ミキワメで見えてきた、オンライン時代の社員ケア。対面でのコミュニケーションが減った中でも離職者が半減
お客様先への常駐が多く、コロナ禍後には対面でのコミュニケーション量が減ったため、メンバーの本音を引き出せていなかった。
業務報告書などからは見えないメンバーのメンタル不調を事前に察知できる体制が整えられた。
株式会社サイバーネーションは東京都新宿区高田馬場に拠点を構え、インフラ構築やシステム運用・開発、またグローバルICTサービスを展開する企業です。
「Commitment(責任約束)・Involvement(積極的参加)・Inspiration(尊重感化)」の3つのValueを持ち、企業価値の創出を目指しています。
今回は代表の石野様と英語アドバイザーの上脇様にミキワメを導入した背景や実際に使ってみてからのお話をお伺いしました。
導入前の状況
当社では以前から、エルダー制度を導入していました。ICT業界の特性上、社員が客先に常駐することも多く、日々の状況確認が難しかったんです。そのため、エルダーが月に少なくとも1回は、担当の若手社員と面談を行い、フォローする体制を整えていました。コロナ禍前は飲み会なども活発で、対面でのコミュニケーションが取れており、本音で語り合う機会も多かったため大きな問題は顕在化していませんでした。
しかし、コロナ禍でリモートワークが増えると、状況が一変しました。対面でのフォローができなくなり、問題が発生してから発覚・対応するという後手の対応になってしまったんです。エルダー自身も、オンラインでどうフォローすればいいのか戸惑っていました。その状況下でも前までと近しい状況をつくろうとオンライン飲み会なども試しましたが、本音を引き出すのは難しかったですね。
導入の決め手
当社ではウェルビーイング経営に積極的に取り組んでいます。会社のそんな中、『ウェルビーイング ツール』でネット検索をしていたところ、ミキワメに出会いました。他のサービスは新入社員に絞ったフォローに特化しているものが多かったのですが、ミキワメは既存社員も含めた全社的な活用ができそうだと感じました。社員の回答も思ったより簡単にできるので、負担が少ないのがいいですね。ただ、結果の見方は、要素が多く少し複雑なのでレクチャーが必要だと感じました。でも、これは逆に言えば、詳細な分析ができるツールだということの裏返しだと思います。見る場所も絞れば現場のマネジメント層も理解できそうだなという印象でした。
ミキワメの活用方法
現在は、毎月のエルダーミーティングでミキワメの結果を活用しています。エルダーには『十分なフォローができていれば、必ずしもミキワメを使う必要はない』と伝えていますが、多くのエルダーが補足ツールとして利用しています。
元々当社では毎月月次報告書を提出するという仕組みがありました。メンバーが各個人の業務状況や人間関係についてまとめてエルダーに提出し、エルダーはメンバーの月次報告書も踏まえたうえで、自分の管轄範囲内のことを報告書としてまとめているんです。もちろんこの報告書の中に人間関係やメンタル面などの、ミキワメと項目がかぶってしまうものもあるのですが、テキストでの情報だけだと見えないものもたくさんあってしまい、オンラインが増えて以降は問題を未然に防ぐということができていませんでした。今ではこういった月次報告書だけでは把握しきれない部分を補完する役割としてミキワメを活用しています。
導入後の変化・現場の声
導入後、メンタルヘルスの問題を早期に察知できる体制が整いました。まだ予防的な対応までは至っていませんが、問題が大きくなる前に気づけるようになったと思います。
特に効果を感じているのは、人間関係の問題への対応です。ある社員の場合、ミキワメの結果から上長が変更されたタイミングで不調になっていることが分かり、人材配置の変更で改善できました。このように、社員の努力だけでは解決できない問題に対して、会社としてテコ入れできるようになったんです。
こういった各個人の些細な変化にも気づけるように、導入後早いタイミングでエルダーにサーベイ結果の閲覧権限を渡していました。 そのうえで状態が良くない方に対しては1on1を実施するようにし、リモートでのコミュニケーションの希薄化もカバーできるような体制を作っていました。
こういった取り組みもあってか導入してから半年経過した時には、前までは月に1名はいた退職者が今では2ヶ月に1名にまで減少させることができました。偏に上述したようなメンタルヘルスの問題を想起に察知できるようになった結果なのではないかなと思います。
もちろんこの半年の間には一部の社員からの反発もありました。でも、会社の方針として粘り強く続けていくことで、今では多くの社員に受け入れられています。
今後も取り組みたいこと
今後は、ミキワメの結果をより積極的に活用していきたいですね。現状では月次報告書の内容がメインの参照情報になっていますが、ミキワメの詳細な分析機能を活用することで、より深い洞察が得られると期待しています。
また、優先ケア・最優先ケアに該当する社員へのアプローチも強化していきたいと考えています。現在は課長がアプローチしていますが、このプロセスをさらに体系化し、効果的なフォローアップにつなげていきたいですね。
ただ、今もこの先も「ミキワメをうまく使うこと」が目的なのではなく、「従業員のウェルビーイングが維持される」ことが目的なので、そこはぶらさずに体制を作っていければと思っています。
どんな企業にミキワメをおすすめしたいか
特にお勧めしたいのは、在宅勤務が多く、現場の様子が見えにくくなった企業です。対面で感じ取れていた肌感覚や、日常的なコミュニケーションが薄くなっている状況下では、ミキワメのような客観的なデータに基づくツールが非常に有効だと思います。
ミキワメは単なる調査ツールではありません。社員の声に耳を傾け、組織の健康状態を可視化し、適切なアクションにつなげるためのパートナーだと感じています。リモートワーク時代の新しい社員ケアの形として、ぜひ多くの企業に活用していただきたいですね。