「活躍を期待して採用したのに、すぐに会社を辞めてしまう」
「会社の成長を担うリーダー層の人材が育たない」
こうした課題の背景には、“組織の状態が把握しづらい”という構造的な問題があります。そこで多くの企業が活用しているのが、職場の現状や実態を可視化できる「組織サーベイ」です。
ただ、組織サーベイを「どのような基準で選べばいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、大企業が組織サーベイを導入する理由や、企業の目的に合ったツールの選び方を徹底解説します。
- 大企業における組織サーベイの役割
- ツール選定で失敗しないための5つのポイント
- 目的別のおすすめ組織サーベイ12選
【離職防止・人材マネジメント・コミュニケーション活性化】
この記事を読むことで、自社の課題に合った組織サーベイを導入し、人的資本経営の推進や離職防止のツールとして活用できます。ぜひ最後までご覧ください。

大企業向けの組織サーベイ(組織診断)とは?
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組織サーベイ(組織診断)とは、従業員の満足度やエンゲージメント(会社への愛着・貢献意欲)などを調査し、組織の状態を数値化・可視化するツールのことです。
とくに大企業では、従業員数が多く部門も多岐にわたるため、経営層や人事が現場の状況を把握しにくい場合があります。
組織サーベイを活用することで、全社・部門・チームといった複数の視点から組織状態を把握し、的確な人事戦略を立案できます。
また、サーベイ結果を踏まえて1on1ミーティングを実施するなど、上司と部下のコミュニケーションツールとしても活用可能です。
組織サーベイは、単なるアンケート調査ではなく、「経験や感覚に頼りすぎない組織運営」を実現するためのツールと言えるでしょう。
以下の記事では、組織サーベイの概要や導入目的を詳しく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
大企業が組織サーベイを導入する5つの理由

大企業が組織サーベイを活用するのは、多様化・複雑化する組織課題をデータで可視化し、的確なマネジメントを行うためです。主な理由として、以下の5点が挙げられます。
また、大企業を中心にサーベイを導入する企業も増えており、301人以上の企業では約4割の導入率となっています。人的資本開示の本格化やリモートワークの定着など、外部環境の変化も導入を後押ししている要因と言えます。
参考:エンゲージメントサーベイの導入率と市場動向|ミキワメラボ
以下より、組織サーベイの導入理由について詳しく見ていきましょう。
職場環境の改善を通じて離職率を低下させるため
大企業が組織サーベイを導入するのは、従業員の離職や休職につながる要因を調査し、職場環境の改善につなげるためです。
多くの従業員を抱える大企業では、従業員一人ひとりの心理状態(不満、ストレス など)を把握しきれない場合も少なくありません。
しかし、サーベイを導入すれば、エンゲージメントスコアやストレス度合いなどの情報から離職リスクを可視化し、早期に改善策を講じることが可能です。
株式会社リーディングマークの調査によると、今後注力したい若手社員の離職防止策として、大企業の34.7%が「サーベイの導入」と回答しました。

