適性検査

適性検査を対策する理由|人事担当者が押さえるべき考え方と運用のヒント

適性検査_人事担当者が押さえるべき考え方と運用のヒント

採用活動で適性検査を受検者に対策されると「受検者の本来の能力や性格がわからなくなるのでは?」と考える方もいるでしょう。

人事担当者としては、対策していないありのままの能力や性格を見たいところですが、受検者も対策しておきたい理由があります。

本記事では、受検者の心理を理解していただくため、「受検者が適性検査を対策する理由」と「その対策方法」を解説していきます。

その他にも「適性検査ごとの対策の有無」「受検者の負担にならない運用のヒント」も紹介するので、人事担当者の方はぜひご活用ください。

適性検査とは?能力検査と性格検査に大別される

適性検査とは_能力検査_性格検査_大別

適性検査とは、受検者の能力や性格を測定し定量的なデータに示すテストのことです。

一般的に「能力検査」と「性格検査」に大別され、受検者がもつ基礎能力とパーソナリティを可視化します。

たとえばCABという適性検査の能力検査では、コンピュータ職に必要とされる基礎能力が定量的データとして示され、職務適性がわかります。
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CABの性格検査では、30項目のパーソナリティが数値化されることで、履歴書や面接ではわかりにくい人物像に対する客観的な判断が可能です。

このように適性検査の結果を活用すると、採用活動の円滑な進行や、受検者の得意分野を生かした柔軟な人材配置ができます。

ただし、適性検査の結果からわかる人物像は受検者の一側面でしかないため、履歴書や職務経歴書、面接もふくめた総合的な判断が大切です。

適性検査にはメリットも多いですが、デメリットもあるため、より詳しい解説は以下の記事を参考にしてみてください。

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適性検査を対策する3つの理由

適性検査_対策_3つ_理由

受検者が適性検査を対策する理由として、主に次の3つがあります。

人事担当者の方が「対策は必要ない」と思っていても、受検者目線で考えるとそうではありません。受検者の心理を理解して、適性検査の適切な運用につなげましょう。

1:問題の傾向や難易度を把握するため

受検者は、あらかじめ適性検査の問題傾向や難易度を把握し、落ち着いて本番に臨みたいと考えています。

適性検査の中でも「能力検査」は、検査によって出題傾向と難易度が大きく異なります。

たとえばSPI能力検査の言語分野で求められる力は、一般的な語彙力や文章読解力です。
しかしGABは、SPIより高度な読解力と応用力を求める問題が出題されます。

このような背景が、受検者が適性検査の対策を立てるきっかけとなるのではないでしょうか。

下記の記事では、受検者が適性検査の難易度が高いと感じる理由を詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

