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経営幹部候補に必要な特性とは?経営幹部にふさわしい若手社員を見極める方法も解説

経営幹部は、企業の経営戦略に関わる重要なポジションです。企業の長期発展のためには、優秀な若手社員を確保し、経営幹部候補として育成する必要があります。

しかし、単に優秀なだけでは経営幹部候補の素質があるとは言えません。自社の企業風土やビジョンにマッチしているか、求める能力や特性を備えているかを見極めることが重要です。

今回の記事では、経営幹部にふさわしい社員の特性や、採用する方法について解説します。経営幹部候補の採用・育成に悩んでいる人事担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

経営幹部の役割とは

経営幹部は、経営に参画して自社の将来に関わる意思決定を行う重要なポジションです。一般的には取締役や執行役員のような上層部を指しますが、企業によっては部長以上の管理職を経営幹部に含めることがあります。

経営幹部の主な役割は以下のとおりです。

  • 経営方針・経営戦略を決定し明確化する
  • 経営者の意思決定をサポートする
  • 経営資源をコントロールする
  • リスクへの対処をする

詳しく見ていきましょう。

経営方針・経営戦略を決定し明確化する

経営幹部は、企業成長のために経営方針を定め、具体的な戦略を立てます。自社の現状を把握し、市場でのポジションや将来像を明確にとらえたうえで、商品やサービスの品質向上・差別化を図ります。

また、企業の長期的な成長のためには、社会的価値を高めることも重要です。社会的価値のある企業と認められれば、信頼性が増し、ブランディングの確立や人材定着につながります。

経営幹部は単に利益を追求するだけではなく、社会貢献やSDGsに結びつく経営を行い、社会的信頼を得ることも考えなくてはなりません。

経営者の意思決定をサポートする

経営者の決定や判断のサポートも、経営幹部の重要な役割です。たとえ優秀な経営者でも、未知の分野など情報不足の状態では、判断を誤りかねません。

経営幹部は経営者よりも現場に近いポジションであり、事業全体を把握しています。その実地的視点と専門的知識を活かして経営者に助言を行い、適切な経営方針を決定します。

経営資源をコントロールする

経営幹部は企業の貴重な経営資源(ヒト、カネ、モノ、情報)を適切に分配し、最大限の成果を上げるためのマネジメントを行います。

資金調達や設備投資、商品・サービスの開発や改善、人材の育成・配置など、企業を形作るすべての資源を効果的に機能させます。

リスクへ対処する

会社経営にはリスクがつきものです。経営判断のミスや社員による不正・情報漏えいといった自社が原因のリスクだけではなく、取引先の倒産や災害、経済危機など、外因によるリスクもあります。

そのため、経営幹部は社会情勢や環境の変化を予測し、事前に対策を考えることが重要です。また、突発的なリスクが発生したときは迅速に対処し、企業の損失を最小限に抑える必要があります。

経営幹部に必要な特性・能力

企業の将来を左右する重要な役割を担う経営幹部には、単に優秀であるだけではなく、広い視点と主体的に考え、行動する力が求められます。とくに重要な能力は以下のとおりです。

  • 経営的視点
  • 専門知識
  • 課題発見・解決能力
  • 先見性
  • ヒューマンスキル

それぞれ詳しくご紹介します。

経営的視点

経営幹部にとって、もっとも重要な能力は経営的な視点です。限りある経営資源をコントロールし、利益を最大化させるためには、経営的視点をもとに戦略を立てる必要があります。

企業や社員の現状を把握することはもちろん、経済情勢や競合他社の動向など多方面に意識を向け、そのなかで自社がどうあるべきかを常に考え続ける姿勢が求められます。

専門知識

経営幹部として経営戦略を策定するためには、専門知識も欠かせません。自社の商品やサービスに関する十分な知識がなければ、自社の強みや弱み、将来にわたるニーズを読み取ることは難しいでしょう。

机上で得た知識だけではなく、商品やサービスを扱い、顧客の反応を見ることで得られる「生きた」知識が必要です。

また、経営や財務、会計に関する知識があると、予算管理や投資決定など重要な意思決定を行うときに役立ちます。技術革新やニーズの変化に対応できるよう、常に新しい知識を吸収しようとする姿勢も必要です。

課題発見・解決能力

経営幹部には、自社の抱える課題を発見し、解決のために行動する能力が求められます。

問題なく事業活動を行っているつもりでも、潜在的な課題が隠れていることがあります。小さな課題の見落としが、大きなトラブルや損失につながるケースも少なくありません。

経営幹部は潜在的な課題を発見し、解決策を考えて実行することで、経営リスクを回避し、新たな価値を創出します。

現状に満足することなく、絶えず改善策を考え続ける能動的な姿勢は、経営幹部に欠かせない素質です。

先見性

経営幹部になるためには、先を見通す力(先見性)も必要です。

業界の動向は、市場のニーズや新しい技術、法改正、経済情勢の影響を受けます。競合他社に先んじて利益を出すためには、社会の変化に応じて、商品やサービスの開発や拡充、マーケティング法の見直しなどを行う必要があります。

常にアンテナを張って変化をいち早くキャッチし、自社の経営戦略に反映できる人材は、経営幹部にふさわしいと言えるでしょう。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、コミュニケーション能力、リーダーシップ、傾聴力、交渉力など、対人に関わるスキルの総称です。

組織の一員として従事するためには、人と良好な関係を築くためのコミュニケーション能力が欠かせません。

とくに経営幹部には、チームをまとめ上げ、ステークホルダーの調整を行い、顧客や株主に対して交渉を行う高度なヒューマンスキルが求められます。

ときには、意見の異なる相手を説得したり、部下をたしなめたりしなければなりません。相手の意見や感情を尊重しながらも、納得を得られるよう粘り強く対話を重ねるためには、高度なヒューマンスキルが必要です。

経営幹部候補を若手から確保する重要性

経営幹部候補は若手から確保し、育成することが重要です。少子高齢化が進むなか、優秀な人材は企業間での争奪戦となります。経営幹部にふさわしい人材を確保できなかった場合、後継者難により経営が悪化する危険性があるためです。

また、経営幹部に必要な、企業の理念・方針への深い理解や、経営・財務に関する専門的知識の習得には、長期計画に基づいた育成が必要です。

経営幹部の素質がある若手を採用し、時間をかけて教育することで、自社の風土にマッチした次世代のリーダーを育てられます。

経営幹部候補を採用するための具体的施策と注意点

経営幹部候補に必要な先見性やヒューマンスキルは、定量的に測れるものではありません。そのため、一般的なスキルセットに基づく採用では、優秀な経営幹部候補を確保することは困難です。

経営幹部候補を採用するためには、求める人物像を明確にし、人材確保のための採用方法や面接での質問内容を考える必要があります。

具体的な施策と注意点は以下のとおりです。

  • 経営幹部に必要な特性を明確にする
  • 自社の風土や価値観を言語化する
  • 採用方法を決める
  • 面接方法や内容を決める
  • 自社の魅力をアピールする

詳しく見ていきましょう。

経営幹部に必要な特性を明確にする

まずは、求める人物像を明確にするところから始めます。経営幹部に求める役割を明らかにし、自社が抱える課題や目標、中長期計画と照らし合わせて、幹部候補が備えるべき能力や行動特性を整理しましょう。

具体的なイメージをつかめない場合は、自社の役員や社員からロールモデルとなる人物を選ぶことも一つの手段です。模範的な人材を何人かピックアップし、行動特性を分析することで、自社が求める人物像を見出せます。

自社の風土や価値観を言語化する

経営幹部候補を採用するときは、能力だけではなく、自社との親和性を見極める必要があります。たとえ優秀な人材であっても、企業風土になじめなければ、早期離職してしまうおそれがあるためです。

