サーベイ

サーベイフィードバックとは?4つの効果と具体的な手順|事例も紹介

サーベイフィードバック_効果

「サーベイを実施しているものの、思ったような効果が出ていない」と悩んでいる経営者や、人事担当者の方もいるのではないでしょうか。

サーベイで得られた情報を有効活用するためには、調査結果の提示や従業員との対話によるフィードバックが欠かせません。

しかし、うまく施策につなげられていない要因は、サーベイ後に行うフィードバックの方法や手順が間違っている可能性があります。

そこで本記事では、サーベイフィードバックの概要や効果に加えて、具体的な実施の手順をわかりやすく解説しています。

実際に企業で取り入れている事例も紹介していますので、サーベイの効果を最大限に引き出すための参考にしてみてください。

サーベイフィードバックとは何か?

サーベイフィードバック_とは

サーベイフィードバックとは、従業員を対象とした調査(サーベイ)を行い、その結果を従業員にフィードバックして組織改善につなげる手法のことです。

企業におけるサーベイでは、組織に対する「満足度・貢献意欲・仕事」へのモチベーションを定量的に測定し、組織全体の状態を把握するために行われます。

その結果をもとにチームや従業員との対話を通して、理想の未来やアクションプランを決めることが、サーベイフィードバックの本質です。

たとえば、社内での情報共有がメールのみで、連絡の遅延やコミュニケーション不足が判明した場合、以下のような対策が打てます。

  • リアルタイムで情報共有ができる「社内ポータルサイト」を構築する
  • チームメンバー同士で会話できるような時間や場を設ける

従業員との対話からリアルな声を直接聞くことで、組織内の見えない課題が浮き彫りとなり、有効な対策が検討できます。

よく耳にするサーベイ【3種類】

サーベイ_種類

人事領域でよく活用されているサーベイには、以下の3種類が挙げられます。

種類概要企業事例
サーベイの成果企業名
エンゲージメントサーベイ従業員のエンゲージメント(組織への貢献意欲)の状態を把握するための調査仕事を休む従業員が「1日3〜4人」から「月1〜2人」まで減少未知株式会社
パルスサーベイ週1回や月1回の高頻度で、従業員の満足度やコンディションを測定する調査「ケアすべき人」を把握し、面談や業務調整によって離職を防止嘉穂無線ホールディングス株式会社
従業員サーベイ従業員に対してエンゲージメントや満足度などを総合的に測定する調査離職の傾向がある従業員をいち早く察知し、適切なケアができる体制を構築株式会社フォーラス&カンパニー
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以下より、各サーベイについて詳しく解説していきますので、自社の目的と照らし合わせながら、それぞれの特徴を確認してみましょう。

なお、サーベイの名称は、測定の対象・内容・方法によって命名されています。上記以外のサーベイをより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

サーベイ_種類_メリット_デメリット
サーベイの意味とは?10種類の解説と導入メリット・注意点を徹底調査!サーベイとは、社員の満足度や組織への信頼度を把握するための調査です。調査結果を分析し改善することで社員の満足度が向上します。本記事では10のサーベイ種類と導入するメリットを詳しく解説しています。...

エンゲージメントサーベイ

エンゲージメントサーベイは、従業員に対してエンゲージメント(組織への貢献意欲)に関する質問を行い、組織状態の可視化と分析を目的とした調査です。

そもそもエンゲージメントには以下の2種類が存在し、それぞれ概念が異なります。

種類概念
従業員エンゲージメント「組織のために貢献したい」と感じる意欲のこと
ワークエンゲージメント仕事に対してポジティブな感情を持ち、充実した心理状態であること

