- 成功企業における企業文化の事例
- 企業文化の良い例や悪い例
- 企業文化の作り方
企業文化の事例を知ることは、組織の魅力を高めるための鍵です。トヨタの生産方式やユニクロの文化のように、成功企業の文化には共通する要因があります。
一方、悪い企業文化が引き起こす問題も見逃せません。
本記事では、企業文化の良い例や悪い例をわかりやすく紹介し、有名企業の具体的な取り組み事例を徹底解説します。
企業文化の醸成メリットや作り方のステップも紹介しますので、企業文化を醸成・変革させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

- そもそも企業文化とは?
- 知っておきたい企業文化の「良い例」と「悪い例」
- 参考にしたい企業文化の具体例10選
- ユニクロ:「グローバルワン・全員経営」をモットーに、社員が一体となって目標を追求する文化
- メルカリ:「Mercari Culture Doc」で、共通認識を醸成し、多様な働き方に対応
- マイベスト:『ミキワメ 適性検査』を導入し、カルチャーマッチを重視した採用活動
- ソニー:「サステナビリティ」を基盤に、環境や多様性に配慮した文化
- 本田技研工業(ホンダ):「人間尊重」と「三つの喜び」を基盤に、平等で信頼を重視する文化
- Netflix:「(ほぼ)No Rulesのルール」で創造性と自由を尊重する文化
- HubSpot Japan:「HEART」に基づき、社員が愛着を持てる組織文化を構築
- Amazon:「Day One」精神で、常に革新を追求する文化
- Google:「より良い毎日」の実現を目指し、多様性と持続可能性を重視
- Meta Platforms(Facebook):「人々のつながり」を軸に、メタバースなど革新的な技術を推進
- 企業文化を醸成する3つのメリット
- 企業文化の作り方3ステップ
- まとめ:企業文化の具体例を参考に、自社の企業文化を見直そう
そもそも企業文化とは?

企業文化とは、企業と従業員が共有する価値観や行動の基準のこと。ミッションやビジョン、バリュー(MVV)(※)などの要素によって形成されます。
(※)ミッション、ビジョン、バリュー(MVV)とは、経営の中核とすべきとして、経営学者のピーター・F・ドラッガーが提唱した概念。「Mission(ミッション)」、「Vision(ビジョン)」、「Value(バリュー)」の頭文字をとって、「MVV」といわれている。
明確な企業文化があると、従業員は一体感を持ち、迷うことなく目標に向かって行動できます。従業員全員の向かうべき方向が明確になることで業務の効率が高まり、チーム全体の成果も向上するでしょう。
一方、良い企業文化は採用活動にも影響を与えます。価値観に合った人材を惹きつけることで従業員の定着率を高め、組織の一体感を強固なものにできるからです。
これらの理由から、企業文化は組織運営の基盤といえます。
企業文化の意味と重要性
企業文化とは、「価値観・信念・行動規範・慣習」などを含む、企業と従業員が共有する考え方のことを指します。この文化は、組織全体の雰囲気や働き方に深く影響を与えます。
経営者の理念や価値観に基づき作られた企業文化が会社全体に浸透することで、事業の成果にも結びつくのです。全員が共通認識を持てれば、組織の方向性が明確になり、チームの一体感も生まれます。
たとえば強い文化を持つ企業では、従業員が現場で一体感を実感しやすくなり、モチベーションが高まるでしょう。文化が明確であれば、従業員は共通の目標に向かって真剣に取り組むことができるでしょう。
良い企業文化は、自社に適した人材を惹きつけ、結果として競争力の向上につながります。
知っておきたい企業文化の「良い例」と「悪い例」

