企業にとって、採用基準を明確化することは、採用を成功させるための重要なポイントです。採用基準は、企業が採用したい人物像をもとに作成します。採用基準を共有すれば、採用担当者ごとの選考のバラつきを抑えて、最適な人材を得られるでしょう。
この記事では、採用基準を明確化するメリット・重要性、具体的な実施のステップ、面接における主な評価項目について解説します。ぜひ参考にして、人材採用を成功させてください。
採用基準とは?
採用基準とは、自社にとって最適な人材を採用するために、選考において使用する指標です。
適切な基準があれば、採用担当者によって評価にバラつきがでることがなく、公正な採用を行えるでしょう。
例えば「コミュニケーション能力」を採用基準の一つとして設定する場合、客観的な指標とするために、以下のように具体的な項目に分割していきます。
- 傾聴力
- 共感力
- 発信力
- 洞察力
それぞれを数値化して算出した合計点が、コミュニケーション能力における候補者の得点となります。
面接における主な評価項目
採用基準を明確化するにあたり、面接でどのような評価項目が必要なのかを理解しておきましょう。面接における主な評価項目として、以下の3つが挙げられます。
- 知識やスキルなどの能力
- 思考や行動の特性
- 潜在能力
それぞれについて解説します。
知識やスキルなどの能力
面接で評価すべき項目の一つは、候補者が身につけてきた知識やスキルなどです。これらは仕事をするうえで欠かせない能力のため、かならず評価項目に入れなければなりません。
知識やスキルは、本人の意識と努力次第で磨けるものが多く、第三者にとっても認識しやすい項目です。
取得している資格や英語力といった客観的に把握できる能力のほか、コミュニケーション能力などの数値化しにくいものも含まれます。
思考や行動の特性
思考や行動の特性も、面接における重要な評価項目といえます。なぜなら、その人の特性が自社の業務と相性が良ければ、能力を十分に発揮できるためです。
例えば、主体性や行動力があることは、どのような業種でも大きく役立つ要素でしょう。また、業種や部署によっては、仕事にコツコツと取り組むタイプが向いている場合もあります。
潜在能力
潜在能力とは、候補者の将来における期待値、今後成長していく能力などです。とくに新卒採用の場合は、経験が少ない分、まだ発揮されていない潜在能力を重要視せざるを得ないでしょう。
例えば、質問に対する受け答えや仕事をする意義をどのように捉えているか、今後の目標、これまでの経験などをたずねることで、潜在能力が見えてきます。
候補者本人が認識できていないことも多いため、採用基準に取り込んで積極的に探っていきましょう。
採用基準を明確化するメリット・重要性
企業が採用基準を明確化するメリット・重要性は以下の3つです。
- 公正に選考できる
- ミスマッチを防げる
- 企業が望む人材像が明確になる
それぞれについて解説します。
公正に選考できる
採用基準を明確化すると、面接担当者の個人的な価値観によらず、公平かつ公正な選考ができます。個人の判断基準ではなく、社内で統一された採用基準に照らし合わせて、採用・不採用を決めるためです。
反対に、採用基準が不明確だと、担当者の好む特性をもつ候補者が高く評価され、企業の求める人材が採用されない事態になりかねません。
採用基準が明確化されていれば、選考に複数名が関わったり、面接が一次、二次、三次と行われたりする場合でも、偏った選考はなされなくなるでしょう。
候補者にとっても納得のいく、公平な選考が行われることが期待できます。
ミスマッチを防げる
入社後の早期退職をはじめとした、採用のミスマッチを防げることもメリットです。優秀な人材であっても、その能力を発揮できない職場であれば、早期に離職してしまうかもしれません。
採用基準にもとづいて企業の業務内容に合った人材を選考すれば、離職者が減り、定着率を高められます。
自社が求めている人材を選考できるように採用基準を明確にし、ミスマッチを防ぎましょう。
企業が望む人材像が明確になる
採用基準を明確化する過程において、企業が望む人材像が明らかになる効果が期待できます。なぜなら、採用基準について考えることは、企業がどのような人材を求めているのかを形にすることであるからです。
例えば、将来的に売り上げ向上に貢献する営業担当者が必要であれば、コミュニケーション能力を重視して採用基準を設定することになるでしょう。
採用基準を明確化するステップ
