新卒の配属は慎重に決めなければなりません。なぜなら、社風に合った社員を採用できたとしても、配属先の決め方によっては新入社員が働く意欲をなくし、早期退職につながる場合があるからです。
この記事では、新卒の配属の決め方、新卒の配属先が重要な理由、決め方における注意点、配属先が決まるまでの流れについて解説します。ぜひ新卒の配属を決める際の参考にしてください。
新卒の配属の決め方
新卒の配属の代表的な決め方は、以下の3つです。
- 能力や適性をもとに決める
- 本人の希望をもとに決める
- 新卒の採用計画をもとに決める
それぞれについて解説します。
能力や適性をもとに決める
新卒の配属の代表的な決め方は、能力や適性をもとに決める方法です。中途採用者であれば、これまでの仕事経験も参考にできますが、新卒の場合は今後どのような仕事ができるのかはわかりません。
そのため、能力や適性など本人がもっている特性に基づいて配属を決めるのが一般的です。
面接や適性検査、研修の結果、資格、スキル、経歴などから能力や適性を判断しましょう。
本人の希望をもとに決める
面接や内定後の面談においてヒアリングした本人の希望とキャリアプランをもとに、新卒の配属先を決めるケースもあります。
ただし、本人の希望する部署を聞いたとしても、本人の適性によっては、別の部署のほうが実力を発揮できると企業が判断する場合もあります。
そのため、必ず本人の希望どおりの配属になるとは限りません。別の部署に配属させる場合には、本人の納得が得られるよう、丁寧に理由を説明することが重要です。
新卒の採用計画をもとに決める
企業が策定した新卒の採用計画をもとに、新卒の配属を決めることもあります。企業の置かれている現状を分析し、採用時期や人数、部署、人物像などを決めていく方法です。
特定の部署の人員が不足しており補充する場合や、事業計画に基づいて増員する場合など、さまざまなケースがあるでしょう。
採用計画の内容が本人の希望と異なる場合には、今後のキャリアパスを示すことが重要です。今回の配属が将来にどうつながるのかを丁寧に伝えましょう。
新卒の配属先が重要な理由
新卒の配属先を慎重に決めるべき理由は、以下の3つです。
- 企業とのミスマッチを防げる
- 従業員のモチベーションに影響する
- 従業員のキャリア形成に関わる
それぞれ詳しく解説します。
企業とのミスマッチを防げる
新卒の配属先が重要な理由の一つは、企業とのミスマッチを軽減できることです。ミスマッチが発生する代表的なケースは以下のとおりです。
- 配属先が新入社員の希望とかけ離れている
- 部署の雰囲気が合わない
- 良好な人間関係を築けない部署である
企業が求める要素と、社員のスキルや適性の間にギャップがあると、早期退職につながるおそれがあります。とくに新入社員は企業に慣れていないため、マッチした配属先を選定することが重要です。
従業員のモチベーションに影響する
新卒の配属先は、従業員のモチベーションに大きく影響します。希望していた部署やプロジェクトに配属されなかった場合「やりたい仕事があったのに、やりたくない仕事をしなければならない」と考え、モチベーションが低下してしまうかもしれません。その結果、生産性の低下が懸念されます。
一方で、希望していた部署に配属されれば、仕事に主体的かつ積極的に取り組むことにつながり、生産性の向上が期待できるでしょう。
従業員のキャリア形成に関わる
新卒の配属先は、今後の従業員のキャリア形成に大きく関わります。例えば、営業を希望していたにも関わらず人事部に配属された場合、人事業務におけるキャリアを積むことになります。
そのため、次の異動や転職の機会には、営業を希望していたとしてもキャリアチェンジが難しくなってしまいます。
営業の経験がゼロで、人事の知識や経験をもっている人材として、人事関連の部署や職種を任される可能性が高くなるでしょう。
新卒の配属の決め方における注意点
新卒の配属を決める際の注意点は、以下の5つです。
- 配属先にマッチするかどうかを検討する
- 本人の希望に添えない場合は理由を明確に伝える
- 配属先の仕事内容を明らかにする
- 配属先の受け入れ態勢を確認する
- 配属後のフォローを行う
それぞれについて解説します。
配属先にマッチするかどうかを検討する
新卒の配属先を決めるうえでは、部署やチームの雰囲気やカラーとマッチするかどうかを十分に検討しましょう。
チームのメンバーや上司との相性が良くなければ、新入社員の能力が発揮されず、ミスマッチが起こるおそれがあります。
配属を決める際には、カルチャーフィットを意識することが重要です。カルチャーフィットとは、企業の文化や環境と、社員の性格や価値観などの心理的特性がフィットしている状態を指します。
