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オファーレターとは?出す目的や注意点、具体例をやさしく解説

採用活動において、候補者に内定を承諾してもらうために重要な文書が「オファーレター」です。いざ作成するとなると、内定通知書との違いや記載項目、書き方に悩む採用担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、オファーレターの役割や内定通知書との違い、求職者に響くオファーレターの作成方法について解説します。オファーレターをこれから作成しようと思っている方は、ぜひご一読ください。

オファーレターとは

オファーレターとは、企業が採用候補者に対して正式に雇用の提案を行う重要な文書です。オファーレターには以下のような情報を詳細に記載します。

  • 職務内容:候補者に期待される役割と責任
  • 給与:基本給、ボーナス、その他の手当など
  • 雇用条件:勤務時間、休暇、福利厚生など
  • 入社日:候補者が職務を開始する予定日

オファーレターには企業と候補者の間で雇用条件について合意に達した事実を文書化し、双方の理解に相違がないことを明確にしてトラブルを未然に防ぐ役割があります。

また、候補者はオファーレターの内容をもとに内定を承諾するか辞退するかを決定します。企業にとってオファーレターは、優秀な人材を確保するため慎重に作成すべき文書です。

内定通知書との違い

オファーレターと内定通知書は、どちらも内定を伝える文書ですが、目的と内容が異なります。

内定通知書は採用が決定したことを伝える文書であるため、基本的な情報のみを記載し、具体的な労働条件などは別途雇用契約書で取り交わすことが一般的です。

一方、オファーレターには内定通知に加えて、労働条件や待遇面の条件を提示する必要があります。具体的には、以下の内容を盛り込みます。

  • 職務内容や役職
  • 給与や賞与などの報酬
  • 勤務地や勤務時間
  • 福利厚生やその他の待遇
  • 入社日や契約期間

企業側としては、オファーレターを発行することで、採用者に対して誠意を示し、入社への意欲を高められます。また、労働条件の明示により、入社後のトラブルを未然に防ぐ効果も期待できるでしょう。

優秀な人材を確保するためには、オファーレターを活用し、魅力的な条件を提示することが重要です。単なる内定通知だけではなく、オファーレターを送ることで、採用者との信頼関係を築く第一歩となります。

オファーレターを出す目的

オファーレターを出す主な目的は、以下の3つです。

  • 採用内定と労働条件を正式に通知するため
  • 候補者が入社の意思決定を行うための情報を提供するため
  • 労働条件を明確にし、入社後のミスマッチを防ぐため

それぞれ詳しく見ていきましょう。

採用内定と労働条件を正式に通知するため

オファーレターを出す主な目的は、候補者に採用内定の事実と労働条件を正式に通知することです。口約束だけでは後々のトラブルにつながるおそれがあるため、書面で残すことが重要です。

オファーレターには以下のような役割があります。

  • 採用内定を正式に伝える
  • 給与や勤務時間などの労働条件を明確に示す
  • 入社日や初出勤日を確認する
  • 必要な手続きについて案内する

採用が決まったあとは、できるだけ早くオファーレターを送付しましょう。内定承諾書を一緒に同封し、期日までに返送してもらうようにすると、内定者の意思を再確認できます。

オファーレターは、企業と内定者との間で確かな信頼関係を築くための重要な文書です。丁寧に作成し、スムーズに入社してもらえるように努めましょう。内定者を大切にする姿勢が伝われば、意欲的に働いてもらえるはずです。

候補者が入社の意思決定を行うための情報を提供するため

候補者が入社の意思決定を行うための情報を提供することも、オファーレターを出す重要な目的です。オファーレターには以下のような情報が含まれています。

  • 職種やポジション:候補者が担当する業務内容や役職
  • 年収などの待遇条件:給与や賞与、福利厚生など、候補者が得られる報酬
  • 勤務地や勤務時間:どこでどのくらいの時間働くのか
  • 入社日:いつから働き始めるか

