新卒の採用において、適性検査を活用するとおおよその性格傾向を把握できますが、専門的な知識やスキルは可視化されません。
そのため実践的なスキルを求められるコンピュータ職において、SPIやGABといった一般的な知識や技能を問う適性検査では、材料として足りない場合があります。
コンピュータ職の職務適性をピンポイントで測定できるCABなら、この課題の解決が可能です。
本記事では、CABとはどのような適性検査か、実施目的や検査内容、実施ポイントを採用担当者の方向けに解説します。
CABについて理解を深めて、自社に導入する適性検査選びの参考にしてみてください。
適性検査のCABとは?
CABとは、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査の1つです。
Computer Aptitude Batteryの略称で、SEやプログラマーといったコンピュータ職への適性と性格傾向を測定できます。
CABには英語版もあるため、外国人エンジニアのようなグローバル人材の採用にも活用可能です。
コンピュータ職に必要な一般的な知識や能力は測定できますが、コーディングスキルやプログラミング言語にかかわる知識については測定できません。
下記の記事では、コンピュータ職だけでなく基本的な能力や性格傾向を測定できる適性検査を紹介していますので、参考にしてみてください。
CABの実施目的
CABの実施目的は、コンピュータ職に就いたことのない新卒を採用する際に、職種そのものへの適性があるかを事前に確認することです。
コンピュータ職の実務をこなすための基本的能力のある人材を採用できると、採用後のミスマッチや早期離脱を抑制できます。
なお、自社の社風や特性にマッチしているかを知りたい場合は、自社のミキワメがおすすめです。既存社員の分析を通して自社にマッチした人材を可視化できます。
コンピュータ職の実践的なスキルについて問う場合は、他のスキルチェックサービスを活用しましょう。
CABの結果からわかること
CABの結果からわかることは、主に次の3つです。
それぞれについてくわしく解説しますので、CAB導入の検討の参考にしてみてください。
コンピュータ関係職の適性
CABの検査結果から、下記の職種に対する適性が10段階で評価されます。
- プログラマー
- システムエンジニア
- カスタマーエンジニア
- プロジェクトマネージャー
職種への適性が可視化されることで、人材採用において定量的な判断が可能です。
9つの能力特性
CABの検査結果から、9つの能力特性が10段階で評価されます。
- ヴァイタリティ
- 人あたり
- チームワーク
- 創造的思考力
- 問題解決力
- 状況適応力
- プレッシャーへの耐力
- オーガナイズ能力
- 統率力
上記の能力特性から、チームの一員として能力を発揮できるか、あるいはチームを牽引する力があるか、どちらかの傾向をつかむことが可能です。
上記の特性によって、採用後の配置も変わってくるでしょう。
30項目のパーソナリティ特性
CABの検査結果から、下記の3つのカテゴリにおいて、合計30項目のパーソナリティが10段階で評価されます。
- 人との関係
- 考え方
- 感情・エネルギー
たとえば、「独自性」や「うつ傾向」のように、個人の細かな性格特性を把握できます。
CABと他の適性検査の違い
CABには、他の適性検査と違う特徴があります。
それぞれの違いを把握して、適性検査選びの参考にしてみてください。
CABと玉手箱の違い
CABと玉手箱は、どちらも日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。
CABはコンピュータ職に必要な基本的能力を測定する一方、玉手箱は一般的な職種にも必要な論理的思考力が問われる検査です。
玉手箱は、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供するSPIに近い総合的な適性検査で、SPIよりも高度な論理的思考力が求められます。
CABとGABの違い
CABとGABは、どちらも日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。
CABは、プログラマーやエンジニアといったコンピュータ職の職務適性を測定する一方、GABは職種を限定せず幅広い職務適性の測定ができます。
このようにCABとGABの大きな違いは、能力検査における対象の職務です。GABの検査内容については下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
CABとSPIの違い
SPIは 株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査であるため、CABとは提供元が異なります。
CABの能力検査はコンピュータ職に限定されますが、SPIではコンピュータ職に限定せず、基本的能力と性格傾向を測定します。
