こんにちは。適性検査ミキワメのカスタマーサクセス(コンサルタント)の佐藤と申します。いきなりですが、「いいと思って採用したのに、メンタル不調などで早期離職に至ってしまう」といった経験はありますか?
コロナの影響でWEB面接に切り替わってから、更に深刻な問題となってきました。
メンタル不調による休職・離職が続くと「ストレス耐性が足りなかったんじゃないか」と、個人の能力不足として処理されがちですが、本当にそれが原因なのでしょうか。
そこで今回は、「メンタル不調」と「ストレス耐性」という言葉について、心理学的な枠組みも参照しながら解説致します。メンタル不調の原因や対策を考えるために役に立つ知見です。
- メンタル不調による早期離職を防ぎたいとお考えの方
- 自社でストレス不調になりやすい方の特徴を把握したい方
以上のような方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
はじめに:ミキワメが考える「ストレス耐性」とは
「ストレス耐性」と聞くとストレス環境に耐えられる度合いと理解されやすいですが、ストレスは個人要因だけでなく環境との相互作用が重要です。
ミキワメでは、心理学的ストレスモデル(ラザルスら)に基づいて「ストレス耐性」をより細分化して捉え、「ストレスマネジメント特性」と定義して測定しています。
心理学においてもストレスの捉え方には、個人の認知の仕方を強調するもの(ex.心理学的ストレスモデル)や、環境からの影響を強調するもの(ex. 職業性ストレス理論)など様々な理論があります。
(心理学的ストレスモデル:Lazarus & Folkman)
心理学的ストレスモデルでは、ストレスを感じてから、それが慢性化してしまう過程について図のように説明しています。
人の心理過程では、ストレスの原因となる出来事(ストレッサー)に対して、それが快か不快かを認識する過程を経て、不快であれば急性ストレス反応(情動反応)となり、コーピング(処理)によって軽減しようとします。
コーピングが上手く行けば害のないものとして再評定され適応していくこともあれば、上手く行かずにストレスが慢性化し、様々な精神症状(抑うつなど)や身体症状(内臓痛や疲労感など)につながるとされます。
ここで、ストレスを感じてからメンタル不調にいたるまでの過程におけるポイントは2つあります。
- ストレスを感じやすいかどうか(ストレッサーへの感受性、認知の仕方)
- 感じたストレスをどう処理するか(コーピングストラテジー、処理の仕方)
ストレスを感じやすいかどうか、処理方法をたくさん持っているかどうか、それらが具体的にどのような観点や方法なのか、といったポイントが重要になってきます。
加えて、ストレス耐性を考える上では「レジリエンス」という概念も、近年注目を集めています。
レジリエンスとは、ストレスを感じて不調に陥った際に、そこからどのように回復しようとするのか、という精神的な回復力を表しています。
誰しも自分の性格や能力に合わない環境で長く過ごすと、ストレスを感じ、多かれ少なかれ不調に陥りやすくなります。
そこでどのような回復のための資質を持っているか、ということが、メンタル不調に陥ってしまうかどうかに大きく関わっています。
適性検査ミキワメを活用したストレス耐性の計測方法
ミキワメでは、性格検査を受検いただくことで、ストレス耐性に関連する心理特性について確認いただくことが出来ます。
適性検査でどのようにストレス耐性を評価しているのか、詳しくは以下の記事でも紹介しています。合わせてご覧ください。
「ストレスマネジメント特性」の考え方
ミキワメでは、上記で紹介した「ストレッサーへの感受性」や「ストレス処理方法(コーピングストラテジー)」、ストレスからの回復に関する特性(レジリエンス)をそれぞれ5項目ずつ測定しています。
個人が一般的にストレスを感じやすいか、処理が得意か、ということに加え、「どのように」感じやすいのか、処理するのか、回復するのか、が測定できることによって、その性質が、環境とフィットしやすいのか、ということも把握できるようになっています。
上記の内容は、ミキワメの「ストレスマネジメント特性」と「バイタリティ特性」で測定しています。
状況看過力:ストレスの受けやすさ。全体的に低いほどストレスを感じやすく、高いほどストレスを感じず看過しやすい。
※ストレスを感じやすい人が、活躍しづらいとは限りません。
環境適応力:ストレスへの対処方法。推奨される方法や、組織風土に根付いた方法などの環境との解離が大きいと、ストレスになりやすい。
「バイタリティ特性」の中に含まれる「回復力」
環境と合わないことによるストレスから回復したり、立ち直ろうとする傾向。低い(左に触れている)場合、環境変化には対応しづらいが、堅実で着実な傾向を持つ。
注意点としては、ストレスマネジメント特性や回復力の特性は、あくまで「性格傾向」として定義していますので、いわゆる能力やスキルのように「高ければ良い」ものではないということです。
状況看過力が高く、ストレスを受けづらい人は、マイペースで陽気、自律的で生産的な思考をしやすいですが、周囲から自己中心的とか鈍感と見られたりすることがあります。
また、回復力が低い方は、一度ストレスを受けるとつらいため、そもそもストレスにならないように慎重かつ着実に行動する傾向があり、細かい作業やミスのないように進める必要があるエンジニアや医療系の仕事などでは、むしろ低いほうが適応的であることもあります。
マネジメントガイドの活用
適性検査をご受検いただくと、その方の性格特性に応じたマネジメントガイドを見ることができます。
マネジメントガイドでは対象者の「性格傾向」「モチベーションを向上させるポイント」「ストレスをケアするポイント」の3点が確認できますので、その方はどういったことがストレスとして感じやすいのかがわかります。
ストレス耐性の結果を採用可否の参考にしていただくだけでなく、
- 配属の参考とする
- 上長にあらかじめ伝え、コミュニケーションに生かしてもらう
ことができます。
営業太郎の場合
①性格傾向…他者への関心が高く、アクティブなコミュニケーションを行い、成果を大事にする引っ張っていくリーダータイプである。
②モチベーションの向上ポイント…幅広い業務に触れられ、対人交流が活発に行われる環境が馴染みやすい。また、他者評価と自己成長を大事にするため、そういった土壌を整えるコミュニケーションが馴染みやすい。
③ストレスをケアするポイント…質にこだわりきる環境や相談のしづらい環境だとストレスに感じやすい可能性があります。また、前のめりな挑戦を支援しつつ、時には冷静なフィードバックを与えられるような接し方が馴染みやすい。
まとめ
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回は「ストレス耐性」の心理学的な解釈と、適性検査を活用したストレスマネジメント特性の確認方法を解説しました。
この記事を読んでミキワメに興味を持っていただけた方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。
適性検査や性格データを活用して、御社の採用や組織開発の成功にお力添えさせていただければと思います。
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