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ヘッドハンティングとは一体何?概要や流れ、利用するメリットなどを詳細解説!

企業で働いている方の中で「ヘッドハンティング」という言葉を聞いた経験がある方、少なくないと思います。ヘッドハンティングでは通常の採用活動と異なり、企業が直接人材の引き抜きを行います。上手く活用すれば、企業側は人材確保を、社員側はキャリアアップを実現することが可能です。

本記事ではこのヘッドハンティングについて、概要や流れなどを詳細に解説していきます。ヘッドハンティングに興味のある方はぜひ一読してみてください。

ヘッドハンティングとは

ヘッドハンティングとは、他社の社員を引き抜いて自社で採用することです。通常の転職サイトでは自社の要望に沿った人材を雇えるとは限りません。求人掲載から書類選考、面接まで手間をかけても希望の人材を確保できないことも多いです。

これに対して、ヘッドハンティングでは自社の戦力となる人材に直接アプローチをかけていきます。転職サービスよりも費用対効果の高い採用活用を実現することが可能です。

ヘッドハンティングの対象となる社員は必ずしも転職意思があるとは限りません。このため通常の転職求人サービスではなく、ヘッドハンティングを専門に扱う人材会社に調査・スカウトを依頼することになります。

参考:ヘッドハンティングとは – コトバンク

従来のヘッドハンティングは「エグゼクティブ層」が対象だった

従来は、経営幹部・役員などエグゼクティブ層を対象にヘッドハンティングが行われていました。しかし近年は、企業間の競争激化に伴い、ヘッドハンティングで優秀な人材を囲い込む企業が増えてきました。中堅社員・幹部候補社員などの「ミドル層」、いわゆる将来のリーダー候補も対象になりつつあります。「一定のスキルがある30代後半から40代半ばの部長一歩手前の人材が多い」という見解をするヘッドハント会社社員もいます。

また、2017年頃から女性限定のヘッドハンティング求人も広まりつつあります。「女性のアイディアを企画に取り入れたい」「職場の雰囲気を変えたい」など需要は様々です。

参考:ヘッドハント 次はあなた: 日本経済新聞 

ヘッドハンティングの種類

ヘッドハンティングはターゲットによって下記の3種類に分かれています。

  • エグゼクティブサーチ型(欧米型)
  • フルサーチ型
  • 業界特化型

エグゼクティブサーチ型(欧米型)

経営者・経営幹部・重役などエグゼクティブ層がターゲットです。欧米で広く実施されているので「欧米型」とも呼ばれています。外資系で多く利用されているのがこのタイプです。世間一般のイメージは「ヘッドハンティング=エグゼクティブサーチ型」であるといってよいでしょう。

フルサーチ型

フルサーチ型はミドルマネジメント層がメインターゲットです。この型が登場したことで、希少スキルを持つ専門職、マネジメント経験が豊富な管理職もヘッドハンティングの対象となりました。欧米には無いため、日本特有のヘッドハンティングともいえます。デメリットは人材発掘に時間がかかる点です。

業界特化型

業界特化型は、その名の通り特定の業界で働く人材が対象です。医療・IT・不動産・広告宣伝など、専門知識・技術が必要な業界に特化することで、より効率的にヘッドハンティングを行うことが可能です。

ヘッドハンティングの流れ

基本的にはヘッドハンティング会社に所属している「ヘッドハンター」と呼ばれる人たちがヘッドハンティングを行います。

情報収集

クライアント企業の採用要件に合致する人材を探します。

  • SNS(TwitterやInstagram)
  • 公的な情報や会社のネットワークなど
  • ビジネスマッチングアプリ

上記手段を用いて情報を収集します。

アプローチ

候補者に連絡

ひと昔前は、候補者の勤務企業付近で待ち伏せるスタイルが主流でした。しかし現在は「電話」「メール」が一般的です。なお、ファーストコンタクトの目的は面談を設定することです。

