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KJ法とは?言葉の意味から効率的なやり方を解説

KJ法という手法をご存知でしょうか。当記事では、KJ法の特徴や流れをご紹介します。

KJ法とは?

KJ法の定義や由来を解説します。

定義

KJ法は、断片的な情報をまとめてアイデア出しを行い、問題解決を行う方法です。ブレインストーミングなどで出た情報をカードにまとめて、グループ化して整理をします。「KJ」は考案者の東京工業大学名誉教授・川喜田二郎氏のイニシャルです。

参考:KJ法とは-コトバンク

特徴

カードを使って図解を行い、文章にまとめることで、問題解決やアイデア出しに有効です。

思いつきやふとしたアイデアをしっかり吟味したり、問題点を浮き彫りにするなどに有効です。原始的な手法ですが、ゆえに汎用性が高く、さまざまなシーンで活用できます。

KJ法をする前に知っておくべきブレインストーミング(BS)とは?

KJ法はあくまでアイデアをまとめる手法にすぎません。

まずはアイデア出しのブレインストーミングをしましょう。

発案者の川喜田氏は、著書「発想法」でKJ法とブレインストーミングとの親和性を述べています。アイディア創出や問題解決には多様な意見が必要であり、それがブレインストーミング4原則によって生まれやすいからです。

