モチベーションとは、何かを行う際の意欲や動機づけを指します。目標の達成に向けて、努力を続けるための原動力となるものです。
社員のモチベーションが下がると、生産性が低下したり離職者が増加したりと、経営にさまざまな問題が生じるおそれがあります。
この記事では、社員のモチベーションを上げる必要性や低下する理由、モチベーションの上げ方について解説します。
社員のモチベーションを上げる必要性とは
社員のモチベーションは企業の経営に関わる重要な要素です。社員のモチベーション向上が必要とされている理由としては以下の3つが挙げられます。
- 生産性の向上のため
- 会社へのエンゲージメントが高まるため
- 離職率を抑えるため
それぞれについて解説します。
生産性の向上のため
モチベーションが低下している状態では、社員は仕事に対して意欲的に取り組めず、ミスをしたり時間がかかったりするおそれがあります。その結果、企業全体の生産性低下につながりかねません。
反対に、モチベーションが上がれば社員のパフォーマンスは高まり、ミスが減って仕事の質が向上するでしょう。生産性を向上させるためには、モチベーションアップが欠かせません。
会社へのエンゲージメントが高まるため
社員が自発的に「会社に貢献したい」と考えられるようにするには、会社へのエンゲージメントを高めることが大切です。
会社へのエンゲージメントとは、社員が企業に抱く愛着や信頼感、社員と企業との結びつきを指します。社員一人ひとりのモチベーションが上がると、組織に一体感が生まれるため、会社へのエンゲージメント向上が期待できます。
離職率を抑えるため
モチベーションの低い社員は「仕事をやらされている」と感じてチャレンジ精神を持てず、転職を繰り返す傾向があります。退職者が増えれば会社の労働力が不足し、採用コストや教育コストが増大してしまうでしょう。
反対に社員のモチベーションが上がると、精神的ストレスがたまりにくくなり、意欲的に仕事ができるようになるため、離職率の低減につながります。
社員のモチベーションが低下する理由
社員のモチベーションを上げるためには、低下する理由を理解しておくことが重要です。モチベーションが低下する主な理由は以下の4つです。
- 人間関係に不満・ストレスを感じている
- 業務への不満がある
- 会社の待遇が悪いと感じている
- 将来に自信を持てない
それぞれ詳しく解説します。
人間関係に不満・ストレスを感じている
社員が社内の人間関係に不満やストレスを感じていると、モチベーションが低下しやすくなります。たとえば、上司や同僚との関係がよくない場合、仕事上の連絡や相談がしにくくなり、業務に支障をきたすかもしれません。
また、職場の雰囲気が悪くなると出勤しただけで疲れてしまい、積極的に仕事に取り組む意欲が湧かないでしょう。
業務への不満がある
毎日の業務に対する不満も、モチベーションが低下する大きな原因です。たとえば、以下のような状況が考えられます。
- ルーティン化した業務に意欲を持てない
- 業務に対して改善案を出しても受け入れられない
- こなせない量の仕事を任せられている
- 自分には向いていない業務を担当させられている
会社の待遇が悪いと感じている
社員が努力して仕事に取り組んでも、会社から成果を正当に評価されず、昇進できなかったり、給与や福利厚生が不十分だったりすることがあります。この場合、社員は会社から大切にされていないと受け止めてしまい、モチベーションが低下するでしょう。
努力して成果を上げようという意欲を持てなくなれば、離職にもつながります。
将来に自信を持てない
会社における自分の将来に自信を持てない場合にも、モチベーションは低下します。
たとえば、社内でのキャリアパスが明確でない、目標となる上司がいない、会社の経営に発展性が見出せないといった場合、将来に不安を感じるようになり、意欲的に働けません。
社員のモチベーションを上げるためのポイント
社員のモチベーションを上げるために押さえておきたいポイントは以下の3つです。
- 内発的モチベーションと外発的モチベーションの両方を上げる
- 段階的に欲求を満たしていく
- 社員の実態を把握する
それぞれについて解説します。
内発的モチベーションと外発的モチベーションの両方を上げる
モチベーションには、内発的モチベーションと外発的モチベーションの2種類があり、両方を上げることが重要です。
内発的モチベーションとは、自分の内面から自然と発生するモチベーションです。自分が興味のある仕事や、自分の成長につながる仕事、会社に貢献できる仕事に取り組むことで生まれます。仕事そのものを自ら楽しもうとする内発的モチベーションは、集中力が持続して成果につながりやすい一方、結果が出るまでに時間がかかる傾向があります。
