働き方が多様化する中で、職場内のコミュニケーション状況や、社員のコンディション把握に苦労している人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
こうした状況で役立つのが「組織サーベイ」です。組織サーベイを導入することで、社員のエンゲージメントや企業理念・経営方針の浸透度合いを測定し、組織改善の施策に反映できます。
本記事では、組織サーベイに関する以下の内容をわかりやすく解説します。
- 組織サーベイの概要・他のサーベイとの違い
- 組織サーベイを導入するメリット・デメリット
- 導入から活用までの手順【おすすめサービス3選も紹介】
この記事を読むことで、組織サーベイの基本的な仕組みや活用方法を理解し、離職防止や組織改善の実践的なポイントを把握できます。ぜひ最後までご覧ください。

組織サーベイとは?

組織サーベイとは、組織と個人に「どのような課題や問題があるのか」を可視化し、客観的な指標として組織改善に活用する調査です。
近年では、リモートワークや時短勤務などの導入が進み、社員一人ひとりの状態(コンディションやメンタル状況)を把握しにくくなってきました。こうした背景から、組織サーベイを活用した職場の現状把握や課題の早期発見が、ますます重要になっています。
一般的にアンケート形式の調査を行い、以下のような項目を測定します。
- 企業が思い描く理想と現状のギャップ
- 企業理念や経営方針の浸透度合い
- 社員のエンゲージメント
- 社員のコンディションやモチベーション
社員のリアルな声や不満を施策に反映させることで、働きやすい環境づくりや離職防止、エンゲージメント向上につなげられます。
組織サーベイとアンケートの違い
組織サーベイとアンケートは「調査」という点では似たような手法ですが、以下のように目的と質問形式に違いがあります。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
種類 | 特徴 |
---|---|
組織サーベイ | ・企業や組織の状態を測定するための調査 ・個人の特性や傾向に応じた質問形式 |
アンケート | ・個人の意見や情報を集めるための調査 ・特定のテーマに沿った質問形式(どの対象者も同じ内容) |
アンケートは、特定のテーマに対して簡易的に情報を収集するため、組織の課題解決には直接つながりません。
一方で組織サーベイは、社員の意見を幅広く収集し、組織の状態を把握・分析します。そのため、組織課題の原因を特定し、改善施策に活かすための基礎データとして活用できます。
組織サーベイ以外のサーベイの特徴・違い【5種類】

サーベイには、組織サーベイ以外にも目的に応じたさまざまな種類があります。主なサーベイと、その特徴は以下のとおりです。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
種類 | 特徴 | 主な目的 |
---|---|---|
エンゲージメントサーベイ | 「会社への貢献意欲」や「仕事への活力」を測定する調査 | ・経営理念が共感される組織文化を構築する ・エンゲージメント向上施策に活用する |
パルスサーベイ | 定期的に短いスパンで実施する調査(調査頻度による名称) | ・課題の早期発見と改善を行う ・社員の心理状態の変化をモニタリングする |
従業員サーベイ | 社員の意見やニーズを幅広く把握するための調査 | ・組織全体の状況を網羅的に把握する ・職場づくりの施策に活用する |
ESサーベイ | 会社の制度や働き方に対する満足度を測る調査 | ・働きやすい職場をつくり、社員の不満を解消する ・待遇や評価への満足度を高める |
モラールサーベイ | 社員の士気や労働意欲を測定する調査 | ・モチベーション向上の施策に活用する ・前向きに働ける組織風土を構築する |
以下より、それぞれのサーベイの特徴を詳しく解説します。
なお、上記以外にも「コンプライアンス意識調査」や「ストレスチェック」などもあります。以下の記事では、11種類のサーベイを詳しく解説していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイは、社員が「会社にどれだけ貢献したいと感じているか」を測定する調査です。「会社への貢献意欲」や「仕事への活力」を可視化し、職場環境の改善や人材定着の戦略に活用することが主な目的です。
単に社員の満足度を測定するだけでなく、働きがいに焦点を当てて調査を行います。以下のような質問を通して、エンゲージメントスコアを算出します。
【質問例】
- 現在の仕事にやりがいを感じていますか?
- 自分の仕事が会社の目標達成に貢献していると感じますか?
- これからもこの会社で働き続けたいと思いますか?
調査結果からスコアの低い部署(または個人)を把握することで、その原因を深掘りし、組織活性化の施策を検討できます。
以下の記事では、エンゲージメントサーベイを導入するメリットや、実施・活用の手順を解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。