実際の調査では「組織のビジョンや価値観に共感しているか」や「仕事へのやりがいや意義を感じているか」といった質問で、組織との関係性を把握します。

サーベイによって、従業員が内に秘めている問題や課題を浮き彫りとなり「他部署でも同じことがないか」といった、社内での横展開も可能です。

エンゲージメントサーベイの成果例
未知株式会社では、従業員のエンゲージメントが低下し、仕事を休む人が1日3〜4人も発生する時期がありました。

そこで同社は、サーベイを導入して従業員の状態を把握し、会社への愛着や人間関係などの項目ごとに改善アクションを行いました。

改善の結果、従業員とのコミュニケーションが活発になり、仕事を休む人も月に1〜2人まで減少しています。

企業事例:未知株式会社様

エンゲージメントサーベイや各エンゲージメントの違いについては、別の記事で詳しく解説していますので確認してみてください。

パルスサーベイ

パルスサーベイは、従業員の満足度やコンディションを「週1回」や「月1回」といった、高頻度で調査を行う方法です。

短いスパンかつ定期的に調査が行えるため、施策後の効果・検証や、従業員の状態変化の把握に役立ちます。

たとえば、調査結果から従業員のスコア低下がみられた場合は、その原因を早期に特定して、迅速な対策やサポートが行えます。

パルスサーベイの成果例
嘉穂無線ホールディングス株式会社では、より離職者を減らすための施策として、従業員の心理状態の確認やケアができるパルスサーベイを導入しています。

各店舗の店長は、サーベイによって可視化された「心の状態」を確認し、従業員一人ひとりとコミュニケーションを取るように改善しました。

その結果「ケアすべき人」をひと目で把握できるようになり、対象者との面談や業務調整をしたことで、離職の防止につながっています。

企業事例:嘉穂無線ホールディングス株式会社様

パルスサーベイは「約5〜15問」と少ない質問数で実施することで、回答する従業員の負担を軽減できる点も特徴の一つです。

以下の記事では、パルスサーベイの概要や導入による効果を詳しく解説しています。よく使われるツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

パルスサーベイ_特徴_活用方法
パルスサーベイとは?導入するメリットと3つのツールを詳しく解説パルスサーベイとは、組織や社員のコンディションを高頻度で測定する調査です。リアルタイムなデータ収集と迅速な組織改善ができます。導入するメリットとおすすめのツール、活用時の注意点を解説します。...

従業員サーベイ

従業員サーベイとは、社内の従業員に対して、以下のような項目を総合的に測定する調査のことです。

  • 従業員満足度
  • エンゲージメント
  • ストレス
  • モチベーション
  • コミュニケーション
  • 職場環境

従業員サーベイの目的は、従業員の率直な意見やニーズを収集して、その結果を反映させた組織改善を行うことです。

また、従業員の状態を数値化させて、客観的な情報として活用する点も目的の一つです。

サーベイによる施策によって、自身の声が取り入れられたと従業員が実感することで、より組織の成功に貢献しようという意欲が高まります。

従業員サーベイの成果例
株式会社フォーラス&カンパニーでは、入社3年目を中心とした若い世代の離職が続いており、残った従業員への負担も増加していました。

そこで同社は、サーベイの結果から「ケアが必要な人」を把握して店長に伝達し、対象者から詳しい心境を聞くように改善しています。

従業員の現状が可視化されたことで、離職の傾向がある従業員をいち早く察知でき、適切なケアができる体制が構築されました。

企業事例:株式会社フォーラス&カンパニー様

従業員サーベイについて詳しく知りたい人事担当者の方は、以下の記事をご覧ください。導入から活用までの手順も解説しています。

従業員サーベイ_目的_メリット
従業員サーベイとは?実施する目的やメリットを解説【質問項目あり】従業員サーベイとは、社員の満足度やエンゲージメントなどを測定する総合的な調査のことです。組織や社員の課題を可視化して環境改善に活用できます。本記事では実施目的や特徴に加え質問例も紹介しています。...

なぜサーベイフィードバックが必要とされるのか?

サーベイフィードバック_なぜ_必要

サーベイフィードバックが必要とされるのは、以下のような理由が挙げられます。

  • 多様化する人材を一つにまとめるため
  • エンゲージメントを高めて、離職率の低下を図るため
  • 管理職の武器として活用するため

サーベイフィードバックで重要なプロセスは「従業員との対話」です。

従業員の意見や感じていることを丁寧に聞き出さなければ、エンゲージメントを高められるような取り組みが行えません。

日本経済団体連合会の調査によると、企業の若手層や中堅層の約3〜5割は、エンゲージメントが低い状況であることもわかっています。
参考:2023年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果(P25)|日本経済団体連合会

