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【必見】働きがいのある職場とは|人材定着につながる取り組み事例を紹介

働きがいのある職場_人材定着につながる取り組み
この記事でわかること
  • 職場の働きがいを高める取り組み事例
  • 働きがいのある職場に見られる共通点
  • 働きがいが企業に与える効果

人材の流動化が進むなか、従業員が「この会社で働き続けたい」と思える職場環境の整備は、企業にとって重要な経営課題のひとつです。働きがいが高い職場は、社員のモチベーションやエンゲージメントを引き出し、企業全体の業績にも好影響を与えます。

しかし、具体的にどのような取り組みが有効で、どのように現状を把握し改善すればよいのか悩む企業は少なくありません。

本記事では、職場の働きがいを高める4つの施策をはじめ、企業にもたらす効果や成功事例を詳しく解説します。最後まで読めば、人材の定着に悩む人事担当者が現状の職場環境を把握し、自社に合った改善策を実行できるようになります。

サーベイツールも活用し、まずは従業員の働きがいを可視化することから始めてみましょう。

目次

職場の働きがいを高める取り組み4選【具体例あり】

働きがいのある職場_職場の働きがいを高める取り組み

「働きがいを高めたいが、何から手を付けていいかわからない」、そんな人事担当者に向けて、すぐに実践できる4つの取り組みを厳選しました。

福利厚生・研修制度・評価制度・社内コミュニケーションと4ステップに分け、具体的な改善ポイントを紹介します。

多面的な角度から施策を打つことで、従業員の働きがいを支える仕組みを構築できます。具体例も交えながら解説するので、何から始めるか迷っている人事担当者はぜひ参考にしてください。

1. 労働環境の整備|福利厚生の充実・労働時間の削減

職場の働きがいを高めるには、まず職場環境の現状を理解し、課題となる要素を明確にすることが大切です。長時間労働や有給取得率の低下など課題が見える場合は、以下のような労働環境の整備に取り組んでみましょう。

【労働環境整備の具体例】

  • 労働時間の削減
  • 休暇を取得しやすい制度の導入
  • 時差出勤やフレックス制度の導入
  • テレワークの推進
  • 衛生的で整頓されたオフィスの整備

多様な働き方を支援する体制を整えるのはもちろん、健康管理制度や住宅手当、育児支援といった福利厚生を充実させるのもポイントです。

安心して仕事に専念できる環境をつくることで、従業員は「大切にされている」という実感を得られ、この意識が働きがいを支える土台となります。

従業員のモチベーションを高めるオフィス環境の整備方法を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

オフィス環境は社員のモチベーションに直結!NG例と具体的な改善策を解説 オフィス環境を良好に保ち、社員の安全と健康を守ることは企業の義務です。また、快適で便利なオフィス環境は、社員のモチベーションアップやコ...

2. キャリア開発の充実化|社内研修・リスキリングの支援

従業員のキャリア開発支援は、従業員と組織双方に成長機会をもたらす重要な要素です。従業員が新たなスキルや知識を身につけることで成長意欲が高まり、長期的な定着とパフォーマンス向上が期待できます。

キャリア開発には以下のように多様な方法があるため、経営戦略と従業員の意向を踏まえながら最適な施策を取り入れてみましょう。

【キャリア開発の具体例】

  • OJT・OFF-JT
  • 上司や人事部によるキャリア相談
  • メンター制度の導入
  • 教育プログラムの実施
  • ジョブローテーション制度の導入
  • 資格取得への金銭的補助

キャリア開発の機会を充実させれば、従業員が中長期的なキャリア目標を描きやすくなり、企業への帰属意識が高まります。企業側にとっても、多角的な人材育成によって組織の競争力を強化できるのがメリットです。

キャリア形成の重要性や進め方は、以下の記事で詳しく解説しています。企業が提供できるキャリア支援の具体例も紹介しているので、取り組みに悩んでいる方はぜひこちらもご覧ください。

キャリア形成とは?重要な理由や具体的な進め方も解説 現代社会において、キャリア形成は多くの人が直面する重要な課題となっています。終身雇用制度の崩壊や雇用形態の多様化が進むなか、自己のキャ...

