カジュアル面談とは？面談との違いや事前に準備すべきこと、流れも解説

近年「カジュアル面談」という採用形式が注目されています。従来の堅苦しい面接とは異なり、企業と求職者がリラックスした雰囲気で互いを理解し合う場として活用されています。

しかし、比較的新しい面談方式のため、どのように準備を進めるべきなのか、どのような効果が期待できるのか悩む企業や求職者は少なくありません。

本記事では、カジュアル面談の基本的な概要や目的、成功のためのポイントを詳しく解説します。

記事後半では、企業が注意すべき具体的な準備内容や、求職者とのミスマッチを防ぐためのコツなど、実践的な情報をお届けします。採用活動をより効果的に進めたい方に役立つ情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。

カジュアル面談とは？狙い・ゴールを解説

カジュアル面談は、企業と求職者が気軽に対話を交わす場として注目を集めています。通常の採用面接とは異なり、双方がリラックスした雰囲気で情報交換できる機会です。

カジュアル面談の主な狙いは以下の2つです。

相互理解の促進には、以下のメリットがあります。

企業側も、応募者の人となりや考え方をじっくりと知ることができます。形式張らない対話を通じて、お互いの価値観や方向性が合うかどうかを確認できる点が大きな特徴です。

企業ブランディングの強化には、以下のメリットがあります。

採用に直結しない分、企業側は自社の良さを余裕を持って伝えることが可能です。また、求職者との対話を通じて、自社の採用活動や情報発信の改善にも役立てられます。

カジュアル面談のゴールは、企業と求職者の相互理解を深め、その後のより本格的な採用プロセスにつなげることです。形式にとらわれない対話を通じて、双方にとって価値のある出会いの場を作り出せます。

通常の面接との違い

カジュアル面談と通常の面接には、以下のような違いがあります。

面談方式	カジュアル面談	通常の面談
目的	相互理解・情報交換	選考・評価
雰囲気	リラックスした対話形式	フォーマルな質疑応答
服装	私服OK	スーツ着用が基本
参加者	現場社員が中心	人事部門・管理職が中心
質問内容	双方向の会話重視	企業からの一方的な質問が中心
回数	複数回も珍しくない	採用フローに沿って規定回数

カジュアル面談では、応募者に等身大の会社の姿を知ってもらうことを重視します。とくに、若手社員との対話を通じて、職場の雰囲気や日常業務の実態を具体的にイメージしてもらえるよう工夫が必要です。

また、応募者からの質問時間を多めに設定し、入社後のミスマッチを防ぐための情報提供を心がけることも求められます。「残業の状況」「休暇取得の実態」など、応募者が気になる点について、現場の声を直接聞ける機会として活用されるためです。

ただし、カジュアルな形式とはいえ、採用担当者は応募者の人柄や仕事への姿勢を必ず確認します。基本的なビジネスマナーを意識しつつ、素の応募者の姿を見れるのがカジュアル面談です。

カジュアル面談で企業が事前に準備すべきこと

カジュアル面談で企業が事前に準備すべきことは以下の3つです。

• 実施する目的を明確化する
• 面談担当者を選定する
• 質問リストを作成する

それぞれ解説します。

実施する目的を明確化する

カジュアル面談を行う前に、実施の目的を明確にすることが重要です。面談を通じて達成すべき具体的な目標を設定しましょう。たとえば、以下のような目的が考えられます。

目的を明確にすることで、面談の内容や進め方を適切に設計できます。また、候補者にとっても面談の意図がわかりやすくなり、前向きに参加してもらえるでしょう。企業と候補者の双方にとって有意義な面談となるよう、しっかりと目的を定めておくことが大切です。

面談担当者を選定する

カジュアル面談であっても、担当者選びは必要です。面談担当者を選定する際は、以下の点に留意しましょう。

適切な面談担当者を選ぶことで、候補者との有意義な対話が可能となります。担当者は会社の顔となる重要な役割を担っているため、慎重に選定することが大切です。

多様な視点を取り入れつつ、候補者に会社の魅力を伝えられる人材を起用しましょう。

質問リストを作成する

カジュアル面談では、事前に候補者に対してどのような質問をするかを決めておくことが推奨されます。具体的に用意しておくべき質問は以下のとおりです。

このような質問を用意しておくことで、より有意義で実りある会話が期待できます。

ただし、質問に関しては以下の点に注意が必要です。

事前の入念な準備と適切な質問により、カジュアル面談の効果を最大化できます。質の高い質問リストを作成し、有意義な情報交換の場となるよう努めましょう。

カジュアル面談で用意すべき質問の例

カジュアル面談で用意すべき質問の例を、以下の4つに分けて紹介します。

• 業務内容に関する質問
• 経験に関する質問
• キャリアに関する質問
• 社内の雰囲気やチームに関する質問

業務内容に関する質問

業務内容について、応募者に以下のような質問をすることをおすすめします。

たとえば「過去に携わったプロジェクトのなかで、もっとも力を入れて取り組んだものは何ですか？」という質問では、応募者のこれまでの経験や実績を具体的に聞けます。これにより、当社の業務に活かせるスキルやノウハウを持っているかを判断できるほか、その業務に対する熱意や姿勢も見えてくるでしょう。