カルチャーフィットを踏まえた配属を行えば、人間関係のトラブルや早期退職の防止につながるでしょう。
本人の希望に添えない場合は理由を明確に伝える
新卒の採用計画や本人の適性によっては、配属先が本人の希望と異なる場合があります。とくに、面談で本人から希望をヒアリングしている場合には「希望を伝えたのに無視された」と考え、不満を抱くおそれがあります。
本人の希望に添えない配属先の場合には「なぜこの部署に配属したのか」という理由を明確に伝え、納得してもらうことが重要です。
配属先の仕事内容を明らかにする
新卒の配属先が本人の希望どおりの部署だったとしても、本人がイメージしていた仕事内容と実際の仕事が異なるケースがあります。
その結果「思っていたような仕事ができない」「小さな仕事しかさせてもらえない」などと感じて、早期退職につながるかもしれません。
仕事内容のミスマッチが発生しないよう、配属先の仕事内容や、最初は小さな仕事からスタートすることなどを、あらかじめ具体的に伝えておきましょう。
配属先の受け入れ態勢を確認する
新卒の配属を決める際には、配属先の受け入れ態勢を確認しておくことも重要です。
配属先の部署に本人の適性が合っていても、新人を受け入れる余裕のない部署であれば育成はできません。仕事を十分に教えてもらえなければ、新入社員は能力を発揮できず、モチベーションも低下してしまいます。
配属を決める前に、受け入れる部署の態勢や意向を確認しておきましょう。また、新入社員の育成に協力してもらえるよう、理解を促しておくことも必要です。
配属後のフォローを行う
新入社員の配属後は、ミスマッチを防ぐために定期的にフォローを行っていくことが重要です。
人間関係の悩み、業務上の悩みなどを相談できる環境をつくりましょう。具体的には、以下のような取り組みが有効です。
- 新入社員に対する教育プログラム「オンボーディング」においてフォローする
- 定期的に1on1ミーティングを実施する
- 先輩社員が新入社員をサポートする「メンター制度」を整備する
配属後のフォローを行うことで、新入社員の定着率が高まります。
新卒の配属先が決まるまでの流れ
新卒の配属先が決まるまでの流れは以下のとおりです。
- 面接をもとに配属先の候補を選定する
- 本人との面談を行う
- 入社後に仮配属を行う
- 本配属して働きはじめる
順番に説明していきます。
面接をもとに配属先の候補を選定する
採用面接の結果に基づいて、新卒の配属先の候補を選定します。本人の適性、能力、人柄、希望などを踏まえて判断するのが一般的です。
インターン制度や新人研修がある場合は、仕事現場での働きぶりも考慮に入れ、部署や仕事内容との相性を見極めていきます。
本人との面談を行う
本人との面談を行い、配属先の希望を確認します。企業によっては研修期間中に複数回面談を行い、現場を知ることで変化した新入社員の意向をくみとって配属先を決定します。
ただし、本人の希望を実際の配属にどの程度反映させるかは、企業の方針によって異なるでしょう。また、面談を行わずに配属先を決める企業もあります。
入社後に仮配属を行う
入社後に仮配属を行う企業もあります。実際に配属先の現場で仕事をしてもらい、本人と業務の適性を見極めることが目的です。
仮配属の期間は企業によって異なりますが、1か月〜半年程度が一般的です。仮配属中にはOJTが行われることもあります。OJTとは「On the Job Training」の略で、実際の仕事を通した研修として、先輩社員が新入社員に対して指導するものです。
本配属して働きはじめる
仮配属で本人と部署がマッチするかを見極めたうえで、本配属を決定します。本配属して働きはじめたら、次に人事異動が行われるまでは配属された部署で働くことになります。
新入社員の適性を見定めて、本配属後にミスマッチが発生しないように気をつけましょう。
新卒の配属の決め方を理解してミスマッチを防ごう!
新卒の配属の決め方には、能力や適正をもとに決める、本人の希望をもとに決める、新卒の採用計画をもとに決めるなどの方法があります。ただし、慎重に進めなければ新入社員と配属先のミスマッチが発生してしまうため注意が必要です。
ミキワメの適性検査は、候補者が活躍できる人材かどうかを見極めるツールです。個人の性格特性や各部署との相性もわかるため、適正な配属を実現させます。
新卒の採用・配属の決め方に課題を抱えている企業様は、下記からお気軽にお問い合わせください。
ミキワメは、候補者が活躍できる人材かどうかを500円で見極める適性検査です。
社員分析もできる30日間無料トライアルを実施中。まずお気軽にお問い合わせください。