- 中途採用における離職率の現状と新卒採用との比較
- 中途採用した社員が早期離職する原因・デメリット
- 中途採用での離職率を低下させる取り組み・企業事例
「中途採用した社員がすぐに辞めてしまう」
「離職を防ぐための具体的な方法を教えてほしい」
このような悩みを抱える人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
中途採用した社員は即戦力として期待される一方で、離職率が30%以上の企業があるのも事実であり、離職の問題は決して無視できません。
離職率の上昇によって、従業員への負担や採用コストが増加するなど、企業においても大きなデメリットを引き起こします。
そこで本記事では、中途採用者における離職率の現状に触れたうえで、早期離職の理由とその対策方法を詳しく解説します。
採用プロセスの見直しから入社後のフォローまで、実践的な方法を学び、より効果的な施策を検討していきましょう。
中途採用における離職率の現状(平均)
中途採用における離職率の現状について、2023年3月にリクルートワークス研究所から公表された調査資料をもとに紹介します。
以下の表は、入社3年以内の離職率とその企業割合を示したものです。
離職率 | 企業割合 |
30%以上 | 4.6% |
20〜29% | 10.2% |
10〜19% | 13.1% |
5〜9% | 19.9% |
4%以下 | 52.3% |
離職率10%以上の企業割合を合計すると27.9%となり、約3割の企業は中途採用者の離職課題を抱えていることが伺えます。
一方、約5割の企業は4%以下の離職率となっており、すべての業種・企業において離職率が高いとは言い切れません。
中途採用の離職率を計算する方法
厚生労働省では、離職率を「1月1日現在の常用労働者数のうち、一定期間内で離職した人の割合」と定義しています。計算式は以下のとおりです。
【計算式】
離職率 = 〇年間の離職者数 ÷ 1月1日時点の常用労働者数 × 100
この計算式を中途採用に置き換えてみると、以下のような計算式になります。
【計算式】
離職率 = 中途入社後〇年以内に離職した人数 ÷ 中途入社した人数 × 100
たとえば、2024年4月の中途採用者が18人、2025年3月までの離職者が3人だったとすると「3人 ÷ 18人 × 100」の計算で、2024年度の離職率は約16.67%となります。
以下の記事では、離職率の計算方法や改善策をより詳しく解説していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
新卒採用の離職率との違いとは?
新卒採用の離職率は、中途採用と比較するとやや高い傾向ではありますが、業種や企業規模によって異なるため、一概にどちらの離職率が高いとは言い切れません。
リクルートワークス研究所の調査によると、入社3年以内の離職率とその企業割合は、中途採用・新卒採用それぞれ以下のようになっています。
離職率 | 中途採用の企業割合 | 新卒採用の企業割合 |
30%以上 | 4.6% | 6.5% |
20〜29% | 10.2% | 7.0% |
10〜19% | 13.1% | 18.3% |
5〜9% | 19.9% | 21.5% |
4%以下 | 52.3% | 46.8% |
離職率10%以上の企業割合を合計すると、中途採用は27.9%、新卒採用は31.8%となっており、新卒採用の方がやや高い傾向です。
一方で、離職率ごとに確認してみると「20〜29%」における企業割合は、中途採用の方が高いことがわかります。
新卒採用での離職課題を考えている人事担当者の方は、以下の記事も参考にしてみてください。定着に向けた対策方法を詳しく解説しています。
中途採用者が早期離職する5つの理由
中途採用者が早期離職(入社後3年以内の離職)する理由として、以下の5つが挙げられます。
自社の状況と照らし合わせながら、中途採用者が離職する原因を突き止め、具体的な対策を検討していきましょう。
採用時のミスマッチ、早期離職や定着しない原因と対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
給与・労働条件などの待遇に不満があった
採用時に提示された給与が想定よりも少ない場合や、入社後に労働条件が大幅に変更されるなど、入社前後のギャップによって不満を抱きやすくなります。
また、人事評価の基準があいまいな状態も、自分の努力が正当に評価されているか疑問が生じて、離職につながってしまうケースも少なくありません。
転職者を対象としたマイナビの調査によると、転職活動を始めた理由には、以下のように給与や評価に対する不満が挙げられています。
理由 | 全体の割合 |
給与が低かった | 26.1% |
業績などを正当に評価してもらえなかった | 13.5% |