また「当社の業務を遂行するうえで、自分の強みをどのように活かせると思いますか？」という質問では、応募者が自身のスキルや知識をどう捉えているかを把握できます。当社の業務内容を理解したうえで自分の強みを説明できるかどうかで、適性も判断できるはずです。

このように、応募者の経験やスキル、考え方を引き出す質問をすることで、当社の業務に適した人材かどうかを見極められます。応募者の人となりを知る良い機会にもなるため、積極的に質問してみましょう。

経験に関する質問

応募者の過去の経験に関する質問例は以下のとおりです。

たとえば「もっとも力を入れて取り組んだプロジェクト」について尋ねることで、応募者が情熱を持って取り組んだ仕事や、そこでの自分の役割をアピールしてもらえます。課題解決のプロセスを聞くことで、応募者の問題解決能力や粘り強さも見えてくるでしょう。

また「経験を通しての強みや成長した点」を聞けば、応募者の自己分析力や、経験から学ぶ姿勢を評価できます。自分の強みを業務にどう活かせるかという視点を持っているかも判断できるポイントです。

このように、応募者のこれまでの経験について掘り下げて質問することで、仕事に対する姿勢や能力を多角的に評価できます。

キャリアに関する質問

キャリアに関する質問としては、以下が考えられます。

キャリアについて話を聞くことで、候補者の目指す方向性や仕事への意欲を確認できます。また、自己分析ができているかどうかもわかります。

当社のビジョンや方針と、候補者のキャリア志向がマッチしているかを見極めるためにも、キャリアに関する質問は非常に重要です。候補者の回答から、当社で活躍できる人材かどうかを判断しましょう。

社内の雰囲気やチームに関する質問

採用側としては、カジュアル面談を通じて、応募者がチームにフィットするかどうかを見極めることが重要です。そのためには、社内の雰囲気やチームについて、以下のような質問をするとよいでしょう。

これらの質問を通じて、応募者がチームに溶け込めるかどうかを判断できます。また、応募者の人柄や価値観、コミュニケーションスタイルなども知ることができるでしょう。

カジュアル面談では、応募者の素顔を知ることが大切です。リラックスした雰囲気のなかで、応募者の考え方や人となりを引き出せれば、採用判断に役立つはずです。

社内の雰囲気やチームに関する質問を通じて、応募者とのマッチングを図っていきましょう。

カジュアル面談で避けるべき質問の例

カジュアル面談において、以下のような質問は避けるべきです。

「なぜ転職を考えているのですか？」といった直接的な質問を執拗に繰り返すと、候補者がプレッシャーを感じたり、警戒心を抱いたりする可能性があります。​カジュアル面談では、過去の職場の問題点を聞き出すのではなく、候補者の今後のキャリアにフォーカスすることが望ましいでしょう。 ​

また、結婚・出産・家庭環境などに関する質問は、求職者によっては不快に感じる場合があります。​たとえば「ご結婚の予定はありますか？」「将来的にお子さんを考えていますか？」といった質問は、求職者のキャリアには直接関係がないうえに、プライバシーに関わるデリケートな話題です。​求職者が話題にしない限り、こちらから踏み込むべきではありません。 ​

カジュアル面談は、企業と候補者がフラットにコミュニケーションを取る場です。​そのため、企業側が一方的に質問を続けるのではなく、対話を心がけることが重要です。​自分の話を一方的にしてしまい、質問もしない、話も聞かないという状況は避けましょう。 ​

カジュアル面談の進め方

カジュアル面談の基本的な進め方は以下のとおりです。

1. オープニングトーク
2. 質問タイム（ヒアリング）
3. 企業の紹介
4. 質問の回答
5. クロージング

各ステップについて解説します。

1. オープニングトーク

面談冒頭のオープニングトークでは、リラックスした雰囲気づくりが大切です。カジュアル面談の目的を説明しつつ、候補者が緊張をほぐせるような会話を心がけましょう。

具体的には以下のポイントを意識するとよいでしょう。

面談冒頭の数分間で、候補者にリラックスしてもらえるかどうかが勝負です。和やかな雰囲気を演出し、面談への前向きな姿勢を引き出すことを意識しましょう。

2. 質問タイム（ヒアリング）

カジュアル面談でもっとも重要なパートが、候補者へのヒアリングです。質問タイムを通じて、候補者の職務経歴や希望するキャリアについて深く理解できます。具体的には、以下のような質問を投げかけてみましょう。

候補者の回答に耳を傾けながら、ときには掘り下げた質問も行いましょう。候補者の強みや特徴的な経験、仕事への姿勢などが見えてくるはずです。

また、候補者の回答から、自社の求める人物像とのマッチ度を確認することも重要です。求める スキルやマインドを備えているか、組織文化にフィットしそうかといった観点から、候補者を見極めていきましょう。