3. 評価制度の見直し|360度評価や抜てき制度の導入

従業員の働きがいを高め、維持するには、公平かつ納得感のある評価制度の導入が欠かせません。

リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、働く個人の約8割が人事評価を重視していることがわかっています。

しかし、8割のうち人事評価に満足していると回答したのは約半数にとどまり、評価基準の曖昧さに不満の声を挙げる人が多く見られました。

参考:リクルートマネジメントソリューションズ|人事評価制度に対する意識調査(「8割は人事評価を重視 半数は制度に不満を感じる」より)

従業員は、自分の努力や成果が正当に認められることで、自発的に仕事へ取り組めるようになります。明確な評価基準や運用ルールを設けるのはもちろん、以下のように多角的で公正な仕組みを取り入れることが重要です。

【評価制度の具体例】

  • 360度評価
  • 抜てき制度
  • 表彰制度
  • バリュー評価
  • OKR

人事評価における3つの基準や流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。従業員の働きがいを高める人材育成方法を知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。

人事評価とは?目的・考え方・評価の方法を解説
人事評価とは?目的と評価基準、方法を理解して人材を管理・育成しよう人事評価は、人材の育成と管理を目的とした評価制度です。本記事では人事評価の概要と目的、評価基準とともに人事評価制度の適切な運用方法を解説しますので、人事担当者の方は参考にしてみてください。...

4. コミュニケーションの活性化|社内イベントや1on1の実施

キャリア開発の支援制度や評価制度が整ったら、日常的に働きがいを強化させていきましょう。従業員の働きがいを定着させるには、社内コミュニケーションの活性化が有効です。

活発なコミュニケーションは、従業員同士の信頼関係やチームワークの構築に寄与し、職場の一体感を高めます。

以下の論文では、上司と部下の信頼関係が働きがいの向上に関わると示唆されていました。

部下から上司への信頼は、人事評価への納得度を高め、納得度の高さは働きがいの高さに影響を与えます。

上司と部下が信頼関係を築けていれば、人事評価が悪かったとしても部下の納得感は高まり、結果として働きがいの向上につながることがわかりました。

参考:上司と部下の信頼関係構築のための 1on1 ミーティングの構造の分析:人事評価の納得度向上を目指して(p64「4.3.1 解析結果全体の考察」より)

社内のコミュニケーションを活性化させる具体例としては、以下のような方法が挙げられます。

【社内コミュニケーションを活性化させる具体例】

  • 1on1ミーティングの実施
  • 社内イベント(懇親会)の開催
  • 部活動の活発化
  • 社内報の発行

とくに1on1は、日常業務では表面化しづらい課題やキャリアの希望を共有する貴重な機会です。1on1では傾聴の姿勢を持って従業員の意見を聞き、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。

効果的な1on1ミーティングのコツを知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

雑談で終わる_1on1はやめよう_適切な進め方_目的別
雑談だけで終わる1on1はもうやめよう!適切な進め方を目的別に解説1on1の基本的な進め方を6ステップで解説します。信頼関係の構築から、自発的な行動促進まで「部下の成長段階に応じた対話のやり方」も紹介。今日から実践できる1on1の質問例や注意点がわかる内容です。...

働きがいのある職場とは?共通する3つの特徴

働きがいのある職場_特徴

働きがいのある職場には、以下のようにいくつかの共通点があります。

働きがいは個人のモチベーションや企業の成果と密接に関わっており、特定の要素だけでは継続的に高めることはできません。

これら3つの共通点を意識すれば、社員が安心して働き、成長を実感できる環境を整えられます。それぞれ詳しく解説するので、自社の職場環境と見比べたうえで、実践できないか検討してみてください。

1. 経営理念やビジョンが社員に浸透している

働きがいのある職場では、経営理念やビジョンがただ掲げられるだけでなく、従業員に浸透しているのが特徴です。経営層が率先してビジョンを発信し、日常の業務や意思決定に反映させることで、従業員も自分の役割や貢献の意義を理解しやすくなります。

実際に厚生労働省の調査によると、企業の組織風土に好感がある従業員ほどワーク・エンゲージメントが高いことがわかりました。

出典:厚生労働省|令和元年版 労働経済の分析 第2節「働きがい」と様々なアウトカムとの関係性について(p194「第2-(3)-9図 ワーク・エンゲイジメントと組織コミットメントについて」より

また、経営理念やビジョンが共有されている組織では、部門を超えて一体感が生まれ、意思決定も迅速になります。働きがいを育むためには、経営理念やビジョンを形骸化させず、社員一人ひとりの行動に結びつける仕組みをつくるのがポイントです。

企業文化の醸成方法や従業員への浸透方法について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

企業文化を醸成しているビジネスパーソン
企業文化を醸成する方法とは?8段階プロセスや社員への浸透方法も解説 この記事でわかること 企業文化の醸成や変革の定石プロセス 採用段階から企業文化を醸成するステップ 企業文化を醸成・浸透さ...