一方、現在の会社を転職先に決めた理由では、27.9%の人が「給与がよい」と回答しており、転職者全体で2番目に多い回答割合です。
参考:転職動向調査2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ
以下の記事では、人事評価に納得しない原因とその解決策を詳しく解説しています。「公平な人事評価制度をつくりたい」と考えている人事担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
職場の人間関係がうまくいかなかった
新しい職場に適応する過程で、チームメンバーとうまくコミュニケーションが取れず信頼関係を構築できないと、中途入社した社員は孤立しやすくなります。
前職の働き方との違いによって、上司や同僚との意見の食い違いが起きてしまい、ストレスの蓄積によって離職に発展するケースも少なくありません。
マイナビの調査によると、転職者の21.0%の人が「職場の人間関係の悪さ」を理由に転職活動を始めています。
一方で、現在の会社を転職先に決めた理由としては、15.7%の人が「一緒に働く上司・同僚が魅力的」と回答しています。
参考:転職動向調査2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ
中途採用での離職を防ぐには、定期的に上司と面談する機会を設けて、悩みや課題を早期に把握・解決することが重要です。
会社の経営方針やビジョンに納得できなかった
中途採用者は、これまで勤めていた会社での経験や実績を持っており、前職との比較をしながら新たな会社を選ぶ傾向があります。
そのため、入社後に会社の経営方針・ビジョンが自身の価値観や期待と大きく異なる場合、失望感を抱いて、離職する可能性も高まってしまうのです。
転職者を対象としたマイナビの調査によると、転職活動を始めた理由には、以下のように会社の将来性や事業内容に対する不満が挙げられています。
理由 | 全体の割合 |
会社の将来性、安定性に不安があった | 22.5% |
会社の事業内容に不満があった | 13.7% |
経営者の事業戦略や企業理念に合わなかった | 10.7% |
一方、現在の会社を転職先に決めた理由には、上記の裏返しで「将来性がある」「経営者・事業内容が魅力的」といった回答があります。
参考:転職動向調査2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ
中途採用での早期離職を防ぐには、経営方針や企業理念を繰り返し伝えていく姿勢が重要です。以下の記事では、企業事例を交えて具体的な取り組みを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事内容や業務量に不満があった
中途採用者は前職での経験をもとに、新たなキャリア形成を期待して入社しますが、以下のようなケースでは、ストレスや不満が蓄積され早期離職のリスクも高まります。
- 実際の業務が希望していた仕事内容と異なる
- 複数のプロジェクトを任され業務過多になる
マイナビの調査においても、仕事内容や休日・残業時間に対する不満を理由に、転職活動を始めていることがわかりました。
理由 | 全体の割合 |
仕事内容に不満があった | 25.5% |
休日や残業時間などの待遇に不満があった | 17.5% |
一方、転職先を決めた理由として、23.6%の人が「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる」と回答しており、ワークライフバランスを望む傾向が伺えます。
参考:転職動向調査2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ
入社後のフォローがなかった
中途採用者は前職での経験を活かし、新しい職場でも戦力として活躍できるよう行動しますが、適切なフォローがないと孤独や不安を感じてしまいます。
具体的には、業務の進め方についての教育がなかったり、上司や同僚とのコミュニケーションの機会が少なかったりするケースです。
リクルートの調査によると、転職者の17.1%の人が、転職先の教育(トレーニング)・研修の環境が整っていないことに戸惑いを感じています。
参考:中途入社後活躍調査(2018-2019)|株式会社リクルートキャリア
フォロー体制を整える方法としては、経験豊富な社員が新入社員に対してアドバイスや支援を行うメンター制度が効果的で、職場へのスムーズな適応の後押しとなります。
中途採用者の放置も退職につながる要因の一つ
中途採用で入社した社員は、即戦力として活躍を期待されている点から、仕事を完全に任せてしまい放置状態となるケースがあります。
業務の進め方やプロジェクトの説明がほとんどなく、定期的なフィードバックも行われない状況では、疑問や問題が発生したとしても誰にも相談できません。