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2:就活・転職の成功確率を上げるため

受検者の中には、就活・転職の成功率を上げるために適性検査を対策する人もいます。

適性検査の結果で一次選考の合否を決める企業があるため、合格率を上げようと対策するでしょう。

以下の記事では、受検者向けに適性検査に落ちる理由を解説していますので、受検者理解を深める際の参考にしてみてください。

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3:対策姿勢を評価してもらうため

適性検査の中には、対策して問題に慣れていないと、解答率が低くなる難易度の高い検査があります。

採用活動で適性検査を導入している企業の中には、解答率で対策姿勢を見て志望度を測ることもあるでしょう。

こうした事情を知っている受検者は、事前に適性検査の対策をして臨んでいます。

【能力検査】の2つの対策方法

能力検査_2つ_対策方法

適性検査の能力検査には、主に次の2つの対策方法があります。

対策方法について知り、受検者への理解を深めましょう。

1:問題形式に慣れる

受検者は能力検査の問題形式に慣れるために、次の2つの方法で対策します。

この方法は、適性検査の導入時に例題を確認したい時にも活用できますので、参考にしてみてください。

対策本や過去問集を活用する

適性検査によっては、下記のような対策本や過去問が販売されています

受検者は、実際の問題を解いて問題形式に慣れることで本番に備えます。

Web・スマホアプリを活用する

適性検査によっては、下記のようにWebやスマートフォンアプリを活用して手軽に対策できます。

種別費用
WebサイトWTI(玉手箱の言語、玉手箱の計数、SPI)無料
スマートフォンアプリGAB対策 非言語(iOSAndroid有料

WTIのように無料で使えるものもあるので、どのような問題が出題されるか確認したい時に便利です。

2:時間を意識した実践練習を行う

適性検査の中には、問題数が多く全問を解くのが難しいものもあります。

そのため、時間を計りながら問題を解いて実践練習を行い、時間配分を調整して当日解ける問題数を増やすことが大事です。

対策の過程で解答に時間がかかる分野がわかってくるので、解答するかどうかをあらかじめ選別することも可能です。

このように適性検査によっては、学校で受ける模試のように本格的な対策が必要になります。

【性格検査】の2つの対策方法

性格検査_2つ_対策方法

適性検査の性格検査には、次の2つの対策方法があります。

性格検査を対策されると、「性格検査をやっても本当の人物像が見えないのでは?」と思われる方もいるでしょう。

性格検査の多くは対策によって回答に矛盾が生じやすくなっているため、対策自体が難しいといえます。

それでも採用されるために性格検査を対策する受検者もいますので、対策方法を知っておきましょう。

1:例題を確認する

受検者は、性格検査でどのような問題が出題されるかを確認します。

例題を理解しておくことで、企業が求める人物像に近い解答を作れる可能性があるからです。

ただし、SPIの性格検査は40分間で300問の項目に回答が必要であるように、性格検査の質問数は多い傾向にあります。

そのため、問題を覚えきって完璧に対策するのは困難です。

2:一貫性のある回答をする

性格検査の問題に一貫性のある回答を行えば、対策できます。

性格検査では「社交性」を測定するために似たような質問が複数出題されるというように、1項目を測定するために複数の回答から結果を出します。

そのため、似たような質問に対して同じ傾向の回答を続けることで、対策が可能です。

ただし、性格検査は質問数が多い上に解答時間が制限されているケースがあるため、虚偽を織り交ぜながら一貫性をもって回答するのは難しいでしょう。

対策が必要な適性検査【能力検査】

対策_必要_適性検査_能力検査

対策が必要な適性検査は、主に下記の能力検査です。

それぞれの能力検査の概要と出題傾向を解説しますので、受検者がどのように対策するかの参考にしてみてください。

SPI

SPIの能力検査では、下記の2分野で国語や数学の基礎能力を測定します。

分野出題傾向
言語分野語彙の関係を読み解く、あるいは語彙の意味を答える問題や随筆、表論文の読解問題が出題される
非言語分野割合や速さ、集合、確率といった数学的問題が出題される

どちらも中学校から高校レベルの問題ですので、基礎学力があれば解答が可能です。

非言語分野の数学的問題は、事前に問題に慣れるために対策することで、スムーズに解けるようになります。

なお、SPIにはオプションで英語検査と構造把握力検査があります。

分野出題傾向
英語検査語彙を問う問題や穴埋め問題、長文読解が出題される
構造把握力検査文章を読んで、物事の背景や構造を読み取る問題が出題される

英語検査も基礎能力検査と同様に、中学校から高校レベルの問題が出題されます。

構造把握検査は、基礎能力を使って解く応用問題で、問題に慣れておかないと解答時間を消費してしまうため対策が必要です。

SPIの検査内容について下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

SPI
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GAB

GABの能力検査では、下記の2つの分野に分かれます。

分野出題傾向
言語理解語彙力を問う問題はなく、長文を読んで設問に答える読解問題が出題される
計数理解単純な計算問題はなく、図やグラフの情報を読み取って正しい答えを選ぶ問題が出題される
英語(C-GABのみ)長文に対する正誤問題や、選択問題が出題される

GABの言語理解と計数理解では、知識を問う問題は出題されないため、あらかじめ問題に慣れるための対策が必要です。

英語は、テストセンターで実施するC-GAB形式でのみ実施される場合があります。

TOEICと同等、またはそれ以上のレベルであるため、対策なしで最後まで問題を解くことは難しいでしょう。

GABの検査内容について下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

GAB
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CAB

CABの能力検査では、コンピュータ職に必要な基礎能力を測定できます。

分野出題傾向
暗算基本的な四則演算の計算問題が出題される
法則性並んでいる5つの図形から一定の規則性を見出す問題が出題される
命令表命令にしたがって図形を操作し、最後に残る形態を選ぶ問題が出題される
暗号例示をもとに暗号を読み解き、最後に残る形態を選ぶ問題が出題される