参考:発想法 改版 – 創造性開発のために

ブレインストーミングとは

アメリカの広告代理店副社長のアレックスオズボーンが考案した集団的思考法です。複数人でどんどんアイディアを出し、最終的に統合して結論を出すものです。

参考:ブレインストーミング-コトバンク

ブレインストーミング(BS)の4原則

ブレインストーミングには4つの原則があります。

批判厳禁

人の発言やアイデアを批判してはいけません。

批判を恐れて発言しない人が出てくるからです。

穏やかな雰囲気で、どんな発言やアイデアに対しても肯定的な態度で受け入れましょう。

どうしても受け入れ難い意見に対しては、その後の議論で自分の意見を主張しましょう。

自由奔放

自由奔放さもブレインストーミングでは重要です。

とにかく枠に囚われない自由な発言をしていきましょう。

ブレインストーミングは突飛で誰も思いつかないようなアイデアを出していき、それらを議論することに意味が宿ります。

思いついたことはなんでも発言していきましょう。

質より量

ブレインストーミングを行う場合は、活発な意見の出し合いが最も重要なので、質を意識する必要はありません。

思いついたことはなんでも意見していきましょう。

その発言が問題解決につながるかは、一旦考えなくて良いです。

連想と結合

他人のアイデアに便乗しても全く問題ありません。

ブレインストーミングの根幹は複数人の考えを最大限拡張することです。

自分になかった思考を取り入れ新しいアイディアを出すことも醍醐味なので、積極的に便乗をしていきましょう。

参考:ブレインストーミング

ブレインストーミングのポイント

ブレインストーミングのポイントを簡単に解説します。

用意するもの

付箋、ホワイトボードとマーカ、または紙とペン、場合によってはアプリケーションやICレコーダーを用意しておくと効率的です。

制限時間を設定する

ブレインストーミングは上記の4原則に則った上で、制限時間を設定して行います。無制限では収集がつかなくなります。

参加メンバーと人数

原則、ブレインストーミングは10人以下で行います。

なるべく立場、考え、性別、性格が異なる多様な人材を集めてください。

柔軟で今までにない発想を出すためにも、バリエーション豊かな人材を集めることが肝心です。

KJ法の利点

KJ法には利点・欠点がそれぞれ存在するので、両面を理解してから適切に利用しましょう。

断片的な情報の可視化

KJ法は、断片的な情報を可視化するのに有効です。

複数人の頭の中になる抽象的な情報を、全て書き出し、可視化していくからです。

今まで見えなかった問題点が明らかになると同時に、

無関係と思っていたアイデアを役立てることができる場合もあります。

論理的な思考ができる

KJ法はたくさんのアイデア・考えを複数人で考えるので、客観的かつ論理的な思考ができます。

感情に流されたり、先入観があったりといった事態を排除できるので、より効率的な議論が可能でしょう。

問題点を明確にできる

マーケティングや経営戦略を立てるとき、問題点をあらかじめ明らかにしておくことは非常に重要です。

問題点を把握したら、要因は外部環境なのか内部環境なのかを分析し、適切な対処を行いましょう。

解決策を明確にできる

問題だけでなく、解決策まで提示できるのがKJ法です。

複数人で問題に対する回答を用意し、それぞれを議論することができるので、客観的かつ論理的に問題を解決する手段をすり合わせることができます。

そのため、KJ法は経営やマーケティングに限らず、さまざまなジャンル・場面で使用される手法なのです。

KJ法の欠点

KJ法には欠点も存在します。

アイデアを出す人の属性に依存する

たとえば、エンジニアだけでKJ法を行うと、視野の狭い議論になってしまいます。企画や営業など、幅広い人材を用意して行わないと意味がありません。

全ての事象を網羅できない

ボトムアップの手法なので、上から俯瞰して見ることはできません。

メンバーの視点が偏っていると、事象の漏れが出る可能性もあります。

そのため多様な人材を用意しなければ、本来の力を発揮できないのです。

多くの人に手間と時間がかかる

KJ法は片っ端からアイデアを出し、整理、議論をします。

そのため、多くの人員の手間を必要とし、またアイデア出し〜議論までに数時間以上を必要とするという欠点があります。

多くの人の手間と時間を奪う行為なので、KJ法を行うときは、タスクに余裕があるときにしましょう。

KJ法の効率的なやり方

KJ法の具体的な流れを解説します。

道具の準備

  • 清書用の模造紙
  • マジックペン(数色)
  • ボールペン
  • カード
  • 清書用のカード

などを準備しておきましょう。

BSなどで出たデータをカードに書き込む

次はデータ出しです。1枚のカードに1つの内容を書いて下さい。

複数書くと、グループ分けがしにくくなります。

またカードには通し番号をつけ、元データにも同じ通し番号を記載しておきましょう。

カードをランダムに並べる

カードをランダムに並べましょう。ランダムな方がKJ法を行いやすいです。

机が狭いと整理にくくなるので、十分に広い机か、床を利用しましょう。

似た内容のカードを小グループに振り分ける

類似内容のカードを小グループ化し、ボトムアップでカテゴリーを作ります。

なお、どのグループにも当てはまらないカードはそのままで良いです。

グループの内容をまとめた表札を作成する

下記項目に注意して、それぞれの表札を作成しましょう。

  • 小グループの時点では表札を文章で作成する
  • 無理やり既存の言葉に当てはめない
  • 表札は目立つものにする
  • 表札には番号をつける
  • 表札はマジックペンで色つけして整理する
  • 小グループのカードをまとめて表札を一番手前に重ねクリップでまとめる

小グループを大きなグループ(中グループ)に分類する

小グループ同士の内容が近しいものをまとめて中グループにします。

手順は小グループ作成と同様ですが、さきほどと違う色で清書すると整理しやすいです。

中グループを大グループに分類する

さらに中グループを整理し、最終的に解釈が可能なレベルまでまとめた大グループを作成しましょう。

解釈が可能になるまで、中グループを作っていくのがポイントです。

カードを解釈しやすい順番に並べ替える

大グループをバラさずに空間的に配置します。

このとき、グループ数が多すぎると図が複雑で解釈困難になるので注意しましょう。大グループ→中グループ→小グループの順に、徐々にレベルを下げて整理していきましょう。

図解する

カードの配置が完了したら、今度は図解です。

鉛筆でラベルをグループごとに囲み、その後グループごとの関係を関係線で結びます。 関係線は大きいグループから結び、研究目的に合わせて最小限にしましょう。

こちらも大グループ→中グループ→小グループの順で実施することで、解釈の齟齬がなくなり、論理的に図解が可能です。

文章にまとめる

最後に、図解を元に文章にまとめていきましょう。

グループのカードに書かれている言葉をなるべく使って文章化していきます。

論理性の矛盾やデータの課題解釈に留意することで、新たな発想が出たり、間違いに気づくこと可能です。完成した図解を見ながら、さらに議論を進め、参加者全体の理解と共有を深めましょう。

