仕事をしていると何らかのミスや不始末をしてしまうことがあります。その際に、どんな状況で不始末が起こったのかを会社に知らせるために提出するのが「顛末書」です。では、具体的にはどのような内容を書けばよいのでしょうか。
本記事では、顛末書の意味や書き方について詳しく紹介していきます。
顛末書とは
「顛末(てんまつ)」とは、始めから終わりまでのいきさつや事の始まりから終わりまでなどの意味があり、物事の一部始終のことです。そして顛末書とは、業務上のミスや不始末が起きた際に、どのような状況で不始末が起きてしまったのかを報告するためのビジネス文書のことをいいます。
たとえば、以下のようなシーンで提出を求められます。
- 発注や納品ミスなど事務処理で間違いを犯したとき
- 商品・サービスに不具合や欠陥が生じたとき
- 交通事故や不祥事を起こしてしまったとき
顛末書の提出は、不始末が落ち着いた段階です。社内でまた同じような不始末が起こらないことを目的とした文書であり、正しい書き方をする必要があります。
顛末書の書き方
不始末が起きた都度、書き方が変わってしまう会社もあります。しかし、顛末書は同じような不始末を会社で繰り返さないためにも、とても重要な文書です。そこで顛末書のテンプレートを会社で作成しておくことで、不始末の解決を迅速に行えるようになります。
顛末書に記載が必要な事項は以下の通りです。
- いつ起きたか
- どこで起きたか
- どのような状況で起きたか
- どのようなことが起きたのか
- 現状どのようになっているのか
- 原因は何なのか
どのようなアプローチを取ったのか
会社で同じようなことが起こらないようにするにはどうしたらよいのか
参考記事:顛末書と始末書はどう違う? ミスの再発を防ぐ顛末書の書き方
必要事項1:いつ起きたか
不始末が起きた日時を記載することで、どのようなタイミングや工程だと不始末が起こりやすいかが分かります。そのため、同じような不始末を起こさないために、注意しなければならないタイミングや工程が明確になります。
必要事項2:どこで起きたか
不始末が起きた場所です。会社は多くの部署やグループで業務を行っているため、不始末がどこで起こったかを記載することが重要です。これにより、不始末が起こりやすい部署やグループがわかり、今後同じような不始末が起こらないように対策ができます。
必要事項3:どのような状況で起きたか
不始末がいつ・どこで起きたかが分かったとしても、どのような状況で起こったかが明確でなければ、同じような不始末を繰り返してしまいます。そのため、不始末がどのような状況で起きたかを詳しく記載することで、不始末の内容がより明確になり対策のレベルを高められます。
必要事項4:どのようなことが起きたのか
不始末の具体的な内容を記載します。どのような不始末が起きたのかを会社全体で理解しておくことで、同じようなトラブルが起こるリスクを軽減できます。
必要事項5:現状どのようになっているのか
不始末が起きたことで、会社にどのような損害が起こったのかを理解しておかなければ、リスクマネージメントを取ることができません。そのため、不始末によって現状会社がどのようになっているのかを記載しましょう。
必要事項6原因は何なのか
不始末が起こった際は、原因の追及をしなければ、同じような不祥事が会社でまた起こる可能性があります。そのため、不始末の原因を明確にし、社内で共有して同じようなことが起こらないように気を付けましょう。
必要事項7:どのようなアプローチを取ったのか
起こった不始末に対して良いアプローチが取れた場合、会社としての損害が減ります。しかし、悪いアプローチであった場合、会社は大きな損害を受けてしまいます。
そのため、不始末に対して行ったアプローチ方法を記載しておくことで、万が一同じようなことが起こった際、より良いアプローチを取ることができます。また顛末書として記録に残るため、社員の育成などに利用することができ、不始末をプラスの方向に変えられます。
必要事項8:会社で同じようなことが起こらないようにするにはどうしたらよいのか
