社内へのコンプライアンス意識の浸透に取り組まなければならない、そうなふうに考えている経営者の方もいるのではないでしょうか。
従業員一人ひとりへの意識づけを行うためには、継続的な教育・研修の実施と、その効果を検証する「コンプライアンス意識調査」が不可欠です。
この調査では、社内の実態や従業員の本音をアンケートで収集し、法令違反につながるリスクの特定・予防を目的としています。
本記事では、コンプライアンス意識調査の概要と企業が行う理由、アンケート項目について詳しく解説します。
調査の手順や押さえておきたいポイントにも触れていますので、自社のガバナンス強化の一環として参考にしてみてください。
コンプライアンス意識調査とは?
コンプライアンス意識調査とは、企業における法令遵守の状況や、職場環境の健全性などを把握するための調査です。
この調査は、組織のガバナンス強化の一環としても実施されており、次のような法的・倫理的な問題がないかを把握します。
- 職場内での差別やハラスメントがないか
- 肉体的・心理的に安全かつ安心して働ける環境であるか
- 職場での不正事案や、不正を強要されることがないか
- 問題発覚時に安心して相談できる環境が整っているか
コンプライアンス意識調査では、アンケートやサーベイを用いて従業員の理解度・浸透度を測定し、課題の把握と改善策の検討を行っています。
以下の記事では、組織や従業員の状態を調査・分析するサーベイについて解説しています。サーベイの種類や特徴を確認したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンプライアンスの定義と重要性
コンプライアンスは「法令遵守」と訳され、企業においては社会的規範を守り、倫理的な行動を取ることを意味します。
具体例としては、社内の就業規則や指針を定めて、不正やハラスメントのない職場環境を構築するといった取り組みが挙げられます。
企業がコンプライアンスを重要視するのは、次のような理由からです。
- 法的な問題や違反のリスクを軽減させるため
- 企業の評価やブランドイメージを守るため
- ステークホルダー(利害関係者)との信頼関係を維持させるため
- 持続可能な経営を継続させるため
コンプライアンスへの取り組みは、従業員のモラルを向上させ、法令や社内ルールを守る意識を強める効果もあります。
以下の記事では、コンプライアンスの概念や違反事例を解説していますので、社内調査を行うときの参考にしてみてください。
企業がコンプライアンス意識調査を行う3つの理由
企業がコンプライアンス意識調査を行う理由には、次の3点が挙げられます。
組織の健全な発展につなげるために、調査を行うメリットや重要性について理解を深めてみてください。
以下より、各理由を一つずつ解説していきます。
コンプライアンス違反のリスクの特定・予防
調査を行う理由の一つは、コンプライアンス違反につながるリスクを特定し、その違反の発生を未然に防ぐためです。
帝国データバンクの調査によれば、2023年の「コンプライアンス違反による倒産」の企業件数は342件で、2022年の272件から70件の増加(1.26倍)となっています。
参考:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2023 年)|帝国データバンク
この調査のように、違反による企業倒産を防ぐためにも、従業員に対してコンプライアンスの重要性や、違反リスクの理解を促進させる取り組みが必要です。
企業風土・文化の見直し
コンプライアンス意識調査は、健全な企業風土や文化を構築するキッカケにもなります。
従業員のコンプライアンスへの意識が低く、職場環境が思わしくない状態であれば、調査を通して要因の特定や分析が可能です。
- 適正な労働時間管理がされていない
- 不正に対して見て見ぬ振りをする風潮がある
上記のような企業風土が調査で確認できれば、経営層にまで現場の声が届き、全社一丸となって改善に向けた取り組みが行えます。
また、定期的に調査を実施することで、従業員の意識の変化も把握でき、継続的なコンプライアンス施策の見直しも可能です。
コンプライアンス教育・研修の効果測定
コンプライアンス教育・研修の実施後、従業員の理解度や浸透度の測定においても、コンプライアンス意識調査を活用しています。
教育や研修は、従業員のコンプライアンス意識を向上させて、法令遵守や倫理的な行動の再認識につながるため、研修後の効果測定が重要です。
コンプライアンス教育・研修の質を高めることで、より従業員のコンプライアンス意識を高められ、健全かつ社会から信頼される企業風土を構築できます。
コンプライアンス意識調査のアンケート項目【設問例】
コンプライアンス意識調査は、主に次のようなアンケート項目で構成されています。