このように、組織サーベイは「離職の未然防止」を目的とした人事施策として、多くの企業で重要な役割を担っています。
以下の記事では、人事が抱える課題と解決策について詳しく解説しています。具体的な離職防止策も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
次世代リーダーや次期管理職を育成するため
組織サーベイは、従業員の性格や行動特性などを可視化し、次世代リーダーや次期管理職の候補を発掘・育成するために活用できます。
従業員数が多い大企業では、リーダーシップを発揮できる人材を、直感や上司の印象だけで見極めるのは困難です。
組織サーベイを活用することで、チームをまとめる力や周囲への影響力、課題解決力などを定量的に把握し、リーダー候補として育成するかどうかを判断できます。
具体的には、以下のようなデータ活用を目的に、組織サーベイの導入が進んでいます。
- リーダーの適性がある人材を早期に把握し、育成プログラムに参加させる
- マネジメント層の課題を可視化し、教育や研修のテーマを明確にする
- 各部署のリーダー層の傾向を分析し、将来の人員配置に活用する
このようにデータに基づいた戦略を立てることで、感覚に頼らない公平な人材育成が可能となります。
部門間のコミュニケーション不足を解消するため
大企業では、部門ごとに業務が細分化されているため、従業員同士のつながりが弱くなる場合があります。そのため、部門間のコミュニケーションが不足し、情報共有の遅れや連携ミスが起こることも少なくありません。
しかし、組織サーベイを導入すれば「どの部署で連携がうまくいっていないのか」を客観的に把握し、以下のような施策を検討・実行できます。
- 部門横断のミーティングやワークショップを定期的に開催する
- 部門間のプロジェクトを立ち上げ、協働の機会を増やす
- 社内報や社内SNSを活用し、情報発信・共有の活性化を図る
サーベイ結果に基づいて社内のコミュニケーション活性化を図ることも、大企業が組織サーベイを導入する理由として挙げられます。
適材適所の人員配置を行うため
組織サーベイの導入理由として、多くの大企業で重視しているのが「適材適所の人員配置」を実現することです。
東洋経済の調査によると、経営層や人事労務に「人材マネジメント」に関する課題を質問したところ、人員配置を含む「人材戦略」が2番目に多い回答でした。
参考:組織・人材育成課題に関する調査を実施|東洋経済
この課題を解決するためには、従業員一人ひとりの性格特性や価値観を調査し、「どの環境・役割でもっとも力を発揮できるか」を客観的に把握する必要があります。
組織サーベイを導入することで、以下のような人員配置の最適化が可能になります。
- 調査結果から性格タイプを見極め、適したポジションに配置する
- チーム全体のバランス(能力・スキル など)を考慮したメンバー構成にする
- 異動・昇進時の判断材料として活用し、職場でのミスマッチを防ぐ
また、根拠に基づいた人員配置が実現すれば、従業員のモチベーション向上や離職防止にもつながります。
スピード感のある意思決定をするため
大企業では、一般的に意思決定のプロセスが複雑で、従業員の声が経営層に届くまでに時間がかかる傾向があります。そのため、現場の課題を素早く把握できず、会社としての対応が後手に回ってしまうケースも少なくありません。
組織サーベイを導入することで、経営層は現場の状況をタイムリーに把握し、データに基づいた迅速な意思決定が可能です。
【具体例】
- 調査結果をもとに、優先的にサポートが必要な部門を特定する
- エンゲージメントの低下や離職リスクを早期に察知する
- 調査結果をダッシュボードで共有し、経営・人事・現場がいつでも議論できる体制を構築する
このような施策を通じて、経営判断のスピードと精度を高めることで、変化の激しい市場環境にも柔軟に対応できるようになります。
以下の資料では、サーベイを活用した組織構築の方法を紹介しています。離職防止の成功事例など、人事必見の内容になっていますので、本記事と合わせてご活用ください。
>>「【実例から学ぶ】エンゲージメントサーベイによる組織構築」の資料をダウンロードする
大企業向け組織サーベイ(組織診断)を選ぶときのポイント
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組織サーベイを選ぶときは、データの処理能力や分析機能、セキュリティ体制など、いくつか導入前に確認すべき点があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
組織サーベイでは、結果を見る管理者が「現場でのアクションまで実行できる仕組みになっているか」が大切です。
とくに大企業だと利用する社員の人数が多くなります。ただ数字を集計するだけであったり、匿名回答で結局誰に何をすべきかわからなかったりすると、情報量だけ多くなり、その後の改善につなげられないという状況に陥りがちです。
サーベイを「管理する人数」と「受ける対象者数」を見比べ、改善のアクションまで実施できそうな機能が実装されているサービスを利用するのがおすすめです。
また、サーベイの選び方をまとめた別の記事もありますので、本記事と合わせて確認してみてください。
大規模なデータの処理・保存ができるか
大企業では、数千〜数万人の従業員データを扱います。そのため、組織サーベイを導入するときは、大量の回答データをスムーズに処理し、安全に保存できるかが重要な確認ポイントです。
たとえば、回答内容を自動的に集計するシステムであれば、結果を手作業でまとめる必要がなく、集計・分析にかかる手間を大幅に削減できます。
数万人規模の回答データを扱うときは、集計処理やアクセスが集中しても安定して稼働するクラウドサービスがおすすめです。
また、データの管理方法やバックアップ機能が整備されているかを確認し、システム障害が起きた場合でもデータ損失のリスクが低いツールを選びましょう。
部門別・年代別など多角的に分析できるか
組織サーベイを導入するときは、部署・職種・勤続年数・性別など、多様な切り口で分析できるかを確認しましょう。
大企業では、従業員の年齢層や所属部署が多岐にわたるため、回答データを単純に集計するだけでは現場の状況を正確に把握できません。
具体的なチェックポイントは以下のとおりです。
- 部署ごとのスコアを可視化し、課題や傾向を把握できるか
- 複数の条件を掛け合わせたクロス分析ができるか
- 前回のサーベイと比較し、組織状態の変化や施策の効果を検証できるか
このように多角的な分析ができるサーベイを導入することで、大企業特有の「部署ごと・年代ごとの考えの違い」を把握し、効果的な人事施策へとつなげられます。
過去データとの比較ができるか
組織サーベイを導入するときは、過去のサーベイ結果と比較しながら「組織状態の変化を追跡できるか」を確認しておきましょう。時系列でデータを蓄積・比較することで、組織の成長や改善策の効果を検証できます。
たとえば、前年と比較してエンゲージメントスコアが上昇していれば、施策の効果が出ていると判断できます。反対に、特定の部署だけスコアが低下していた場合は、その部署の課題に合った改善策が必要です。
とくに大企業は組織の規模が大きく、部署や職種ごとに状況が異なるため、属性ごとに過去データと比較できるかどうかが重要なポイントです。
また、経営層や現場リーダーが組織の状態を直感的に把握できるように、グラフ・レポート機能の有無も確認しておきましょう。
調査結果を踏まえた人事施策を立案できるか
組織サーベイの目的は、従業員の声を集めるだけではなく、得られたデータをもとに具体的な人事施策を立案・実行することです。
そのため、調査結果に基づいた改善アクションをどこまで設計・実行できるかが、ツール選定の大きなポイントになります。具体的には、以下の点を確認しておきましょう。
- サーベイ結果を自動で分析し、課題や傾向を可視化できるか
- 部署・職種などの属性別に課題を抽出し、的確な対策を立てられるか
- 課題に対する改善アクションのアドバイスが提供されるか
- 離職リスクやエンゲージメント低下などをアラートで検知できるか
組織サーベイを選定するときは、「分析・施策立案・実行・検証」の一連の流れを仕組み化できるかどうかを確認しましょう。
セキュリティ対策が施されているか
組織サーベイでは、従業員の心理状態や感情などセンシティブな情報を扱うため、導入時にセキュリティ対策が万全であるかも確認しておきましょう。
とくに大企業で情報漏えいなどの問題が起きてしまうと、企業ブランドの信頼低下や取引先の契約解除など、経営にも大きな影響を及ぼしかねません。
サーベイを導入するときは、システムの利便性だけでなく、セキュリティ体制がどの程度整備されているかを慎重に見極めることが重要です。
【主なチェックポイント】
- データベースに保存されている情報が暗号化されているか
- アクセス権限が厳密に管理され、第三者が閲覧できない仕組みになっているか
- 情報漏えい発生時の対応フロー(インシデント対応)が整っているか
このような点を事前に確認しておくことで、従業員が安心して回答できる環境を整えられ、結果的にサーベイの信頼性や精度の向上につながります。
大企業向け組織サーベイ4選【離職防止におすすめ】

