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承認欲求とは?承認欲求が強い人の特徴やメリット・デメリットを解説

「承認欲求」とは人間誰しもがもつ欲求です。承認欲求が強すぎると、仕事や日常生活において支障がでる可能性もあります。本記事では承認欲求が強い人の特徴やメリット・デメリットを解説します

承認欲求とは?

承認欲求とは、「他者に認められたい」「褒められたい」との欲求を指す言葉です。「自分のことを価値ある存在だと思いたい」という願望も含まれます。
アブラハム・マズロー氏の「欲求5段階説」では、下から4番目に位置します。

マズローの欲求5段階説とは

第1段階:生理的欲求
生きていくために必要な欲求、「食欲」や「睡眠欲」なども該当します。

第2段階:安全の欲求
心身ともに健康で、経済的にも安定した生活を求めます。

第3段階:社会的欲求
家庭や友人、恋人、社会、集団などから受け入れられたい、必要とされたい欲求です。

第4段階:承認欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求で、地位や名声を求める「出世欲」も該当します。

第5段階:自己実現欲求
自分の人生観や世界観に基づき、あるべき自分になりたいと願う欲求です。第1段階から第4段階の欲求を満たすことで実現可能です。

参考:人間性の心理学

承認欲求のタイプ

承認欲求には2つのタイプがあります。

「自己承認」とは自分のことを認めたい欲求です。「他者承認」は他人から認められたい欲求です。「承認欲求」は一般的に後者の意味合いで使われることが多いです。

承認欲求が強くなる理由

承認欲求が強くなる理由は以下の3つが該当します。

SNS

SNSで自分の投稿しに共感する人がいることで、認められている実感とともに快感を覚えます。一度でも認められる快感を味わうと何度でも欲するようになります。

また投稿に対して「たくさんのコメントがほしい」「いいね!をたくさん押されたい」といった他者から評価されたい欲求や、フォロワー数が多いことにより、他者から憧れられる影響力をもちたいといった欲求も生まれやすくなります。

家庭環境

幼少期の家庭環境も影響します。親から褒められない幼少期を過ごすと、自分自身の価値を信じられないまま大人になります。自己認識も形成されず、承認欲求が強くなる原因になります。

参考:承認欲求が強くなる原因は? どうやって充たせばいい? 精神科医に聞いてきた

成功体験が少ない

成功体験が少ない人は、「自分は何をやっても成功しない人間だ」と、自信をもつことができません。自己評価が低い人は、他者から承認や評価されることで、自信のなさを満たそうとします。

承認欲求が強い人の特徴

承認欲求が強いことで、下記のような特徴が出ます。

自慢話が多い

自慢話が多い理由は、他者から認められるために自分はどれだけ凄いのか、魅力があるのかを知ってもらう必要があるからです。学歴やこれまでの経歴など、ステータスの高さを自慢する人もいます

プライドが高い

「相手よりも優れていたい」との思いが強く、他者と比較し、優勢を保とうとします。プライドの高さから見栄をはったり、負けず嫌いになるケースもあります

また自分のミスも認めようとしません。理由をつけて言い訳をし、謝ることも苦手です。

自分を卑下しやすい

承認欲求が強い人のなかには、あえて自分のことを卑下する人もいます。本当は実力がありいい成績を残せるとわかっているのに「私は能力がないから、いい成績は残せない」と自分を卑下する発言をすることで、周りから「あなたは頭がいいから、誰よりもいい成績が残せるはずだよ」などの褒め言葉を期待するのです。

依存体質

また人に依存して誰かに必要とされたい、認められたりしなければ精神的に落ち着かない人も承認欲求が強い傾向にあります。例えばSNSに依存するのは、「認めてほしい」「必要とされたい」との承認欲求の強さが原因なのです。

嫉妬しやすい

自分よりも能力や評価の高い人がいることを嫌います。自身を認められず、褒められなくっるため、嫉妬が生まれます。また、他の人が注目され、自分に目が向かなくなることに焦りを感じます。