能力やスキルがどれだけ優れている人材でも、職場に馴染んですぐに活躍できるかは別問題です。
そのため、新卒採用と同じように入社後のフォローを徹底し、上司との定期的な面談やチーム内でのコミュニケーションが必要です。
以下の記事では、中途採用で「優秀すぎる人材」や「期待以上の人材」が来たときの注意点や対策方法を解説しています。活躍人材の離職を食い止めたいと考えている人事担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
中途採用の離職率が高い会社のデメリット
中途採用での離職率が低下することによって、以下のようなデメリットが生じます。
社員が定着しない会社は、SNSや口コミによって悪い噂が広がる可能性もあり、会社イメージの低下にもつながりかねません。
以下の記事では、若い人が定着しない会社の特徴と、定着に向けた具体的な事例を解説しています。若手社員の離職に悩んでいる人事担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
他の社員の負担が増加する
採用した社員が早期離職すると、残された社員は業務を引き継がなければならず、通常よりも多くの業務負担がかかってしまいます。
業務量の増加によって、本来の自分の仕事が思うように進まずストレスとなり、モチベーションの低下や健康への影響も考えられます。
また、人手不足による業務過多が社員の不満を招いてしまい、さらなる離職者の増加にもつながりかねません。
このような状況を防ぐためにも、自社の働き方に合った人材を見極めて採用し、入社後のフォローを徹底することが重要なのです。
採用コストが増加する
離職者の増加によって、企業は再び採用活動を行わなければならず、その活動に伴うコストも増加します。
マイナビの調査によると、2023年の中途採用における平均コストは、合計で年間629.7万円と報告されています。
転職サイトやフリーペーパーなどの求人広告においては、採用者1人当たり38.5万円のコストがかかることが明らかとなりました。
参考:中途採用状況調査2024年版(2023年実績)|マイナビキャリアリサーチLab
また、採用活動によるコストだけではなく、入社後の研修や教育に投資したリソースも無駄になってしまい、経営への影響も懸念されます。
中途採用の早期離職を防ぐ方法を確認したい方は、次節より解説する「採用時の施策」と「入社後の施策」を参考にしてみてください。
中途採用の離職率低下につながる施策【採用時】
中途採用の離職率低下につながる施策について、採用時における2つの取り組みを解説します。
優秀な人材を求めることに固執せず、会社と候補者の両者が、お互いの価値観や考え方がマッチしているかを判断することが大切です。
以下の記事でも、社員の定着を図る方法や具体例を解説していますので、本記事の取り組みと合わせて確認してみてください。
採用基準・プロセスを見直す
募集する職種との適性や、社風との適合性を重視した採用基準を設けることで、入社後の仕事内容や働き方への不満が減り、長期的な社員の定着につながります。
社会人未経験の新卒採用とは異なり、中途採用では前職での経験・実績をもとに判断するため、新卒採用とは別の採用基準を設けなければなりません。
採用選考で重視すべき要素として、以下が挙げられます。
主体性 | 自分の意志や判断で、責任を持って行動できるか |
傾聴力 | 相手の話に耳を傾け、寄り添って聴けるか |
発信力 | 自分の意見をわかりやすく伝えられるか |
問題解決力 | 問題点や課題をよい方向へと導ける力があるか |
創造力 | 新しいアイデアや価値を生み出す力があるか |
マネジメント力 | 組織の維持・向上のため、リスクやコストを管理できるか |
専門性(スペシャリスト) | 特定分野の専門的な知識・スキルがあるか |
これらの要素を見極めるには、書類選考や面接だけではなく、定量データとして評価・比較できる適性検査を採用プロセスに組み込む必要があります。
社員のリアルな働き方を伝える
入社後のミスマッチを防ぎ、長期的な定着を図るためには、候補者に対して職場環境や業務内容を正確に伝えることが大切です。
基本的な会社情報に加えて、実際に働いている社員の声や、オフィスの雰囲気を伝えることで、候補者はより鮮明に会社をイメージしやすくなります。
また、社員との懇談会やオフィス見学を実施するのも、現場のリアルな働き方を伝えられる方法です。
適性検査などのHRプラットフォームを提供するリーディングマークでは、採用サイトの「社員インタビュー」のなかで、若手社員のさまざまな声を紹介しています。
- 入社を決めた理由
- 目指している姿
- やりがいを感じていること
