が多いだけ」のお店は他にもありますし、競合の会社は24時間営業です。そんな中で他の会社と多慶屋の差別化のポイントは、やはりスタッフの皆さんです。お客様から「多慶屋っていい会社だよね」と言われたり、スタッフも「本当にここで働けてよかった」と思えるような会社を目指しています。そのためにスタッフの皆さんが働きやすい環境作りへの投資を惜しまずに行っていきたいです。
組織問題の予兆を見逃さず先手を打った理由

─── ミキワメAI導入前、組織としてどのような問題意識をお持ちでしたか?
伊藤氏:きっかけはエンゲージメントの可視化への興味でした。過去に中国地方のスーパーマーケットを視察した際に、性格診断の結果を基にコミュニケーションを工夫しており、エンゲージメント向上のための取り組みの一つとして「いつか多慶屋でもやれたら」と営業管掌の執行役員と話をしていました。その後、本格的に導入検討を始めたきっかけは、営業時間の延長が決定し、現場社員の負担が増えそうだったことや、真面目で自分を責めてしまうタイプの社員が体調を崩すという出来事が重なったことでした。自分自身で周囲に助けを求められる人だけでなく、一人で抱え込んでしまう人達に対してどう関わるべきかを考えなおすきっかけとなり、サーベイの導入に至りました。
─── スタッフの皆さまへの効果的なケアを考える中で、「ミキワメAI」を導入された経緯を教えてください。
伊藤氏:実はリーディングマークとの最初の接点は「人事のための心理学入門」というウェビナーでした。京都大学出身の心理学の研究者がサービス開発に関わっているため、信頼できるサービスという印象を受けたことを覚えています。評価ポイントは大きく三つありました。一つは性格タイプの診断によって社員の性格特性や考え方の背景を知ることができること。もう一つはエンゲージメントの可視化ができること。そしてメンタル面のケアができること。これらの三つが揃っていたことが最終的な決め手でした。
ネガティブ退職は減少。スコアだけでない現場で感じた手応え
───ミキワメAIの導入後、組織にどのような変化がありましたか?
河田氏: 数字で言うと、営業時間が延長されたにもかかわらず、業務負担を含む全スコアが改善されています。もちろん給与や年間休日数の見直しや業務効率化などの環境を整えたことの効果もあるとは思います。しかしこれらの取り組みと並行してサーベイを運用し続けたことで、「自分たちの会社は確かに良くなっている」という実感を社員が持ったのではないかと感じています。
また、マネージャーやリーダーが心のゆとりを持ってメンバーに向き合えるようになったことも大きな変化でした。ミキワメAIには、メンバーの心身のコンディションを分析し、優先的にケアすべきメンバーを管理職へ知らせる機能があります。導入初期は、ケアが必要なメンバーの対応も手探りでした。しかし「この人はこういう性格の人なんだ」と客観的に理解できるようになったことで、段々とメンバーの特性に合った関わり方ができるようになりました。これは実際にやってみないと伝わりにくい効果だと思います。
伊藤氏: ネガティブな理由での離職は、直近ではほぼありません。定年や体力的な理由での離職はあるものの「この会社ではやっていられない」という形の離職はミキワメAIの導入後、確実に減っています。他社の組織診断でも「帰属意識」のスコアが100点に迫る点数が出ました。「多慶屋で働く」ということを社員が主体的に選んでくれていると感じています。
───このような成果につなげるために、運用面で意識したことはありますか?
河田氏: 一番意識したのはサーベイの目的を丁寧に伝え続けることです。人事メンバーだけでなく現場の責任者も参加して、人事課題を一緒に解決していく「人事プロジェクト」という取り組みがあります。100名以上のスタッフの状態を人事が一人ひとり把握することは難しいため、現場と人事が一緒に動くことが自然な文化として根づいています。ミキワメAIを検討する際も、まずはこのプロジェクト内で「本当に入れるべきか」「どんなハレーションが起きそうか」をディスカッションしながら進めました。その後伊藤から全社員に対して、サーベイは会社のためではなく社員のために導入しており、体温計のように自身のコンディションを確認し、もし悩みや相談があれば上司に話すきっかけにしてほしい、と我々の願いも伝えました。結果として約2年間サーベイの回答率は100%を維持しているため、社員にもサーベイの必要性や価値を感じてもらえているのではないかと思います。
「何をしたいのか?」目的をブラさないことが成功の鍵

─── 最後にミキワメAIの導入を検討している人事担当者へメッセージをお願いします。
伊藤氏: 我々もミキワメAIを使う上で意識し続けているのですが、「サーベイのスコアを上げることだけを目的にしない」ということを大事にしています。「自分の部署だけなんかダメではないか?」と考えるのではなく、「どうしてそのスコアをよくしなければならないのか?」「何をしたいのか?」を明確にし、それに沿って使いこなしてこそ、非常に有益なツールになると感じています。ミキワメAIはカスタマーサクセスの方が、導入の背景や目的を理解した上で伴走してくれるため心強いです。
河田氏:会社として目的が揃っていることが何より大切です。その目的に沿って取り組むことで、管理職も現場もサーベイを「自分たちに必要なもの」として活用できるのではないかと思います。私たちが2年間運用し続けてこられたのも、そこが一番の理由です。
───本日は貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました!