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圧迫面接とは?目的やデメリットを詳しく解説

圧迫面接とは?目的やデメリットを詳しく解説新卒入社の学生や中途採用の社会人を採用する際に、面接の実施は避けては通れないものです。 面接は応募者のことを深く知れる機会ですが、やり方を誤ると企業の信頼問題にも繋がるため、注意が必要です。

そこで本記事では、面接方法の一つである「圧迫面接」について、具体例やデメリットを踏まえて解説していきます。
採用を担当する人事や経営者の方々は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

圧迫面接とは?

圧迫面接とは、採用面接において面接官がわざと答えにくい質問をしたり、威圧的な態度をとったりすることで、応募者の受け答えを観察・評価する面接手法のことです。

アメリカの企業が考案したストレスインタビューが、圧迫面接の始まりと考えられています。
キャリア支援サービス「リクナビ」の調査によると、アンケートに回答した社会人の約64%が
圧迫面接を経験したことがあると回答しています。

参考:
圧迫面接とは – コトバンク

企業が圧迫面接をする理由

企業は、何の意味もなく圧迫面接をしているわけではありません。圧迫面接を実施するには、以下のような理由があります。

  • ストレス耐性をチェックするため
  • 応募者のことを詳しく知るため
  • 思考力を確認するため
  • コミュニケーション能力を測るため

それぞれ詳しく解説していきます。

理由1:ストレス耐性をチェックするため

ビジネスシーンにおいては、上司に怒られたり取引先でクレームを受けたりする場合があります。

自分に否がなくても、ときには感情を押さえて冷静に対応することがビジネスでは求められるため、企業は一定のストレス耐性を備えた人材を必要としています。

しかし、ストレスへの強さは通常の面接ではなかなか推し量ることが難しいものです。そのため、ストレスを与えられる圧迫面接を導入し、応募者の反応を評価しようと試みる企業も存在します。

理由2:応募者のことを詳しく知るため

応募者も対策を十分練ってきているため、志望動機や自己アピールといった一般的な質問だけでは、人間性が見えてこないケースがあります。

一度採用が決定したら、できるだけ長期で働いてもらいたいのが企業の本音です。そのため、面接を通じて可能な限り応募者の性格や信条を把握す目的で、圧迫面接が活用されることがあります。

理由3:思考力を確認するため

実際のビジネス現場では、予想外の質問をされるケースも多々あります。顧客や取引先への質問にスムーズに返答できる能力が、社員には最低限の力として要求されます。

圧迫面接で「どうしてそう思えるのか?」「そう判断した基準は?」などと繰り返し質問を投げかければ、応募者が深い思考力のある人物かどうかの見きわめが可能です。そうした理由から、意図的にたくさん質問し、応募者の反応をチェックするケースも存在します。

理由4:コミュニケーション能力を測るため

社会人として働く場合、なかには好意的にコミュニケーションをとれない相手と接する機会もあるでしょう。
社内・社外にかかわらず、「苦手な相手ともうまくコミュニケーションをとれるか?」という点を気にかけて採用を行なう企業は少なくありません。

応募者のコミュニケーション能力をチェックするために、面接官はわざと横柄な態度をとったり、威圧的な発言をしたりする圧迫面接を取り入れることがあります。

参考:なぜ面接官は圧迫面接をする?採用のプロが語る「圧迫面接の意図・背景」

圧迫面接のデメリット

「自社に合った優秀な人材がなんとしても欲しい」という想いから利用されることも多い圧迫面接ですが、企業側にとってデメリットがたくさんあるため、あまりおすすめできない面接方法です。

ここでは、主なデメリットを3点紹介していきます。

デメリット1:企業の評判が落ちる

採用担当者は、応募者にとって会社の顔ともいえる存在です。そのため、ちょっとした言動で会社全体のイメージに影響を及ぼす可能性があります。

圧迫面接は、応募者にとってときに不快感を感じさせる面接手法です。圧迫面接を受けた応募者の中には、インターネット上の転職サイトやSNSに「この会社は圧迫面接をしてきて、嫌な思いをしました。」などと投稿する人も出てくるかもしれません。
特にSNSは拡散スピードが速いため、悪評は一瞬で広まります。

圧迫面接を実施する企業には、エントリーしたくないと思うのが応募者の心情です。マイナスイメージの口コミが広がることは、優秀な人材からの応募を逃すことにもなりかねません。

また、企業によっては応募者も自社商品・サービスの潜在消費者であるケースもあります。圧迫面接により嫌悪感を与えてしまうと、商品やサービスの購入も避けるようになる可能性があるため、企業の業績にも悪影響を及ぼしてしまうでしょう。

デメリット2:パワハラとして訴えられる

最近は世間のコンプライアンス意識が高まり、パワハラが問題視されています。
圧迫面接をパワハラと捉え、法的手段に訴える応募者が出てくる可能性もゼロではありません。訴えられて敗訴した場合、会社として大きな損失を被る可能性もあるため、圧迫面接はリスクの高い方法といえるでしょう。

面接中に応募者が途中で帰るほどの厳しい言葉を浴びせたり、泣いてしまうほど問い詰めたりすることは、のちのち大きなトラブルに発展する場合もあるためご注意ください。

デメリット3:優秀な人材を失う

圧迫面接によって優秀な人材を見きわめようと試みても、その面接手法がかえって逆効果になる可能性があることを覚えておきましょう。

よくあるケースとして、自社に合った人材が見つかり内定を出したところ、応募者から辞退を言い渡されるケースがあります。
圧迫面接を受けた応募者としては、「就職してからも、日常的に怒鳴られたり理不尽なことを言われたりするのではないか?」と想像してしまうため、充実したビジネスライフを送れる企業ではないと判断してしまいます。

