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サーベイとリサーチの違いを5項目で比較|よく似た言葉の意味も解説

「サーベイ」と「リサーチ」の言葉はよく聞くものの、意味や特徴にどのような違いがあるのかわからない人事担当者の方もいるでしょう。

サーベイとは、広範囲の対象者に行う調査のことで、企業においては社員の状態を測定・分析して、組織改善につなげることを目的としています。

一方、リサーチとは特定分野を対象に行う調査で、サーベイよりも詳細に深く調査することが主な目的です。

本記事では、サーベイとリサーチの違いを5つの視点からわかりやすく解説しています。

アセスメントやエンゲージメント調査など、混同しやすい言葉との違いも解説していますので、自社に合った適切な調査方法を検討してみてください。

サーベイとリサーチの意味・特徴

サーベイ_リサーチ_意味_特徴

「サーベイ」と「リサーチ」はよく似た言葉ですが、以下のように意味と活用法に違いがあります。

調査手法言葉の意味企業での活用法
サーベイ調査や測量を意味し、全体を見渡したり、概観したりすること組織の状態を調査・分析して課題を把握し、改善策を検討する
リサーチ調査や研究を意味し、特定の対象物の深い情報を得ることマーケティングにおいて、顧客調査や営業戦略に用いられる

以下より、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

サーベイ:組織の状態を調査・分析して改善する

サーベイには「調査」や「測量」の意味があり、全体的に見渡したり、概観したりする言葉を指します。

一般的には、社会的な世論調査や市場調査にサーベイが用いられ、特定の対象ではなく広い範囲を対象に調査する方法です。

企業がサーベイを活用する場合は、自社社員を対象にして調査を行い、満足度やエンゲージメントを測定・分析して、組織改善する目的で実施します。

サーベイには、目的や用途が異なるさまざまな種類の調査方法があります。以下の記事では、各サーベイの特徴を詳しく解説していますので確認してみてください。

サーベイ_種類_メリット_デメリット
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リサーチ:特定分野の深い情報を調査する

リサーチには「調査」や「研究」の意味があり、特定のものを対象とした深い情報の調査と、データ分析することを指す言葉です。

一般的なリサーチは、研究で用いるためのデータ収集として活用され、学術的な調査に用いられることもあります。

企業でのリサーチの活用法としては、マーケティング活動においての顧客調査や、営業戦略を立てる際の競合調査などに用いられます。

サーベイとリサーチの違いとは?【5項目】

サーベイ_リサーチ_違い

「サーベイ」と「リサーチ」の違いをより詳しくみていきましょう。それぞれの言葉には、主に以下の5つの項目で違いがあります。

項目サーベイリサーチ
調査の範囲・規模地域・組織など大規模な範囲分野に絞った小規模な範囲
調査の対象地域全体・組織全体の人を対象特定の地域の人・テーマを対象
調査にかかる時間数分・数十分など短い時間月・年単位の長い時間
調査の目的全体のトレンドや傾向の把握理論的な検証や研究
調査結果の活用方法従業員満足度やエンゲージメントの調査・分析・改善製品開発や技術研究の効果検証