アンケート項目 | 主な内容 |
---|---|
職場でのコンプライアンス実践状況 | ・労働時間の管理について ・ハラスメントに関する相談窓口について |
会社のコンプライアンス施策 | ・コンプライアンス施策の理解度について ・コンプライアンス研修の内容について |
上司のマネジメント | ・上司のコンプライアンスに対する姿勢について ・上司への相談・報告のしやすさについて |
コンプライアンスへの理解・意識 | ・コンプライアンス方針の理解度について ・コンプライアンス違反による影響について |
組織・職場風土 | ・コンプライアンスに関する組織風土について ・コンプライアンス違反の報告体制について |
以下より、各アンケート項目の内容と設問例を解説していきますので、調査項目を検討するときの参考にしてみてください。
また、社内アンケートを行うメリットや実施方法については、以下の記事にまとめています。こちらの記事も参考に調査を実施してみてください。
職場でのコンプライアンス実践状況について
「職場でのコンプライアンス実践状況」では、業務に関わる法令の遵守状況や、職場でのハラスメントの有無などを把握します。
このアンケート項目の設問例と回答例を紹介しますので、調査時の参考にしてみてください。
設問例 | 回答例 | |
---|---|---|
1 | 労働時間の管理が適切に行われていると思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
2 | 上司や同僚が不正をしていた場合、それを指摘することに抵抗を感じますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
3 | ハラスメントに関する相談窓口や、報告ルートを知っていますか? | ・知っている ・ある程度知っている ・あまり知らない ・知らない |
4 | 職場でコンプライアンス違反が発生した場合、適切に対処されると思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
5 | 4のように回答した詳しい理由をお聞かせください | ・違反が発生した場合の手順が明確に記されているから ・以前、報告したとき対策がなにも取られなかったから |
会社のコンプライアンス施策について
「会社のコンプライアンス施策」の項目では、コンプライアンスの管理体制の妥当性や、社内規程の周知状況などを把握します。
また、社内で実施しているコンプライアンス教育・研修の内容や、その理解度の把握も行います。
このアンケート項目の設問例と回答例は、以下のとおりです。
設問例 | 回答例 | |
---|---|---|
1 | 会社の方針にもとづいたコンプライアンス施策を理解していますか? | ・理解している ・ある程度理解している ・あまり理解していない ・理解していない |
2 | コンプライアンスに関する社内規程は、わかりやすい内容だと思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
3 | コンプライアンスに関する情報は、定期的に共有されていると思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
4 | 〇月〇日に実施したコンプライアンス研修の内容は、実務に役立つと思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
5 | 4のように回答した詳しい理由をお聞かせください | ・現場での実践方法の説明があったため、実務に直結すると感じた ・新しい知見や実務に役立つ情報が少ないと感じた |
上司のマネジメントについて
「上司のマネジメント」の項目では、コンプライアンス意識を向上させるために、上司やチームリーダーがどのような役割を果たしているかを把握します。
上司本人のコンプライアンス意識や、部下への指導状況も確認項目の一つです。
このアンケート項目の設問例と回答例を紹介しますので、調査時の参考にしてみてください。
設問例 | 回答例 | |
---|---|---|
1 | 上司は部下に対して、コンプライアンス方針や規則を適切に伝えていますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
2 | 上司は職場内の不正行為に対して、厳正な態度を示していると思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
3 | 2のように回答した詳しい理由をお聞かせください | ・実際に速やかな対応を取った事案を見たことがあるため ・公平性に欠ける対応が見られるため |