ここからは、大企業に適したおすすめの組織サーベイを紹介します。
従業員の心理状態や離職リスクを可視化し、離職・休職の未然防止に活用できる4つのサービスをピックアップしました。
※以下の表は右にスクロールできます
| ツール名 | 特徴 | 費用(税込) | おすすめの活用方法 |
|---|---|---|---|
| ミキワメ ウェルビーイングサーベイ | ・組織全体の状態を可視化し、離職リスクを早期に発見できる ・従業員の性格特性に基づいたマネジメントが可能になる | 要問い合わせ | ・離職や休職の予兆のある従業員を把握し、上司との1on1を計画する ・サーベイの結果を人員配置(異動)の判断材料として活用する |
| Geppo | ・選び抜かれた3問で従業員のコンディションを確認できる ・職種や性別などのデータと組み合わせて分析できる | ・751〜1000人: 32万7800円 ・1001人以上:要問い合わせ (初期費用は無料) | ・離職リスクが高い部署を特定し、早期に面談やフォロー施策を実施する ・サーベイの結果をもとに、全社的な改善策を打ち出す |
| ラフールサーベイ | ・2種類のサーベイで組織と個人の状態を網羅的に把握できる ・課題に沿った改善策や対策が自動でフィードバックされる | 月額1万7600円〜 | ・部署や年代別に分析し、離職リスクの高い属性を特定する ・エンゲージメントスコアの変化を追跡し、施策の効果を検証する |
| HRBrain 組織診断サーベイ | ・期待と実感のギャップを測定し、潜在的な課題を特定できる ・分析結果から具体的なアクションレポートを自動生成する | 要問い合わせ | ・サーベイの結果を人材育成やマネジメントに活用する ・分析レポートの改善策を参考に具体的なアクションプランを検討する |
とくに大企業では、従業員一人ひとりの状態を把握しにくいため、業務負担の大きさやストレス状態を可視化できるサーベイがおすすめです。
以下より、各ツールの特徴を詳しく見ていきましょう。
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ|株式会社リーディングマーク

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 要問い合わせ ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・組織全体の状態を可視化し、離職リスクを早期に発見できる ・従業員の性格特性に基づいたマネジメントが可能になる |
| 公式ホームページ | https://mikiwame.com/well-being.html |
| 提供会社 | 株式会社リーディングマーク |
『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、従業員一人ひとりのコンディションを可視化し、性格傾向に基づいたケアで離職・休職を防ぐ実名式のサーベイです。
個人の結果だけではなく、部署ごとの傾向を分析・可視化できるため、大企業でも組織全体の状態を俯瞰してひと目で把握できます。ミキワメの具体的な活用手順は、以下のとおりです。
- 年1回の性格検査で従業員の特性を把握
- 月1回・週1回のペースでサーベイを配信
- ケアが必要な従業員を把握
- 人事・上司によるフォローの実施
ミキワメは、月1回や週1回といった高頻度で調査を行うパルスサーベイを採用しています。スコアに大きな変化が見られた従業員には、人事や上司から声かけを行うなど、問題が深刻化する前の対応が可能です。
さらに、従業員自身にもセルフマネジメントの方法が提供されます。ミキワメを導入することで、自律的に健康を維持できる仕組みを整えつつ、組織としてのサポート体制を強化できます。
- 離職・休職の予兆のある従業員を把握し、上司との1on1を計画する
- サーベイの結果を人員配置(異動)の判断材料として活用する
ミキワメの詳細については、以下の記事で解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
法令に準拠したストレスチェックも実施できる【無料】

『ミキワメウェルビーイングサーベイ』には、労働安全衛生法に完全準拠したストレスチェック機能(無料)があります。厚生労働省が推奨する57項目の検査に加え、組織分析に活用できる全80項目に対応しているのが特徴です。
サーベイの結果と組み合わせて活用することで、個人のストレス状態だけでなく、「どの部署でどのような課題が潜んでいるか」といった組織レベルの分析が可能になります。
検査はすべてウェブブラウザ上で完結し、専用ソフトのインストールは必要ありません。調査票の配布から回収・集計までを効率的に行えるため、人事担当者の負担を大幅に軽減できます。
『ミキワメ ストレスチェック』の詳細を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。具体的な特徴や導入手順をわかりやすく解説しています。
Geppo|株式会社リクルート

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用(税込) | ・初期費用:0円 【サーベイ利用料】 ・301〜500人: 21万7800円 ・501〜750人: 27万2800円 ・751〜1000人: 32万7800円 ・1001人以上:要問い合わせ |
| 特徴 | ・選び抜かれた3問で従業員のコンディションを確認できる ・職種や性別などのデータと組み合わせて分析できる |
| 公式ホームページ | https://www.geppo.jp/ |
| 提供会社 | 株式会社リクルート |
『Geppo(ゲッポウ)』は、リクルートの人材事業ノウハウを集結した組織サーベイで、個人の状態と組織の傾向を同時に可視化できるツールです。
高頻度で行う個人向けのサーベイは、選び抜かれた3問で構成されているシンプルな調査です。短時間で回答できるため、日々の業務で忙しい大企業でも、従業員に負担をかけずに調査できます。
質問項目は、リクルートが実施する大規模調査「全国就業実態パネル調査(JPSED)」のデータをもとに設計されています。そのため、退職・休職につながる要因を分析し、人事課題を網羅的に分析できる点が特徴です。
- 離職リスクが高い部署を特定し、早期に面談やフォロー施策を実施する
- サーベイの結果をもとに、全社的な改善策を打ち出す
ラフールサーベイ|株式会社ラフール