パルスサーベイ
パルスサーベイは、社員の状態(コンディションや満足度)を高頻度で測定するサーベイです。
主に、心理状態の変化をモニタリングしたり、ケアが必要な社員を把握したりするときに活用されています。具体的には、5〜15問程度の質問で構成された調査を、週次や月次の頻度・タイミングで実施します。
年1回の大規模な調査とは異なり、日常のコミュニケーションでは見えにくい変化をタイムリーに把握できる点が特徴です。
以下の記事では、パルスサーベイの特徴やデータの活用方法を詳しく解説しています。企業の導入事例も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

従業員サーベイ
従業員サーベイは、社員の意見やニーズを幅広く収集する調査です。従業員満足度や組織文化への理解・共感度など、多角的な視点で組織と社員の状態を可視化します。
調査範囲が広範囲にわたるため、テーマごとに調査を行うなど、社員の負担を軽減する工夫も必要です。
【テーマ例】
- 働きやすさ(職場環境、労働時間、社内制度)
- 人間関係(上司・同僚との関係性、チームワーク)
- 評価制度(公正さ、納得感、評価基準の明確さ)
- 仕事のやりがい(目標への共感、自身の成長実感)
- 待遇(給与・賞与、休暇制度、福利厚生)
従業員サーベイは全社的な課題を把握できるため、経営層や人事も「どこに改善の余地があるか」を認識しやすくなります。
以下の記事では、従業員サーベイの特徴や実施の手順を詳しく解説しています。企業の導入事例も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

ESサーベイ
ESサーベイ(従業員満足度サーベイ)は、社員が「会社や職場にどれだけ満足して働けているか」を測る調査です。以下のような質問を通して、満足度を数値化します。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
テーマ | 質問例 |
---|---|
職場環境 | ・職場の作業環境は快適だと感じますか? ・与えられる業務量は適切だと思いますか? |
人間関係 | ・上司からの声かけやサポートはありますか? ・あなたの意見を尊重してくれる雰囲気はありますか? |
待遇・制度 | ・現在の給与水準に満足していますか? ・休暇を取得しやすい環境だと感じますか? |
これらのデータを活用すれば、職場環境や人間関係、待遇面における課題が明確になり、社員の不満を解消する具体的な施策が検討できます。その結果、従業員満足度の向上だけでなく、離職防止や人材定着にもつながります。
ESサーベイの詳細を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。データの活用方法や具体的な施策例をわかりやすく解説しています。

モラールサーベイ
モラールサーベイは、社員の士気(モチベーション)を測定するための調査です。主な目的は、社員が前向きに働けているかどうかを確認し、組織の課題・問題点を把握することです。
【主な調査内容】
- 仕事への負担
- 上司や同僚との関係
- 幹部や上司の行う管理
- 自身の行動
モラール(士気・意欲)は、組織の成果や業績につながる重要な指標です。調査を通して、社員の意見を施策に反映させる姿勢を示すことで、組織運営に対する参加意欲を高められます。
以下の記事では、モラールサーベイの概要や調査項目を詳しく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。

組織サーベイを導入する主な目的

組織サーベイを導入する目的は、主に以下の2点が挙げられます。
組織や社員の状態を可視化・分析することで、隠れていた組織の課題が浮き彫りとなり、改善策の検討に役立てられます。
以下より、詳しく解説します。
社員の満足度・エンゲージメントの可視化
組織サーベイの目的の一つは、組織に対する社員の満足度やエンゲージメントを可視化し、評価・分析することです。
組織と社員とのつながりを表す指標。組織への貢献意欲を指す「従業員エンゲージメント」と、仕事への活力・熱意を指す「ワークエンゲージメント」に大別される。
数値化されたデータは、経営層が現場の状況を客観的に把握し、必要なサポートや施策を検討するための情報源となります。
株式会社リーディングマークが提供する『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』では、以下の図のように、6つの要素をもとに「ウェルビーイングスコア」として可視化します。