サーベイとリサーチの違いは、カメラにたとえるとイメージしやすくなります。

広角レンズを使って全体的に景色を撮影するのが「サーベイ」です。

一方「リサーチ」は、望遠レンズを使って景色のなかの被写体にフォーカスして撮影するイメージです。

以下より、サーベイとリサーチの違いを項目ごとに解説していきます。

1:調査の範囲・規模

一つめのサーベイとリサーチの違いは、調査の範囲や規模です。

サーベイは「全体を俯瞰して見渡す」という意味から、地域や組織などの全体像を把握するため、大規模かつ包括的な調査が可能です。

一方でリサーチは「対象の詳細な情報を収集する」という意味から、特定のテーマや分野に絞った深い情報の調査を行います。

組織全体の傾向や課題を把握するにはサーベイ、特定のニーズや専門的な情報を収集する際はリサーチが適しています。

2:調査の対象

二つめのサーベイとリサーチの違いは、調査の対象です。

サーベイは、大規模かつ包括的な調査を行います。

地域で行うサーベイは住民全員を対象に、企業の場合は従業員全員を対象とする調査が一般的です。

一方でリサーチは、特定分野に絞った情報収集を行うため、問題を深く追求したり研究に伴う事前調査をしたりと、比較的狭い範囲を対象としています。

3:調査にかかる時間

三つめのサーベイとリサーチの違いは、調査にかかる時間です。

サーベイは、数分や数十分などの比較的短い時間で調査が行われます。

そのため、企業の場合は従業員の状態・意見などの情報をスピーディに収集し、組織改善までのプロセスも迅速に行いやすいことが特徴です。

一方でリサーチは、詳細な情報収集によって調査に時間がかかり、開発や研究などの理論的な検討が伴う場合には、月・年単位の時間がかかる場合もあります。

4:調査の目的

四つめのサーベイとリサーチの違いは、調査の目的です。

サーベイは、地域や組織の大規模な範囲を対象に調査するため、全体的なトレンドや傾向の把握を目的としています。

企業の場合は、従業員の心理状態や会社に対する要望などの情報を可視化させ、自社の問題の把握・分析から問題解決につなげる目的でサーベイを行います。

一方でリサーチは、改善や修正を前提とした特定のテーマを深く調査して、理論的な検証・研究を行うことが目的です。

リサーチは、深い洞察が求められる課題に対して、特定の専門領域を掘り下げた情報収集が必要な場合、有効な手段と言えます。

5:調査結果の活用方法

五つめのサーベイとリサーチの違いは、調査結果の活用方法です。

サーベイは、以下のように政府による調査や市場調査、企業での調査など幅広い分野で活用されています。

一般的な活用方法・政府による調査(国勢調査、家計調査など)
・市場調査(市場動向、トレンドなど)
企業での活用方法・従業員満足度やエンゲージメントの把握・分析
・従業員の心理状態の把握・サポート
・商品やサービスに対する顧客満足度の調査

一方でリサーチは、製品開発や技術研究のデータ収集で活用されたり、マーケティング分野で企画や効果の検証に活用されたりしています。

サーベイを活用するメリット・デメリット

サーベイ_活用_メリット_デメリット

サーベイには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

人事担当者の方は、サーベイの利点と課題を理解して、組織全体の健全性を高めるために戦略的に活用していきましょう。

以下より、サーベイを活用するメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット:組織の状態を可視化して分析・改善できる

サーベイを活用するメリットは、全従業員を対象とする調査によって、組織の健全性や従業員同士の関係性などを包括的に把握できることです。

サーベイで得られた情報は、個人や部署ごとに数値化・可視化されるため、さまざまな視点から傾向の把握や分析が可能です。

その他にも、サーベイには以下のようなメリットがあります。

  • 組織の問題点が浮き彫りとなり、改善策の検討がしやすい
  • 組織改善によって、従業員のエンゲージメントや満足度が高まる

従業員のエンゲージメント向上によって、仕事に対する熱意や貢献意欲が高まることから、離職率の低下も期待できます。

以下の記事では、エンゲージメントを高める施策について詳しく解説しています。実際の企業事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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デメリット:回答者が負担に感じる場合がある

サーベイのデメリットとして挙げられる点は、調査に参加する従業員が、回答に負担を感じてしまう場合があることです。

基本的にサーベイは、アンケート形式で調査を行い、短時間で実施できるように設計されています。

しかし、サーベイの目的や実施方法を従業員に伝えていないと、負担に感じてしまう可能性があります。

サーベイに対する不満から「サーベイが無駄だと感じる」という声もありますが、フィードバックや組織改善が適切に行われていないことが大きな要因です。

回答者が負担に感じることの対策は、以下のサーベイ活用法の記事で詳しく解説しています。人事担当者の方は確認してみてください。

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リサーチを活用するメリット・デメリット

リサーチ_活用_メリット_デメリット

リサーチには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

リサーチの優れた点と課題を理解することで、特定の分野における戦略的な情報収集や分析への活用ができるでしょう。

以下より、リサーチを活用するメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット:分野に絞った詳細な情報が収集できる

