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面接官の準備は何から始める?6つの心構えと面接アプローチについて解説

採用面接は、多くの候補者のキャリアを左右し、自社の将来にもつながる重要なプロセスです。面接官は、採用面接の目的を理解し、適切な準備をする必要があります。

本記事では、面接官に求められる準備や役割、効果的な面接方法について紹介します。

面接官の準備は採用の目的と与えられた役割について理解することから始まる

採用を実施するにあたり、面接官は企業が採用を行う目的を理解する必要があります。新卒採用なのか中途採用なのかで、必要とされる人材が異なるためです。

また、面接官には自身の役割を理解しておくことが求められます。面接官の大きな役割は、応募してきた候補者が自社に適しているかを見極めることです。履歴書や職務経歴書だけでは判断しきれない候補者の資質を、直接のやりとりによって把握する必要があります。

候補者にとって、面接は自身の能力や意欲を直接アピールできる場です。面接官は、候補者に対して公平公正な評価をしなければなりません。

そのほか、候補者に対して自社が魅力的な会社であることをアピールし、入社意欲を高めることも面接官の役割です。企業側の代表として会社の魅力や価値観を効果的に伝え、自社を候補者の第一志望に導く必要があります。

候補者側から見た面接官の役割とは

候補者にとって、採用担当者は単なる面接官ではなく、自分にとって有益な情報を与えてくれる人物でもあります。企業についてよく知るいち社員という立場から、面接官には以下のような対応が求められます。

  • リアルな企業/業務内容の情報を提供する

候補者は面接官から具体的な業務内容や職場の雰囲気など、公開情報では得られない情報を得ることで企業への理解を深め、第一志望を決めるための判断に役立てます。

  • 候補者の不安や疑問を解消し、入社後のイメージを明確にする

候補者は自身が抱える不安や疑問点について面接官から適切に回答してもらうことで入社後のイメージをもちやすくなり、企業に対する志望度や信頼度を高めます。

面接官に必要な準備と心構え

面接官に求められる主な準備は以下の6つです。

  • 企業情報と募集要項を熟知する
  • 候補者と対等な立場であることを認識する
  • 求める人材を明確化して客観的な評価基準を設定する
  • 候補者情報を確認して質問を準備する
  • 避けるべき質問を把握する
  • 面接の流れに合わせた時間管理を行う

それぞれの内容や必要な心構えについて解説します。

企業情報と募集要項を熟知する

面接官にとってもっとも重要な準備は、自社の情報と募集要項を熟知しておくことです。とくに、入社から年数が経っている場合、面接官が募集内容を覚えていなかったり、内容が変化したりしている可能性があるため、再確認しておきましょう。

候補者は面接に向けて自社のウェブサイトや募集要項を読み込んできているため、面接官が候補者からの質問内容に答えられないと、候補者は企業に対して不信感を抱きます。

自社を第一志望にしてもらうためには、候補者の興味や疑問に合わせて企業の魅力や適切な情報を提供することが重要です。

具体的には、以下の点を確認しておきましょう。

  • 採用ポジションの詳細、勤務条件、会社のビジョン
  • 自社ウェブサイトや求人媒体に掲載されている情報
  • 面接でよく聞かれる質問への回答

候補者と対等な立場であることを認識する

面接は、企業が候補者を「選ぶ」という、一方通行のプロセスではありません。とくに、2025年卒の求人倍率が1.75倍という現在の売り手市場においては、候補者も自身のキャリアや人生に大きな影響を与える選択として企業を慎重に見極めていることを理解しておきましょう。

具体的には、面接官は以下の点を意識する必要があります。

  • 企業を代表する立場であることを忘れず、採用のプロとして公平公正な態度と採用プロセスを保つ
  • SNSでの情報拡散リスクを考慮し、適切かつ誠実な対応を心がける
  • 身だしなみや言葉遣いにも気を配り、企業イメージの向上に努める