企業理念やロールモデルから、以下の3つの要素を言語化し、企業の理念や風土にマッチした人材を見極めましょう。

  • Mission:企業が社会において果たすべき使命
  • Vision:企業が実現したい目標や未来像
  • Value:企業の価値観や行動指針

採用方法を決める

自社の求める人物像が明確になったら、具体的な採用方法の選定に移ります。

幹部候補の主な採用方法を、それぞれのメリット・デメリットとあわせてご紹介します。

採用方法内容メリットデメリット
新卒採用大学卒業見込みの若手を広く募集し、採用する・企業のマインドやカルチャーが浸透しやすい
・育成に時間をかけられる
・教育コストがかかる
・ミスマッチが生じやすい
中途採用就労経験者を広く募集し、採用する・管理職経験者を採用すれば即戦力で活躍できる
・教育コストが低い
・採用コストがかかる
・企業風土になじまない場合がある
リファラル採用自社の社員に人材を紹介してもらう・自社にマッチした人材を確保しやすい
・採用コストを抑えられる
・不採用時や採用者が早期離職したとき、採用者と推薦者の人間関係が悪化するおそれがある
・人材に偏りが生じる場合がある
ダイレクトリクルーティング自社に合う人材に直接アプローチする・自社にマッチした人材を確保しやすい
・ベンチャー企業や中小企業でも人材を確保しやすい
・採用にかかる工数が多い
・人事担当者の負担が大きい

採用方法ごとにメリット・デメリットがあるため、求める人物像や採用にかけられる費用を考慮して、自社に合った方法を選ぶことが重要です。

また、採用方法は経営陣が中心となって検討することが推奨されます。経営戦略や企業文化を深く理解した経営陣であれば、企業のビジョンや目的に合致した人材を選ぶ最適な方法を見極められるでしょう。

面接方法や内容を決める

経営幹部候補の能力や特性を見極められるような面接方法や内容を決めることも重要です。

たとえば、コミュニケーション能力を評価するにあたって、通常の面接では不十分な場合があります。面接でのコミュニケーションと、実務でのコミュニケーションは若干異なるためです。

カジュアルな雰囲気のなかで面接を行うことで、候補者の素の言葉遣いや態度を見られる可能性があります。

また、経営幹部に必要な素質を見抜くためには、面接で以下のような質問をするとよいでしょう。

経営的視点・当社がもっと成長すべき部分はどこだと思いますか?
・当社は競合他社と比較してどのような強みや弱みがあると考えますか?
課題解決能力・これまでに直面した困難な出来事と、その出来事にどのように立ち向かったかを教えてください。
・上司に「これまでにない新しい商品を開発したい」と言われたら、どう答えますか?
先見性・10年後に、当社が必要とする技術を挙げてください。
・米大統領選挙の結果が日本に与える影響には、どのようなものがありますか。
ヒューマンスキル・一緒に働きたい人、働きたくない人のタイプを教えてください。
・コミュニケーションを円滑にするために、もっとも大事なことはなんですか?
自社との親和性・当社の価値観のなかで、もっとも共感できる内容はなんですか?
・あなたが理想とする企業文化はどのようなものですか?

自社の魅力をアピールする

面接や企業説明会など、経営幹部候補と接触する機会があれば、積極的に自社の魅力をアピールしましょう。

経営幹部候補は優秀な人材であるため、ほかの企業からもアプローチを受ける可能性が高いためです。他社のほうが魅力的だと思われれば、採用試験中の中途離脱や内定辞退につながりかねません。

具体的な対策としては、候補者を惹きつけるポジションの準備や、企業理念・ビジョンの共有が挙げられます。

企業は採用活動のなかで候補者を観察し、自社にふさわしい人材であるかどうかを見極めます。しかし、同時に候補者も、その企業が魅力あるフィールドであるかを見定めようとしています。