リサーチの大きなメリットは、特定のテーマや課題に焦点を当てて、分野に絞った詳細な情報が収集できる点です。

従業員が抱く特定のニーズの深掘りや、専門分野における深い洞察が得られるため、戦略的な組織の方針が立案できます。

調査には長い時間を要しますが、サーベイでは得られない調査対象の詳細データを反映させた、より効果的なアクションプランの策定に役立ちます。

デメリット:データの整理・分析には時間がかかる

リサーチにおけるデメリットは、収集した膨大なデータを整理・分析するための時間が必要なことです。

専門的な情報やデータを収集する際は、その情報の理解と綿密な分析が必要となり、長い時間をかけて取り組まなければなりません。

とくに、複数の分野に焦点を当ててリサーチする場合、データの複雑さや多様さが増すため、分析にはより一層の手間と時間がかかります。

サーベイとリサーチの併用も可能【より効果的な施策が検討できる】

サーベイ_リサーチ_併用

サーベイとリサーチは、対象や目的が異なる調査方法ですが、両者を併用することも可能です。

具体例としては、以下のような活用方法があります。

目的サーベイの活用方法リサーチの活用方法
例1カスタマイズされたサポート体制を整備し、従業員の心の健康を支援従業員の心理的な健康状態やストレスを把握メンタルヘルスに関する最新の研究データを調査
例2リモートワークなど柔軟な労働環境を作り、ワークライフバランスを重視働き方のニーズや不満を把握フレキシブルな働き方に関する成功事例を調査

サーベイで組織や従業員の問題点を洗い出し、リサーチで問題解決に向けた情報を深く調査することで、より効果的な施策が導き出せます。

サーベイとリサーチによく似た言葉の意味・違い

サーベイ_リサーチ_よく似た_言葉

サーベイとリサーチ以外にも、以下のようなよく似た言葉が存在します。

言葉意味
アセスメント個人や組織を対象に、能力や知識を客観的に評価する言葉
インタビュー個人やグループから情報収集するための対話形式の手法
アンケート決められた質問に回答して分析する手法
従業員満足度調査組織に対する満足度や意見を収集するための調査
360度フィードバック従業員のパフォーマンスを上司や同僚の視点から、多角的にフィードバックする方法
エンゲージメント調査組織に対する貢献意欲や仕事への熱意を測るための調査

上記の意味と違いについて、以下より詳しく解説していきます。

1:アセスメント

アセスメントとは、特定の個人や組織を対象に、能力・知識・状態などを測定して、客観的に評価する言葉です。

従業員や組織の状態・意見などの情報収集に活用されるサーベイは、アセスメントのツールの一つとして考えられています。

主にアセスメントには、従業員の評価にフォーカスした「人材アセスメント」と、社内の特徴や現状を評価する「組織アセスメント」があります。

アセスメントの活用によって、従業員のスキルや強みを正確に評価し、個々に合った人員配置や教育プログラムの構築が可能です。

アセスメントについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

2:インタビュー

インタビューとは、個人やグループから対話形式で情報収集する手法のことで、サーベイとは以下のような違いがあります。

項目インタビューサーベイ
対象個人・グループ組織・地域の個人
手法対話的な質疑応答アンケート形式の質問回答
情報の深度意見を深掘りした情報収集定型的な質問で広く浅く情報収集

企業におけるインタビューは、社風や働き方について従業員が感じていることを情報収集し、社内外に発信することが目的です。

人材採用の場面において、社内インタビューをもとに企業風土や雰囲気を発信していくことで、応募者が入社後に働くイメージを持ちやすくする効果もあります。

3:アンケート

アンケートとは、決められた質問に対して回答し、集計と分析をする手法のことです。

サーベイの調査方法は、主にアンケート形式で行われるため、アンケート自体は調査の「方法」や「名称」を意味する言葉です。

一般的なアンケートは、質問内容が標準化されており、回答者は事前に用意された選択肢から選んだり、自由意見で回答したりします。

一方でサーベイは、従業員ごとの性格や特性に合わせた質問ができるため、個々の状態に応じたケアやサポートが可能です。

大規模な範囲のデータ収集にアンケートを用いることが多く、統計的な分析を行う際に効果的な手法として利用されます。アンケートの詳細については、以下の記事を参考にしてみてください。