これらの情報は候補者にとって、その企業で働くことを具体的にイメージするための手がかりとなります。

また最近では、単に労働条件をまとめただけではなく、候補者に向けてパーソナライズされた魅力的な文章を添えて連絡する企業も増えてきました。

例えば、以下のような工夫が見られます。

  • 候補者のこれまでのキャリアや強みを踏まえ、その企業でどのように活躍できるかを伝える
  • 企業の理念やビジョン、ミッションに共感してもらえるようなメッセージを盛り込む
  • 候補者のワークスタイルや志向に合わせた働き方ができることをアピールする

候補者に自社で働く魅力を感じてもらえるよう、オファーレターを工夫することで、優秀な人材の獲得につながるでしょう。

労働条件を明確にし、入社後のミスマッチを防ぐため

オファーレターを用いて、採用候補者との間で労働条件を明確にすることで、入社後のミスマッチを防げます。

具体的には、以下のような重要な情報を盛り込みます。

  • 職務内容と役職
  • 雇用形態(正社員、契約社員など)
  • 勤務地
  • 勤務時間
  • 給与と諸手当
  • 休日・休暇
  • 福利厚生
  • 試用期間の有無

これらの労働条件を事前にしっかりと伝えることで、入社後に「聞いていた話と違う」といったトラブルが起こりにくくなるでしょう。

ただし、オファーレターに記載した労働条件は、入社後に会社側が一方的に変更することはできません。そのため、オファーレターの内容は慎重に検討し、会社として約束できる範囲で提示する必要があります。

オファーレターに記載する内容の例

オファーレターには以下の内容を盛り込みましょう。

  • 内定通知
  • 入社予定日
  • ポジション・役職
  • 労働条件
  • 給与や諸手当
  • 契約期間
  • 福利厚生
  • 回答期限

それぞれの内容について解説します。

内定通知

オファーレターの内定通知では、採用が正式に決定したことを明記します。

内定通知の主な目的は、選考プロセスが終了し、候補者が採用されたことを明確に示すことです。内定通知を行う際は、以下の点に留意しましょう。

  • 採用が正式に決定したことを明確に述べる
  • 候補者の能力や経験を評価していることを伝える
  • 入社に向けて、今後の手続きについて簡単に触れる

内定通知は、オファーレターのなかでも特に重要なセクションです。正確で誠意のある内定通知を心がけ、候補者との信頼関係を築くことが大切です。

入社予定日

入社予定日は、候補者が会社に正式に加わる日付を指します。以下の点を考慮して日付を設定することが大切です。

  • 候補者の現職の退職手続きに必要な期間
  • 引っ越しや生活環境の整備に要する時間
  • 研修や業務引き継ぎのスケジュール

入社予定日を決める際は、候補者と十分にコミュニケーションを取り、双方にとって無理のないタイミングを見つけましょう。柔軟な対応を心がけることで、候補者との信頼関係を深められます。

また、入社予定日が明記してあると、候補者は心の準備を整え、新しい環境にスムーズに適応できます。候補者のモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。

ポジション・役職

オファーレターには、候補者が入社後に就く予定の役職や具体的な職務内容を記載します。具体的には、以下の情報が含まれます。

  • 配属予定の部署名やチーム名
  • 担当する業務の詳細
  • 役職名とその説明
  • 求められるスキルや経験

候補者にとって、自身のキャリアパスを描くうえで、入社後のポジションは重要な情報です。オファーレターで明確に役職を提示すると、候補者は自身の将来像をイメージしやすくなるでしょう。

また、役職や職務内容を具体的に記載することは、会社側にとってもメリットがあります。候補者の期待値を適切に設定し、入社後のミスマッチを防げるためです。

オファーレターにおけるポジション・役職の記載は、候補者と会社の双方にとって有益な情報となります。候補者の能力を最大限に活かせる役職を提示し、長期的な活躍を促進していくことが大切です。

労働条件

採用が決定した候補者には、オファーレターで以下のような労働条件を明示しましょう。

  • 勤務場所:東京都新宿区西新宿X-X-X ABCビル5階
  • 勤務時間:9:00〜18:00(休憩1時間を含む)
  • 休日・休暇:完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始休暇、夏季休暇、有給休暇(入社半年後に10日付与)
  • 試用期間:入社日から3カ月間(待遇に変更なし)