2. 社員同士のコミュニケーションが活発である

社員同士の活発なコミュニケーションは、働きがいにつながる基本的な要素です。意見を自由に交換できる職場では相互理解や信頼関係が深まり、安心して働ける雰囲気が生まれます。

「働きがいのある最高の組織とチームビルディング」によると、コミュニケーションは組織活動の中心に位置づけられており、コミュニケーションがなければ組織は機能しないと明記されています。

チームを有効にするには双方が考えを開示し、傾聴するようなコミュニケーションが重要です。

参考:商経学叢 第64巻第2号 2017年12月 李 超 ・ 狩俣 正雄 |働きがいのある最高の組織とチームビルディング(p341(581)より)

コミュニケーションの土壌が整っていれば、課題の早期解決だけでなく新たなイノベーションの創出も期待できます。働きがいを醸成するだけでなく、企業成長を促すためにも、双方向のやりとりを促進する仕組みを整えましょう。

以下の記事では、社内コミュニケーションを活性化させるアイデアを紹介しています。事例も交えながら解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

社内コミュニケーション_活性化
社内コミュニケーション活性化のアイデア10選|事例や成功のコツも社内コミュニケーション活性化の取り組みとして、社内イベントの開催や1on1ミーティングの実施、サーベイ活用によるサポート強化などがあります。活性化のアイデア10選と企業の取り組み事例を解説します。...

3. 社員の挑戦をサポートする体制が整っている

従業員の挑戦を支える体制が整っていることも、働きがいのある職場の特徴です。新たな挑戦を尊重し、失敗を責めない風土を築くことで、従業員のモチベーションも向上します。

厚生労働省の調査でも、仕事を通じた成長実感や仕事への自信が高い従業員ほど、ワーク・エンゲージメント・スコアも高くなることが推察されていました。

出典:厚生労働省|令和元年版 労働経済の分析 第3節「働きがい」をもって働ける環境の実現に向けた課題について(p212「第2-(3)-19図 ワーク・エンゲイジメントの高い労働者の主な仕事に対する認識」より)

従業員の挑戦を支援する方法としては、以下のような具体例が挙げられます。

【従業員の挑戦を支援する制度例】

  • キャリアチェンジやスキルアップ機会の提供
  • 育成プログラムの整備(研修や学習補助制度)
  • 新規プロジェクトへの公募制度の導入
  • 社内ベンチャー制度の導入

このような支援が充実していれば、従業員は自分の能力を最大限に発揮でき、企業への帰属意識や愛着心の向上も期待できます。

働きがいが企業に与える3つの効果

働きがいのある職場_効果

働きがいのある環境では従業員のモチベーションが維持されやすく、組織のパフォーマンスや競争力にもプラスの影響が期待できます。本章では、働きがいが企業に与える3つの効果を紹介します。

自社にとってどのような効果が見込めるのかを理解し、働きがいを戦略的に高めていくことが大切です。従業員の仕事への活力を高めるメリットや方法を詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

仕事への活力を高めるメリットと具体的な方法を解説 社員の仕事への活力を高めることは、個人の意欲向上だけではなく、チーム全体の士気向上にもつながります。仕事に貢献したいという姿勢が育まれ...

1. 生産性の向上

働きがいを感じられる職場では、従業員一人ひとりが意欲的に業務へ取り組むため、生産性の向上が期待できます。仕事に対する満足感が自律的な行動につながり、創意工夫を促せるのがメリットです。

厚生労働省の調査によると、ワーク・エンゲージメント・スコアと個人の労働生産性には、正の相関があることがわかりました。

出典:厚生労働省|令和元年版 労働経済の分析 第2節「働きがい」と様々なアウトカムとの関係性について(p198「第2-(3)-11図 ワーク・エンゲイジメントと個人の労働生産性について」より)

また、以下の調査でも、仕事への意欲と生産性には大きな関係があることが明記されています。

「仕事にやる気あふれる」社員の生産性は、「仕事に満足していない」社員の約3倍になることがわかりました。

また、日本企業は海外に比べて、職場に対する不満を感じている社員の割合が多く、企業の生産性も約2割低いという結果が出ています。

参考:ベイン・アンド・カンパニーとプレジデント社の共同調査|”3人に1人”の不満社員を奮起させるには(「日本企業の意欲の水準は危機的レベル?」より)