リーディングマークに転職した理由や、転職後の活躍ぶりも紹介しており、候補者にとって「この会社で働きたい」と思わせる情報を発信しています。
中途採用の離職率低下につながる施策【入社後】
続いては、中途採用の離職率低下につながる入社後の施策について、5つの取り組みを解説します。
以下より、事例を交えながら各施策を詳しく解説していきます。
上司・人事との面談を定期的に行う
「入社後のフォローがない」という事態を防ぐために、上司や人事との面談を定期的に行い、業務の進捗状況や悩みをヒアリングしましょう。
中途採用者は前職での経験や実績、高い能力・スキルを持っていますが、業務の進め方の違いによって戸惑う場面もあるため、適切なサポートが必要不可欠です。
リクルートの調査によると、中途採用での受入れ施策として「定期的な上司との面談」が、もっとも離職意向を抑える効果があるとしています。
参考:中途入社後活躍調査「中途入社者の定着・活躍には定期的な面談が最も有効」|株式会社リクルートキャリア
また、定期的な面談やフィードバックを通じて、社員も自身の仕事による貢献を実感でき、モチベーションの向上にもつながるのです。
農業関連事業を行う株式会社クボタでは、20代後半から40代前半を中心とした経験重視の採用を行っており、中途採用後のサポートにも力を入れています。
企業文化や職場にスムーズな適応ができるように、採用後の導入研修に加えて、入社2年目までの社員に対しては定期的な面談を行いました。
これらの取り組みにより、中途採用者のなかで、役員・部長・課長などの役職に就任した社員もおり、分け隔てなく活躍しています。
メンター制度を導入する
経験豊富な先輩社員が後輩社員をサポートするメンター制度の導入により、入社後の課題や悩みを相談する相手ができ、仕事や職場への適応もより早くなります。
また、双方向での対話を通じて、キャリア形成上の課題解決をサポートし、個人の成長を促進させる有効な手段でもあります。
メンター制度を導入するためには、対象社員を支援する社内体制の構築が必須であり、経営陣や人事部、上司が一体となって進めることが成功のポイントです。
ホテルの施設営業事業などを展開する三井不動産株式会社は、正社員の約16%が中途採用の社員であり、現在も継続して中途採用に注力しています。
中途採用者はメンター制度を活用し、社内外におけるネットワークの構築や、企業文化への適応のサポートを受けています。
また、女性管理職を対象としたメンター制度を設けており、メンターとの面談を通じて、女性の活躍を支援する取り組みも実施中です。
導入研修などのフォロー体制を整える
中途採用者はすでに社会人経験があるものの、会社が変われば前職とは異なるスキルが求められるため、社内の専門知識や組織風土を理解してもらわなければなりません。
まずは、新卒採用と同様に導入研修を実施し、企業理念や勤務制度などの基本的な教育を行いましょう。
中途採用においては、会社が期待している役割を提示し、本人が目指すべきことを明確にすることで、スキル向上やキャリア形成のフォローアップができます。
医療医薬品事業を行う第一三共株式会社では、技術革新による開発競争が激しさを増しているなか、多様な人材の獲得に向けて中途採用を積極的に展開中です。
中途採用者が会社の理解を深め、スムーズに適応できるように、入社後の教育・研修では以下の多岐にわたる情報を提供しています。
- 人事制度
- 就業条件
- 企業理念
- 国内外の事業展開
また、能力・適性・本人の希望に応じた活躍の場を提供し、キャリア形成をサポートした結果、部所長への登用に至ったケースもあります。
キャリアプランに沿った環境を提供する
キャリアアップの機会がないことも離職する原因となるため、会社が求めている役割を伝えたうえで、本人のキャリア目標に沿った環境を提供する必要があります。
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
- 昇進・昇格などのキャリアパスの明確化
- 継続的なスキルアップ研修の実施
- 専門アドバイザーによるキャリアカウンセリング
- 部門間異動を可能にする社内制度の整備
中途採用者の多様な価値観に対応するためにも、さまざまな方法でキャリア形成をサポートし、長期的に成長の機会を与えることが重要です。
損害保険ジャパン日本興亜株式会社では、グローバル化の進展など経営環境の変化に対応するため、高度な専門性や独創性を持つ人材のキャリア採用を進めています。
主な取り組みは以下のとおりです。
- 新事業の専門部署やデジタル研究所のリーダーとして専門人材を招へい
- AI・RPAによる業務プロセスの改革を推進する専門人材のキャリア採用
また、中高年社員を対象とした「キャリア開発転籍制度」を導入し、本人が自らのキャリアプランを社外で実現できる人事制度も取り入れています。