組織サーベイを通して、社員の満足度や組織への愛着を把握することで、部署ごとの状態を比較・分析しながら改善策の検討が可能です。
企業理念・経営方針の浸透度合いの把握
組織サーベイを導入する二つめの目的は、社員が「企業理念・経営方針に共感しているか」「どの程度浸透しているか」を把握することです。
たとえば、企業理念の浸透度合いが低下していることがわかったとします。その場合、以下のような対策を検討・実施することで、組織と社員のつながりを強化できます。
【施策例】
- 企業理念をテーマにした研修やワークショップを開催する
- 日常業務に企業理念を反映させる仕組みをつくる(目標設定、評価基準 など)
- 社内報やミーティングで経営層自らが理念を繰り返し発信する
企業のビジョンや価値観を理解し、社員が主体的に行動することで、組織の成長や目標達成がより近づきます。また、組織に所属している存在意義や仕事へのやりがいを生み出し、結果として社員のエンゲージメント向上につながります。
組織サーベイの実施方法は2種類(パルスサーベイ・センサス)

組織サーベイの実施方法には2種類あり、それぞれ質問数や実施頻度などが異なります。
※以下の表は右にスクロールできます
種類 | 実施方法 | 質問数 | 実施頻度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
パルスサーベイ | 専用ツール | 約5〜15問 | ・週1回 ・月1回 など | 組織の状態をリアルタイムに把握・分析できる |
センサス | ・専用ツール ・独自アンケート | 約50〜150問 | ・半年1回 ・年1回 など | 広範囲のテーマに関する意見を収集できる |
パルスサーベイは、職場のコミュニケーション状況や社員の心理状態を把握し、課題解決に向けてタイムリーに改善策を検討・実施できます。
一方センサスの利点は、組織全体の現状や課題を深く追求し、社員の声を反映させた長期的な施策を打ち出せることです。
調査時は両方の方法を使い分け、短期的な変化への素早い対応と、中長期的な課題解決をバランスよく進めることが重要です。
組織サーベイを導入する3つのメリット

組織サーベイを導入するメリットとして、以下の3点が挙げられます。
組織の状態を数値化できる組織サーベイは、データの集計・分析によって、隠れていた課題の発見や改善策の検討に役立てられます。
以下より、各メリットを詳しく解説します。
隠れていた組織(職場)の課題が浮き彫りになる
組織サーベイを導入するメリットの一つは、組織(職場)の状態を把握・分析することで、隠れていた課題を浮き彫りにできることです。
社員が組織に不満を感じていても、日常業務の中では見過ごされやすく、それが「現場の声」として上がらない場合があります。組織サーベイを活用すれば、社員が直接言いにくい不満・悩みでも、回答内容が第三者に漏れないよう収集できます。
たとえば、社内コミュニケーションに関する不満が判明した場合です。調査結果をもとに、情報共有の方法や意思決定のプロセスを改善することで、社内の障壁が取り除かれ、意見や声かけをしやすい環境になります。
サーベイツールの『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』では、組織の課題を明確にするだけでなく、個人の結果をもとに本人へフィードバックする仕組みを採用しています。
改善に向けたアクションプランもアドバイスしてくれるため、具体的な行動につなげやすいのが特徴です。