両者は密接に関係しており、働きがいの低下が生産性の低下を引き起こす可能性も少なくありません。生産性の向上は競争力に直結する要素なので、企業成長の基盤としても社員の働きがいを高めることは重要と言えます。

2. 人材の確保と定着率の向上

従業員が仕事に意義や成長を感じられる環境は、離職率の低下に直結し、長期的な定着を促進します。

実際に厚生労働省の調査でも「職場に働きがいがある」と回答した人の73.5%が「いまの会社で働き続けたい」と答えています。

出典:厚生労働省|働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書(p125「(2) 「働きがい」「働きやすさ」と定着の関係」より)

また、勤務継続の理由としてもっとも多かったのは「いまの会社や職場に愛着を感じているから」で43.1%、次いで「いまの会社でやっている仕事が面白いから」で41.4%でした。

このように職場に働きがいを感じている従業員は、自ら企業に定着する意識を持っていることがわかります。

従業員の定着率が高まれば、企業は採用や育成コストを削減できるのがメリットです。働きがいを高める取り組みを実践することで、求職者からも選ばれやすくなり、安定した組織運営の土台を築けます。

従業員の定着率を上げる方法や具体例を知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

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また、以下の記事では、期待してた人が辞める会社の特徴や退職予防策を解説しています。人材の流出を防ぎたい人事担当者は、ぜひこちらも参考にしてみてください。

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3. 会社全体の業績向上

働きがいのある職場は従業員のモチベーションが高く、生産性や創造性が引き出されやすいのが特徴です。一人ひとりが自主的に業務へ取り組むことで、成果が組織全体に波及し、企業の業績にも好影響を与えます。

Great Place To Work®(GPTW)の調査によると、働きがいの状態が企業の業績に関係があることが示唆されています。

出典:Great Place To Work®(GPTW)|「働き方改革」で業績は向上するのか? ~”働きやすさ”、”やりがい”と業績の関係~(「結果概要 1.「ベストカンパニー」と「ノンベストカンパニー」の業績:売上対前年伸び率21.9%の差」より)

「働きがいのある会社」ランキングにランクインした企業とそれ以外の企業では、売上対前年の伸び率で21.9%の差が見られました。

また、働きがいを「働きやすさ」と「やりがい」に分けて見ると、とくに「やりがい」の高い企業で、業績が伸びていることが判明しています。このことから、従業員の働きがいを高めることは、企業の中長期的な利益を支える投資になると考えられます。

従業員のエンゲージメントと業績の関係性については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

エンゲージメント_業績_関係_データで解説_取り組むべき施策
エンゲージメントと業績の関係をデータで解説|企業が取り組むべき施策もエンゲージメントは業績向上につながる重要な要素の一つです。複数の調査結果からも、業績にいい影響を与えることがわかっています。本記事では、エンゲージメントと業績の関係、具体的な向上施策を解説します。...

働きがいが重視される社会的背景

働きがいのある職場_社会的背景

働きがいのある職場づくりが重視される背景には、以下のような現代社会の構造的変化があります。

少子高齢化や働き方の多様化が進む現代では、従来の画一的な雇用制度では社員を惹きつけられなくなっています。変化の激しいビジネス環境で企業が生き残るためには、限られた人材を活用しつつ組織力を強化することが大切です。

ここからは、社会的な背景から働きがいの重要性について詳しく見ていきましょう。

労働人口の減少

少子高齢化が進む日本では、労働人口も年々減少傾向にあります。新たな人材の確保が難しくなるなかで安定的な基盤を築くには、従業員一人ひとりの働きがいを高め、長期的な定着を促すことが大切です。

実際に厚生労働省の調査でも、多くの企業が人手不足による影響を懸念しており、働きがいの低下を実感していることがわかりました。

出典:厚生労働省|第Ⅱ部 人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について(p8「人手不足の緩和に向けた企業の取組と人手不足を感じる理由」より)

しかし、人手不足への取り組みとして「雇用管理の改善」や「従業員への働きがいの付与」を挙げた企業は少なく、外部調達や内部調達の実施が目立つ結果となっています。

魅力的な職場環境は、人材の流出防止と長期定着につながります。今後も労働人口の減少が予測されているため、企業は「働きがい」という内面的な満足感を提供し続けることが重要です。

働き方の多様化と価値観の変化

リモートワークや副業といった働き方の多様化に伴い、従業員の価値観も変化しつつあります。自分らしい働き方や成長機会を求める傾向が強まっているため、企業にも個人の自由な選択やキャリア形成を後押しする姿勢が必要です。