上記のような点からも、企業はエンゲージメントを高めるための方法として、従業員の本音を聞き出して対話する「サーベイフィードバック」が必要なのです。

サーベイフィードバックによる4つの効果

サーベイフィードバック_効果

サーベイフィードバックを確実に行うことで、以下の4つのような効果が期待できます。

上記の効果を得るためには、従業員と真剣に向き合い、対話を重ねることが重要です。

以下より、サーベイフィードバックによる効果を解説していきます。

エンゲージメントが高まり離職防止につながる

サーベイフィードバックの効果の一つは、従業員の意見やニーズを汲み取って改善することで、エンゲージメントが向上する点です。

従業員のエンゲージメントが高まり、自社への愛着が生まれれば「この企業で働き続けたい」と感じるようになり、離職の防止につながります。

ただし、サーベイの結果だけを鵜呑みにして施策を行っても効果がありません。

ありのままの結果を従業員に提示して「どのような取り組みをしたら働きやすい環境になると思うか」と、丁寧に対話することで初めて効果を発揮します。

実際に、キャリアアッププランの作成と年6回の個人面談を行った企業では、従業員の成長意欲やエンゲージメントが向上していることが調査によってわかりました。
参考:中小企業向け補助金・総合支援サイト(事例ナビ)|経済産業省

組織が従業員の声を真剣に受け止めることで、従業員も自身の意見が認められたと感じ、組織に忠誠心を持つようになります。

現状と課題の「見える化」によって改善策が立案できる

サーベイフィードバックによって、単なる面接やミーティングではわからない、組織の現状と課題が浮き彫りになります。

「表面的に見えるもの」と「潜在的に隠れているもの」をあらわす表現で、以下の図のような「氷山モデル」がよく使われます。

組織における「氷山モデル」の具体例は、以下のとおりです。

氷山の上
(表面的に見えるもの)
・従業員の能力
・職場の労働環境
・仕事内容
氷山の下
(潜在的に隠れているもの)
・コミュニケーションの取り方
・意思決定に対する納得感
・社内の暗黙的なルール

サーベイフィードバックを通して、組織の現状と課題が「見える化」されれば、根本的な問題要因の特定と、それを解決する改善策が議論できます。

従業員同士の良好な人間関係が構築できる

サーベイフィードバックでは、従業員同士の対話やチームミーティングが重要なプロセスです。

対話やミーティングを通して、活発にコミュニケーションを取ることで、従業員同士の信頼関係が構築されます。

良好な人間関係が構築されれば、悩みや不安を気軽に相談できるようになり、従業員のストレスや心理的な不安が軽減します。

なお、対話やミーティングは調査結果をもとに行いますが、問題の原因となる人物の特定や、相手をさげすむような発言は避けるべきです。

サーベイフィードバックは、従業員が感じている本質部分を聞き出すことを目的としているため、丁寧な言葉と親身になって対話する姿勢が大切です。

管理職のマネジメント能力が向上する

管理職によるサーベイフィードバックでは、部下に対するアドバイスや、今後の方針の説明が欠かせません。

そのため、部下やチーム内の従業員を納得させ、行動を促す必要があることから、フィードバックを通して管理職のマネジメント能力が高まります。

ただし、社会や組織の考え方は常に変化しており、マネジメントをする人の「勘」や「体験」が通用しない可能性もあります。

サーベイフィードバックの実践によって、データに裏付けされた情報をもとにマネジメントが可能となり、従業員からの納得感も得られやすいです。

また、定量的なデータから「経年変化」を使って対話することで、従業員一人ひとりの状況を把握し仮説を立てながらマネジメントができます。
参考:ミキワメ ウェルビーイングサーベイを活用したマネジメント手法

マネジメントについて詳しく知りたい人事担当者の方は、以下の記事をご覧ください。マネジメントに必要な能力やスキルの要件をわかりやすく解説しています。

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サーベイフィードバックの手順5ステップ

サーベイフィードバック_手順

ここからは、実際にサーベイフィードバックする手順について、立教大学の中原教授が執筆した書籍を参考に解説していきます。

基本ステップ手順
第1フェーズ見える化サーベイを実施する
結果の集計・分析を行い可視化する
第2フェーズガチ対話データを提示し社内で対話する
未来づくりアクションプランを検討し実行する
定期的なサーベイで組織状態を確認する