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用(税込) | 月額1万7600円〜 |
| 特徴 | ・2種類のサーベイで組織と個人の状態を網羅的に把握できる ・課題に沿った改善策や対策が自動でフィードバックされる |
| 公式ホームページ | https://survey.lafool.jp/ |
| 提供会社 | 株式会社ラフール |
『ラフールサーベイ』は、調査結果の根底にある要因を可視化し、次に取るべき施策がわかる組織改善ツールです。
個人に関する調査は、メンタルやフィジカルスコア、睡眠データを測定・分析し、健康管理に活用できる設計になっています。
一方、組織に関する調査では、以下の項目をもとに多角的に分析します。
- エンゲージメントスコア
- 仕事へのやりがい
- 職場の人間関係
- eNPS
- 離職・ハラスメントリスク
ダッシュボードでは、部署・年齢・入社歴など、細かく属性をわけてクロス分析ができます。そのため、大企業のように部門や拠点が多い組織でも、どの属性にどのような課題があるのかを定量的に把握できます。
- 部署や年代別に分析し、離職リスクの高い属性を特定する
- エンゲージメントスコアの変化を追跡し、施策の効果を検証する
HRBrain 組織診断サーベイ|株式会社HRBrain

出典:HRBrain 組織診断サーベイ|株式会社HRBrain
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用(税込) | 要問い合わせ ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・期待と実感のギャップを測定し、潜在的な課題を特定できる ・分析結果から具体的なアクションレポートを自動生成する |
| 公式ホームページ | https://www.hrbrain.jp/employee-experience |
| 提供会社 | 株式会社HRBrain |
『HRBrain 組織診断サーベイ』は、従業員の状態を定量的に把握し、人材データをもとに個人・組織の課題が分析できるサーベイです。大企業が直面しやすい以下のような課題を解決します。
- 従業員の離職による現場負担の増加
- エンゲージメント低下による業績への影響
- 組織の課題に適した施策が不明
HRBrainでは、従業員の「期待」と「実感」のギャップを測定し、その結果から組織の課題を特定します。表面的な満足度ではなく、実際にエンゲージメントに影響を与えている要因の抽出が可能です。
また、部署別・年齢別・役職別といった複数の軸でクロス分析を行うことで、統計手法も用いて「どの属性の離職リスクが高いのか」を明らかにできます。
- サーベイの結果を人材育成やマネジメントに活用する
- 分析レポートの改善策を参考に具体的なアクションプランを検討する
大企業向け組織サーベイ5選【人材マネジメントにおすすめ】

続いては、人材の活躍・成長を促進する組織サーベイを紹介します。
組織診断や人材データベースを活用し、人材の適正配置や育成、マネジメントができる5つのサービスを厳選しました。
※以下の表は右にスクロールできます
| ツール名 | 特徴 | 費用(税込) | おすすめの活用方法 |
|---|---|---|---|
| モチベーションクラウド | ・1万3000社以上のデータベースを活用した組織診断ができる ・エンゲージメントを「期待度」と「満足度」の2軸で可視化する | 初期費用+月額費用 | ・同業他社との比較分析を通じて、人的資本経営のKPI(指標)を設定する ・組織診断とパルスサーベイを組み合わせ、施策のPDCAサイクルを加速させる |
| カオナビ | ・人材データベースと連携し、評価や面談履歴を比較分析できる ・3つの最適な設問が設定済で、導入後すぐに調査ができる | 初期費用+月額費用 | ・人材情報とサーベイ結果を組み合わせて、離職リスクの高い従業員を特定する ・従業員情報と評価履歴をもとに、配置転換やキャリア開発の意思決定を行う |
| Wevox | ・約3分で完了するサーベイで、従業員に負担をかけない ・エンゲージメントを構成する9つの要素を可視化する | ・ベーシック:月額330円/人 ・スタンダード:月額660円/人 | ・定期的にサーベイを実施し、部署ごとのエンゲージメントをモニタリングする ・チームミーティングを行い、現場主導でエンゲージメント向上施策を実行する |
| SmartHRタレントマネジメント | ・人材データベースと連携し、属性に合わせたサーベイを配信する ・シンプルな操作で高度な分析やレポート作成ができる | 月額使用料のみ (初期費用・サポート費用は無料) | ・部署ごとに人材情報を整理し、活躍できそうなプロジェクトをアサインする ・人材データとサーベイ結果を連携させ、従業員の状態を多角的に分析する |
| HRMOSタレントマネジメント | ・専門家が設計した調査項目を標準搭載している ・従業員のやりがいと職務遂行度を4象限で可視化できる | 要問い合わせ | ・人材データを分析し、離職リスクの高い属性を早期に特定する ・採用や勤怠システムと連携し、採用から入社後のデータを一元管理する |
大企業では従業員数が多く、部署間の役割やスキルも多様化しているため、「誰を・どの部署で・どう活かすか」を正確に把握する仕組みが求められます。
以下より、各ツールの特徴を詳しく見ていきましょう。
モチベーションクラウド|株式会社リンクアンドモチベーション