求める人材を明確化して客観的な評価基準を設定する

必要な人材は、部門やポジションによって異なります。効果的な採用を行うためには、採用したい人材像の明確化が欠かせません。

明確化した人材像に沿った面接評価シートを作成すれば、面接官個人の印象に偏らない公平な評価が可能となります。

ただし、評価基準を細かく設定しすぎると採用の可能性を狭めてしまい、優れた人材を見落としかねません。条件の優先度(必須/できれば/避ける)を決める際は、評価項目ごとに3〜5段階程度の客観的な判断基準を設定すると、各面接官の基準のブレを避けられます。

また、面接官として経験の浅い従業員がいる場合は、事前にロールプレイングを実施し、面接スキルの向上と評価基準のすり合わせを行うことも有効です。

候補者情報を確認して質問を準備する

候補者はそれぞれ個性が違うため、全員に同一の質問を投げかけるだけでは、個人の資質や人間性を測れません。

面接官は提出された履歴書や職務経歴書を事前に読み込み、候補者に合わせた質問内容を用意しておく必要があります。応募書類で気になる点があれば、チェックやメモをしておきましょう。

以下は、採用面接で基本となる質問項目の例です。

項目質問例
経歴に関する質問「大学時代に最も力を入れたことは何ですか?それはなぜですか?」
志望動機/キャリアプラン「当社でどのような成長を目指していますか?」
職務適性/仕事観「あなたの強みを活かせる業務は何だと考えていますか?」
コミュニケーション力「相手の立場に立って考えることが必要な場面での経験を教えてください」
パーソナリティ/ストレス耐性「あなたの長所と短所を教えてください。短所をどのように改善しようと考えていますか?」
状況対応力「上司から理不尽な要求をされた場合、どのように対応しますか?」
会社や業界の理解度/志望度「当社が属する業界の課題や今後の展望について、どのように考えていますか?」

質問を用意することは重要ですが、準備した質問にこだわりすぎず、面接の流れに応じて柔軟に対応して自然な対話を心がけましょう。

避けるべき質問を把握する

面接において、差別や偏見につながる質問は避けなければいけません

また、労働市場の適切な調整と円滑な運営の確保を目的とした職業安定法第5条の5では「業務の目的の達成に必要な範囲内」での個人情報の収集、保管、使用が定められているため、法令遵守の観点からも以下の質問を避けましょう。

  • 本籍/出生地に関する質問
  • 家族状況についての質問
  • 宗教/支持政党に関する質問
  • 思想/尊敬する人物についての質問
  • 社会運動歴に関する質問
  • 購読新聞/雑誌についての質問
  • その他職務に関係ない身体状況に関する質問

面接の流れに合わせた時間管理を行う

適切な時間管理は、限られた時間で最大限に面接の目的を果たすためにも重要なポイントです。

面接時間を1時間とした場合の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 挨拶とアイスブレイク(5分)
  2. 面接官の自己紹介、企業/事業内容の説明(10分):事業/業務内容、今後のビジョン、求める人材など
  3. 面接官から候補者への応募書類を基にした事実確認と質疑応答(20-30分)
  4. 候補者から面接官への逆質問(10分)
  5. 事務連絡(5分):合否が出るまでの目安の日数、通知方法、通過した場合の次の選考スケジュールなど

また、以下の5つのポイントを押さえて時間管理を行いましょう。限られた時間内で必要な情報を得つつ、候補者にも十分な発言の機会を提供することが大切です。

  • 質問リストの準備時に、各セクションの時間配分を決める
  • 質問の優先度を決めておき、時間が足りない場合に質問を省略するなど柔軟に対応する
  • 面接シートに時間経過を記入する欄を設ける
  • 候補者の回答が長引く場合、丁寧に次の質問に誘導する
  • 面接官が複数の場合には主(質問と進行)/副(メモと時間管理)など担当を分けておく