企業側も「選ばれている」という意識を持ち、候補者と真剣に向き合わなくてはなりません。

経営幹部候補を育成するための具体的施策と注意点

経営幹部候補の採用はあくまでスタートです。採用後の適切な教育により、経営幹部にふさわしい人材へと成長させることができます。

育成方法を誤ると、早期離職やメンタル不調による休職につながるおそれがあるため、こまめにフォローしながら慎重に育成しなくてはなりません。

経営幹部候補を育成するための具体的な施策と注意点は以下のとおりです。

  • 育成計画を具体的に設定する
  • メンタル面のフォローを行う
  • 定期的な1on1面談を行う
  • セミナーや研修を実施する

詳しくご紹介していきます。

育成計画を具体的に設定する

経営に関する幅広い知識やスキルを身につけるには、多くの時間が必要です。長期的な育成計画を設定し、実践することで、幹部候補の効果的な育成を実現できます。

育成計画を設定するときは、目指すべき将来像を明確にし、どのような経験が必要となるかを整理することが重要です。育成計画を立てたら、計画に沿って採用後の配属部署やジョブローテーションを決めましょう。

ジョブローテーションにより幅広い業務を経験させれば、組織全体を俯瞰的に見る能力が身につきます。さまざまな部署や立場の社員と接するなかで、ヒューマンスキルも向上するでしょう。

また、複数の部署を経験することで、全社レベルの人脈を築ける点もジョブローテーションのメリットです。社員との信頼関係は、将来的な経営方針の決定や新たなアイデアの獲得に必要な協力を得やすくし、業務効率の向上に寄与します。

育成計画を立てるときには、経営幹部候補の適性を把握することも重要です。適性検査の結果や面談での聞き取りから幹部候補の傾向を分析し、個々人に合った育成計画や育成体制を整えましょう。

メンタル面のフォローを行う

経営幹部候補として採用された社員は、周囲から大きな期待をかけられます。とくに社会経験のない新卒社員は、社会人としてはじめて働くプレッシャーに加え、過剰な期待にストレスを感じてメンタルに不調をきたすおそれがあります。

そこで、メンター制度を導入し、業務上の不明点や人間関係の悩みについて気軽に相談できる環境を整えましょう。ストレスチェックやカウンセリングの実施も有効な手段です。

メンタルケアのタイミングや方法を見極めるためには、経営幹部候補のパフォーマンスを測ることが重要です。パフォーマンスが落ちているときに適切なケアをすることで、良好なメンタルヘルスを維持できます。

定期的な1on1面談を行う

育成が始まったら、定期的に1on1面談を実施し、幹部候補の成長度合いを測ります。実務経験や研修の結果は出ているか、定めた目標に達しているかどうか、経営幹部候補自身とすり合わせを行い、今後の育成計画に反映させましょう。

また、経営幹部候補自身が抱いている悩みや不安を聞き出すことも、1on1面談の目的の一つです。適切なアドバイスにより、さらなる成長を促し、メンタルの安定にもつながります。

セミナーや研修を実施する

経営幹部候補を育成するためには、実務経験だけでは不十分です。セミナーや研修を実施して、経営的視点や専門知識を体系的に学ばせましょう。

外部講師や専門家といった経営の専門家による研修は、実践的で高度なスキルの習得に役立ちます。

セミナーや研修への参加は経営幹部候補のモチベーションアップをもたらし、早期離職を予防する効果も期待できます。

経営幹部候補を若手から採用・育成して自社の持続的発展を目指そう

経営幹部は経営方針の決定や経営資源のコントロールを通じて、企業の持続的発展を実現する重要な役割を担います。業務遂行のためには専門的知識や経営的視点が必要となるため、適性のある若手を採用し、時間をかけて育成しましょう。

ただし、経営幹部には課題発見・解決能力やヒューマンスキルなど、定量的な評価が難しい素質も必要です。また、能力があっても自社の企業風土になじめない場合は早期離職してしまうリスクがあります。そのため、スキルセットによる採用では、自社にマッチした経営幹部候補の確保は困難です。

「ミキワメ 適性検査」は、新入社員の経営幹部としての特性や自社との親和性を評価できるだけではなく、採用後の育成計画やメンタルケアにも高い効果を発揮します。

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