1on1を実施するときは、目的や進め方を部下と共有し、話したいテーマを事前に考えてもらうことが大切です。しかし、準備不足によって以下のような状態になるケースも少なくありません。
「部下に相談したいことを聞いても、『とくにありません』と返されてしまう」
「その場しのぎの質問になってしまい、会話が広がらない」
そこで本記事では、1on1を実施する前に部下が準備すべきことや、1on1に臨むための心構えについて詳しく解説します。
- 1on1前に部下が準備すべきこと(目的確認・テーマ整理 など)
- 1on1で話すべきテーマ(人間関係・価値観・キャリア など)
- 部下の成長を後押しする1on1の実践ポイント
この記事を読むことで、部下に伝えるべき「1on1の準備方法」や「話すべきテーマ」が明確になり、質の高い1on1が実現します。ぜひ最後までご覧ください。
1on1で部下が事前に準備すべきこと【チェックリスト付き】

1on1を有意義な時間にするには、事前に目的や進め方を確認し、話すテーマを考えておくことが大切です。
部下主導の1on1を実現するために、準備のポイントを整理しておきましょう。部下が事前に準備すべきことは、以下の表をご覧ください。
| 準備のポイント | チェックリスト |
|---|---|
| 1on1の目的や進め方を確認する | ・1on1の目的を理解しているか ・評価面談との違いを把握しているか ・実施頻度や時間を確認しているか |
| 話したいテーマをリストアップする | ・上司に相談したいテーマを具体化しているか ・目標やキャリアに関するテーマがあるか ・職場環境や人間関係について話したいことがあるか |
| 現在の課題や悩みをまとめておく | ・現在の課題を具体的に書き出しているか ・課題の背景となる事柄を整理しているか ・自分なりに改善策をまとめているか |
| 客観的なデータ(成果・実績)を整理する | ・最近の成果を数字で整理しているか ・目標と実績の差を把握しているか ・改善につながった取り組みを記録しているか |
| 上司に伝えたい要望を言語化しておく | ・どのようなサポートが必要なのか ・職場環境改善につながる要望になっているか ・上司が動きやすい内容に落とし込めているか |
以下より、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1on1の目的や進め方を確認する
1on1を実施するときは、事前に「何を目的に対話するのか」「どのような流れで行うのか」の確認が必要です。
目的や進め方を把握しておくことで、話す内容の方向性が定まり、限られた時間を有効に活用できます。以下のチェック項目を参考に、1on1の重要性を確認しておきましょう。
- 1on1の目的を理解しているか
- 評価面談との違いを把握しているか
- 実施頻度や時間を確認しているか
- 話したいテーマを決めているか
- 今回の1on1で解決したい課題があるか
とくに、一般的な評価面談と混同してしまうケースがよく見られます。
評価面談では、主に仕事の成果や行動プロセスを振り返ります。しかし、1on1は部下の不安や悩みを聞き、次にとるべき行動を一緒に考える「対話の場」です。
1on1と評価面談の違いを部下と共有することで、心理的な負担が軽くなり、本音を引き出せるようになります。
以下の記事では、部下の成長段階に合わせた1on1の進め方を詳しく解説しています。信頼を深めるためのポイントも紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
話したいテーマをリストアップする
1on1で「何をテーマに話すか」を事前に整理しておくことで、対話が脱線せず、短い時間でも本質的な課題にしっかり向き合えるようになります。
事前にテーマをリスト化しておけば、「自分がどこに関心を持ち、どのようなサポートを必要としているのか」が明確になります。事前に確認しておくべき項目は、以下のとおりです。
- 上司に相談したいテーマを具体化しているか
- 話したいテーマの優先順位をつけているか
- 目標やキャリアに関するテーマがあるか
- 職場環境や人間関係について話したいことがあるか
- 心身の状態で気になっていることはあるか
- 限られた時間内で話せる内容かどうか
また、話したいテーマを言語化する過程には、自分の状態を客観的に捉え、思考が整理されるメリットもあります。1on1を有意義な時間にするためにも、日頃からテーマの棚卸しをしておきましょう。
現在の課題や悩みをまとめておく
1on1は、上司から評価や指示を受ける時間ではなく、部下主導で仕事の進め方や困りごとを整理する「対話の場」です。
そのため、事前に課題や悩みをまとめておくことで、より実践的な相談がしやすくなります。以下のチェック項目を参考に、自分の状況を振り返ってみましょう。
- 現在の課題を具体的に書き出しているか
- 課題の背景となる事柄を整理しているか(業務量、人間関係 など)
- 悩みによる仕事への影響はあるか
- 自分なりに改善策をまとめているか
- 取り組むべき課題の優先順位をつけているか
- 1on1後の理想的な姿をイメージできているか
また、課題解決に向けて自分がすでに試したことや、うまくいかなかった理由を整理しておくことで、より本質的な対話ができます。
上司は状況を正確に把握できるため、「どの場面でどのような支援が必要なのか」を判断しやすくなります。
客観的なデータ(成果・実績)を整理する