組織サーベイを導入し、さまざまな課題を浮き彫りにしていくことで、組織のパフォーマンスと生産性の向上につながる施策を検討できます。
以下の資料では、サーベイの結果を施策に活かす方法を解説しています。「課題の要因を適切に把握できていない」と悩んでいる人事担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
>>「【実例から学ぶ】エンゲージメントサーベイによる組織構築」の資料をダウンロードする(無料)
社員の満足度が向上し、離職防止につながる
組織サーベイを導入する二つめのメリットは、組織改善によって社員の満足度が向上し、離職・休職の防止につながることです。
社員の不安や悩みを把握することで、直接個人へのケアができるだけでなく、サポート体制の強化・構築といった、組織全体の施策にも水平展開できます。
実際にサーベイを導入した株式会社笑美面(えみめん)では、調査結果から「ケアを求めている社員」を抽出し、以下の手順でフォローを行っています。
- サーベイ結果から「退職の兆候が出ている社員」を把握
- 幹部全員で支援する体制を構築
- ケア対象者に対面・Web面談・電話などでフォロー
サーベイの活用によって、リモートワークでもフォローする体制を構築でき、離職が3/5まで減少しました。
事例:ミキワメの導入により離職の改善が進んだ|株式会社笑美面(えみめん)
このように職場環境が改善されれば、会社に対して愛着を持つようになり、結果として社員の離職防止につながります。
社内トラブルの前兆を察知できる
組織サーベイを導入する三つめのメリットは、社内トラブルの前兆を察知し、適切なタイミングで対処できることです。
たとえば、ある部署でハラスメントの問題が浮き彫りになった場合、以下のような対策を検討・実施できます。
【施策例】
- 匿名で相談できる社内窓口を設置
- 管理職に対する早期対応のための指導
- 外部講師を招いたハラスメント防止の研修
トラブルが発生すると、当事者だけでなく職場全体の雰囲気が悪化し、最終的には社員の休職・離職にもつながりかねません。
大企業を対象とした調査によると、離職対策における課題として「若手社員のニーズや価値観を十分に理解できていない」と、48.1%の企業が回答しています。
参考:大企業の若手社員の離職対策に関する実態調査|株式会社リーディングマーク
この調査結果からも、組織サーベイを活用した施策を講じることは、離職防止や健全な職場づくりのために欠かせない取り組みだと言えます。
組織サーベイを導入するデメリット

組織サーベイには多くのメリットがある一方で、導入するときは以下のデメリットも考慮する必要があります。
以下より、それぞれのデメリットを解説します。
回答する社員に負担がかかる
組織サーベイを導入するデメリットの一つは、調査に対して社員が負担を感じてしまう場合があることです。
とくに業務の繁忙期やプロジェクトの期限が迫っているときには、業務に集中する必要があるため、サーベイに時間を割くのが難しい場合があります。
サーベイ実施時は、プロジェクトのピーク時や繁忙期を避け、余裕を持って回答できる長めの期間を設定しましょう。そうすることで、社員の負担を軽減しつつ、より多くの社員から正確な情報を集められます。
また、社員に対してサーベイの重要性や目的を明確に伝え、参加する意義やメリットを理解してもらうことも重要です。
サーベイツールの『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』では、以下の図に示すように、本人へのセルフマネジメントアドバイスが提供されます。

このように、社員自身にもメリットを感じてもらえる仕組みを取り入れることで、調査への協力が得られやすくなります。
結果の集計・分析に時間を要する
組織サーベイ導入の二つめのデメリットは、調査した結果の集計・分析に時間を要することです。
大企業の場合、多くの社員から回答を集めなければならない上に、実施時期によっては未回答の人が出てしまうなど、集計までに時間を要します。
また、集計したデータをもとに現状を正確に分析し、課題を特定する作業にも手間と時間が必要です。
サーベイの結果を効率的に集計・分析するためには、自動化されたシステムやツールを活用し、分析結果を施策に活かせる仕組みづくりが重要です。
組織サーベイの導入から活用までの流れ【5ステップ】