参考:KJ法クイックマニュアル

KJ法を効率的に進めるためのツール

KJ法を効率的に進めるツールを紹介します。

Lucidchart

Lucidchartは、ビジネスチャットサービスの一つです。テキスト、資料、図、画像などを社内で共有できます。

情報やデータのチャート化がしやすく、メンバーがコメントできます。

コメントを集めればそれがKJ法の1つのグループになりますし、チャートは情報グループの関係性を表しているので、KJ法を実行していることになります。

「チーム内で情報共有しやすく、リモートワークとの相性が良い」

「使い勝手がよく、資料作成がサクサク進む」

などの口コミもあります。

参考:料金プランの選択

Microsoft Whiteboard

MicrosoftのWhiteboardはオンライン会議サービスです。

画面共有された電子ホワイトボードに、参加ユーザー全員が自由に付箋貼りや書き込みができるので、KJ法が簡単に実施できます。

Microsoftのサブスクリプションに加入していれば利用できるのも魅力でしょう。

「MicrosoftTeamsとの相性が良い」

「真っ白なノートに手書きするように、思った事を書いていくことができる」

などの口コミもあります。

参考:Microsoft Whiteboard

SimpleMind

SimpleMindはマインドマップを簡単に作れるアプリです。

KJ法とは異なりますが、複数の情報を関連づける点はKJ法と似ています。ぱっと思いついたことをノートに書けますし、クラウド上に保存すれば複数端末で使えるので便利です。非常にシンプルな画面で、使い勝手の良さがメリットです。

「シンプルなマインドマップの王道ツール」

「楽しくアイディア整理ができる」

などの口コミもあります。

参考:SimpleMind

IdeaFragment2

「混沌からカタチが生まれてくる喜びを」がコンセプトの思考支援ツールです。思いつきや気になる言葉の断片を画面に並べ、いろいろと動かしたり、眺めたりできます。緑色の黒板っぽいデフォルトデザインで、チョークで書いている気分になれます。カードの追加やグループ化、表札の作成、線の追加も簡単です。
「無料でここまで使えるなんてすごすぎる」
「黒板にチョークでアイデアを書いてる感覚は、学者になった気分が味わえます!!」
などの口コミもあります。

参考:IdeaFragment2図解・文章構成・アイデアをまとめるのにIdeaFlagment2が便利!!

Xmind

Xmindはマインドマッピングおよびブレインストーミングツールです。テンプレートが多様で、自由にカスタマイズできます。また他ユーザーが作成したユニークなテンプレも使えるので、使用用途が幅広いです。時間制限できるタイマーや、ガントチャート機能もあり便利です。

「ビジョン作りや相関図などに最適な整理ツール」
「頭の中のもやもやを表現できるツール」

などの口コミもあります。

参考:アイデアと共に大きくなるマインドマップXMindのレビュー

まとめ

KJ法は、考えをまとめて、整理し図解、論理的に思考するためのものです。

今まで明らかになっていなかった問題点や、その解決策を提示できる可能性があり、マーケティングや経営戦略の立案において非常に有用といえるでしょう。

ただし、KJ法の実施には、幅広い人材を集める必要があったり、工数と時間がかかったりといったデメリットもあります。

時間と人員に余裕があるときに、適切にKJ法を行い、企業の戦略立案を行いましょう。

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