勤務地や勤務時間など、候補者が入社後の働き方をイメージできる具体的な情報を記載することが重要です。とくに、休日や休暇、試用期間については、候補者の関心が高い項目のため、わかりやすく丁寧に説明してください。

労働条件を明確に提示することで、候補者は安心して入社の意思決定ができるでしょう。また、企業側にとっても、トラブルを未然に防ぐことにつながります。

給与や諸手当

給与や諸手当については、オファーレターで詳細に記載することが重要です。候補者が金銭面での条件を明確に理解できるよう、以下の点を明示しましょう。

  • 基本給:月給または年俸制の金額を明記する
  • 賞与(ボーナス):支給の有無とその条件を説明する
  • 各種手当:通勤手当、住宅手当など、支給される手当の種類と金額を列挙する
  • 給与の支払い方法:毎月末日払いなど、支払いのタイミングを明確にする
  • 昇給:昇給制度の有無とその条件を説明する

また、残業代の支給方法や計算方法についても触れると、候補者の理解を深めることが可能です。

給与や諸手当に関する情報を詳細かつ正確に伝えることで、候補者が入社後の生活をイメージしやすくなります。金銭面での不安を解消し、スムーズな入社につなげるためにも、オファーレターでの明確な説明が求められます。

契約期間

候補者の雇用契約の種類と期間を明記することも重要です。雇用契約には、主に2つのタイプがあります。

  1. 期間の定めのない雇用契約(無期契約)
  2. 期間の定めのある雇用契約(有期契約)

無期契約の場合は、雇用期間にとくに制限がないことを明示します。一方、有期契約の場合は、以下の情報を記載します。

  • 契約期間(例:1年間、6カ月間など)
  • 契約更新の可能性(更新の有無、更新回数の上限など)

候補者にとって、自身の雇用形態や雇用期間を正確に理解することは非常に重要です。候補者が安心して入社の意思決定を行えるよう、オファーレターで契約期間について明確に伝える必要があります。

また、契約期間と併せて、試用期間についても言及するとよいでしょう。試用期間の有無や期間、評価基準などを明記することで、候補者は入社後の見通しを立てやすくなります。

契約期間についての記載は、オファーレターのなかでも重要な項目の一つです。候補者にとって有益な情報を漏れなく、わかりやすく伝えることを心がけてください。

福利厚生

福利厚生は、候補者にとって企業で働くうえで重要な要素の一つです。福利厚生に関する情報をオファーレターで丁寧に説明することで、候補者は企業での生活をイメージしやすくなります。また、企業が従業員を大切にしていることが伝わり、候補者との信頼関係構築にもつながるでしょう。

具体的には、以下のような情報を記載します。

社会保険への加入状況


健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険など、法律で定められた社会保険への加入状況を明記します。これにより、候補者は安心して働くことができます。