組織サーベイの導入から活用する流れは、以下の5ステップです。
サーベイの目的を明確にした上で、「どのような質問形式にするのか」「調査結果をどうフィードバックするのか」を順番に決めていきましょう。
以下より、各ステップを詳しく解説します。
1:目的の設定
組織サーベイを実施する前に、自社が抱えている課題や問題点を洗い出し、改善するための仮説を立てます。
【具体例】
- 管理職とメンバー間のコミュニケーション不足が原因で、業務の進行が滞っている可能性がある
- リモートワークで不安や悩みを抱える社員が増えているのではないか
- 企業理念や経営方針が十分に浸透しておらず、社員の目標意識が低下している可能性がある
経営者や人事部、担当者それぞれが意見を出し合って情報共有し、サーベイの実施目的やアクションプランを明確にしましょう。
2:調査項目の設計(ツールの検討)
組織サーベイの実施目的が定まったら、目的に沿った調査項目を設計し、サーベイの運用方法や実施頻度を決めます。
【具体例】
- 組織全体のエンゲージメントを把握するため、四半期に1回、全社員対象に実施する
- 管理職と部下の関係性を調べるため、マネジメントスキルに関する質問を盛り込む
- 社員一人ひとりのコンディションを定点観測するため、月1回のパルスサーベイを実施する
サーベイツールを導入するときは、分析方法や実施頻度、導入コストなどを確認し、自社の目的・予算に合ったツールを検討しましょう。
おすすめのツールは本記事の後半でも紹介していますが、「離職防止」や「組織診断」などの目的別に比較検討したい方は、以下の記事をご覧ください。

【一般的な質問項目・質問例】
組織サーベイで質問される項目は、企業の調査目的やニーズによって異なります。一般的な項目と質問例は、以下のとおりです。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
質問項目 | 内容 | 質問例 |
---|---|---|
仕事内容 | ・仕事の目標 ・モチベーション | ・現在の業務内容にやりがいを感じていますか? ・自分の能力が十分に発揮できる仕事を任されていますか? |
人事評価・待遇 | ・キャリア形成 ・給与 ・福利厚生 | ・人事評価の基準が明確だと感じますか? ・自分の成果が適切に評価されていると思いますか? |
職場・人間関係 | ・ハラスメント ・コミュニケーション | ・職場内で困ったときに相談できる人がいますか? ・上司とのコミュニケーションは円滑だと思いますか? |
組織経営 | ・長期的なビジョン ・経営方針 | ・会社の経営方針は社員に十分伝わっていると思いますか? ・経営層は現場の声に耳を傾けていると思いますか? |
サーベイツールの『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、社員の性格や心理状態に応じた「本当に質問すべきポイント」に絞った質問が表示されます。質問例は、以下のとおりです。


企業の課題やニーズに合わせて質問をカスタマイズすることで、より質の高いデータが得られ、実効性のある施策につなげやすくなります。
3:社員に周知し、サーベイを実施
調査目的や実施内容を社員にアナウンスし、サーベイを実施します。周知が必要な具体的な内容は以下のとおりです。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
周知内容 | ポイント |
---|---|
調査の目的 | 「なぜこのサーベイを実施するのか」を明確に伝える(例:職場環境の改善のため など) |
調査内容と所要時間 | どのような内容で、回答にどの程度の時間がかかるかを具体的に伝える |
プライバシーの保護 | 回答内容から個人は特定されず、プライバシーが守られていることを説明する |
回答期間と締切日 | 回答できる期間を周知し、余裕を持って取り組めるよう配慮する |
調査結果の活用方法 | 集めた意見をどのように活かし、職場環境の改善につなげるのかを伝える |
また、調査結果の公開範囲や閲覧制限などを説明しておくことで、社員の率直な意見を収集しやすくなります。
4:調査結果の集計・分析
サーベイツールで収集したデータを整理・分析し、組織の状態や傾向を把握しましょう。分析時のポイントは、以下のとおりです。
【分析のポイント】
- 全体傾向だけでなく、部署ごとの数値や違いも確認する
- 前回調査と比較して変化した項目を把握し、改善状況を確認する
- 自由記述の意見にも目を通し、現場のリアルな声を施策に活かす
定量的なデータだけに着目するのではなく、社員のコメントやステップ1で検討した仮説と照らし合わせて、具体的なアクションプランを立てることが重要です。
以下の記事では、サーベイ結果の分析方法を具体例でわかりやすく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。