良い企業文化は従業員を惹きつけ、組織を成長させます。一方で、悪い企業文化は生産性や士気を低下させる原因になりかねません。
ここでは、「企業文化の良い例」と「企業文化の悪い例」の特徴をわかりやすく解説します。
企業文化の良い例
企業文化の良い状態とは、会社の理念や価値観が社員のモチベーションや仕事の生産性にプラスの影響を与えている状況のこと。良い企業文化があるほど企業の魅力が高まり、優秀な人材が集まる職場になります。
具体的には次のような特徴がありますので、それぞれ見ていきましょう。
- フラットで風通しがよい職場
- 失敗を恐れずに挑戦を歓迎する風土
- お互いを尊重し合い、信頼を築く人間関係
- 成果や努力を正当に評価し、感謝を伝える仕組み
- 成長や学びの機会が充実している環境
フラットで風通しがよい職場
社員間のコミュニケーションが活発で、役職や年齢に関係なく自由に意見やアイデアを交換できる環境です。
こうした文化は、情報共有がスムーズになり、業務の遅延やミスも減少するでしょう。結果として、組織全体の生産性向上が期待できます。
失敗を恐れずに挑戦を歓迎する風土
失敗を非難するのではなく、そこから学ぶ姿勢を重視する風土は、企業に良い影響を与えます。新しいことに挑戦する意欲が育まれ、社員の創造性や革新性が引き出されるでしょう。
お互いを尊重し合い、信頼を築く人間関係
多様性を認め、尊重し合うことで、協力やチームワークが生まれます。
また、ハラスメントのない、安心して働ける環境も企業文化に好影響を与えます。
成果や努力を正当に評価し、感謝を伝える仕組み
社員の成果や貢献を正当に評価し、報酬や昇進に反映させることが大切です。また、社員同士が感謝を伝え合うことによって、社員のエンゲージメントも高まるでしょう。
成長や学びの機会が充実している環境
キャリアアップを支援し、新たなスキルや知識を習得できる機会があるとよいでしょう。これにより、社員は成長を実感し、組織全体の能力向上にもつながります。
こうした要素の組み合わせによって、社員は仕事にやりがいを見出し、企業への愛着を深めるでしょう。その結果、企業の業績が向上する好循環が生まれます。
企業文化の悪い例
企業文化が悪い状態とは、会社の価値観や行動様式が生産性や職場の雰囲気に悪影響を及ぼしている状況を指します。具体的には、次のような特徴が見られます。
- 上からの命令だけを重視し、意見を言えない文化
- パワハラやモラハラが見逃される環境
- 過重労働や無理な業務量をこなす職場
- 従来のやり方に固執し、チャレンジ精神がない
- ミスを許さず、成功を妬む風潮
上からの命令だけを重視し、意見を言えない文化
社員が自由に意見を言えず、上層部の決定に従うだけの環境です。このような状況では、現場の声が反映されず、非効率な業務の増加や社員の不満を招くでしょう。
パワハラやモラハラが見逃される環境
職場内でハラスメントが放置されている状態。社員の精神的健康が損なわれ、離職率が上昇するだけでなく、生産性の低下も避けられません。
過重労働や無理な業務量をこなす職場
過重労働や無理な業務量が常態化した職場では、社員の心身が疲弊し、集中力や生産性が低下します。これにより、業務効率の悪化だけでなく、労働基準法違反などコンプライアンスの問題が生じる可能性があります。
従来のやり方に固執し、チャレンジ精神がない
新しい方法やアイデアを拒否し、変化を恐れる姿勢が組織全体に広がっている環境です。このような職場では、事業の成長が停滞し、企業競争力を失うリスクが高まります。
ミスを許さず、成功を妬む風潮
過度な叱責によって社員が挑戦を避けるようになります。
また、成功した社員を妬む行動が見られる場合、組織全体の成長が阻害される恐れがあるでしょう。
このような悪い企業文化が浸透していると、社員のモチベーションや満足度が低下します。最終的には、個々人が能力を発揮できず、企業全体の成長を妨げる原因となるでしょう。
参考にしたい企業文化の具体例10選