CABの能力検査は、一般的な能力検査の内容と大きく異なるため、事前に問題に慣れておく必要があります。

制限時間内に全問解ききるのは難しいものの、実践練習を重ねることで解答率を上げることが可能です。

CABの検査内容について下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

CAB
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玉手箱

玉手箱の能力検査では、下記3つの分野における一般的な基礎能力を測定します

分野出題傾向
計数理解単純な四則演算や図表からの類推、表の空欄補充といったの3つ形式で出題される
言語理解長文から論理的な正誤判断、趣旨の読み取り問題がで出題される
英語長文読解問題が出題される

玉手箱は問題数に対して解答時間が短い傾向にあり、計数理解の四則演算では9分間で50問に解答しなければなりません。

じっくり考える時間がないため、事前に実践練習を重ね素早く解答できるようにしておく必要があります。

Compass

Compasの能力検査では、「基礎学力」と「知的能力」の測定が可能です。

基礎学力では、それまでの学業における習得レベルや一般常識の定着度を可視化します。

基礎学力出題傾向
言語能力語彙力を問う問題や短文を完成させる問題が出題される
数的能力単純な四則演算や文章問題が出題される
英語能力文法や語彙の知識や文章理解力を問う問題が出題される

知的能力では、頭の回転スピードや思考の柔軟性が明らかになります。

知的能力出題傾向
図形認知平面・立体図形の知覚問題や系列の把握問題が出題される
論理類推論理的思考力を問う問題が出題される

どちらも実践練習を重ねることで、解答率や得点の向上を目指すことが可能です。

ミキワメ【能力検査】

ミキワメの能力検査は、「言語問題」と「計数問題」に大別されます。

分野出題傾向
言語問題文章の穴埋めや選択肢の並び替えといった国語力を問う問題が出題される
計数問題図表の読み取りや推論、暗号といった数学的思考を問う問題が出題される

ミキワメの能力検査は基礎学力があれば解答できるものの、1問あたり1分程度と時間が限られているため、事前の対策で慣れておく必要があります。

例題が公開されていないため、対策にはSPIやGABの問題集が使われるのが一般的です。

対策不要の適性検査【性格検査】

対策_不要_適性検査_性格検査

適性検査における性格検査は、基本的に対策が不要です。

そのため、性格検査のみの実施で受検者の負担を軽減できます。ここでは、2つの性格検査の概要と特徴について解説しますので、参考にしてみてください。

ミキワメ【性格検査】

ミキワメ_性格_特化

ミキワメの性格検査は、4つのカテゴリごとに受検者の特性を可視化し、パーソナリティを216通りの類型に分類します。

さらに自社の社員のデータを反映した上で受検者の傾向を分析し、自社での活躍の可能性をS~Eで表示します。

103問の質問に答える必要がありますが、回答時間は10分程度で、受検者の負担を最低限に抑えることが可能です。

性格検査は「自分をよく見せよう」として、虚偽の回答が行われるケースがあります。

これに対してミキワメは、各企業で独自の基準を作成するため、虚偽の回答が意味を成さない仕組みです。

そのため、受検者本来のパーソナリティが明らかになりやすいといえます。

ミキワメは無料でお試しいただき、実際の検査内容を体感していただけますので、ぜひご利用ください。

DPI

「職場適応性テスト」であるDPIは、性格検査に特化した適性検査で、下記の4つの項目について診断できます。

診断項目概要
基礎診断項目一般的に必要とされる態度能力
個別診断項目仕事の種類によって優先順位が異なる態度能力
仕事適性11職種に対する仕事適性
適応タイプ各項目結果をもとにした適応タイプ

態度能力とは、生まれもった能力や特性ではなく、あとから身につけられる能力です。

診断結果をもとに、個人の適性に応じた教育をすることで人材育成にも活用できます。

DPI適性検査の各診断項目の詳細について、下記の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

DPI_適性検査_検査内容_結果の活用方法_人材採用_人材育成_人事
DPI適性検査とは?内容と結果の活用方法を知り人材採用・育成に活かそうDPI適性検査は、職場適応力を測定するテストです。後天的に育成可能な態度能力が可視化され、人材採用・育成に活用できます。本記事では、DPIの基礎知識と活用方法を解説しますので、参考にしてみてください。...