ヒアリングを通じて得られた情報は、候補者の評価や選考の判断材料となります。丁寧に質問を重ね、候補者の全体像を把握することを心がけてください。

3. 企業の紹介

カジュアル面談では、候補者に自社の魅力を伝えることが重要です。以下のポイントを意識しながら、詳しく説明しましょう。

自社の魅力を存分にアピールすることで、候補者の興味を引き出し、入社意欲を高められます。情報過多にならないよう注意しなければなりません。

候補者の反応を見ながら、適切な量の情報提供を心がけましょう。また、一方的な説明にならないよう、候補者の質問や意見にもしっかりと耳を傾けることが大切です。

対話を通じて、候補者とのコミュニケーションを深め、互いの理解を深めていくことが、カジュアル面談での企業紹介の目的といえます。自社の魅力を余すことなく伝え、候補者との信頼関係を築いていきましょう。

4. 質問の回答

カジュアル面談では、候補者からの質問にも丁寧に答えることが重要です。面談を通じて、企業と候補者双方の理解を深めるためには、質問への対応が欠かせません。

候補者の質問に答える際は、以下のポイントを意識しましょう。

質問への丁寧な対応は、候補者に企業への好印象を与えるだけではなく、企業側にとっても有益な情報を得るチャンスとなります。候補者の関心事や懸念点を知ることで、採用活動の改善につなげられるのです。

また、質問への回答を通じて、候補者との信頼関係を築くことも可能です。誠実な対応は、候補者に安心感を与え、企業への好感度を高めます。

カジュアル面談では、企業と候補者の相互理解を深めることが何より大切です。質問への丁寧な回答を心がけ、双方にとって有意義な面談となるよう努めてください。

5. クロージング

カジュアル面談の最後には、今後の流れについて明確に説明し、候補者の意欲を確認することが重要です。具体的には以下のポイントを押さえましょう。

面談の締めくくりは、候補者の心証を左右する大切な場面です。次のアクションをしっかりと示し、前向きな姿勢を引き出すことを意識してください。そうすることで、その後の選考がスムーズに進む土台を作れます。

また、面談終了後は速やかに候補者の評価を行い、社内で情報共有することも忘れてはいけません。客観的な評価基準に基づいて適性を見極め、採用可否の判断材料としていきましょう。カジュアル面談を有効活用することで、採用活動の精度を高められるはずです。

カジュアル面談でのミスマッチを減らすコツ

カジュアル面談でのミスマッチを減らすには、以下の2点に注意しましょう。

• 候補者の価値観や希望をヒアリングする
• 具体的な業務内容や役割を明示する

それぞれ詳しく解説します。

候補者の価値観や希望をヒアリングする

カジュアル面談では、候補者の価値観や希望を丁寧にヒアリングすることが重要です。以下のポイントを意識して面談に臨むことで、採用後のミスマッチを減らせます。

候補者の働き方への希望を尋ねる際は、フレックスタイム制やリモートワークの希望など、柔軟な働き方に対する考えを確認しましょう。自社の制度と照らし合わせることで、マッチ度を判断できます。

また、将来のキャリアビジョンを確認する際は、候補者の中長期的なキャリア目標を尋ね、自社での成長可能性とすり合わせることが重要です。実現可能性が高ければ、長く活躍してもらえる可能性が高まります。

候補者の本音に寄り添い、価値観や希望をしっかりと引き出すことが、ミスマッチのない採用への第一歩です。カジュアル面談を有意義なコミュニケーションの場として活用し、最適な人材確保につなげていきましょう。

具体的な業務内容や役割を明示する

カジュアル面談では、候補者に期待される具体的な業務内容や役割を明確に説明することが大切です。これにより、候補者は自身のスキルや経験がその役割に適しているかを判断できます。具体的には、以下のポイントを押さえましょう。

業務の全体像を説明することで、候補者は自身の役割を全体のなかで理解できます。担当するプロジェクトや業務の概要、チーム構成などを伝えてください。

また、期待される成果を明示することも重要です。その役割でどのような成果が求められているのかを明確にし、目標設定や評価基準についても触れるとよいでしょう。

候補者に具体的な情報を提供すれば、ミスマッチのリスクを減らし、お互いの理解を深められます。業務内容や役割を明示し、候補者が自身に合った仕事かどうかを見極められるようサポートしましょう。

カジュアル面談を通じて優秀な人材を採用しよう

カジュアル面談は、企業と求職者がお互いを深く理解するための貴重な機会です。事前の目的設定、担当者の選定、効果的な質問リストの準備を入念に行い、候補者の価値観やキャリアビジョンを丁寧にヒアリングすることで、入社後のミスマッチを大きく減らせます。

しかし、将来的なミスマッチは企業と候補者の双方にとって大きな損失です。そこで、カジュアル面談の精度をさらに高めるために「ミキワメウェルビーイングサーベイ」の活用もご検討ください。

ミキワメウェルビーイングサーベイでは、候補者と組織がマッチしている点・懸念点がそれぞれ明確にわかります。そのため、入社後のミスマッチを減らすことが可能です。ミキワメウェルビーイングサーベイの詳細については、以下からお問い合わせください。

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