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ハドルミーティングとは?特徴やメリット・導入のポイントを事例付きで解説

ハドルミーティングとは、必要なときに必要なメンバーが集まって行われる、短時間の会議のことです。最近では、従来の定例会議とは別にハドルミーティングを導入している企業が増えています。

しかし、自社にマッチするか不安に感じて、なかなか導入が進まない企業もあるでしょう。そこで本記事では、ハドルミーティングの特徴やメリットについて解説します。企業の導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にして、ハドルミーティングを導入すべきか検討してください。

ハドルミーティングとは?

ハドルミーティング(Huddle Meeting)とは、必要なタイミングで行う10分から30分ほどの「短時間の会議」や「軽い打ち合わせ」のことです。

アメリカンフットボールのプレイ中に行われる「Huddle(短時間の戦略ミーティング)」に由来しており、ハドルでは次に行う戦術やプレイの確認・相手チームの戦術の情報共有といった試合を左右する内容について、短い時間でコミュニケーションをとります。

ビジネスシーンのハドルミーティングにおいても、短時間でありながらプロジェクトの進捗確認やネクストアクションなど、濃い内容の話し合いを行うことが一般的です。

ハドルミーティングが注目される背景

いま、短い時間で会議を行うハドルミーティングが多くの日本企業に注目されているのは「働き方改革」が背景にあるからです。残業時間の上限が設けられたことで、効率良く業務を行う意識が高まっているなか、会議をスリム化できるハドルミーティングに興味をもつ企業が増えています。

海外の企業に比べて日本企業の会議は長いといわれており、議題ではないムダな話題が出ることや、結論が出せずに会議の目的が果たせないといった問題点が指摘されてきました。

時間だけが過ぎていく非効率な集まりも多いなか、時間を節約しつつも濃い内容の会議によって生産性を高められるハドルミーティングは、働き方改革にもマッチしたコミュニケーション方法となっています。

ハドルミーティングの特徴

ハドルミーティングは以下の特徴をもっています。

  • 必要なときに必要なメンバーだけが集まる
  • 会議室を使用しなくても開催できる

それぞれ詳しく解説します。

必要なときに必要なメンバーだけが集まる

ハドルミーティングは、定例会議とは大きく異なり、必要なときに必要なメンバーだけが集まって行われる会議です。議論したい内容にそって必要なメンバーだけを集め、意見交換や情報の共有を行うため、課題をスムーズに解決できます。大所帯の会議でありがちな、意見が出すぎてとりまとめることが難しくなることや、方向性がブレてしまうなどの問題が起きにくいメリットがあります。

会議室を使用しなくても開催できる

ハドルミーティングは、定例会議のように席に座ることをしなくても、立ち話が可能なスペースさえあればミーティングやディスカッションによる意見交換が可能です。そのため、事前に会議室を押さえたり、参加者全員の日時を調整したりといった手間のかかる工程を省略できます。会議室が空いていなくも緊急時や情報共有したいときにパッと集まって話し合える点は、ハドルミーティングの大きな強みといえるでしょう。

ハドルミーティングによって得られるメリット

ムダをなくしながらも実のある会議が可能なハドルミーティングは、導入すれば以下のようなメリットが得られます。

  • 会議時間を短縮できる
  • 生産性の向上
  • プロジェクトを円滑に進められる
  • コミュニケーション不足の解消
  • 効率化の意識が高まる
  • 大規模な会議室は不要

会議時間を短縮できる

ハドルミーティングは10分から30分と短時間で行われるため、これまで長かった会議の時間を短縮できます。会議の目的が達成されれば即解散となるため、議題とは異なるムダな話によって長引く心配もありません。会議がいつも長引いてしまう場合は、ハドルミーティングのルールをしっかりと取り決めて対応しましょう。

生産性の向上

必要なときに必要なメンバーだけが集うハドルミーティングは、生産性の向上にも貢献します。

従来型の会議であれば全員の参加が必要でしたが、ハドルミーティングでは、必要なメンバーのみがその都度集められます。そのほかのメンバーは参加する必要がないため、あまり関係のない会議に出席して貴重な時間を失うこともありません。参加するメンバーはミーティングに集中し、それ以外のメンバーは自分の受け持つ業務に取り組めます。

プロジェクトを円滑に進められる

ハドルミーティングは、プロジェクトにおいて変更点や問題があったときに、すぐに集まって情報を共有できる点もメリットの一つです。

情報の共有は、チャットやメールでも可能ですが、テキストベースで行うコミュニケーションでは適切に伝わりにくいだけではなく、確認漏れが起こる危険性もあります。

ハドルミーティングでは、短時間でプロジェクトにおけるメンバーそれぞれの認識のズレを是正し、不明点も直接聞いて解消できます。そのため、誤ったままの認識でプロジェクト
を進められるリスクを未然に防ぐとともに、軌道修正しながら成功へと導くことが可能です。

コミュニケーション不足の解消

従来の会議の場合、参加しても登壇者の話を聞くだけで終わってしまうことも多いでしょう。ハドルミーティングで集められるのは必要なメンバーのみのため、活発な議論が交わされます。

意見や考えを述べる機会が多いことから、グループ内のコミュニケーション不足解消のほか、メンバー同士の一体感が増すメリットも得られます。

効率化の意識が高まる

短時間の会議を行うことにより、従業員は効率化を意識するようになります。時間の使い方や業務の取り組み方にも変化が起こるため、効率化につながります。ハドルミーティングで成果が上がれば、これまで通りの会議にも影響が波及し、やり方や所要時間を見直すきっかけになるかもしれません。