自意識過剰

承認欲求が強いと周囲にどう思われているかを意識する機会が増えます。周囲に認められたい気持ちから、同僚や部下に対し対抗意識を燃やし、チームワークを乱しがちです。

承認欲求が強い人の短所

承認欲求が強すぎると仕事や日常生活に支障が出やすいです。

モチベーションや自己肯定感が低下しやすい

承認欲求が強い人は、会社や上司に認められるために頑張りますが、「誰も努力を評価してくれない」「頑張りを認めてくれない」と失望すると、働くモチベーションが低下します。

また、「自分は頑張っても認めてもらえない」「会社にいても力になれない」など自分自身を否定し、自己肯定感を下げることが多いです。

結果にこだわりすぎる

承認欲求が強い人は結果にこだわりすぎてしまいます。他者から自分のことを認めてもらうためには結果を出すことだと考えます。結果にこだわりすぎるため、何事も楽しむことができません。

断れるのが苦手で抱えこむ

他者に「認められたい!」と思うあまり、頼まれごとを断れずに抱えてしまいます。

過重労働になり心身ともに病んでしまうこともあるため、自分を守るためにも注意が必要です。

人間関係を悪化させる原因になる

承認欲求が強いと自慢話や見栄を張ることが多くなります。周囲の人たちからすると付き合いづらい人だと思われ、人間関係がぎくしゃくしやすいです。

「誰かに認められたい」との承認欲求はもともと人間に備わっている基本的な欲求で、どんな人にもあります。しかしその欲求が強すぎる場合、「境界性パーソナリティ障害」などの病気の可能性もあります。自分自身のことを制御できなくなり、日常生活や仕事に支障がでる恐れもあるため注意が必要です。

承認欲求が強い人の長所

強い承認欲求にはメリットもあります。

仕事の成果が出やすい

承認欲求が強い人は、他者から認められたい思いが強いため真面目に働きます。その姿勢は実を結び、成績アップやノルマ達成などの結果が出やすくなります。仕事で信頼を得て、昇給や昇格する可能性も高くなります。

仕事に対するモチベーションが高い

仕事で結果を残そうとする姿勢は、高評価につながります。他者から褒められることで、さらにモチベーションが高まるのです。

しかし、他者からの承認がないとモチベーションが低下するため、弱みと紙一重です。モチベーションを高める方法については、以下の記事を参考にしてください。

成長意欲が高い

承認欲求が強い人は、自分のことを認めてほしいとの思いが強いため、成長意欲が高いです。仕事でも積極性があり努力を惜しみません。多少難しい仕事も投げ出さずやり遂げるため、成長のスピードも早くなります。

承認欲求が強い人の対処法は?

承認欲求が強い人を満たすには、以下の3つの要素が大切です。

  • 存在承認
  • 行動承認
  • 結果承認

チームコーチングの際にも使われている要素のため、組織やチームをマネジメントする立場にある人は知っておくと役立ちます。

存在承認

「存在承認」とは、相手の存在を認めることです。

  • 目を見て話す
  • 挨拶をする
  • 感謝の気持を伝える
  • 相手の名前を呼ぶ
  • 意見を求める
  • 相手の強みを指摘する

褒めたり、認めたりするだけではなく、存在承認のように「あなたを想っている」「いつも気にかけている」ことを相手に伝えることが大切です。

存在自体を認めてもらえると「私は必要とされているんだ」「私の居場所はここなんだ」と感じ、満たされた状態になります。

行動承認

「行動承認」とは、目標に対して取り組んだ過程やプロセスを褒めて認めることです。

特に仕事では、成果のために働きますが、努力が結果に結びつかないこともあるでしょう。

しかし結果に関わらず、途中の行動や努力に言及することで、相手は「認められた」「努力を見てくれていた」と感じ、満たされるのです。

結果承認

「結果承認」は、達成できたことを褒める行動を指します。目標達成・新規顧客獲得・社内表彰等の結果を評価し、褒めることで相手の承認欲求を満たします。結果の大小に関わらず褒めたり、認めたりすることが大切です。

結果を出した人をしっかりと褒めて認めることが、業績にいい影響を与えることもあります。

まとめ

承認欲求が強い人は、他者に認められたいという思いが強いことで、行き過ぎた行動や対応をすることがあります。しかし一方で、仕事に対するモチベーションが高いなどメリットも多いです。

承認欲求の強い人がいる場合、存在・行動・結果を承認すると良好な関係を築きやすく、良い成果につながる可能性が高いです。

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