ユニクロ、メルカリ、Amazonなど、業界をリードする企業はどのようにして独自の文化を築き上げてきたのでしょうか。
企業文化を考えるとき、有名企業の成功事例は貴重なヒントになります。
ここでは、それぞれの取り組みをわかりやすく解説しますので、自社の企業文化を見直し、強化するきっかけとしてぜひ参考にしてください。
企業名 | 事例概要 |
---|---|
ユニクロ | 「グローバルワン・全員経営」をモットーに、社員が一体となって目標を追求する文化 |
メルカリ | 「Mercari Culture Doc」で、共通認識を醸成し、多様な働き方に対応 |
マイベスト | 「ミキワメ 適性検査」を導入し、カルチャーマッチを重視した採用活動 |
ソニー | 「サステナビリティ」を基盤に、環境や多様性に配慮した文化 |
本田技研工業(ホンダ) | 「人間尊重」と「三つの喜び」を基盤に、平等で信頼を重視する文化 |
Netflix | 「(ほぼ)No Rulesのルール」で創造性と自由を尊重する文化 |
HubSpot Japan | 「HEART」に基づき、社員が愛着を持てる組織文化を構築 |
Amazon | 「Day One」精神で、常に革新を追求する文化 |
「より良い毎日」の実現を目指し、多様性と持続可能性を重視 | |
Meta Platforms(Facebook) | 「人々のつながり」を軸に、メタバースなど革新的な技術を推進 |
ユニクロ:「グローバルワン・全員経営」をモットーに、社員が一体となって目標を追求する文化

出典:新卒のキャリア | ファーストリテイリング 新卒採用 | | 株式会社 ファーストリテイリング
ユニクロは、親会社であるファーストリテイリングと同じ経営方針のもと、「グローバルワン・全員経営」をモットーに掲げています。この理念ではチームワークが重視され、社員が一体となって目標を追求する企業文化が特徴です。
社員は、仕事を通じてコミュニケーション力や判断力を磨くことが期待されています。「就職」は人と触れ合う場であり、さまざまな出会いから自己を成長させる機会と考えられているのです。
このような環境によって、社員一人ひとりが成長を実感し、組織全体の競争力を高めています。
参考:柳井 正 | TOP MESSAGE | ファーストリテイリング 新卒採用 | 株式会社 ファーストリテイリング
メルカリ:「Mercari Culture Doc」で、共通認識を醸成し、多様な働き方に対応

出典:Inclusion & Diversity | 株式会社メルカリ
メルカリでは、社員間の共通認識を醸成するため、「Mercari Culture Doc」の社内向けドキュメントを公開しています。このドキュメントでは、組織文化の土台となる価値観「Foundations」や、3つのバリューが掲げられています。
リモートワークの普及により、コミュニケーション不足やチームの一体感の低下といった課題が浮き彫りになりました。今後、働き方が多様化するなかで、メルカリは組織のカルチャーを明文化し、確立することを重要視しています。
さらに、世界的に競争力ある組織の実現に向けて、カルチャー作りに取り組むとともに、自社の組織文化づくりのノウハウを広く発信しています。
参考:メルカリ、社員同士の「共通の価値観」をまとめた社内向けのドキュメント「Mercari Culture Doc」を公開 | 株式会社メルカリ
マイベスト:『ミキワメ 適性検査』を導入し、カルチャーマッチを重視した採用活動

出典:26卒採用(プロダクトマーケター職) | 株式会社マイベスト
マイベストは「最高の選択体験を実現する」のミッションを掲げ、急成長を遂げている企業。同社では、組織を1から10、10から100へと成長させるため、一人ひとりの力が欠かせないと考えています。そのため、社員の採用と育成にとくに注力しているのです。
たとえば、同社では『ミキワメ 適性検査』を導入し、カルチャーマッチを重視した採用活動を実施しています。面接の評価のみで判断するのが難しい場合には、サーベイの結果を参考にし、入社後のミスマッチを防いでいます。
こうしたデータを活用して採用基準を設定し、継続的なデータ分析の下、組織の成長を加速させています。このような取り組みにより、個々の成長を組織全体の成長へとつなげる仕組みを構築しているのです。
以下では、同社による『ミキワメ 適性検査』の活用によって、カルチャーマッチを重視した採用活動事例を詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
参考:手軽な価格で使えて、詳しい分析ができ、カルチャーや能力のミスマッチを抑制できる。継続的にデータ蓄積と分析を行って、採用・組織をより良い状態に。 | 株式会社マイベスト
ソニー:「サステナビリティ」を基盤に、環境や多様性に配慮した文化