同じようなことが起こらないようにするにはどうすればよいか、対策方法を記載します。この項目は、顛末書のまとめにあたる部分でもっとも重要です。他の必要事項がしっかりと記載されていても、この項目の内容が良くなければ、同じような不始末がまた起こる可能性が高くなってしまいます。
これらの記載事項にもとづいて、顛末書のテンプレートをあらかじめ会社で用意しておくことで、迅速な対応が取れるようになります。会社の損害を少なくすることにもつながるはずです。また、顛末書は反省文的なものではなく、会社がより良く成長するための報告書であることを理解しておきましょう。
顛末書を書くメリット
顛末書を書くことは、会社や社員にとって多くのメリットがあります。
- 不始末が起きた際の対策ができる
- 社員が報告する内容のレベルが向上する
- 社員のレベルを把握できる
- 会社のレベルが向上する
参考:顛末書と始末書はどう違う? ミスの再発を防ぐ顛末書の書き方
メリット1:不始末が起きた際の対策ができる
先ほど紹介した必要事項をしっかりと記載することで、同じような不祥事が起きた際の対策になります。そのため、不始末によって生じる会社の損害を最低限に抑えられます。
また新入社員の研修の際などに、今まで起こった不始末や対策を紹介することで、新入社員のレベルアップや会社に馴染みやすくなることにつながります。
メリット2:社員が報告する内容のレベルが向上する
社員が不始末を起こした際には、顛末書を書かせて、自分がどのようなミスをしてしまったのかをしっかりと理解してもらわなければいけません。そして、自分の不始末について会社に明確に報告する必要があります。
これにより、報告の仕方が明確に分かるようになり、そのほかの仕事中の報告においてもレベルが向上していきます。
メリット3:社員のレベルを把握できる
顛末書を通して、社長や部長など上の役職を持っている人は、社員がどのような不始末を起こしているのかを確認できます。そのため、現在会社に所属している社員のレベルを把握できるようになります。
メリット4:会社のレベルが向上する
顛末書は、反省文のような始末書と異なり、主観的よりも客観的な視点が必要になるため、社員の業務レベルが向上しやすいです。その結果、会社全体のレベルも向上していきます。トラブルが起きた際には、反省や謝罪に重点を置いている始末書よりも、客観的に自分と向き合える顛末書を書かせることをおすすめします。
顛末書を書く際の注意点
顛末書を書く際の注意点は主に3つあります。
嘘偽りなく明確に記載する
なぜ不始末が起こったのかを記載する
しっかりと反省をする
注意点1:嘘偽りなく明確に記載する
顛末書は、同じような不始末が起こった際に迅速な対応ができるようになることを目的としています。そのため、事実と異なることを記載してしまうと意味がありません。
また、顛末書を書く場合によっては、謝罪などをしっかりとしなければならないため、嘘偽りなく明確に記載しましょう。
注意点2:なぜ不祥事が起こったのか記載する
顛末書の目的は、なぜ不始末が起こったのかの追求と対策です。そのため、不始末が起こった原因を必ず記載するようにしましょう。
注意点3:しっかりと反省をする
顛末書を会社から書かされているということは、何らかの不始末を起こしてしまったということです。そのため、自分の非を認め、反省していることを証明するようにしましょう。
参考記事:https://boxil.jp/mag/a2206/
まとめ
本記事では、どのような状況で不始末が起こったのかを会社に報告するために提出する「顛末書」について紹介しました。顛末書は、同じような不始末が会社で起こらないようにするためや、同じようなことが起こった際に迅速な対応を取るために必要なビジネス書類です。
顛末書を書く際は、起こってしまった事実を嘘偽りなく記載し、反省していることを証明しましょう。また、会社の業務レベルを向上させるためにも重要なことだと理解し、客観的な視点で記載することが重要です。
会社全体のレベルを向上させるための手段として、ぜひ顛末書の導入を検討してみてください。
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