大規模な会議室は不要

会議をする際に担当者のストレスになるのが、出席者の空いている日時を確認して会場を押さえる点ではないでしょうか。会議室はどの企業も限りがあるため、打ち合わせをしたいと思っても、空室がない事態が発生します。ハドルミーティングの場合、短時間の打ち合わせであるため、あえて会議室を予約する必要のない場合も多いです。

また個室を使って会議したい場合でも、大がかりな会議室ではなく、ハドルルームといって予約不要で使えるコンパクトなスペースさえあれば実施可能です。椅子やソファーがなくてもパソコンを置くスタンドさえあれば、スタンディングでミーティングを進められます。

ハドルミーティングを導入するポイント

プロジェクトを円滑に進められる点や会議時間の短縮など、ハドルミーティングには多くのメリットがあります。ハドルミーティングを実際に社内で導入する際には、以下のポイントを確認しましょう。

  • 必要最小限のメンバーに絞る
  • スピード感を重視する
  • 行う目的をはっきりさせる

必要最小限のメンバーに絞る

ハドルミーティングは必要なメンバーだけを集めて行います。定例の会議とは異なり、何か問題が起きたときや、決定したい事項が出たときに行われるため、必要となる最小限のメンバーのみを集めることで、活発なコミュニケーションとスムーズな意思決定が可能となります。

スピード感を重視する

ハドルミーティングは短時間で行う会議のため、スピードが重要です。集まって議論する課題が解決したらミーティングを終了させましょう。時間が長くなると定例会議と変わらなくなってしまいます。ハドルミーティングの効果を得るためにも、時間内に終わらせることは必須条件です。

行う目的をはっきりさせる

目的をはっきりさせることで、短時間で内容の濃い議論が可能となります。プロジェクトの経過報告やアジェンダが複数あるような会議は、時間がかかりすぎてしまうため向いていません。ネクストアクションの確認やアイディアの共有といった、より今後につながる内容を重視しましょう。

ハドルミーティングで必要となるもの

会社でハドルミーティングを行う際、デスクの周辺に集まって議論することもできますが、重要な内容を話す際にはハドルルームの設置を検討しましょう。また、ハドルミーティングを充実させるための環境を整えておくことも大切です。

ハドルルームの設置

ハドルミーティングはスピード感が大切です。すぐに集まれるよう、ハドルルームは会社の執務室に設置すると効率良く実施できます。普段使用しているデスクの近くにあれば、解散したあともすぐに業務に取りかかれます。

ハドルルームは、ファミリーレストランにあるようなボックス席型や、ソファーを使用したスペースなどさまざまです。簡易的な椅子とテーブルを置いたスペースや、立ったまま打ち合わせを行えるスタンディングスペースであれば、少額・省スペースで設置できます。

また、すべてをオープンスペースにするよりも、仕切りのあるハドルルームもいくつかあると、より議論しやすい環境を作れるでしょう。

ハドルルームにあると便利な設備

ハドルルームの設備を充実させるとミーティングもはかどります。議題を書き込めるホワイトボードや、デジタル化された画面に直接書き込んでデータを保存できるインタラクティブホワイトボードがあると便利です。

また、ディスプレイモニターを設置しておけば、各自で持ち込んだパソコンを接続して画面を共有しながらミーティングを進められます。スタンティングで行うミーティングの場合には、立ったまま使えるデスクがあると作業がしやすくなるでしょう。

ハドルミーティングの事例

ハドルミーティングを導入している企業の事例をご紹介します。

ソニーピープルソリューションズ株式会社

ソニーピープルソリューションズ株式会社では、会議をしたくても会議室が不足していた問題の解消のため、ハドルルームの導入を決めました。

ファミレス型のブースや1on1ミーティングが可能なスペースを作り、パソコンと接続が可能なモニターも設置しています。

もともとあった広い執務スペースの半分ほどを利用してハドルルームを作った結果、議論したいときにミーティングがすぐにできる環境へと変化しました。

バイオジェン・ジャパン株式会社

世界的なバイオテクノロジー企業・バイオジェンの日本法人バイオジェン・ジャパン株式会社は、会議室が不足し、緊急で話し合いたいときに会議できる場所がない問題点の解消のため多数のハドルルームを設置しました。

ソファスペースやチェアスペース・スタンティングデスクが置かれたスペースがあり、ルームごとにカラーを変えることで、その日の気分や用途によって使い分けられる環境を作りました。

予約なしにクローズドの会議が可能なハドルルームは、それぞれの部屋がガラス張りのため、通路から内部の様子が確認でき、使用中かどうかが一目でわかる仕様です。

ハドルルームを設置したことで、短時間で行う即時の会議が効率良く行われ、作戦を練りたいのに会議室を使えないという問題点が解消できました。

まとめ

ハドルミーティングはこれまで定例で行われていた長時間の会議とは違い、必要なときに必要なメンバーだけが集まる短時間の会議です。会議時間の短縮はもちろん、生産性の向上やコミュニケーション不足の解消にも役立ちます。また、大きなスペースが不要なため、会議室不足に悩んでいる企業にも適しています。

プロジェクトの経過報告やアジェンダが複数あるような会議には向いていませんが、プロジェクトの進捗の確認や相談・アイディアの共有といった今後につながる話をスピーディーに伝える場として効果を発揮するでしょう。

参考:
ASKUL みんなの仕事場│究極の短時間ミーティング環境、アメフトのハドルが由来「ハドルルーム」とは? (バイオジェン・ジャパン株式会社 オフィス訪問)

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