4 | 上司は、コンプライアンスの疑問を遠慮なく相談できるような環境を提供していますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
5 | どのような上司の対応が、コンプライアンス意識の向上につながると思いますか? | ・不正行為の報告があった場合は、包み隠さず迅速に対応してほしい ・誰にでも公平な態度で対応してほしい |
コンプライアンスへの理解・意識について
「コンプライアンスへの理解・意識」の項目では、コンプライアンスの重要性の理解度や、意識の高さを把握します。
このアンケート項目の設問例と回答例は、以下のとおりです。
設問例 | 回答例 | |
---|---|---|
1 | 会社のコンプライアンス方針や行動指針を知っていますか? | ・知っている ・ある程度知っている ・あまり知らない ・知らない |
2 | コンプライアンス違反が会社に及ぼす影響を理解していますか? | ・理解している ・ある程度理解している ・あまり理解していない ・理解していない |
3 | あなたのどのような行動が、コンプライアンス意識の向上につながると思いますか? | ・業務中の疑問や問題点を上司に相談する ・コンプライアンスの勉強会や検討会に積極的に参加する |
4 | 職場内で不正行為を見かけた場合、報告する意識を持っていますか? | ・持っている ・ある程度持っている ・あまり持っていない ・持っていない |
5 | 4のように回答した詳しい理由をお聞かせください | ・不正行為が続いてしまうと職場環境が悪化するため ・報告するための手続きが複雑で時間がかかるため |
組織・職場風土について
「組織・職場風土」の項目では、コンプライアンスに対する企業の考え方や、職場の雰囲気について把握します。
このアンケート項目の設問例と回答例を紹介しますので、調査時の参考にしてみてください。
設問例 | 回答例 | |
---|---|---|
1 | 会社には、コンプライアンスを重視する文化が根付いていると思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
2 | 上司や同僚とのコミュニケーションを通して、コンプライアンス上のチェックをしていますか? | ・している ・少ししている ・あまりしていない ・していない |
3 | あなたの職場は、コンプライアンス違反や不正行為を報告しやすい雰囲気・環境ですか? | ・当てはまる ・やや当てはまる ・あまり当てはまらない ・当てはまらない |
4 | コンプライアンスに対する会社の姿勢や考え方が、明確に示されていると思いますか? | ・思う ・やや思う ・あまり思わない ・思わない |
5 | どのような取り組みによって、コンプライアンス意識の高い企業風土の構築につながるの思いますか? | ・意見を自由に言えるような雰囲気をつくる ・不正行為ができないような監視システムを導入する |
コンプライアンス意識調査を行う方法・手順
コンプライアンス意識調査は、次の5つの手順で実施します。
上記の手順に沿って調査を行うことで、従業員のコンプライアンス意識を把握しつつ、具体的な施策の検討ができます。
以下より、各ステップを解説していきますので、調査時の参考にしてみてください。
1:調査準備
コンプライアンス意識調査を行う前に、調査の目的や範囲などを経営層と協議し、自社のあるべき姿(ゴール)を明確にしておきましょう。
- どのコンプライアンス領域のなにを把握したいのか
- 調査方式は、記名式か匿名式か
- 全従業員を対象とするか、または特定の部署や役職に限定するか
- 調査手段は紙でのアンケートか、オンラインアンケートか
- いつどのタイミングで調査を行うのか
準備段階においては、調査の集計や分析を行う担当部署や、コンプライアンスに関する事案を審議する社内体制の構築も必要です。
2:設問設計
調査の設問設計を行うときは、従業員が感じている本音や、見聞きした事案などを聞き出せる項目・内容を検討しましょう。
- 設問のカテゴリーは適切か(コンプライアンスの理解度、社内教育の効果など)
- 設問の順序が一貫性のある流れになっているか
- 記述回答と選択回答の設問をバランスよく組み合わせているか
適切な設問によって、従業員の意識や意見を的確に捉え、組織のコンプライアンス状況を客観的に評価できます。
3:調査実施
準備した調査計画にもとづいて、コンプライアンス意識調査を実施します。
調査前には、回答する従業員に対して調査目的や実施時期の周知を行い、調査への理解や協力を得られるようにしましょう。
また、調査内容によっては匿名性を確保したり、公平性に配慮したりして、回答率を高める工夫も行いましょう。
4:回答の集計・分析