出典:モチベーションクラウド|株式会社リンクアンドモチベーション
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 初期費用+月額費用 ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・1万3000社以上のデータベースを活用した組織診断ができる ・エンゲージメントを「期待度」と「満足度」の2軸で可視化する |
| 公式ホームページ | https://www.motivation-cloud.com/ |
| 提供会社 | 株式会社リンクアンドモチベーション |
『モチベーションクラウド』は、定期的な組織診断と、課題に基づいた変革支援を通じて、組織力・人材力を向上させるサーベイツールです。
以下の「診断」と「変革」のサイクルで組織課題を解決します。
- 診断:組織状態を「期待度」と「満足度」の二軸で可視化
- 変革:パルスサーベイを通じて組織改善の進捗を把握
また、他社比較・項目比較・属性比較など、さまざまな角度からの分析が可能です。そのため、大企業のように複数の拠点が存在する組織でも、部署ごとの課題や強みを把握できます。
- 同業他社との比較分析を通じて、人的資本経営のKPI(指標)を設定する
- 組織診断とパルスサーベイを組み合わせ、施策のPDCAサイクルを加速させる
組織力を向上させるためには、人材を効果的に統制・管理する「人材管理」が必要です。以下の記事で、具体的な方法や成功のポイントを解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
カオナビ|株式会社カオナビ

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 初期費用+月額費用 ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・人材データベースと連携し、評価や面談履歴を比較分析できる ・3つの最適な設問が設定済で、導入後すぐに調査ができる |
| 公式ホームページ | https://www.kaonavi.jp/ |
| 提供会社 | 株式会社カオナビ |
『カオナビ』は、大企業の人事戦略を支えるクラウド型タレントマネジメントシステム(人材データベース)で、組織サーベイの機能も備えています。
従業員の基本情報や評価履歴など、人材情報の一元管理に加えて、定期的なサーベイを通じて従業員のコンディションを可視化できます。組織サーベイでは、以下のような分析が可能です。
- ストレス状況の可視化
- エンゲージメント分析
- 労務負荷分析
- 離職防止分析
組織に関する膨大なデータを一元管理できるため、大企業のように部門構成が複雑な組織でも、現場ごとの課題や従業員の状態を正確に把握できます。
- 人材情報とサーベイ結果を組み合わせて、離職リスクの高い従業員を特定する
- 従業員情報と評価履歴をもとに、配置転換やキャリア開発の意思決定を行う
Wevox|株式会社アトラエ

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用(税込) | ・ベーシック:月額330円/人 ・スタンダード:月額660円/人 |
| 特徴 | ・約3分で完了するサーベイで、従業員に負担をかけない ・エンゲージメントを構成する9つの要素を可視化する |
| 公式ホームページ | https://get.wevox.io/ |
| 提供会社 | 株式会社アトラエ |
『Wevox』は、従業員のエンゲージメントを定期的に測定し、データに基づいて組織改善を推進できるサーベイツールです。
短時間(約3分)で回答できるパルスサーベイを採用しているため、従業員の負担を最小限に抑えながら、継続的な組織診断を実施できます。
また、収集したデータをもとに「どのチーム・どの属性でエンゲージメントが低下しているか」を分析できる機能も備わっています。
従業員数や拠点が多い大企業でも、組織の状態を見える化し、職場活性化のポイントを簡単に把握できるのが大きな特徴です。
- 定期的にサーベイを実施し、部署ごとのエンゲージメントをモニタリングする
- チームミーティングを行い、現場主導でエンゲージメント向上施策を実行する
SmartHRタレントマネジメント|株式会社SmartHR

出典:SmartHRタレントマネジメント|株式会社SmartHR
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 月額使用料のみ(初期費用・サポート費用は無料) ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・人材データベースと連携し、属性に合わせたサーベイを配信する ・シンプルな操作で高度な分析やレポート作成ができる |
| 公式ホームページ | https://smarthr.jp/function/talent-management/ |
| 提供会社 | 株式会社SmartHR |
『SmartHRタレントマネジメント』は、自然に蓄積した人材データを戦略人事に活用し、組織改善や経営判断をサポートするシステムです。
大企業にありがちな、「データが散在していて活用できない」「誰がどこで活躍しているかわからない」といった課題を解決します。
サーベイには、「人事評価」「就労環境」といったカテゴリ別の調査があらかじめ用意されているため、会社の方針に合わせて自由に選択して実施できます。
また、使いやすさにも配慮されており、パソコンやスマホから直感的に操作できるUI設計になっているのも特徴です。
- 部署ごとに人材情報を整理し、活躍できそうなプロジェクトをアサインする
- 人材データとサーベイ結果を連携させ、従業員の状態を多角的に分析する
HRMOSタレントマネジメント|株式会社ビズリーチ

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 要問い合わせ ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・専門家が設計した調査項目を標準搭載している ・従業員のやりがいと職務遂行度を4象限で可視化できる |
| 公式ホームページ | https://hrmos.co/hr/ |
| 提供会社 | 株式会社ビズリーチ |
『HRMOSタレントマネジメント』は、従業員の情報を管理するだけでなく、人事データを分析・活用し、適切な人員配置や離職率の改善に反映できるシステムです。
従業員一人ひとりのスキル・評価・キャリア履歴などを一元管理し、「誰が・どこで・どのように活躍できるか」をデータで可視化します。 主な特徴は以下のとおりです。
- 採用から入社手続きまでのプロセスを一括管理
- 目標設定や評価のフィードバックを効率化
- 従業員と組織の状況をリアルタイムで可視化
サーベイ機能では、従業員の回答をもとに「やりがい」と「職務遂行度」を4象限で可視化します。そのため、コンディションの変化から優先的に対応すべき従業員を把握し、適切なケアにつなげられます。
- 人材データを分析し、離職リスクの高い属性を早期に特定する
- 採用・勤怠システムと連携し、採用から入社後のデータを一元管理する
大企業向け組織サーベイ3選【コミュニケーション活性化におすすめ】