社員のキャリア形成を後押しするためには、その過程を正当に評価する人事制度も必要です。以下の記事では、人事評価の基準や方法を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
人間関係を深めるイベントを開催する
社内イベントや交流会を通じ、中途採用者同士や上司・同僚との親睦を深めることで、不安や悩みの解消につながり、職場にも馴染みやすくなります。
具体的な取り組みには、謎解きゲームや伝言ゲームなど手軽に取り入れられるものや、社内運動会など健康を重視したイベントがあります。
人間関係を深めるには、社員の能力・スキル・経験を活かして、目標達成を目指すための組織づくり(チームビルディング)も重要です。
株式会社みずほフィナンシャルグループでは、新しいビジネス領域での人材を確保するため、各事業部門の戦略に応じた中途採用を積極的に進めています。
採用した人材の活躍を目指し「すべての社員の100%能力発揮」の目標を掲げて、中途採用者向けのコネクティビティ・イベントを開催しました。
同社では、社員同士が信頼や敬意を持ってお互いにつながり合うことを「コネクティビティ」と呼んでおり、以下のような取り組みも行っています。
- 知識や経験を共有し自主的に学び合う社内リソースグループ活動
- 女性社員のグローバルなキャリア形成を支援する勉強会
【参考】
中途採用の離職率が改善された事例
中途採用の離職率が改善した企業事例について、2つの取り組みを紹介します。
離職率改善に向けた戦略を検討している人事担当者の方は、各社がどのような視点で中途採用者をサポートしているのか、施策のヒントを見つけてみてください。
事例1:理念・制度を紹介する採用特設サイトの構築
訪問看護ステーション事業などを行うソフィアメディ株式会社では、訪問看護の業界全体が成長している一方で、離職率は高い状況が続いていました。
「ものすごく報酬が高いわけでも、楽をできるわけでもないハードな仕事」
このイメージを払しょくし、キャリア採用を強化するため、企業理念や制度を紹介する採用特設サイトを構築しました。
採用ページには「私たちの想い」というコーナーを設け、エッセイ風に理念を表現することで、サイトを見た人が企業理念をイメージしやすいように工夫しています。
また、医療職スタッフに特化した夜間タクシー利用制度や、育児のための時短勤務制度などの社内制度も掲載し、働きやすさを積極的に紹介しています。
企業イメージを伝えるサイト構築により、2017年時点で約17%だった離職率が、2023年には14.8%まで改善されました。
事例2:キャリア採用に特化した適性検査の導入
産業プラントの研究などを行う東洋エンジニアリング株式会社では、新規事業を創出するための人材を確保するため、キャリア採用の強化を図りました。
選考時は、新卒採用と同じ適性検査を利用していたものの、能力検査(所要時間90分)がメインであったため、キャリア採用には不向きでした。
キャリア採用の候補者は、基本的に忙しく検査を受ける時間も限られるため、短時間かつ性格特性にフォーカスした検査が必要と考え『ミキワメ 適性検査』を導入しています。
一次面接においては、履歴書・職務経歴書・適性検査結果の3点セットを面接官に共有して、面接を行っています。
適性検査の結果をもとに、候補者の性格特性が「仕事に合うか合わないか」という新たな視点を取り入れられ、面接の質も向上しました。
キャリア採用に特化した適性検査の導入により、採用選考中における途中離脱がゼロとなり、性格特性の多様性をマネジメントに活かす意識も高まっています。
事例:キャリア採用候補者の負担を軽減するべく、短時間で受検できる適性検査の導入
中途採用の離職率を改善し、即戦力となる人材を確保しよう
中途採用の離職率は、新卒採用と同じような水準である一方で、30%以上と離職率の高い企業があるのも事実です。
離職率を低下させるためには、採用時と入社後のそれぞれの場面において、戦略的なアプローチが求められます。
もう一度、離職率低下につながる施策を確認しておきましょう。
採用時の施策 | 採用基準・プロセスを見直す |
社員のリアルな働き方を伝える | |
入社後の施策 | 上司・人事との面談を定期的に行う |
メンター制度を導入する | |
導入研修などのフォロー体制を整える | |
キャリアプランに沿った環境を提供する | |
人間関係を深めるイベントを開催する |
中途採用においては、採用後のミスマッチを防ぐために、社風や仕事内容との適合性を判断する適性検査が必要です。
リーディングマークが提供する『ミキワメ 適性検査』は、自社分析をもとに性格傾向を割り出し、候補者の活躍可能性を判断できるツールです。無料トライアルも実施中ですので、ぜひお試しください。
従業員のメンタル状態の定期的な可視化・個々の性格に合わせたアドバイス提供を通じ、離職・休職を防ぐパルスサーベイ。30日間無料トライアルの詳細は下記から。