採用基準を設定するにあたって必要となる手順を理解しておきましょう。採用基準を明確化するステップは、以下の4つです。
- 各部署へ必要な人材についてのヒアリングを行う
- コンピテンシーを明確にする
- 採用人材のペルソナを設定する
- 評価項目を設定する
それぞれについて解説します。
1.各部署へ必要な人材についてのヒアリングを行う
まず、各部署へどのような人材が必要かヒアリングを行いましょう。現場の社員が最も業務内容を熟知しており、自分の部署に必要な人材像を理解しているためです。
ヒアリングの際には、できるだけ具体的な要件を聞き出すことが重要です。例えば、事務職であれば、どのようなアプリケーションをどの程度使いこなせる必要があるのか、タイピングのスピードが重要なのかなどが要件となります。
また、技術職であれば、業務のどの部分を担当してほしいのかなどを明確にすることが重要です。
2.コンピテンシーを明確にする
各部署にヒアリングを行ったら、コンピテンシーを明確にしましょう。コンピテンシーとは、高い業績を上げている社員に共通している行動特性や思考特性です。
コンピテンシーを明確にすることで、業績を上げた人がどう思考したのかが判明し、自社にとって理想的な人材像が見えてくるでしょう。
例えば、営業担当者が、顧客を頻繁に訪問して高い売り上げを上げているとします。この社員が、どのような考えのもとで訪問を続けていたのかを聞き出すことで、営業担当に求められる特性がわかります。
3.採用人材のペルソナを設定する
ヒアリングした内容や明確にしたコンピテンシーにもとづいて、採用人材のペルソナを設定しましょう。
ビジネスにおけるペルソナとは、商品やサービスを提供する顧客のターゲット像です。自社が求める人材として設定する、採用者のモデルを指します。
ペルソナを設定することで、どのような人材を採用したいのかという共通認識を社内で持てるようになるでしょう。
例えば、コミュニケーション能力の高い営業担当者を求めている場合には「友人が多く社交的で、学生時代にはボランティアサークルのまとめ役となって活躍していた」といったペルソナが考えられます。
ペルソナ設定の際に注意しなければならないのは、就職差別をしないことです。具体的には、以下の項目で採用・不採用を決めることは避けましょう。
- 候補者の能力や適性とは関係のないこと:性別や身長など
- 本人には責任のないこと:本籍や家庭環境など
- 個人の自由が尊重されるべきこと:宗教・支持政党・思想など
4.評価項目を設定する
ヒアリング、コンピテンシー、ペルソナなどを踏まえて、採用基準の評価項目を設定します。
入社後に教育できる項目よりも、教育できない項目を優先させて項目を絞っていきましょう。教育に割ける社内のリソースがある項目については、社員教育を行って力をつけてもらえばよいためです。
一般的な評価項目の例は以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- 主体性
- 実行力
- 課題発見能力
- 創造力
- 協調性
- 熱意
部署によっても必要な評価項目は異なるため、それぞれのペルソナにもとづいて設定していきましょう。
評価方法としては、各評価項目の達成基準が具体的に示されている「ルーブリック評価」がおすすめです。
例えば「主体性」については以下のように評価します。
- レベル1:これまでの自分の取り組みについて語れる
- レベル2:これまでの業務について自分自身の解釈ができる
- レベル3:自分の能力や経験を用いて、業務に積極的に取り組める
このような評価を各項目で積み上げていき、総合的な評価を行います。
採用基準を明確化して人材採用を成功させよう!
採用基準を明確化すると、公正に選考できる、ミスマッチを防げる、企業が望む人材像が明確になるなどのメリットを得られます。
ただし、採用基準を明確化するには、企業の求める人材像を把握しなければなりません。
ミキワメの適性検査を活用すれば、候補者が企業で活躍できる人材かどうかを見極めることが可能です。「分析したい社員」を複数名選定すると、システム上で社員分析を行い、従業員の性格傾向に基づいて採用基準を策定することができます。
さらに、採用基準と照らし合わせて、候補者が活躍する可能性を表示するため、採用ミスマッチの防止が可能です。
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