1on1に臨むときは、自分の気持ちや考えなどの主観的な情報だけでなく、成果・業績といった客観的なデータも準備しておきましょう。
数字や記録に基づいた説明をすることで、上司は部下の状況を正確に把握できます。1on1は評価を受ける場ではありませんが、事実をもとに対話し、上司と意思疎通を図ることが大切です。
以下のチェック項目を参考に、自分の状況を整理してみましょう。
- 最近の成果を数字で整理しているか
- 目標と実績の差を把握しているか
- 数値化できない成果も事例としてまとめているか
- 改善につながった取り組みを記録しているか
- 顧客やメンバーからの評価をまとめているか
データは報告書などにまとめる必要はなく、簡単なメモや箇条書き程度でも、十分に対話できます。大切なのは、上司が部下の状況を正しく把握できる情報が揃っていることです。
「どの行動が成果につながったのか」「どの場面で時間や負担がかかったのか」といった観点で、自分の成果や行動をまとめてみましょう。
上司に伝えたい要望を言語化しておく
1on1は、評価面談のように上司主導で進めるのではなく、部下が話したいことをテーマに対話する時間です。
そのため、日頃感じている不満や会社への要望などを言語化しておくことで、上司はどのようなサポートが必要なのかを判断できるようになります。主なチェック項目は、以下のとおりです。
- どのようなサポートが必要なのか
- 職場環境改善につながる要望になっているか
- 事実に基づいて説明できるか
- 会社に求める要望の優先順位をつけているか
- 上司が動きやすい内容に落とし込めているか
- 要望が実現したあとの理想的な状態をイメージできているか
また、要望を伝えるときは感情的にならず、事実に基づいて冷静に伝えましょう。
たとえば、「忙しいので何とかしてほしい」といった抽象的な表現では、どのように改善すればいいのか判断できません。
一方、「業務の優先順位がつけられないので、一緒に整理する時間をつくってほしい」と明確に伝えることで、上司も具体的な行動に落とし込みやすくなります。
部下が理解しておきたい1on1の心構え

1on1を有意義な時間にするためには、部下がどのような姿勢で臨むかも大切です。ここでは、事前に押さえておきたい部下の心構えを3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
以下の記事では、部下が1on1を苦痛に感じる理由や対策を詳しく解説しています。上司が気をつけるべき言動も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
自身の成長につながることを意識する
1on1の目的は、上司に報告や連絡をするのではなく、自分の働き方を見つめ直し、成長のヒントを得るための「対話」をすることです。
日々の業務に追われていると、自分の行動や考えを振り返る機会はなかなかありません。しかし、定期的に1on1を実施することで、自分の状況を客観的に見つめ直し、上司と対話しながら改善の方向性を確認できます。
たとえば、最近うまくいったことや、これから伸ばしていきたいスキルについて話し合えば、自分の強みや課題を整理しやすくなります。
周囲から状況を客観的に見ている上司は、部下自身が気づきにくい点を指摘してくれる存在です。自分では当たり前だった行動が強みとして評価されたり、課題だと感じていた部分が作業手順の問題だったりと、新たな気づきが得られます。
上司との対話を通じて、自分の行動を客観的に理解することで「次の行動」が明確になり、成長のスピードも高まります。
自分の考えや悩みを遠慮せずに共有する
1on1で上司と対話するときは、自分の悩みや感じていることを率直に伝える姿勢が大切です。遠慮して表面的な話になってしまうと、課題の本質にたどり着けず、上司も適切なサポートができなくなってしまいます。
1on1で悩みを相談するときは、自分の感情を伝えるだけでなく、具体的な事実もあわせて共有しましょう。
| 悩み | 対話のポイント |
|---|---|
| 多忙で残業が多い | どの業務にどれだけ時間がかかっているのかを共有する |
| 単純なミスが増えた | ミスが発生した具体的な場面や、原因として考えられる点を説明する |
| 判断に迷うことが多い | どのような場面で迷うのか、判断基準が曖昧に感じる理由を説明する |
1on1の目的は、対話を通じて働きやすい環境を整えたり、部下の成長をサポートしたりすることです。そのため、部下は感じている悩みや迷いを抱え込まず、率直な考えを話しましょう。
上司のフィードバックを受け止め、次の行動に活かす
対話を通じて上司からフィードバックがあったときは、まずその内容を素直に受け止め、自分の行動に落とし込むことが大切です。
フィードバックが自分の意図と異なっているように感じたり、厳しく聞こえたりすることもあります。しかし、否定的に捉えるのではなく、成長のための助言であると理解し、次の行動に活かしてみましょう。
もし上司のフィードバックが抽象的に感じられた場合は、具体的な場面やポイントなどを質問すると、行動レベルに落とし込みやすくなります。
【質問例】
- 具体的にはどの場面を指していますか
- 次に意識するといいポイントはありますか
- 同じ状況が起きたとき、どのように対応すべきですか
- 参考になる事例や取り組みがあれば教えてもらえますか
対話を通じてフィードバックの意図を理解することで、次にとるべき行動が明確になり、日々の業務ですぐに実践できます。
1on1で部下が準備すべき具体的なテーマとは?