せっかく優秀な人材を見つけても、内定辞退の数が多いと意味がありません。コストや時間を無駄にしてしまいますので、内定を辞退されないためにも、圧迫面接は避けたほうがいいでしょう。

参考:圧迫面接とは?経験者の割合や、やめるべき理由について

圧迫面接に見えてしまうNG対応

企業の中には、自分たちでは圧迫面接だと思っていなかったものの、応募者からは圧迫面接と捉えられていたケースも存在します。圧迫面接によるデメリットが多いことは前述したとおりなので、圧迫面接と勘違いされないよう注意が必要です。

圧迫面接に見えてしまうNG対応としては、以下の5点が挙げられます。

  • どんな答えを述べても否定する
  • 質問攻めをする
  • 態度が悪く一切笑顔を見せない
  • 回答に対して反応が薄い
  • 大きな声で怒鳴る

詳しくみていきましょう。

NG対応1:どんな答えを述べても否定する

応募者が事前に企業研究し、志望動機や自己PRをしっかりと述べても、全ての回答へ否定的に応じるケースです。

発言を否定された応募者がどのような対応をとるのか見たい場合もあれば、単純に面接官が自分の意見を主張したいだけの場合もあります。
面接官がどのような意図で発言を否定しているとしても、応募者には不快感を与えてしまうでしょう。

NG対応2:質問攻めをする

質問に対する回答が来ても「なぜ?」や「どうして?」と繰り返し、応募者を困らせてしまう面接対応にも注意が必要です。

2〜3回ほど回答を深堀りする場合は、応募者のことを詳しく知りたいだけと受け止められますが、何度も質問を繰り返す場合は、圧迫面接と応募者に思われてしまいます。
面接慣れしていない面接官の場合、質問する言葉のボキャブラリーが足りないことから、つい「なぜ?」と繰り返してしまうこともあるでしょう。

しかし、「なぜ?」には否定的なニュアンスも含まれているため、何度も重ねて使用すると、威圧的な感じを応募者に与えてしまうので気をつけましょう。

NG対応3:態度が悪く一切笑顔を見せない

足を組みながら、頬杖をついて応募者の話を聞く面接官も存在します。
志望動機や自己PRを一生懸命述べても、無反応で退屈な雰囲気を出されていると、応募者としては悲しくなります。

仮に本当に退屈しているとしても、自社に興味を抱いてくれた人材が面接に応じて来てくれた以上、対応は真摯に行なうべきです。
応募者の魅力がわかるエピソードがあったとしても、面接官に聞く姿勢がなければ「話しても無駄だろうな」と心を閉ざしてしまう可能性があります。

普段から無口で無表情な人でも、面接官として応募者に接する際は意欲的な姿勢を持つよう心がけましょう。

NG対応4:回答に対して反応が薄い

一般的な面接の場合、面接官は応募者の話を聞きながら相槌を打ち、パソコンや手書きでメモを取ります。しかし、圧迫面接と受け止められがちな面接では、面接官がメモを一切取らず、応募者からの回答に対しても反応が薄いケースがあります。

面接官が無意識でやっているケースもありますが、手応えのないまま数十分もの間面接される応募者の立場からすると、「会社全体もこのような感じなのだろうか」と不安に感じてしまうことでしょう。

NG対応5:大きな声で怒鳴る

それほど多くはないケースですが、圧迫面接を受けた応募者の中には、面接官に怒鳴られた人もいます。

会社のことを調べていなかったり、入社意欲の感じられない応募者も中には存在するでしょう。しかしそれでも、声を荒らげたり怒鳴ったりするのは、面接官の対応としてやってはならないことです。
ストレス耐性を見きわめる目的でやっているケースにおいても、応募者を不快にさせる悪質な行為ということを認識し、控えるよう心がけてください。

圧迫面接をせずに応募者のストレス耐性を見極める方法

ストレス耐性を推し量る目的で利用されることの多い圧迫面接ですが、実は圧迫面接でなくても応募者のストレス耐性をチェックできます。

ここでは、圧迫面接をせずに応募者のストレス耐性を見きわめる方法を2つ紹介します。

方法1:面接中の質問を通じて分析する

適切な質問内容を投げかけることによって、応募者のストレス耐性が確認できます。

例えば、過去に大きな問題や挫折に直面した際、どのような対応をとったのか質問してみることです。
対応の方法を具体的に聞くことで、ストレスの多い状況に立たされた際、応募者がどのようなアクションをとれるのかが把握できます。

問題に対する対応能力は、ストレス耐性を決定する要因の1つとされているため、問題解決力をチェックできればストレス耐性を見きわめられるでしょう。

方法2:適性検査を受けてもらう

適性検査によって、書類選考や面接では判断できない応募者の内面を明らかにすることが可能です。
面接ではどうしても面接官の主観が入ってしまいますが、適性検査であれば客観的なデータが手に入り、適切に応募者の性格や適性を判断できます。

ストレス耐性のみを測る適性検査もありますが、通常の適性検査にもストレス耐性の項目が入っている場合が多いので、まずは適性検査の導入を検討してみましょう。

まとめ

本記事では、圧迫面接の目的やデメリットについて解説してきました。
ストレス耐性や応募者の性格を深く知るために使用されている圧迫面接ですが、企業イメージを損なったり、優秀な人材を逃してしまったりするリスクがあります。

圧迫面接以外の方法でも、応募者のストレス耐性や適性を確認できるため、企業側にもデメリットの多い圧迫面接は避けたほうがいいでしょう。

適切な採用面接を実施し、自社に合った優秀な人材を獲得していきましょう。

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