SPIでは一般的な国語や数学の知識・技能を問われるため、CABと比較すると難易度は高くありません。SPIの検査内容は下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
CABの検査内容
CABの検査内容は、大きく次の2つに分けられます。
以下では、それぞれの検査内容についてくわしく解説します。
能力検査
CABの能力検査では、次の4つ分野から問題が出題されます。
プログラミング言語の具体的な知識や技能を問われる問題はありませんが、コンピュータ職に共通して必要な論理的思考力や問題解決能力が問われます。
合格基準は企業によって異なるものの、一般的に5〜6割の得点が必要です。以下では、4つの分野で出題される問題の傾向について解説します。
暗算
CABの暗算分野では、基本的な四則演算の暗算問題が出題されます。
ペーパーテスト形式 | Web形式 | |
---|---|---|
問題数 | 50問 | 50問 |
制限時間 | 10分間 | 9分間 |
1問あたりの解答時間の目安 | 12秒 | 10.8秒 |
問題数は実施方法にかかわらず、共通して50問です。テストセンター形式の制限時間は10分間のため、1問あたり12秒で解く必要があります。
このように、CABの暗算分野では正確かつ素早い計算能力が問われます。
法則性
CABの法則性分野では、規則性を見つける問題が出題されます。
5つの図形がある一定の規則性のもとに並んでおり、空欄部分に当てはまる図形を規則性にしたがって選ぶという内容です。
ペーパーテスト形式 | Web形式 | |
---|---|---|
問題数 | 40問 | 30問 |
制限時間 | 15分間 | 12分間 |
1問あたりの解答時間の目安 | 22.5秒 | 24秒 |
CABの中でも難易度が高い問題でありながら制限時間が短く、ペーパーテスト形式では1問あたり22.5秒で解く必要があります。
コンピュータ職に必要な論理的思考能力や頭の回転スピードをチェックできます。
法則性は対策を積めば機械的に解答できるため、解答率から「どれくらい対策してきたか」という努力面も測ることが可能です。
命令表
CABの命令表分野では例示された命令にしたがって、図形を操作した時の最終形態を選ぶ問題が出題されます。
一連の命令は、前の命令をキャンセルするというように一筋縄ではいかず、忍耐力が求められます。
ペーパーテスト形式 | Web形式 | |
---|---|---|
問題数 | 50問 | 36問 |
制限時間 | 20分間 | 15分間 |
1問あたりの解答時間の目安 | 24秒 | 25秒 |
ペーパーテスト形式では1問あたり24秒の時間をかけられます。
ただ、命令を理解して命令通りに図形を動かすというように、頭の中での操作が多いため解答時間が長いとはいえません。
CABの命令表では、仕様変更への対応が必要なコンピュータ職に求められる対応力と忍耐力を見ることが可能です。
暗号
CABの暗号分野では、例示をもとに暗号を読み解き、スタートの図形の最終形態を選ぶ問題が出題されます。
ペーパーテスト形式 | Web形式 | |
---|---|---|
問題数 | 39問 | 30問 |
制限時間 | 20分間 | 16分間 |
1問あたりの解答時間の目安 | 30~31秒 | 32秒 |
ペーパーテスト形式では、1問あたり30〜31秒の解答時間をかけることが可能です。CABの中ではもっとも制限時間が長く、その分難易度も高い傾向にあります。
暗号では、暗号を読み解く論理的思考力と、暗号をもとに正しく図形を変換する問題解決能力が求められます。
性格検査(パーソナリティー)
CABの性格検査では、受検者の能力特性や性格傾向をつかむための問題が出題されます。
ペーパーテスト形式 | Web形式 | |
---|---|---|
問題数 | 68問 | 68問 |
制限時間 | 30分間 | 30分間 |
1問あたりの解答時間の目安 | 26~27秒 | 26~27秒 |
性格検査に限っては、ペーパーテスト形式とWeb形式どちらも同じ問題数・制限時間です。
CABの実施方法
CABの実施方法には、次の3種類があります。
実施方法によって問題数や制限時間、企業の準備の負担が異なります。それぞれについて理解を深めておきましょう。
Web-CAB|Web形式
Web-CABは、受検者が自宅のパソコンから受検するWeb形式の実施方法です。他の実施方法とは異なり、電卓の使用が認められている分、難易度が高い傾向にあります。
受検者を集める会場設営や監督の必要がないため、企業にとっては負担が小さいといえます。
C-CAB|Web形式(テストセンター)
C-CABは、受検者がテストセンターのパソコンから受検する実施方法です。
Web-CABと同じ問題構成かつパソコンを使用しますが、C-CABでは電卓の使用が認められていません。
C-CABでは英語言語能力を追加できるため、グローバル人材を求める企業にとって活用しやすい検査です。