面談

オンラインまたはオフラインで面談をします。

  • 転職先の企業情報
  • 用意されている役職
  • 給料情報

上記情報が直接伝えられます。

依頼元企業の面接

候補者が転職に興味を持ったら、依頼元企業の採用担当者と候補者との面談が実施されます。カジュアル面談の目的は、より詳細な条件や転職意思の確認です。候補者の転職意思が固まったら、面接に進みます。面接といっても振るいにかけるようなものではなく、あくまでも双方の最終的な意志を確認する場と考えてください。

採用

双方の意思が確認出来次第、入社手続きに入ります。

  • 現職の退職手続き
  • 入社手続き

スムーズに進めるため、適宜ヘッドハンターがサポートに入ります。

ヘッドハンティングを受けるには?

ヘッドハンティング受ける方法は大きく分けて下記の2種類です。

  • ・ヘッドハンターから直接連絡がくるのを待つ
  • ・ヘッドハンティング型の転職サービスを使う

ヘッドハンターから直接連絡がくるのを待つ

ヘッドハンティングを受ける正攻法は「ヘッドハンターからの直接連絡を待つ」ことです。何も成果を出さずにヘッドハンティングされることはありません。

競合他社の間でも話題になるぐらい仕事で成果を出し有名になることが、ヘッドハンティングされる近道です。

ヘッドハンティング型転職サービスを使う

ヘッドハンティングされる可能性を少しでも高めたい人には、「ヘッドハンティング型転職サービス」がおすすめです。このサービスはヘッドハンティングと転職サービスの間に位置するものです。

(例)

リクルートダイレクトスカウト:ハイクラス向け

ビズリーチ:ハイクラス向け

ロバート・ウォルターズ:語学力を生かした転職におすすめ

これらのサービスの利用には登録が必要なので、その点は完全受け身のヘッドハンティングとは異なります。登録した履歴書・職務経歴書の情報をヘッドハンターに公開されます。そのため、依頼元企業の要望と合えば、高確率でヘッドハンターから声がかかります。なお連絡はサービス内のメッセージ経由で来ることがほとんどです。

ヘッドハンティング型転職サービスの求人は非公開が大半です。このため、通常の転職サービスを利用するよりも、好条件の転職が実現しやすいです。

ただし、ヘッドハンティング型転職サービスでは年収・勤務先企業の規模など登録に際して厳しい条件が設けられています。誰でも簡単に登録できる訳ではないので、その点は留意しておきましょう。

ヘッドハンティングを受けた際の注意点

ヘッドハンティングを受けてもすぐに信用してはいけません。

下記の点に注意しながら交渉を進めてください。

  • ヘッドハンティングされた経緯を確認する
  • 求人の詳細をチェックする
  • ヘッドハンティング会社の評判を調べる

ヘッドハンティングされた経緯を確認する

特にメールや電話で直接ヘッドハンティングされた場合、なぜ自分が選ばれたのか経緯を確認しましょう。個人の連絡先の入手方法も確認してください。少数ではありますが、不正に個人情報を入手して連絡してきているケースもあります。面談に進むまで情報提供元を明かしてくれない可能性もありますが、早い段階で情報元を把握できると安心です。

また、「ヘッドハンティング」と謳いながら、実際は転職サービスの余った求人を紹介している可能性もゼロではありません。

求人の詳細をチェックする

面談に進めば求人の詳細をヘッドハンターが提示してくれます。この段階で求人内容を念入りにチェックしてください。雇用形態や役職、年収、業務内容、勤務地などを中心に確認して、自分に適しているか確認しましょう。自分と合わないと感じたり、不明瞭な点が多い場合は無理にスカウトを承諾する必要はありません。