参考書籍:「データと対話」で職場を変える技術 サーベイ・フィードバック入門 これからの組織開発の教科書|株式会社PHP研究所

サーベイフィードバックは、調査・分析しただけでは意味がないため、従業員との対話を通して、潜在的な組織の問題を把握することが重要です。

以下より、各ステップを一つずつ解説していきます。

1:サーベイを実施する

まずは、サーベイを行う目的や対象者を決めて、適切な調査方法とツールを選定します。

目的を決めるときは、職場の問題や課題を従業員からヒアリングして、組織全体の現状を把握しておきましょう。

目的が不明確なままだと、サーベイを行っただけで勝手に問題が解決されるものだと勘違いし、組織の問題解決にはつながりません。

サーベイを行うときは、従業員に対して目的や調査方法を周知し、必ず理解を得てから実施しましょう。

2:結果の集計・分析を行い可視化する

続いて、調査した結果を集計し、組織の状態や傾向を分析・可視化します。

データの集計や分析を正確かつ効率的に行うために、適切なツールやソフトウェアを活用し、データの整合性を確保しましょう。

分析したデータは、誰でもひと目で判断できるように可視化して、情報をわかりやすく伝える点がポイントです。

サーベイツールの『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、調査した結果を組織全体や部署ごとに可視化できるため、ひと目で状況確認ができます。

ミキワメ_ウェルビーイングサーベイ_スコアリング

グラフやチャート、ダッシュボードなどの活用も、調査結果の直感的な理解につながります。

3:データを提示し社内で対話する

ここからは、基本ステップの第2フェーズ「ガチ対話」です。

サーベイで得られたデータを従業員に提示し、対話やチームミーティングを通してフィードバックを行います。

対話の手法としておすすめなのが、以下のような手順で行う「フィードバックミーティング」です。

手順内容
1目的説明職場やチームに関係するすべての人を集め、ミーティングの目的やアジェンダを説明する
2ミーティングルールの提示従業員が本音の対話をできるように、ミーティング内で守るべきルールを決める
3データの提示シンプルかつわかりやすい調査データをメンバーに提示する
4データに対する解釈データに対して従業員一人ひとりが日頃から思っていることや、感じていることを発言してもらう
5「未来」に向けた話し合い組織や自分自身の現状と「これからの未来はどのようにありたいのか」を話し合う
6アクションプランづくり明日から実行できる具体的なアクションプランを決める

話し合いをするときは、従業員の意見に対して親身になって耳を傾け、感情的な反応や批判を避けましょう。

4:アクションプランを検討し実行する

従業員との対話を通して「理想を実現するためにはどのような行動をすればよいか」を議論し、実際のアクションプランに落とし込んでいきます。

アクションプランの検討と実行においては、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

  • メンバー全員が関わるアクションプランを立てる
  • 達成可能な中長期のステップを決める
  • フォローし合いながらアクションプランを進める
  • 達成後はチーム内でねぎらいの言葉をかける

プラン実行時はチームリーダーを立てて、スケジュール設定やリソース確保の調整が必要不可欠です。

5:定期的なサーベイで組織状態を確認する

サーベイフィードバックは、一度だけ行って終了ではありません。

組織の状態は常に変化していくため、定期的にサーベイを実施して、継続的なモニタリングが必要です。

定期的に調査を行うには「パルスサーベイ」が適しており、週1回や月1回といった高頻度で組織状態が把握できます。

注意すべき点は、サーベイの頻度やタイミングを適切に設定しなければならないことです。

頻繁に行われるサーベイは従業員の負担を増やし、効果的なフィードバックを得られにくいです。

一方で実施間隔が長すぎると、組織内の課題や変化にいち早く対応することが困難になるため、自社に適した頻度とタイミングを見極めなければなりません。

ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』では、カスタマーサクセスチームによる企業特性に応じた「運用体制の構築」をサポートしています。