各種手当


住宅手当、通勤手当、家族手当など、企業独自の手当制度がある場合は、その内容と支給条件を説明します。手当は、候補者の生活をサポートする重要な福利厚生の一つです。

休暇制度

年次有給休暇の日数や、育児休暇、介護休暇などの特別休暇制度について記載します。休暇制度は、ワークライフバランスを維持するために欠かせない要素です。

研修制度

入社後の研修プログラムやスキルアップのための支援制度があれば、その概要を説明します。研修制度は、候補者のキャリア開発につながる魅力的な福利厚生です。

社員割引

社員割引制度がある場合は、その内容を具体的に記載します。社員割引は、日常生活におけるメリットとして候補者の関心を引く要素です。

回答期限

候補者には、オファーレター受領後、一定の期限までに回答をいただく必要があります。回答期限の一般的な設定方法は以下のとおりです。

  • オファーレター受領後1週間以内
  • 具体的な日付を指定(例:○月○日まで)
  • 2週間程度の猶予を与える

回答期限を設けることで、以下のメリットを得られます。

  • 採用活動のスケジュール管理がしやすくなる
  • 候補者の意思をタイムリーに確認できる
  • 辞退された場合、速やかに次の候補者にアプローチできる

ただし、期限の設定は候補者の立場に立って無理のない範囲で行うことが大切です。あまりに短い期限を設定すると、候補者に圧力を与えてしまうおそれがあります。

オファー受諾の可否は候補者の人生を左右する大きな決定です。候補者が熟考し、前向きな決断ができるよう、適切な期限設定を心がけましょう。回答期限を明示することで、採用プロセスをスムーズに進められるでしょう。

オファーレターを出す際の注意点

オファーレターを出す際は、以下の3点に注意が必要です。

  • 労働条件を明確に記載する
  • 法的拘束力を持つ可能性を認識しておく
  • 候補者とのコミュニケーションを大切にする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

労働条件を明確に記載する

オファーレターを出す際は、労働条件を明確に記載することが重要です。オファーレターに含めるべき主な労働条件は以下のとおりです。

  • 職務内容:候補者が担当する業務の詳細
  • 給与:基本給、諸手当、賞与など
  • 勤務時間:始業時間、終業時間、休憩時間
  • 勤務地:勤務場所や転勤の有無
  • 福利厚生:社会保険、有給休暇、その他の手当て

これらの情報を具体的かつ詳細に記載することで、候補者は入社後の働き方をイメージできます。また、労働条件について企業と候補者の間で認識のずれが生じるリスクを軽減できます。

オファーレターは、企業と候補者の双方にとって重要な文書です。曖昧な表現は避け、労働条件をわかりやすく正確に伝えることを心がけてください。これにより、採用プロセスをスムーズに進め、候補者との信頼関係を築けるでしょう。

法的拘束力を持つ可能性を認識しておく

オファーレターが法的拘束力を持つ可能性があることを認識しておきましょう。オファーレターは、単なる採用条件の提示ではなく、場合によっては法的拘束力のある契約書となり得ます。

そのため、オファーレターの記載内容は慎重に吟味する必要があります。曖昧な表現や誤解を招くような言い回しは避け、明確で正確な内容を心がけてください。

また、記載した条件について、候補者との間で認識の齟齬がないかどうかを確認することも大切です。

オファーレターの法的な意味合いを十分に理解し、適切な内容で発行することが、トラブルを防ぎ、スムーズな採用につながります。

候補者とのコミュニケーションを大切にする

オファーレターを作成する際は、候補者とのコミュニケーションを大切にすることが重要です。オファーレターの内容が候補者の期待や希望と大きく異なる場合、内定辞退のリスクが高まってしまいます。

ミスマッチを防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

  • 事前の面談やコミュニケーションを通じて、候補者の希望や条件をしっかりと把握する
  • 候補者の希望に可能な範囲で柔軟に対応し、Win-Winの関係を目指す
  • オファーレターの内容について候補者から不明点や質問があれば、迅速かつ丁寧に対応する

候補者一人ひとりと真摯に向き合い、オープンなコミュニケーションを心がけることで、候補者にとって魅力的なオファーを提示できるでしょう。候補者との信頼関係が深まり、入社後の定着率アップにもつながります。

オファーレター作成は採用プロセスの最終段階ですが、候補者とのコミュニケーションを疎かにせず、最後まで丁寧に対応していくことが大切です。

内定者に魅力が伝わるオファーレターを作成しよう

オファーレターは単なる通知書ではなく、企業が候補者に入社を決意してもらうための重要なメッセージであり、入社後のミスマッチを防ぐための羅針盤となるものです。

労働条件や待遇面を明確に記載することで、候補者は安心して入社後のキャリアを描けるようになります。また、企業理念やビジョンに共感してもらえるようなメッセージを添えると、候補者のエンゲージメントを高められるでしょう。

近年、内定承諾率を高めるために、オファーレターで最後の一押しをする企業が増えています。しかし、候補者一人ひとりが入社を決める理由は異なり、重要視するポイントも多様化しています。

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