ペーパーテスト形式
ペーパーテスト形式は、マークシートを用いた筆記検査です。Web-CABとC-CABに比べて問題数が多く、実施時間も長いのが特徴です。
実施企業が会場設営や監督を行うため手間がかかる一方、Web-CABとC-CABよりも受検者の不正を防ぎやすいメリットがあります。
CABの例題を確認する方法
CABを導入する前に、実際に問題内容をチェックしたい場合は、次の方法が有効です。
問題内容を見て、企業が求める能力を測定できるかを確認してみましょう。
また、CABを含めた適性検査の対策方法は以下の記事をご覧ください。対策すべき理由も含めて解説しています。
対策問題集
CABの対策問題集を購入すると、能力検査の全体像をつかめます。
- CAB・GAB 完全対策 2025年度版 (就活ネットワークの就職試験完全対策)
- これが本当のCAB・GABだ! 2024年度版 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】 (本当の就職テスト)
上記2冊はGABの問題も扱っているため、CABとGABを検討中の企業に最適です。
スマホアプリ
CABの問題を扱っているスマホアプリなら、手軽に問題内容を確認できます。
400〜450円で購入できるため、問題集よりもお得に利用が可能です。
練習サイト
CABの問題をチェックするには、無料でCABの問題に挑戦できる練習サイトの活用も適しています。
どちらも無料で利用できますので、チェックしてみましょう。
CABだけでは判断できない!自社に合った人材を獲得するポイント
CABはコンピュータ職の基礎能力を測定するのに最適ですが、その結果だけでは自社に合った人材かは判断できません。
そこで、自社に合った人材を獲得するために次のポイントを押さえることが大切です。
上記2点について、人材採用における適性検査選びの参考にしてみてください。
他の適性検査と併用する
CABで測定できるのは、あくまでコンピュータ職に必要な基本的な能力です。
そこで他の適性検査を併用すると、ミスマッチを防げる確率が上がります。
CABで得られた職務適性データをもとにスクリーニングを行い、自社のデータをインプットしたミキワメで性格傾向を深掘りすることで、より自社にマッチした人材の可視化が可能です。
ミキワメは採用後の配置決めにも活用できますので、選択肢の1つとして検討してみてください。
適性検査を導入後、適切に使いこなす方法について解説した記事もありますので、CABの導入前にぜひご一読ください。
他のスキルチェックツールも検討する
企業によっては、CABで測定できる基本的な能力より、さらに専門的な能力レベルを知りたい場合があるでしょう。
その場合は、他のスキルチェックサービスも検討してみることをおすすめします。
スキルチェックサービス | 特徴 |
---|---|
TOPSIC | ・コーディネートスキルを可視化できる ・50以上のプログラミング言語に対応している |
Track Test | ・基礎的知識だけでなくプログラミングの実務力を測定できる ・ソフトウェア開発や保守・運用といった4つのカテゴリから、自社に合った問題を作成できる |
エンジニアやプログラマーの採用において、実践的なスキルが採用候補者にあるかを事前に知りたい場合は、上記のようなサービスが最適です。
優秀な学生を採用するために適性検査をお探しの方は、適性検査の実践的な使い方を扱っている下記の記事もご覧になってみてください。
まとめ:CABを理解して適切な適性検査を導入しよう
CABは、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査の1つで、コンピュータ職の職務適性と性格傾向を測定できます。
検査結果からは次の3つがわかり、効率的なスクリーニングに活用が可能です。
コンピュータ職に必要な基本的能力を測定できる一方、人材採用における判断材料として不足している可能性があります。
求める要素 | 方法 |
---|---|
自社にマッチした人材かを判断したい | 他の適性検査と併用する |
より専門的な知識と技能を測定したい | 他のスキルチェックツールも検討する |
上記の方法によって判断材料を増やすことができ、自社にマッチした人材の採用確率が高まります。
「自社にマッチした人材かを判断したい」とお考えの場合は、株式会社リーディングマークが提供するミキワメをご検討ください。
ミキワメなら自社の社風や部署ごとの雰囲気を自動で分析し、適切な性格傾向を見極められます。
採用基準の作成からカスタマーサクセスチームがサポートいたしますので、適性検査の導入経験がなくても安心してご利用いただけます。
まずは無料でミキワメを体験いただき、検査内容を確認してみてください。
ミキワメは、候補者が活躍できる人材かどうかを500円で見極める適性検査です。
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