働き方や価値観の変化に対応できる企業ほど、優秀な人材が集まりやすく、組織力を高められます。

アメリカの調査会社Gallupによると、2024年には世界全体で従業員のエンゲージメント低下が確認されました。

管理職のエンゲージメントは30%から27%に低下しており、若手と女性の管理職の低下がもっとも顕著となっています。

参考:Gallup|State of the Global Workplace(「02. Manager Engagement」より)

年代や性別によっても、企業に求める価値や働きがいの内容は異なります。そのため企業は、個々のニーズを理解したうえで、柔軟に対応できる職場環境を整えることが重要です。

職場の働きがいを高めるには「現状把握」が重要

職場の働きがいを向上させるには、現状を正確に把握することが欠かせません。従業員の働きがいが低いと感じても、その原因が労働時間の長さなのか、評価制度の不透明さなのかによって効果的な施策は異なります。

そのためまずは、従業員の働きがいをデータで可視化し、課題点を理解することが重要です。サーベイツールやアンケートを活用して現状をしっかり把握しておけば、的確かつ効果的な施策を立案できます。

働きがいの可視化に役立つエンゲージメントサーベイツールについて、詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

エンゲージメントサーベイツール_比較
【2025年版】エンゲージメントサーベイツール14選を徹底比較社員のエンゲージメントを測定・向上させるサーベイツールを14個紹介します。エンゲージメントの向上は離職率を低下させる重要な要素です。各ツールの特徴を比較して自社に合ったツールを検討してみてください。...

働きがいの可視化に役立つ『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』

働きがいのある職場_ウェルビーイングサーベイ

「従業員の働きがいが見えず、施策が感覚頼みになってしまう」そんな課題を解決できるのが『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』です。

『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、従業員の心理状態や性格を可視化し、離職や休職を未然に防ぐサーベイツールです。年に1回の性格検査と月1回のパルスサーベイを組み合わせ、社員のウェルビーイング(心の幸福度)を数値化します。

3分間の高精度調査によって、従業員の仕事への活力をリアルタイムで知れるため、迅速に解決策を講じられるのが魅力です。AIが社員一人ひとりに最適なケア方法をアドバイスする機能もあり、個々のニーズに応じてサポートを行えます。

『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』の機能や使い方について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

ミキワメウェルビーイング_幸福度_高める_離職_休職_防ぐ
『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』とは?社員の幸福度を高め離職・休職を防ぐ『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、社員の幸福度を可視化して必要なケアができるサーベイツールです。社員の定着率を高めて生産性向上が期待できます。質問例や導入の流れも解説していますので参考にしてみてください。...

【ランキングから見る】働きがいのある職場の取り組み事例

働きがいのある職場_事例

場の働きがいを高めたいなら、実際の取り組み事例をチェックするのがおすすめです。ここからは、2025年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100から、参考になる2社の取り組みを紹介します。

ランキング上位企業が実践する施策を学ぶことで、職場の魅力向上や従業員の意欲アップにつなげるヒントを得られます。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

参考:Great Place To Work® Institute Japan|2025年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100

DHL Express|多様なエンゲージメントプログラムを展開

国際輸送事業を展開するDHLジャパンは、13年連続で上位にランクインしており、その職場環境と人材マネジメントが高く評価されています。

全社員を対象とした「社員意識調査」を毎年行い、調査結果をチーム単位で分析しながら職場環境を継続的に改善。同時に、社長自らが各拠点で社員と定期的に対話することで、現場の声を積極的に経営に反映しています。

また同社では、従業員のキャリア開発に力を入れているのも特徴です。メンタリングプログラムや国内外ポジションへ挑戦できるジョブポスティング制度のほか、近年ではAIを活用したキャリアプラットフォーム「Career Marketplace」を展開しています。

多様な人材プログラムにより、一人ひとりの業務経験やスキル、キャリア目標にあわせた成長支援を実現しています。

参考:DHLジャパン株式会社|DHLジャパン、日本における「働きがいのある会社」調査ベストカンパニーで第1位に選出

アチーブメント株式会社|目標達成プログラム研修で従業員のキャリアを支援

アチーブメント株式会社では「人を大切にする経営」を軸に、職業人としてだけでなく、人としても自己実現できる職場づくりに注力しています。とくに注目すべきなのは、内発的動機づけに基づくマネジメントの徹底です。

アメリカの精神科医が提唱する「リードマネジメント」を組織文化に根付かせており、仕事を通じて社員一人ひとりの願望を実現できる環境を構築しています。この組織文化は、社員が安心安全な環境で自身の強みを発揮し、生き生きと働く源となっています。