出典:サステナビリティ | ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン | ソニー株式会社
ソニーは「テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する」というミッションを掲げています。
ミッションの実現に向け、サステナビリティを基盤とした企業文化を構築。とくに「環境」「アクセシビリティ」「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」の3つの領域に注力して取り組んでいます。
環境分野では、再生プラスチックの開発や製品の環境配慮を進めるとともに、事業所での地域貢献にも注力しました。
アクセシビリティでは、視覚障がいのある人も使える製品を設計するなど、誰もが楽しめるインクルーシブな環境を目指しています。
一方、DE&Iでは、多様性を尊重しながら社員の能力を引き出す企業文化を醸成しました。
新入社員向けのダイバーシティ研修を実施し、意識改革を進めています。これらの取り組みを通じて、ソニーは「共創」と「クリエイティビティ」を軸に、持続可能な未来を目指しているのです。
参考:サステナビリティ | Act Together | 私たちの取り組み | ソニー株式会社
本田技研工業(ホンダ):「人間尊重」と「三つの喜び」を基盤に、平等で信頼を重視する文化

本田技研工業(ホンダ)の企業文化は、「人間尊重」と「三つの喜び」の基本理念を軸に構築されています。
「人間尊重」は、自立、平等、信頼の3つの要素から成り立ち、従業員一人ひとりの主体性や相互尊重を大切にしています。
自立とは、既成概念にとらわれず主体的に行動する姿勢のこと。平等は、個人の違いを認め、誰もが公平に機会を得られる環境を指します。信頼は、誠意を尽くすことで生まれる関係性です。
「三つの喜び」とは、買う喜び、売る喜び、創る喜びのこと。顧客、販売に携わる人、そして製品を生み出す人が満足を感じられる文化を目指しています。白い作業服の着用は、平等意識を醸成し、質の高い製品作りへとつながる取り組みといえるでしょう。
こうした理念と文化のもと、ホンダは「夢」を原動力に社会と感動を共有する企業を目指しているのです。
参考:Hondaフィロソフィー | 企業情報 | 本田技研工業株式会社
Netflix:「(ほぼ)No Rulesのルール」で創造性と自由を尊重する文化

出典:カルチャーメモ – 人生最高の仕事を | Netflix, Inc
Netflixは「プロセスより人」を重視し、プロスポーツチームのように高いパフォーマンスを発揮できる人材を採用する方針です。
チームメンバーには、「無私の心・創造性・勇気・率直さ」など、共通の価値観が求められています。また、建設的なフィードバックを日常的に交わし、率直さを大切にする文化を持っています。
さらに、「コントロールではなくコンテキスト」を重視し、社員に意思決定の自由を与えつつ、各チームが責任を持って業務を進める仕組みを採用。ルールを最小限にとどめる「(ほぼ)No Rulesのルール」も掲げ、創造性と適応力を高めています。
Netflixはこれらの取り組みを通じて、世界中にエンターテインメントを届ける革新的な企業を目指しているのです。
参考:カルチャーメモ – 人生最高の仕事を | Netflix, Inc.
HubSpot Japan:「HEART」に基づき、社員が愛着を持てる組織文化を構築

HubSpotは、「HEART」(謙虚さ、共感力、適応力、卓越性、透明性)を基盤とした企業文化を育んでいます。
このカルチャーコードは、企業としての理想像を言語化し、社員の日々の行動指針となるものです。顧客の成功を最優先し、常に最適解を追求する姿勢が根幹にあります。
一方、失敗を恐れず挑戦し、多様な視点を尊重する文化も特徴的です。HubSpotでは、企業文化を「OS(オペレーティングシステム)」と位置づけ、社員が愛着を持てるよう進化を続けています。
この文化は優れた人材を惹きつけ、潜在能力を最大限に引き出すことで、HubSpotの成長を支える原動力となっているのです。
参考:HubSpotのカルチャーコード 社員に愛される会社の創造 | HubSpot Japan 株式会社
Amazon:「Day One」精神で、常に革新を追求する文化