続いては、コミュニケーションの活性化に適した組織サーベイを紹介します。
サンクスカードで称賛の組織文化を構築できるツールや、独自の社内アプリを制作できるサービスをピックアップしました。
※以下の表は右にスクロールできます
| ツール名 | 特徴 | 費用 | おすすめの活用方法 |
|---|---|---|---|
| THANKS GIFT | ・サンクスカードで感謝の気持ちを気軽に送れる ・組織サーベイを通じて組織の課題を可視化できる | 初期費用+月額費用 | ・部門を越えて感謝を伝え合い、社内コミュニケーションの活性化を図る ・定期的にサーベイを配信し、離職リスクの高い部署を特定する |
| Yappli UNITE | ・自社専用のアプリをノーコードで運用できる ・ポイント機能で従業員の行動を促進できる | 初期費用+月額費用 | ・社内報や動画配信を通じて、経営者のメッセージを全社員に共有する ・社内アンケート機能を活用し、従業員の意見や満足度を把握する |
| HR OnBoard NEXT | ・5問のアンケートで従業員のコンディションを把握できる ・回答内容に合わせた推奨アクションが自動表示される | ・200〜299人:22万5000円/人 ・300人以上:要問い合わせ | ・離職リスクの高い従業員を発見し、迅速なフォローにつなげる ・従業員の回答データを1on1ミーティングの参考情報として活用する |
大企業では、情報共有の遅れやコミュニケーション不足が課題になりやすいため、従業員同士の関係性を深める仕組みが求められます。
以下より、各ツールの特徴を詳しく見ていきましょう。
THANKS GIFT|株式会社Take Action

出典:THANKS GIFT|株式会社Take Action
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 初期費用+月額費用 ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・サンクスカードで感謝の気持ちを気軽に送れる ・組織サーベイを通じて組織の課題を可視化できる |
| 公式ホームページ | https://thanks-gift.net/ |
| 提供会社 | 株式会社Take Action |
『THANKS GIFT』は、従業員同士の感謝や称賛のやり取りを仕組み化し、コミュニケーションを通じて強固で良質な人間関係を醸成するプラットフォームです。
サンクスカードやチャットを通じて「ありがとう」と伝え合うことで、感謝・称賛する組織文化を浸透させることが可能です。
また、組織サーベイの機能も備えており、離職リスクやエンゲージメント低下、コミュニケーション不足といった課題を定量的に把握できます。
850社を超える導入実績があり、上場企業や数千人規模の大企業でも多数導入されている信頼性の高いサービスです。
- 部門を越えて感謝を伝え合い、社内コミュニケーションの活性化を図る
- 定期的にサーベイを配信し、離職リスクの高い部署を特定する
以下の記事では、社内のコミュニケーションを活性化させるアイデアを多数紹介しています。サーベイを活用した成功事例もまとめていますので、本記事と合わせて確認してみてください。
Yappli UNITE|株式会社ヤプリ

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | 初期費用+月額費用 ※利用人数によって異なる |
| 特徴 | ・自社専用のアプリをノーコードで運用できる ・ポイント機能で従業員の行動を促進できる |
| 公式ホームページ | https://yapp.li/yappli-unite/ |
| 提供会社 | 株式会社ヤプリ |
『Yappli UNITE』は、企業の特性に合わせて独自の社内アプリを制作し、社内報や社内アンケートといった機能を自由に設定できるサービスです。
サーベイで組織の状態を計測・分析し、従業員エンゲージメントの向上に役立つ機能を設定することで、スピーディな組織改善を実現します。
また、従業員の日常行動を可視化する「出社ポイント」「サンクスポイント」を活用すれば、アプリの利用とポジティブな行動を促進できます。
- 社内報や動画配信を通じて、経営者のメッセージを全社員に共有する
- 社内アンケート機能を活用し、従業員の意見や満足度を把握する
HR OnBoard NEXT|エン株式会社

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 費用 | ・100〜199人:16万5000円/人 ・200〜299人:22万5000円/人 ・300人以上:要問い合わせ ※税表記なし |
| 特徴 | ・5問のアンケートで従業員のコンディションを把握できる ・回答内容に合わせた推奨アクションが自動表示される |
| 公式ホームページ | https://onboard-next.com/ |
| 提供会社 | エン株式会社 |
『HR OnBoard NEXT』は、毎月のアンケートを通じて従業員のコンディションを可視化し、一人ひとりに合わせた適切な対策やアドバイスがわかるツールです。
チャット形式で配信する5問のアンケートをもとに、従業員のコンディションを「晴れ・曇り・雨」といった天気マークで表示します。
人事や上司は、直感的に「どの社員・どのチームにフォローが必要か」を把握できます。そのため、大企業のように職場ごとの状況が見えにくい組織でも、従業員の変化をいち早く察知し、タイムリーな対応が可能です。
- 離職リスクの高い従業員を発見し、迅速なフォローにつなげる
- 従業員の回答データを1on1ミーティングの参考情報として活用する
大企業が組織サーベイを導入する3つのメリット