調査完了後は、システムやツールを活用しながら、次のような手順で回答データの集計・分析を行います。
- 定量的なデータは数値化して集計
- 定性的なデータはカテゴリーごとに分類
- 部門別や職務別の傾向・パターンを分析
- 異常値や問題点を把握
過去の調査結果も確認して多角的に分析を行い、組織のコンプライアンス状況や従業員の意識の変化についても把握しておきましょう。
5:調査結果のフィードバック
調査の分析結果は、経営層や従業員にフィードバックを行い、組織全体でコンプライアンス意識の現状について共通認識を持っておくことが重要です。
フィードバックするときは、改善点だけではなく良好事例も提示することで、従業員は行動すべき具体的な方法を把握し、コンプライアンスへの意識をより高められます。
以下の記事では、フィードバックの方法や注意点をわかりやすくまとめています。社内で実践するときの参考にしてみてください。
コンプライアンス意識調査で押さえておきたいポイント
コンプライアンス意識調査を行うときは、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
調査の目的は、コンプライアンス意識の浸透度の確認や、法令違反につながるような問題点の抽出です。
そのため、従業員から本音を聞き出せるような設問や、回答方式を検討する必要があります。
以下より、各ポイントを解説しています。
従業員の本音を聞き出せる設問設計にする
従業員のコンプライアンス意識を正確に把握するには、あいまいな回答になってしまうような設問ではなく、本音を聞き出せる設問設計にすることが重要です。
設問の内容が抽象的であったり、個人の行動を問いただす設問だったりすると、従業員は回答の選択に迷ってしまい、正確な情報収集ができません。
具体例として、回答しにくい設問と、本音を聞き出しやすい設問をご紹介します。
回答しにくい設問例 | 本音を聞き出しやすい設問例 |
---|---|
コンプライアンスについてどう思いますか? (※抽象的な設問) | あなたは会社のコンプライアンス方針を十分に理解していますか? |
コンプライアンス違反の報告をしない理由はなんですか? (※否定的かつ問いただす設問) | コンプライアンス違反を報告するための社内手続きは使いやすいと感じますか? |
以下の記事では、社内アンケートの作り方を詳しく解説していますので、設問設計をするときの参考にしてみてください。
状況に合わせて「記名式」か「匿名式」を選ぶ
コンプライアンス意識調査では、調査を行う目的や企業の実態に合わせて「記名式」か「匿名式」を選ぶ必要があります。
各方式の特徴は、次のとおりです。
方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
記名式 | 従業員個々の意識や行動を把握できる | 正直な回答を得られない場合がある |
匿名式 | 従業員の正直な回答や意見を収集しやすい | 収集した回答が、どの従業員なのか特定できない |
記名式は、コンプライアンスの問題となる要因を特定できますが、従業員は「正直に回答すると不利益になるかもしれない」と不安を抱く可能性があります。
匿名式は、問題箇所の特定は難しいですが、正直な回答を得られやすいため、正確なコンプライアンス意識状況の把握に適しています。
分析可能な外部ツールで調査する
コンプライアンス意識調査は、Excelや社内メールでも実施可能ですが、効率的に集計・分析を行うために、外部ツールの活用がおすすめです。
外部のアンケート調査ツール(サーベイ)を利用することで、作業の効率性が高まるだけでなく、調査データの信頼性や正確性も向上します。
また、ツールには分析機能も備わっており、回答データからコンプライアンス違反の恐れとなる部分を抽出できるため、迅速かつ適切な対処が可能です。
以下の記事では、従業員のコンプライアンス意識や、エンゲージメント(組織への貢献意欲)を測定できる10個のサーベイツールを紹介しています。
分析可能な外部ツールを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
調査結果のフィードバックを徹底する
コンプライアンス意識調査を実施したあとは、従業員に対して調査結果のフィードバックを必ず行いましょう。
フィードバックを徹底することで、調査の透明性を確保しつつ、従業員の回答や意見に耳を傾けている「組織の真摯な姿勢」を示せます。
また、調査結果だけを共有するのではなく、結果を踏まえた課題や改善点を提示することで、従業員自身も「健全な組織風土を構築していく」という実感が得られます。
以下の記事で詳しい手順や事例を解説していますので、自社で取り組むときの参考にしてみてください。
従業員のコンプライアンス意識を向上させる方法とは?