一方の外発的モチベーションとは、外部から受けた刺激への反応として発生するモチベーションです。「高い給与を得たい」「昇進したい」「会社から評価されたい」などの外的要因から発生するモチベーションのため、社員がすぐに行動を起こしやすいメリットがあります。しかし、モチベーションが持続しにくく、短期的な取り組みに留まりやすい側面もあります。
段階的に欲求を満たしていく
アメリカの心理学者マズローが提唱した「自己実現理論」によると、人間には5段階の欲求があるとされています。
低次の欲求から順に「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」と定義されており、低いところから欲求が満たされることでモチベーションの向上につながるという理論です。
社員のモチベーションを上げるためには、生命活動を維持するために不可欠な「生理的欲求」や、健康的に安心して働きたいという「安全欲求」から、段階的に欲求を満たしていくことが重要です。
社員の実態を把握する
社員の実態を把握して、モチベーションを低下させている原因を理解することも必要です。
従業員満足度調査を行うことで、社員の待遇や業務に対する満足度をつかめます。社員が不満に思っていることや求めていることをベースとして、モチベーション向上のための対策を検討していきましょう。
社員のモチベーションの上げ方
社員のモチベーションを上げるための具体的な方法は以下のとおりです。
- 短期的・長期的目標を設定する
- 評価制度の透明性を高める
- インセンティブを設定する
- 社員が挑戦できる環境を作る
- 会社のビジョンを社員と共有する
ステップごとに詳しくみていきましょう。
短期的・長期的目標を設定する
まずは、社員が働く目標を明確に設定することが重要です。達成しやすい短期的目標と、簡単には達成できないものの大きな達成感を得られる長期的目標を設定しましょう。
たとえば、月単位と半年単位、年単位、場合によっては数年単位の目標を、それぞれ関連づけたうえで設定する方法が考えられます。
評価制度の透明性を高める
評価制度の透明性を高めると、社員がどのような行動を取れば評価されるのかを理解できるため、仕事に対して意欲的に取り組めるでしょう。
昇格や昇給に必要な条件を明確化し、社員に周知することで、評価制度の透明性が高まります。
社員は昇給、昇進、表彰などの目標達成に向けて、高いモチベーションを維持しながら努力するため、生産性の向上にもつながります。
インセンティブを設定する
インセンティブの設定は、外発的モチベーションの向上に直結します。
昇給や賞与といった金銭的インセンティブや、表彰や福利厚生などの非金銭的インセンティブを設定すると、社員は成果を上げようと努力するでしょう。
社員が挑戦できる環境をつくる
社員が失敗を恐れずに挑戦できる環境を整えれば、モチベーションの向上が期待できます。具体的には以下の方法が考えられます。
- 挑戦して失敗しても、評価に影響を与えないことを制度化する
- 新しいプロジェクトを発案して取り組んだものの失敗した場合、その事例からも学べるようにサポートを行う
- 経営陣が率先して挑戦を促す社風をつくっていく
また、新規プロジェクトのアイデアを社員全員から募集したり、移動先を自分で決められる制度を整えたりすることで、社員は自分の意志が業務に反映されると感じます。
社員のなかに責任感が生まれれば、仕事を自発的にこなせるようになるでしょう。
会社のビジョンを社員と共有する
会社が実現したい未来や、最終的に目指すゴールである「ビジョン」を社員と共有することは、モチベーションを上げるための重要な方法です。
社員がビジョンを理解すると、自分も会社の一員としてビジョンの実現に貢献したいという意欲が生まれ、会社へのエンゲージメントが高まります。
社員のモチベーションの上げ方を理解して離職率を抑えよう!
社員のモチベーションを上げるには、短期的・長期的目標を設定する、評価制度の透明性を高める、インセンティブを設定する、社員が挑戦できる環境をつくる、会社のビジョンを社員と共有するといった方法が有効です。
しかし、社員の状態を正確に把握していなければ、モチベーションアップはなかなか実現できません。
ミキワメウェルビーイングサーベイは、社員の心理状態を特定し、タイムリーかつ的確な対話を行うことで個人の状態を改善できる組織サーベイです。会社の人間関係や待遇など、モチベーションを低下させている原因を可視化し、社員に合ったマネジメント・ケアを行えるため、休職・離職の防止につながります。
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