ほかにも社員教育への投資をはじめ、社内イベントや社員への感謝を伝える習慣づくりなど、幅広い制度を実践。一人ひとりへの配慮を重視する姿勢が、社員の満足度や働きがいの高さにつながっています。

参考:アチーブメント株式会社|アチーブメント株式会社は「働きがいのある会社」ランキングで中規模部門第1位、また10年連続でベストカンパニーに選出となりました

働きがいのある職場に関するFAQ(定義・違い・具体例)

働きがいのある職場_FAQ

仕事に対してやりがいや誇りを感じ、生き生きと働ける環境は、従業員の定着率や企業の業績に大きな影響を与えます。

しかし、いざ働きがいのある職場を整備しようと考えると、以下のような疑問を持つ企業も少なくありません。

働きがいの定義やモチベーションとの違いは、人によって捉え方が異なりやすいポイントでもあります。各疑問についてお答えするので、働きがいのある職場づくりに役立ててください。

働きやすさと働きがいを備えた職場とは?

働きやすさと働きがいを備えた職場とは、労働環境の快適さと仕事への充実感が両立した職場を指します。

働きやすさと働きがいは、似ているようで異なる概念です。働きやすさは柔軟な勤務形態や適切な労働時間など、主に外的要因に関わります。一方、働きがいは仕事の達成感や成長実感といった内的満足に基づくのが特徴です。

どちらか一方だけが整っていても、従業員の満足度や定着率は十分に高まりません。職場環境を整備するときは、両者をバランスよく整えることが大切です。

働きがいとモチベーションの違いは?

働きがいとモチベーションは混同されやすい概念ですが、意味が異なります。働きがいは仕事全体に対する満足感や意義の総称で、長期的な充足感を左右するのが特徴です。

一方モチベーションは、特定のタスクに取り組もうとするエネルギーや意欲のことを指します。給与や昇進といった外発的要因によって高まることもあれば、好きな仕事に携わるという内発的要因によって引き出されることも珍しくありません。

働きがいの高さはモチベーションの源泉となり、長期的な満足感を生み出す役割を果たします。

働きがいの具体例は?

働きがいを明確に定義することは難しいですが、Great Place to Work®(GPTW)によると、以下の2つで構成されると言われています。

【働きがいの構成要素】

  • 働きやすさ:職場環境の整備や制度の透明性など
  • やりがい:成長実感、組織貢献、社会的意義など

参考:Great Place To Work® Institute Japan|働きがいを学ぶ(「働きがいとは」より)

これらの要素がバランスよく整備・運用されている職場こそが、従業員一人ひとりにとって働きがいのある会社となります。

働きやすさとやりがいに基づく働きがいの具体例を見てみましょう。

【働きがいの具体例】

  • 自分の仕事が社会や顧客に役立っている実感
  • スキルの成長や新しい挑戦ができる環境
  • 上司や同僚からの認められ感
  • 柔軟な働き方ができる自由度

働きがいに対する取り組みは企業によってさまざまですが、共通して「社員が意義を感じられる仕組み」が存在します。特別な制度だけでなく、日々のコミュニケーションによっても実現できるため、自社に合った取り組み内容を決めるのがポイントです。

サーベイツールで職場の働きがいを可視化し、組織改善につなげよう

職場の働きがいは、従業員の生産性や定着率の向上に直結します。働きがいを高めるためには、個々の社員が自らの役割に誇りや意義を見いだせるような文化づくりが欠かせません。

働きがいを高める取り組みには、労働環境の整備やキャリア支援の充実化などさまざまな方法がありますが、まずは現状を把握することが大切です。従業員の性格や心理状態も働きがいに大きく影響するため、サーベイツールを使って職場の実態を可視化しましょう。

ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』は、社員の状態変化をリアルタイムで把握できる実名制サーベイです。3分間という短時間で高精度の調査が可能で、性格に応じたケア方法もAIがアドバイスしてくれます。

サーベイによるスコアは、働きがいの高さを測る指標にもなります。異常が見られた場合は、積極的にコミュニケーションの機会を設け、改善に努めましょう。

『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』の特徴や使い方を詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料もダウンロードしてください。

ABOUT ME
佐藤 透
ミキワメラボの編集者・コンテンツマーケティングを担当。大学卒業後、複数のIT企業で勤務。HR領域や新しい働き方のトレンドに興味を持ち、2022年からリーディングマークに従事。

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