5:結果のフィードバック・改善
組織サーベイの結果は、集計後速やかに社員に共有し、今後のアクションプラン(改善策)も合わせてフィードバックしましょう。
フィードバックを行うときは「社員との対話」を重視し、組織と個人のありたい姿を話し合いながら、具体的な行動を決めていきます。
施策を実行したら定期的に組織サーベイを実施し、効果が現れた施策や、改善が必要なアクションプランなどを確認しましょう。
以下の記事では、組織と社員が一体となって未来づくりを進める「サーベイフィードバック」の方法を解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。

組織サーベイで活用できるツール3選【特徴・費用の比較】

ここからは、組織サーベイの代表的なツールを3つ紹介します。
※以下の表は右にスクロールできます
ツール | 特徴 | 費用 |
---|---|---|
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ | ・ケアが必要な社員を可視化し、離職・休職を防ぐ ・社員の性格と心理状態を踏まえた調査ができる | 要問い合わせ ※利用人数によって異なる |
ミイダス | ・組織改善に活用するデータを項目別に可視化できる ・社員一人ひとりの具体的なアクションが明確になる | 要問い合わせ |
モチベーションクラウド | ・診断と変革のサイクルで組織課題を解決する ・期待度と満足度の2軸で優先すべき課題が明確になる | 初期費用+月額費用 ※要問い合わせ |
サーベイツールは、社員の離職防止を重視したものや、アクションプランを提供してくれる機能など、それぞれ特徴が異なります。自社の目的に合ったツールを選定しましょう。
以下より、各ツールの特徴を詳しく解説します。
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
特徴 | ・ケアが必要な社員を可視化し、離職・休職を防ぐ ・社員の性格と心理状態を踏まえた調査ができる |
料金 | 要問い合わせ ※利用人数によって異なる |
公式ホームページ | https://mikiwame.com/well-being.html |
提供会社 | 株式会社リーディングマーク |
『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、社員の性格と心理状態を測定し、サポートが必要な人を可視化できるツールです。
実名で調査を行うため、社員一人ひとりの心理状態の変化を把握できます。そのため、スコアが低下している人を察知し、1on1面談などのサポートにつなげられます。
【ツール導入後の流れ】
- 性格検査を社員が受検(年1回程度)
- サーベイを社員に配信(月1回程度)
- ケアが必要な社員を特定・把握
- AIによる「ケアの方法」をもとにフォローを実施
また、経験豊富なカスタマーサクセスチームが、結果の解釈の仕方などをアドバイスしてくれるため、初めてサーベイを導入する場合でも安心です。
ミキワメの詳細を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。特徴や機能、データの活用方法をわかりやすく解説しています。

ミイダス

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
特徴 | ・組織改善に活用するデータを項目別に可視化できる ・社員一人ひとりの具体的なアクションが明確になる |
料金 | 要問い合わせ |
公式ホームページ | https://corp.miidas.jp/landing/survey |
提供会社 | ミイダス株式会社 |
『ミイダス組織サーベイ』は、従業員やチームのコンディションを可視化し、企業の成長を妨げている課題・要因を把握できるツールです。
以下の5つのカテゴリーから欲しい項目だけを選択し、組織改善に直結するデータを収集できます。
- やりがい
- ミッション健康
- 支援
- 人間関係
- 組織
集めたデータは自動でレポート化されるため、組織・個人の状態をひと目で把握できます。また、月1回・5分程度で回答できるアンケートで、従業員に負担がかからない点も特徴です。
モチベーションクラウド

出典:モチベーションクラウド|株式会社リンクアンドモチベーション
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
特徴 | ・診断と変革のサイクルで組織課題を解決する ・期待度と満足度の2軸で優先すべき課題が明確になる |
料金 | 初期費用+月額費用 ※要問い合わせ |
公式ホームページ | https://www.motivation-cloud.com/ |
提供会社 | 株式会社リンクアンドモチベーション |
『モチベーションクラウド』は、1万社・500万人以上のデータをもとに組織状態を可視化し、あらゆる角度から自社の課題を分析できるツールです。
サーベイの回答を「期待度」と「満足度」の二軸で評価することで、どこに課題があるのか、どの課題から取り組むべきかがひと目でわかります。
また、専門コンサルタントから組織改善のアドバイスが受けられるため、組織状態の見える化だけでなく、具体的なアクション(行動)につなげやすい点も特徴です。
組織サーベイを導入するときの注意点