人事担当者が押さえるべき適性検査対策の考え方

人事担当者_押さえるべき_適性検査_対策_考え方

適性検査対策について理解を深めるためには、下記の考え方を押さえておく必要があります。

1:能力検査は対策姿勢を評価する

能力検査は、対策姿勢を評価する手段の1つとして考えることが可能です。

能力検査には、問題数が多く解答時間が短いテストがあり、問題に慣れていないと解答率が下がってしまうケースがあります。

そのため解答率が高い場合、元々の能力が高い他に十分な対策をしてきた可能性があると判断できます。

適性検査の対策姿勢は、入社後の仕事に取り組む姿勢にもつながるため、評価に値するでしょう。

2:性格検査対策は矛盾が生じやすい

性格検査では「自分をよく見せよう」と対策する受検者もいますが、回答結果に矛盾が生じやすくなっています。

1つの項目に対して複数の質問が出題されるため、問題と結果の関係を理解していないと正確に回答できないからです。

したがって結果に矛盾が見られる場合、「嘘がふくまれている可能性がある」と考えられます。

予算や時間に余裕がある場合は、一次選考で1回、面接前に1回と同じ性格検査を複数回受検させると、矛盾を発見しやすくなります。

ただし、性格検査の結果はあくまで人物像理解の材料の1つととらえ、面接をふくめて総合的に判断するのが大切です。

3:適性検査対策は受検者の負担になる

適性検査対策は受検者にとって大きな負担になるため、なるべく負担のない形での実施が最適です。

複数の企業を受ける新卒採用では、適性検査対策の負担が途中離脱の要因になる可能性もあります。※新卒採用のおすすめ適性検査はこちら

人物理解を深める目的なら、負担の小さい性格検査特化型の適性検査を導入するといった、負担を軽減する工夫をしましょう。

受検者の負担にならない適性検査運用3つのヒント

受検者_負担にならない_適性検査_運用_3つ_ヒント

受検者の負担にならない適性検査の運用のヒントは、次の3つです。

受検者の負担を軽減することで途中離脱を防ぎ、採用活動の質を向上させましょう。

1:あらかじめ受検者に実施目的を周知する

応募要項に適性検査の実施目的や活用方法を周知することで、受検者の負担を軽減できます。

適性検査の結果の目的や活用方法が明示されていないと、合否に大きく関わる可能性があると考え、少しでもよい結果を出そうと対策します。

「適性検査結果で合否を判定しない」ことや「面接時に人物像をより深掘りするための材料として使う」旨を明示することが大切です。

2:性格検査に特化した適性検査を選ぶ

適性検査の中でも、性格検査に特化した適性検査を選ぶことで、受検者の負担を軽減できます。

対策が必要な適性検査の多くは知識や技能を問う能力検査であり、簡単な質問に答える形式の性格検査では対策が不要です。

本記事では対策不要の適性検査についても解説していますので、参考にしてみてください。

3:適性検査だけで合否を決めない

適性検査だけで合否を決めず、あくまで「人物理解を深めるための資料」として活用するスタンスが大切です。

適性検査で合否が決まると、受検者は受かるために「自分をよく見せよう」と虚偽の回答をする可能性が高まります。

受検者のありのままの能力や性格を知りたいと考えるなら、適性検査で合否を決めないのが無難です。

適性検査の結果や履歴書、職務経歴書、面接などを考慮して、総合的に判断するようにしましょう。

まとめ:適性検査対策が受検者の負担にならない運用をしよう

適性検査_対策_受検者_負担にならない運用

企業は、適性検査を対策していない受検者本来の能力や性格を見たいですが、受検者は受かりたい一心で対策します。

ただし下記からわかるように、対策によって受検者本来の姿とかけ離れることは考えづらいでしょう。

適性検査の種別対策方法対策結果
能力検査1:問題形式に慣れる
2:時間を意識した実践練習を行う
対策すると点数アップが見込めるものの、本来の能力とかけ離れることは少ない
性格検査1:例題を確認する
2:一貫性のある回答をする
テストの形式上、虚偽の回答による矛盾が生じやすくなっている

受検者にとって適性検査対策は大きな負担となるため、対策不要な適性検査を導入することで質の高い採用活動につながります。

ミキワメなら、性格検査のみの実施が可能で対策不要、かつ実施時間も10分程度と受検者の負担を大幅に軽減できます。

まずは無料で体験いただき、検査内容を確認してみてください。

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