組織サーベイは、組織の健全性を評価し、経営や人事の意思決定を支えるツールです。大企業がサーベイを導入することで、3つのメリットが得られます。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
組織全体の状態をひと目で把握できる
組織サーベイを導入するメリットは、従業員の仕事への活力(エンゲージメント)や業務負担などを可視化し、組織全体の状態を俯瞰して把握できることです。
部門・拠点が多い大企業では、現場ごとの課題や雰囲気を把握しきれないケースも少なくありません。しかし、組織サーベイを活用すれば、属性ごと(部署・役職 など)の状況を数値化し、「どの部門にどのような課題があるのか」をひと目で確認できます。
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参考:『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』の管理画面
たとえば、エンゲージメントスコアやストレス度合い、上司への信頼感などの指標を分析すれば、従業員のコンディションの変化を早期に察知できます。
経営層にとっても、「現場を数字で理解する」ための重要な判断材料となり、データに基づいた意思決定が可能です。
離職リスクの早期発見につながる
組織サーベイを導入することで、従業員のモチベーション低下やストレスの蓄積を察知し、離職・休職につながるリスクを早期に発見できます。
とくに大企業では、従業員一人ひとりの変化に気づけない場合があるため、サーベイによる定点観測(モニタリング)が必要です。深刻な状態になる前に課題を把握することで、以下のような対応ができます。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 対応例 | 内容 |
|---|---|
| 個別フォローの実施 | ケアが必要な従業員を特定し、1on1ミーティングなどの個別フォローを行う |
| 職場環境の改善 | 離職リスクの高い部署を把握し、業務量の調整や人員配置の見直しを図る |
| マネジメント方法の見直し | 上司やチームリーダーとの関係性を分析し、指導方法や関わり方を見直す |
このように、組織サーベイを通じて個人・組織の両面から施策を行うことで、離職・休職が発生する前に対応できるようになります。
人的資本の情報開示に活用できる
有価証券を発行する上場企業など約4000社を対象に、2023年3月期の決算から、人的資本や多様性に関する情報の開示が義務化されました。
情報開示が求められる「人材育成」や「従業員エンゲージメント」は、いずれも定性的な要素が多く、客観的に評価・説明するのが難しい分野です。
しかし、組織サーベイを活用することで、従業員の成長に対する意識や組織への貢献意欲など、人的資本開示で必要とされる情報を収集できるのです。
サーベイで得たデータを評価指標(エンゲージメントスコア、離職率 など)として整理・活用すれば、人的資本開示における重要な根拠となります。
参考:「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について|金融庁
以下の資料では、従業員エンゲージメントを測定する方法や、具体的な活用方法を紹介しています。無料でダウンロードできますので、サーベイ導入時にご活用ください。
>>「従業員エンゲージメントを測る実践⽅法と向上の秘訣」の資料をダウンロードする
大企業が組織サーベイを導入するときの注意点

組織サーベイは、経営の意思決定にも活用できる有効なツールです。しかし、自社に合ったサーベイを導入しなければ、収集したデータを最大限に活かしきれません。
組織サーベイを導入するときは、以下の点を押さえておく必要があります。
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
目的に合ったサーベイを導入する
組織サーベイには、従業員の離職リスクを可視化するものや、人材マネジメントに活用できるものなど、さまざまな種類があります。そのため、まずは「何のためにサーベイを導入するのか」を明確にすることが重要です。
たとえば、離職率の高さに課題がある場合は、従業員のエンゲージメントや満足度、ストレスの要因を測定できるサーベイがおすすめです。
一方、マネジメント力の強化や人材育成を目的とする場合は、上司との信頼関係や成長実感、周囲のサポート状況などを可視化できるサーベイが適しています。
大企業では、部門ごとに課題や改善策が異なるため、目的に応じて「調査項目をカスタマイズできるかどうか」も導入時に確認しておきましょう。
事前に調査結果の活用方法を明確にしておく
組織サーベイを導入するときは、事前に調査結果を「どのような目的で」「誰が」「どのように活用するのか」を明確にしておくことが重要です。
結果をどう活用するか決まっていないと、具体的な改善アクションにつながらず、単なるアンケート調査で終わってしまう可能性があります。
たとえば、調査結果をもとに全社的な人事戦略を立案するのか、現場リーダーが職場環境の改善に活かすのかによって、分析の粒度や活用方針は大きく異なります。
とくに大企業では、部門ごとに結果の解釈や優先課題の判断に対して、バラつきが生じることも少なくありません。そのため、分析方法や評価基準を統一し、どのレベルの情報をどこまで活用するのかを明確にしておく必要があります。
サーベイ結果の分析方法や活用方法を知りたい方は、以下の記事を確認してみてください。具体例を用いてわかりやすく解説しています。
実名・匿名のどちらで実施するかを決める
組織サーベイには、「実名」と「匿名」の2つの回答方法があります。それぞれにメリットと注意点があるため、自社の目的に合わせて選択することが重要です。
実名式のサーベイは、コンディションが不安定な従業員を特定できるため、個人単位でのフォローや1on1面談などに活用できます。
しかし、人事評価への影響を懸念し、本音を言いにくいと感じる従業員も一定数います。事前に説明を行い、「回答内容は評価に一切反映しない」といった周知が必要です。
一方で匿名式のサーベイは、従業員が率直な意見を収集しやすく、組織全体の傾向や課題を把握するのに適しています。ただし、個人を特定できないため、具体的なフォローや個別サポートにはつなげられません。
大企業のように多くの従業員を抱える組織では、以下のように実名・匿名を使い分けることも検討してみましょう。
- 実名:パルスサーベイで従業員の状態を定点観測し、個別面談やケアにつなげる
- 匿名:全社的な満足度調査を行い、部署ごとの状態や傾向を把握する
以下の記事では、匿名式サーベイと実名式サーベイの特徴を詳しく解説しています。どちらで実施すべきか悩んでいる人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。
大企業における組織サーベイの導入事例