組織サーベイを導入するときは、以下の点に注意しましょう。
データをただ収集するだけではなく、社員の声を真摯に受け止め、改善施策に反映させることが重要です。
以下より詳しく解説します。
調査目的を明確にし、社内で共有する
組織サーベイを導入するときは、調査する目的や改善方法を明確にして、社内で共有することが大切です。
以下のような点を検討し、明確な目的を決めておきましょう。
- 何のためにサーベイを実施するのか
- どのような組織・職場環境にしたいのか
- 調査結果をどのように活用するのか(フィードバック方法)
サーベイ実施によるメリットを社員に説明し、組織全体が納得しサーベイを行うことで、より効果的なデータを収集できます。
社員の負担にならない時期・頻度で実施する
組織サーベイを実施するときは、業務の繁忙時期を避けるなど、社員の負担にならない時期・頻度の設定が必要です。
社員は、通常業務の合間にサーベイに回答しなければなりません。そのため、「早く課題を把握したい」からと短期間で調査を行うと、回答してくれない人や、適当な回答が増えてしまう可能性があります。
企業としては、社員の負担を軽減しつつ有効なデータを取得するために、自社の状況を踏まえた回答期間(時期)や頻度、質問数を設定しましょう。
組織サーベイに関するよくある質問

組織サーベイに関する「よくある質問」について、以下の2点に回答します。
以下より、詳しく解説します。
組織サーベイは本当に意味がない?そう言われる理由は?
組織サーベイが「意味ない」と言われる理由として、サーベイ結果が組織改革や職場環境の改善に反映されていない点が挙げられます。
たとえば、サーベイの結果が誰にも共有されることなく放置された場合です。社員は調査に協力したにもかかわらず、一向に職場が改善されないことに疑問を抱き、次第に「サーベイに答えても無意味だ」という不信感につながります。
調査結果を収集・分析したり、課題や改善点を把握したりすることも重要ですが、実際に改善が伴わなければ組織サーベイをする意味がありません。
経営者や人事は、調査結果を組織改善につなげるという強い意志を持ち、具体的なアクションプランに落とし込んでいく仕組みをつくる必要があります。
詳細は以下の記事で詳しく解説しています。サーベイ導入時の参考にしてみてください。
組織サーベイの結果がバレることはある?
組織サーベイを導入するときは、匿名性を心配する声も多く「自分の回答が特定されるのでは」といった不安がよく聞かれます。
通常の組織サーベイでは、個人が特定されないように匿名で調査を行うなど、関係者以外は情報を閲覧できない仕様になっています。
ただし、回答人数が少ない部署では「誰がどの回答をしたか」を推測されるリスクもあるため、人数基準を設定するなどの対応が必要です。
サーベイによっては、個人の心理状態をもとにケアやサポートができる「実名式」のツールもあります。自社の目的に沿って、匿名・実名のどちらで実施するかを検討しましょう。
以下の記事では、匿名・実名それぞれのメリットや、実施するときの注意点を解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。

まとめ:組織の課題をサーベイで可視化し、解決へと導こう

働き方が多様化する中で、現場の課題や社員一人ひとりの状態を把握するためには、組織サーベイの活用が求められます。
組織サーベイを活用すれば、社員の意見を幅広く収集し、企業理念の浸透度合いやエンゲージメント、個々のコンディションなどを可視化できます。
経営者や人事担当者の方は、サーベイで得られた結果を真摯に受け止め、改善に向けた具体的なアクションプランを検討していく必要があります。
よりよい組織を築いていくために、効率的な情報収集と分析ができる組織サーベイを活用していきましょう。

従業員のメンタル状態の定期的な可視化・個々の性格に合わせたアドバイス提供を通じ、離職・休職を防ぐエンゲージメントサーベイ。無料トライアルの詳細は下記から。