出典:毎日の挑戦を支えるAmazonのDay One文化とは | Amazon.com, Inc.
Amazonの企業文化は、「Day One」の考え方と「リーダーシップ・プリンシプル(LP)」の行動指針を基盤にしています。
Day Oneは「毎日が始まりの日」の理念を掲げ、常に変化を恐れずイノベーションを追求する姿勢を表しています。その結果、Amazonは現状に満足せず、改善を繰り返す柔軟な組織を築いてきました。
LPは14の項目で構成され、社員の行動を支える土台となっています。たとえば、「Customer Obsession」では顧客視点を重視し、「Learn and Be Curious」では学び続けることを奨励。これにより、社員が新しい発想やサービスを生み出しやすい環境を整えています。
他方、Amazonでは社員一人ひとりがリーダーシップとオーナーシップを発揮し、多様な経験を活かして挑戦することが可能。これらの取り組みを通じ、Amazonは顧客の期待に応え続け、成長を続ける企業文化を育んでいるのです。
参考:毎日の挑戦を支えるAmazonのDay One文化とは | Amazon.com, Inc.
Google:「より良い毎日」の実現を目指し、多様性と持続可能性を重視

Googleは、「より多くの人々の、より良い毎日のために」の使命を掲げ、多岐にわたる企業文化を育んでいます。ユーザー保護を最優先とし、高度なセキュリティやプライバシー管理を提供。
また、AI開発においても責任ある取り組みを重視しています。
たとえば教育機会の拡大支援として、助成金やボランティア活動を通じて、より多くの人がデジタルスキルを習得できる機会を創出しました。
さらに、多様性の推進に注力し、職場内外でインクルージョンを実現しようとしています。
他方、危機対応として災害時の情報提供や支援活動を実施し、持続可能性では環境負荷の軽減を目指しています。
これらを通じ、Googleは社会全体の進歩を促し、持続可能な未来の構築に貢献してきました。
Meta Platforms(Facebook):「人々のつながり」を軸に、メタバースなど革新的な技術を推進

参考:Search Meta Careers Blog | Meta Platforms, Inc.
Metaは、人と人とのつながりを重視し、革新的な技術開発を推進する企業。多様性を尊重し、誰もが意見を表明できる環境を大切にしています。
現在、Metaのサービスは世界中の30億人以上に利用され、アイデア共有や支援の場を提供してきました。
Metaの理念は、人々のつながりを支援し、テクノロジーをすべての人に利用可能にすること。ビジネスモデルとして広告を活用し、無料でサービスを提供しています。
また、利用者の安全を守り、公平な機会を提供することで経済発展にも貢献しているのです。
一方、ARやVRなどの没入型体験を通じて、ソーシャルテクノロジーの進化を目指しています。Metaは、メタバースの未来を切り開き、新しい形で人と人をつなげる取り組みを続けています。
参考:会社情報、カルチャー、理念 | Metaについて | Meta Platforms, Inc.
企業文化を醸成する3つのメリット

企業文化が浸透すると、組織全体が強化され、競争力の向上にもつながります。採用活動の成功や従業員の定着、生産性の向上といった具体的なメリットも期待できるでしょう。
ここでは企業文化がもたらす3つのメリットを、具体例を交えながら解説します。
採用のミスマッチ・離職の防止
企業文化が従業員に共有されていることで、採用時のミスマッチや入社後の離職を防ぐ効果が生まれます。組織文化とは、共有された価値観や考え方を基にした行動原理のことです。これが社風として現れます。
たとえば、企業文化が明確な場合、その文化に合う人材を採用段階で見極めることが可能です。これにより、従業員が働きやすい環境が整い、定着率も向上するでしょう。
ミスマッチが少ない組織は、長期的に安定した人材活用が可能になります。以下の記事では、離職防止の成功事例を詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