組織サーベイの導入事例として、離職防止や組織改善につながった2社の取り組みを紹介します。
どちらの企業も、組織の状態を可視化する仕組みを整えたことで、感覚や経験に頼らないマネジメントを実現しています。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 取り組み | 効果 |
|---|---|
| 従業員の気持ちの浮き沈みを組織サーベイで可視化 | ・感覚に頼っていた部分を、サーベイで客観的に把握できるようになった ・結果の活用方法を人事と相談するなど、部門を越えたコミュニケーションの活性化につながった |
| サーベイ結果から離職のリスクを未然に察知 | ・誰が会社を辞める可能性があるのか、事前に把握できるようになった ・個人に寄り添ったケアやサポートが可能になった |
それぞれの取り組みについて、詳しく見ていきましょう。
従業員の気持ちの浮き沈みを組織サーベイで可視化|ソディック
食品機械などの開発・販売を展開する株式会社ソディックでは、組織サーベイを導入する前から、従業員満足度サーベイを年1回実施していました。
しかし、従業員の気持ちの浮き沈みや、離職・休職につながる兆候を把握できず、「一人前に成長したタイミングで離職する可能性がある」といった懸念がありました。
そこで同社では、従業員一人ひとりの心理状態を把握するため、組織サーベイを導入しています。以下のような主観・感覚に頼っていた部分を、サーベイで客観的に把握するようにしています。
- メンバーの気持ちの浮き沈み(肌感覚で感じたとき)
- 残業が続いているときの状況確認
- 新しい仕事を任せたときの反応
組織サーベイを導入したことで、マネージャーが自らアクションを起こしたり、結果の活用方法を人事と相談したりと、部門を越えたコミュニケーションの活性化につながっています。
事例:人事だけでなく現場も積極的に活用したくなるミキワメの活用法|株式会社ソディック
サーベイ結果から離職のリスクを未然に察知|嘉穂無線ホールディングス
嘉穂無線ホールディングス株式会社は、福岡県を中心に約60店舗のホームセンターを運営しています。多くの現場を抱えているため、従業員一人ひとりの心理状態の変化や、離職の兆候を見逃してしまうリスクがありました。
そこで同社では、従業員の性格や強み、心理状態を可視化する『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』を導入しています。以下のような活用方法を実践し、どのくらい休職・離職を止められるかを検証しました。
- 従業員の心の状態を可視化
- 休職・離職する可能性を把握(ケアすべき人)
- 最優先ケア、かつスコアが悪化した従業員と面談
「離職を止めきれる」ところまではいっていませんが、誰が会社を辞める可能性があるのかを事前に把握し、適切なケアやサポートができるようになりました。今後は、人事データと組み合わせて、より個人に寄り添ったサポートを行う予定です。
事例:従業員の状態を可視化し、個々の強みを活かせる組織に|嘉穂無線ホールディングス株式会社
以下の記事では、従業員エンゲージメントの向上に成功したミキワメの活用事例を紹介しています。本記事と合わせて確認してみてください。
組織サーベイに関するよくある質問

組織サーベイに関する「よくある質問」について、以下の2点に回答します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Q1:組織サーベイにはどんな種類がある?
組織サーベイには、年1〜2回行う大規模な調査(センサス)と、月1回・週1回といった高頻度の調査(パルスサーベイ)の2種類があります。
※以下の表は右にスクロールできます
| 種類 | 特徴 | 実施頻度 | 活用例 |
|---|---|---|---|
| センサス | 従業員満足度やエンゲージメントなどを網羅的に測定する | 年1〜2回 | 組織全体の課題・状態を把握し、過去データと比較する |
| パルスサーベイ | 従業員のコンディションの変化を継続的に測定する | 月1回、週1回 | 業務負担の増加などを早期に発見し、離職防止に向けたサポートを行う |
どちらか一方の調査を行うのではなく、センサスとパルスサーベイの併用が理想的です。「組織全体を俯瞰する調査」と「日常をモニタリングする調査」の両面から、より精度の高い組織マネジメントが可能になります。
サーベイには、従業員サーベイやエンゲージメントサーベイといった名称の異なる調査が複数存在します。以下の記事で詳しく解説していますので、サーベイの種類を知りたい方は、本記事と合わせて確認してみてください。
Q2:組織サーベイで診断する項目は何?
組織サーベイの診断項目はツールによって異なりますが、一般的には以下のような要素を中心に測定します。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 要素 | 主な診断項目 |
|---|---|
| エンゲージメント | 仕事への活力、会社への貢献意欲、成長実感 など |
| 人間関係・コミュニケーション | チーム内の信頼関係、相談のしやすさ、心理的安全性 など |
| マネジメント | 上司との関係性、フィードバックの頻度、目標設定の明確さ など |
| キャリア・成長 | 自己成長の機会、スキル取得の支援、評価制度の納得感 など |
| 健康・ストレス | 心理的ストレス、身体的疲労、メンタルヘルス など |
これらの要素を総合的に測定・分析することで、従業員一人ひとりのコンディションや組織全体の状態を客観的に把握できます。
以下の記事では、サーベイの質問項目と質問例を詳しく解説しています。組織サーベイの導入を検討している方は、事前に確認してみてください。
まとめ:大企業の人的資本経営には組織サーベイが欠かせない

大企業が持続的に成長するためには、「人」を中心とした経営が不可欠です。
組織サーベイを活用することで、感覚や経験では捉えきれない組織の状態を可視化し、経営と現場をデータでつなぐ仕組みを構築できます。
本記事で紹介した組織サーベイ(目的別)を再確認しておきましょう。
多くの従業員を抱えている大企業では、一人ひとりの状態を把握するのが難しく、課題の早期発見や対策が遅れてしまう場合があります。
そのような事態を避けるためにも、定期的に組織サーベイを行い、データに基づいた組織改善を実施していきましょう。

従業員のメンタル状態の定期的な可視化・個々の性格に合わせたアドバイス提供を通じ、離職・休職を防ぐエンゲージメントサーベイ。無料トライアルの詳細は下記から。






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