ヘッドハンターは営業成績が年収・昇進に響きますので、必死で説得をしてきます。

しかし、最終的に決めるのはあなた自身です。合わないと感じたらキッパリと断ることも大切になります。

ヘッドハンティング会社の評判を調べる

ヘッドハンティング会社の評判も必ず確認しましょう。現在の待遇よりも悪い求人を巧妙に押し付けられて、不本意な転職をしてしまう可能性もあります。

面談設定から実施日まで数日~数週間ほど期間が空くことが多いので、この間に評判を調べておきましょう。あまりよろしくない会社であれば、利用を見送ったほうが賢明です。

企業がヘッドハンティングを利用するメリット

企業がヘッドハンティングを利用するメリットとして、下記の3点が挙げられます。

  • 即戦力の人材を確保しやすい
  • 転職市場に中々現れない人材を採用できる
  • 競合他社に知られないよう採用活動を進められる

即戦力の人材を確保しやすい

ヘッドハンティングを利用することで、通常の採用活動よりも即戦力の人材を確保しやすくなります。ヘッドハンティングは優秀な人材の情報を得た上で実行します。書類選考・面接の段階で相手を評価する訳ではありません。

このため、企業側のニーズに合致した人材を確保することが可能です。採用ミスマッチも防ぎやすい点もヘッドハンティングのメリットになります。

転職市場で出会えない人材を採用できる

優秀な人材ほど好待遇で雇われている可能性が高いため、転職市場に現れる頻度は少ないです。ヘッドハンティングであれば転職市場に出てこない人材を直接引き抜くことができます。

競合他社に知られないよう採用活動を進められる

競合他社にばれないよう、水面下で採用活動を進められます。転職サイトを使用すると、競合他者に同条件の求人を出されて、採用活動を邪魔されてしまう可能性もゼロではありません。こっそり採用活動をしたい場合はヘッドハンティングがおすすめです。

企業がヘッドハンティングを行う際の注意点

企業がヘッドハンティングを行う際は下記の点に注意してください。

  • 獲得したい人材を明確に決める
  • ヘッドハンティングには時間とコストがかかる

獲得したい人材を明確に決める

獲得したい人材のペルソナを明確に決めておきましょう。スキルセット、実績、経験などを具体的に決めることで、採用のミスマッチを防ぎやすくなります。

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ヘッドハンティングには時間とコストがかかる

時間とコストがある程度かかる点は留意しておきましょう。転職系のエージェントやサイトのほうが人材紹介・応募が安定して入ります。一方ヘッドハンティングではどうしてもバラつきが出てきます。

また、最初のアプローチから内定までに平均4~6ヶ月程度の期間が必要とされています。そのため、短期間よりも、長期的にじっくりと人材獲得を行う場合に適しています。

ヘッドハンティングと転職エージェントの違い

ヘッドハンティングと混同しやすいのが「転職エージェント」です。転職エージェントでは転職希望者にエージェント(仲介者)が付いて各種転職活動のサポート・求人紹介が行われます。エージェントは応募書類の管理・面接日の調整など事務的なタスクも処理してくれます。日々の仕事で忙しく、中々転職活動が出来ない人にとって転職エージェントは最適なサービスです。

ヘッドハンティングと転職エージェントの違いは「転職者が能動的に転職活動を行っているか」という点です。ヘッドハンティングの場合、ターゲットとなる社員が転職を希望しているとは限りません。むしろ現在の職・待遇に満足している可能性も高いです。転職を希望していない人材に対してアプローチするのがヘッドハンティングです。

転職エージェントの利用者は基本的に転職に前向きです。自ら能動的に転職活動を行っている点がヘッドハンティングの対象者とは異なります。

まとめ

ヘッドハンティングを行うことで他社の優秀な人材を直接引き抜くことができます。通常に採用活動では獲得が難しい人材でも、ヘッドハンティングであれば獲得が可能です。ターゲットとなった社員にとっても、好条件であれば将来のキャリアを広げることができます。ヘッドハンティングを上手く活用して、人材確保・キャリアアップを実現していきましょう。

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