面接官の準備で知っておくべき4つの面接アプローチ

面接官が効果的な面接を行うために活用できる4つのアプローチを紹介します。

アプローチ方法ポイント
適切なアイスブレイク冒頭の答えやすい質問による話しやすい雰囲気づくりにより、候補者の緊張を和らげ普段の状態に近い会話に近付けることで候補者の本質を見極めやすくなる。

例:「駅からここまで迷われませんでしたか」「今日は〇〇線でいらっしゃいましたか?混雑していませんでしたか」
OPENクエスチョンの活用以下の2つの質問形式を適切に組み合わせ、必要な情報と候補者の価値観や資質をバランス良く引き出す。

CLOSEDクエスチョン:「はい」「いいえ」など限られた選択肢のなかから答える形
例:「リモートワークは可能ですか」

OPENクエスチョン:自分の意見や想いを自由に答える形。候補者の個性や考え方をよく知れる一方、回答に時間がかかる、候補者側の負担が大きい
例:「当社の事業領域で、あなたが最も興味を持っている分野は何ですか」
コンピテンシー面接特定のエピソードについて具体的な状況や行動、結果を詳しく聞くことで、候補者本来の能力や人間性を評価する

例:「チームで困難なプロジェクトを成功させた経験を教えてください」「あなたはどのような役割を果たしましたか?」「なぜそう考えましたか」
非言語コミュニケーション以下の4つの非言語コミュニケーションを効果的に活用することで、相手との距離感が縮まり、信頼関係の構築により相互理解が可能となる。

姿勢と身振り:開放的な姿勢を保ち、適度なジェスチャーを使用して話を補強する
アイコンタクト:適切なアイコンタクトを維持し、関心と注意を示す
表情:温かみのある表情を心がけ、候補者を安心させる
声のトーン:落ち着いた、明瞭な声で話し、候補者の緊張を和らげる

直接相手の表情や反応をつかみにくいオンライン面接の場合、上記をとくに意識することが重要。

面接前に確認したい面接官の準備チェックリスト

ここまで解説した内容を踏まえ、面接官が行うべき準備をチェックリストにまとめました。準備、当日の対応、オンライン面接特有の項目を含め、以下の表で最終確認しましょう。

事前準備・企業情報や募集要項の確認
・候補者の履歴書/職務経歴書の精読
・評価基準の設定
・質問リストの作成
・タイムスケジュールと時間配分の確認
当日・身だしなみは整っているか(髪、スーツ、ネクタイ、靴、名札やIDカード)
・準備物はそろっているか(評価シート、筆記用具、質問項目リスト、企業概要の資料など)
・面接室の環境確認
オンライン面接の場合・通信環境に問題はないか(接続、周囲の音)
・システムトラブルに備えた代替手段は用意しているか
・機密事項(ホワイトボード、書類など)が映り込んでいないか

面接準備の負担を軽減して採用ミスマッチを防ぐにはツールの導入も効果的

面接官は採用でのミスマッチを防ぐため、候補者一人ひとりに合わせて何を聞くべきか、どんなことを伝えるべきかを、毎回準備しておくことが理想です。

しかし、日々の業務のかたわらで採用の準備を進めるのは大きな負担となります。そこで、採用を支援するツールの導入を検討しましょう。

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  • 候補者の価値観が把握でき、効果的に自社の魅力や求める情報を伝えられる
  • 「活躍社員の分析と要素の定量化」により部門やポジションごとの求める人材像と採用基準を明確化できる
  • 面接との適性検査の一致度を見ることで採用精度が向上する

面接準備に「ミキワメ適性検査」を活用して自社に最適な候補者を見極めよう

採用のミスマッチを防ぐために、面接官は限られた面接時間で効果的に候補者を見極めなければなりません。

「ミキワメ適性検査」の活用により、面接準備の負担を軽減しつつ「現在活躍する社員を基にした求める人材像の明確化→適した人材の採用→採用社員の定着」という好循環を生み出すことが可能です。

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