従業員のコンプライアンス意識を向上させるには、次の3つの方法が効果的です。
具体的な手法を把握しておくことで、常にコンプライアンスを意識していく文化を醸成し、法令違反のリスクを抑えられます。
コンプライアンス教育・研修を実施する
組織内におけるコンプライアンスの基準・考え方の定着を図るため、教育や研修を定期的に実施しましょう。
従業員それぞれが考えるコンプライアンスと、組織の考え方が異なる場合もあるため、教育や研修での意思統一も重要です。
具体的な方法には、次の2種類があります。
種類 | 内容 |
---|---|
集合研修 | コンプライアンス事例をもとに、違反につながる要因の特定や、対応策の検討を行う集合型の研修 |
eラーニング(オンライン教育) | コンプライアンスに関する知識について、オンライン上で学習・テストを行う教育方法 |
教育や研修の理解度を把握するため、コンプライアンス意識調査を通して可視化することで、今後の研修内容の改善にも活用できます。
「コンプライアンス意識の浸透」のゴールを決めて共有する
コンプライアンスに関する施策を実施したとしても、明確なゴールを決めなければ、組織も従業員もあいまいな意識で取り組まなければなりません。
そのため「コンプライアンス意識の浸透は、どの程度で達成するのか」といった、目指すべき姿を数値で示しておくことが重要です。
- コンプライアンス行動指針の理解度:80%以上
- コンプライアンス研修の受講率:90%以上
- コンプライアンス確認テストの合格者:95%以上
上記のようにゴールを設定することで、コンプライアンス意識の浸透度を具体的に把握できるため、従業員も自社の未来をイメージしやすくなります。
継続的にコンプライアンス意識調査を実施する
半年や年に1回など、定期的かつ継続的にコンプライアンス意識調査を実施することで、従業員の意識・理解度の変化を把握できます。
継続的な調査を行うときは、組織内におけるコンプライアンスの課題や問題点を明らかにするために、調査の焦点や項目を適切に設定しましょう。
コンプライアンス施策の実施状況や改善効果のモニタリングにも活用し、継続的に施策内容の見直しを行っていきましょう。
コンプライアンス意識調査を実施している企業事例
コンプライアンス意識調査を含めた、さまざまな施策を行っている企業を3社ご紹介します。
企業名 | コンプライアンスの施策 |
---|---|
トヨタファイナンス株式会社 | ・コンプライアンス方針の策定 ・定期的なコンプライアンス意識調査の実施 ・各部署ごとのコンプライアンスプログラムを策定 |
株式会社 小松製作所 | ・「コマツの行動基準」の策定 ・潜在的リスクの見える化調査の実施 ・eラーニング、コンプライアンス研修の実施 |
三菱ケミカルグループ | ・経営トップによるコンプライアンスメッセージの配信 ・コンプライアンスホットラインの設置(内部通報制度) ・コンプライアンス意識調査によるモニタリング |
各企業とも自社の行動指針を掲げて、従業員へのコンプライアンス教育や、内部通報ができる制度など、ガバナンス強化の施策も行っています。
また、定期的な意識調査でモニタリングしている点からも、コンプライアンス意識の浸透に向けて、真摯に取り組んでいる企業だと言えます。
まとめ:コンプライアンス意識の浸透を目指して継続的な調査を
今回の記事では、コンプライアンス意識調査の重要性やアンケート項目、具体的な実施方法について解説しました。
企業がコンプライアンスを徹底するうえで、従業員の意識や理解度を把握しておくことが不可欠です。
調査を通して、現場の声をもとに組織内の課題や改善点を明らかにすることで、コンプライアンスの意識を根付かせる企業風土が構築できます。
また、分析ができる調査ツールを活用すれば、より精度の高い判定や改善策を検討でき、業務効率化の面でも役立ちます。
コンプライアンス意識を向上させる施策検討のために、自社で調査・分析できるツールを導入してみてはいかがでしょうか。
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