現在、無料トライアルも実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。

サーベイフィードバックで失敗しないためのポイント

サーベイフィードバック_失敗しない_ポイント

サーベイフィードバックで失敗しないためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

実施前には、従業員への説明を丁寧に行って参加を促し、協力を得ることが「成功のカギ」です。

以下より、サーベイフィードバック実施時のポイントを解説していきます。

結果を放置せず速やかにフィードバックする

従業員との対話を通して速やかにフィードバックすることで、組織の問題や従業員自身の改善点を把握し、つぎの行動に移せます。

しかし、データ収集だけ行って集計や分析をせず、そのまま放置されてしまうケースもあります。

放置されたデータは、従業員の環境変化やチームメンバーの交代によって、情報の鮮度が古くなり活用できません。

サーベイは従業員の協力を得て実施しているため、結果の速やかなフィードバックが通常のプロセスです。

速やかにフィードバックを行うことで、問題の早期発見と対処が可能となり、従業員のモチベーション維持にもつながります。

収集データを絞って作業負担を軽減させる

サーベイで収集する情報が多くなると、データの集計と分析に時間がかかり、人事部や管理職の作業負担が増加してしまいます。

そのため、前述した手順1の目的と照らし合わせて、収集すべき項目を選定し、必要以上の情報を求めないことも重要です。

収集するデータを絞ることは、集計する作業者だけではなく、回答する従業員にとっても負担を軽減する効果があります。

一度のサーベイでは、組織内すべての情報を収集することは困難なため、最小限の質問数で複数回に分けて行うことも有効な手段です。

長期的な視点で繰り返し行う

サーベイフィードバックを実施し、アクションプランを実行したとしても、すぐに効果が現れるわけではありません。

定期的なサーベイを通して「組織の状況や従業員のニーズが変化しているか」を把握し、フィードバックを繰り返し行うことで効果が現れてきます。

短期的な効果を期待して実施したとしても、時代や環境の変化に組織が適応できず、従業員の不満や離職率が増加するリスクもあります。

常に課題や問題は変化していくため、定期的にサーベイフィードバックを実施して、長期的な視点で組織改善に取り組むことが重要です。

サーベイフィードバックを実践する企業事例

サーベイフィードバック_実践_企業事例

サーベイフィードバックを実践している企業について、以下の2つの取り組みをご紹介します。

他社の取り組みを参考にすることで、自社でも同様の手法を導入できるか、その判断材料となります。

サーベイ結果をもとに従業員とのコミュニケーションを強化

グローバルソリューションサービス株式会社では、従業員の早期離職(入社後3年以内の離職)が課題でした。

早期離職の要因として考えられるのが、従業員が不満を感じていることに対して、適切なアプローチができていなかった点です。

そこで同社では、サーベイツールの『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』を導入し、従業員とのコミュニケーションの強化を図りました。

サーベイの結果から、ケアが必要な従業員に対してフィードバックを継続したことで、従業員の「本音や意見」を聞き出せる機会の増加につながっています。

その結果、20%だった離職率が13%にまで改善し、従業員のサポートもしやすくなりました。

企業事例|グローバルソリューションサービス株式会社様

パーパス(存在意義)浸透に向けた「1on1」の対話を実施

SOMPOホールディングス株式会社では、中長期的につながる企業価値の向上を目指し、パーパス(存在意義)浸透への取り組みを行っています。

その取り組みの一つ「人的資本への投資」のなかで、従業員の「MYパーパス」にもとづく対話を行い、エンゲージメントの向上を図りました。

同社では、組織内での対話や共有を重要視しており、とくに「1on1」の対話に重点を置いて実施しています。

従業員との対話が多い組織ほど、エンゲージメントが高い傾向が確認され、従業員一人ひとりのチャレンジ意識も高まっています。
参考:未実現財務価値の向上に向けて|SOMPOホールディングス株式会社

1on1ミーティング(対話)について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。ミーティングを効果的に進める手順も解説しています。

1on1ミーティングとは?効果的なやり方やコツについて紹介 最近では、若年層や新入社員の離職率の高さが懸念されています。仕事や人間関係の悩みを抱え、誰にも相談できずに退職してしまうケースも少なく...

まとめ:サーベイフィードバックは従業員との対話が成功のカギ

サーベイフィードバック_従業員_対話_成功

今回の記事では、サーベイフィードバックの概要や実施による効果を解説してきました。

サーベイフィードバックを効果的に進めるために、5つの手順をもう一度確認しておきましょう。

  1. サーベイを実施する
  2. 結果の集計・分析を行い可視化する
  3. データを提示し社内で対話する
  4. アクションプランを検討し実行する
  5. 定期的なサーベイで組織状態を確認する

サーベイの実施によって、組織や従業員が抱えている問題の把握につながり、労働環境を改善するような施策が検討できます。

しかし、サーベイの結果だけでは「表面的な課題」しか把握できません。

表面に見えていない「潜在的な課題」を把握するには、対話によるフィードバックが必要不可欠です。

「サーベイの効果が感じられない」と悩んでいる人事担当者の方は、長期的な視点でサーベイを継続し、従業員との対話を通して組織改善に努めていきましょう。

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