4:従業員満足度調査

従業員満足度調査とは、組織や職場に対する意見や満足度(従業員満足度)を収集するため、アンケート形式で行われる調査のことです。

主に仕事内容や労働条件に対して、従業員が「どのくらい満足しているか」「不満はないか」の把握を目的に調査します。

一方、サーベイは従業員満足度に加え、エンゲージメントや心身面の状態など、総合的に測定できる調査方法です。

サーベイでは、従業員の心理状態の変化を素早く察知できるため、適切なケアやサポートをとおして、従業員との結びつきを強くできます。

従業員満足度調査(アンケート)については、以下の記事で詳しく解説しています。具体的な質問サンプルも紹介していますので、調査時の参考にしてみてください。

従業員満足度_アンケート_質問項目_注意点_手順
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5:360度フィードバック

360度フィードバックとは、従業員のパフォーマンスに対して、上司や同僚などの関係者が意見しフィードバックする方法のことです。

サーベイとの違いは、以下のように「意見の対象」と「質問の回答者」が異なる点です。

項目360度フィードバックサーベイ
意見の対象従業員個人組織・職場
質問の回答者従業員の関係者
(上司・同僚・部下など)
従業員

なお、360度フィードバックは「360度サーベイ」とも言われており、サーベイの一種としても活用されています。

複数の視点からフィードバックすることで、従業員の強みや弱みをより深く把握でき、個々に合わせた人事計画や教育プログラムを決める際に有効な手段です。

従業員のパフォーマンスを高める方法は、モラールサーベイもおすすめです。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

モラールサーベイ_目的_他サーベイ_違い
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6:エンゲージメント調査

エンゲージメント調査とは、従業員の組織に対する貢献意欲や、仕事への熱意などの度合いを測る調査のことです。

エンゲージメント調査は「エンゲージメントサーベイ」とも言われており、数あるサーベイの一種です。

組織と従業員との関係性強化に重きを置いた調査であるため、エンゲージメントスコアの変化から従業員の離職傾向も把握できます。

エンゲージメント調査について詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してみてください。調査の目的やメリットについても解説しています。

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また、エンゲージメント調査(サーベイ)には、各社提供のさまざまなツールがあります。

以下の記事では、おすすめのサーベイツールを10個ピックアップしていますので、各ツールを比較検討する際の参考にしてみてください。

エンゲージメントサーベイツール_比較
【2024年版】エンゲージメントサーベイツール10個の特徴を比較社員のエンゲージメントを測定・向上させるサーベイツールを10個紹介します。エンゲージメントの向上は離職率を低下させる重要な要素です。各ツールの特徴を比較して自社に合ったツールを検討してみてください。...

まとめ:サーベイとリサーチの違いを理解し目的ごとに使い分けよう

サーベイ_リサーチ_違い_理解_目的

今回の記事では、サーベイとリサーチの違いを明確にするため、それぞれの定義と特徴を解説してきました。

もう一度、サーベイとリサーチの違いについて、以下の5項目で確認しましょう。

項目サーベイリサーチ
調査の範囲・規模地域・組織など大規模な範囲分野に絞った小規模な範囲
調査の対象地域全体・組織全体の人を対象特定の地域の人・テーマを対象
調査にかかる時間数分・数十分など短い時間月・年単位の長い時間
調査の目的全体のトレンドや傾向の把握理論的な検証や研究
調査結果の活用方法従業員満足度やエンゲージメントの調査・分析・改善製品開発や技術研究の効果検証

サーベイは組織全体の状態や傾向を把握する目的で使われるのに対し、リサーチは特定分野の深い情報を調査するために用いられます。

サーベイとリサーチを目的ごとに使い分けることも重要ですが、場合によっては両者を併用することで、より効果的な情報収集ができます。

企業の人事担当者の方は、組織の状態把握と迅速な改善をするために、サーベイの導入を検討してみてください。

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