意思決定の精度・スピードの向上
企業文化は、企業が意思決定を行うときの基準となる価値観です。社員全員が同じ価値観を共有していれば、意思決定の方向性を統一できます。これにより、判断が迅速になるのです。
現代のようにビジネス環境が変化し続ける時代には、意思決定の速さが重要になります。
全員が共通の文化を基盤に意思を統一できれば、柔軟な対応が可能になります。迅速な意思決定が競争力を高める要因と言えるでしょう。
生産性の向上
共通の価値観を持つことで、社員同士のコミュニケーションがスムーズになります。これにより、コミュニケーションコストが削減され、生産性が大幅に向上するでしょう。
独立行政法人経済産業研究所によると、「非民主的なカルチャー」に比べ、「民主的なカルチャー」を持つ組織は労働生産性が16.8%高いとの研究結果もあります。
項目 | 意味 |
---|---|
民主的なカルチャー | 従業員が組織の意思決定に積極的に参加し、意見が尊重されやすい環境。投票だけでなく、議論を通じた合意形成も含まれる。 |
非民主的なカルチャー | 従業員の意見が意思決定に反映されにくい環境。上層部の一方的な決定や、従業員の関与が限られる状態を指す。 |
社員が自主性を持って行動し、意見を交わしやすい環境が高い成果を生む鍵です。生産性向上には、風通しのよい職場環境と、社員が積極的に関与できる仕組みが欠かせません。
参考:民主的カルチャーがあれば、短い労働時間で高い生産性の実現が可能だ | 独立行政法人経済産業研究所
企業文化の作り方3ステップ

企業文化を組織に浸透させるためには、具体的な手順を踏むことが重要です。
企業のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を言語化し、それに基づく制度設計を行います。そして、従業員への共有を徹底し、文化を企業全体の原動力として育てることが可能です。
この手順を3ステップで解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1.企業の価値観を言語化
企業文化を形成するための第一歩は、「ミッション(使命)・ビジョン(未来像)・バリュー(提供価値)」のいわゆるMVVを明確に言語化することです。
言語化により、企業が何を大切にし、どこを目指しているのかを全従業員が理解できます。
たとえば、「革新的な技術で世界を変える」のミッションを掲げれば、社員の意識や行動がその方向に一致しやすくなるでしょう。
また、現状の企業文化を見直し、組織の実態に即した価値観にアップデートすることも重要です。価値観の具体的な定義と共有によって、企業文化の土台が整う環境を整備できます。
2.人事評価や研修制度の見直し
企業文化を組織全体に浸透させるためには、人事評価制度や研修内容の見直しが欠かせません。
たとえば、企業文化として「挑戦」を重視する場合、成果だけでなく挑戦そのものを評価に含める仕組みを作るとよいでしょう。また、従業員が企業文化を深く理解し、行動に反映できるよう、研修制度の充実も効果的です。
一方、新しいスキルを習得する場の提供によって、社員は自己成長を実感し、企業文化が行動に結びつく意識を高められます。制度改革を行えば、従業員の日常業務に文化が自然と根付く環境を作れるでしょう。
以下の記事では、人事評価や評価基準を詳しく説明しています。ぜひご覧ください。

3.社員への共有・浸透
企業文化を根付かせるには、従業員への共有がもっとも重要なステップです。
まず、社員研修を通じて、MVVを含む企業文化を従業員に伝えます。さらに、ワークショップを開催し、従業員が文化を体験的に理解する機会を設けることが効果的です。
また、リーダー層が率先して企業文化を体現することで、社員の行動指針が統一され、組織全体に文化が浸透しやすくなります。
結果として、全員が企業文化を共有する組織が生まれ、長期的な成長につながるでしょう。
まとめ:企業文化の具体例を参考に、自社の企業文化を見直そう

本記事では、ユニクロやGoogleなどの成功企業を例に、良い企業文化と悪い企業文化の特徴や影響を解説しました。
また、企業文化を形成し、浸透させるための「価値観の言語化」「制度の見直し」「社員への浸透」の3ステップも紹介しています。
企業文化は、従業員の意識や行動を統一し、組織の成長を支える基盤です。成功企業の具体例を知り、自社にマッチした文化を作り上げることが重要になります。
適性検査を活用すれば、従業員の状態を可視化でき、自社の企業文化を見直すことが可能です。さらに、採用基準に応用すれば、自社の企業文化にマッチした人材を集めやすくなるでしょう。
この記事をヒントに、自社の文化を再確認し、強い組織づくりを始めてみてください。
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企業文化の改善を促進させるために、ぜひ本ツールの導入を検討してみてください。

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