1on1に臨むときは、事前に話したいテーマを整理しておきましょう。部下主導で進める対話だからこそ、話題を準備しておくことで本質的な課題が明確になります。
5つのテーマと具体例を紹介します。
| テーマ | 具体例 |
|---|---|
| 経営理念・会社の方針について | ・チームとして今後重視すべき取り組み ・会社の目標と個人の目標のつながり |
| 職場の人間関係について | ・上司やメンバーとの接し方 ・話しかけにくい、相談しづらいと感じる理由 |
| 自分の性格・価値観について | ・理想とする働き方や、能力を発揮しやすい環境 ・苦手な仕事や負担を感じやすい場面 |
| 仕事の悩み・不安について | ・業務量や優先順位に関する悩み ・担当業務でつまずきやすいポイント |
| 将来のキャリアについて | ・将来挑戦したい仕事や役割 ・今後習得したい能力やスキル |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、1on1で話すべきテーマについては、以下の記事でも詳しく解説しています。目的別に質問例や会話例も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
経営理念・会社の方針について
経営理念や会社の方針に関する話題は、「会社が目指す姿」と「自分の業務・役割」を結びつけるために必要なテーマです。
対話を通じて、「会社の成長にどう貢献しているか」を確認することで、仕事に対する熱意や活力(エンゲージメント)が高まり、主体的な行動につながります。
具体的なテーマは、以下のとおりです。
- 会社の中期・長期方針について
- チームとして今後重視すべき取り組みについて
- 会社の目標と個人の目標のつながりについて
- 経営戦略の中で、担うべき役割や期待について
また、自分に対する上司の期待値が把握できれば、具体的に何を優先して取り組むべきかが明確になります。
職場の人間関係について
職場の人間関係に関する話題は、仕事の進めやすさや心理的安全性(自分の意見を安心して言える状態)に直結する重要なテーマです。
高いパフォーマンスを発揮する社員(ハイパフォーマー)でも、周囲との連携がうまくいかなければ成果が出にくくなり、ストレスも溜まってしまいます。
そのため、人間関係に関する悩みは自分だけで解決しようとせず、早めに相談することが大切です。具体的なテーマは、以下のとおりです。
- 連携がとりにくい部署やメンバーについて
- コミュニケーション不足のメンバーとの接し方について
- 話しかけにくい、相談しづらいと感じる理由について
- 人間関係で仕事に影響が出ている点について
- チーム内の雰囲気で気になっている点について
これらの悩みは、放置すると業務効率やモチベーションの低下につながるテーマです。1on1を通じて状況を説明することで、上司も助言や環境面の調整を検討しやすくなります。
自分の性格・価値観について
自分の性格・価値観に関する話題は、部下の行動や思考の傾向、価値観などを把握するための重要なテーマです。
性格・価値観によって、物事の捉え方や行動パターンは大きく異なります。そのため、1on1を通じて自分の考え方を共有しておくことで、上司は適切なサポートやフィードバックがしやすくなります。
具体的なテーマは、以下のとおりです。
- 仕事で大切にしていること
- 理想とする働き方や、能力を発揮しやすい環境
- 苦手な仕事や負担を感じやすい場面
- 行動に影響を与えている性格的特徴(慎重、大胆 など)
- モチベーションが上がる仕事や場面
また、過去の成功・失敗体験も共有することで、上司は「どのような場面で力を発揮できそうか、逆に壁にぶつかりやすい場面はどこか」を把握しやすくなります。
仕事の悩み・不安について
仕事の悩み・不安に関するテーマは、業務の質や精神的な負担に直結するため、優先的に扱いたい話題のひとつです。悩みを抱えたまま働き続けると、パフォーマンスが低下したり、ミスが増えたりする可能性があります。
対話するときは、どのような場面で悩んでいるのかを明確に伝えることで、上司は部下の状況をもとに必要なフォローを提案できます。具体的なテーマは、以下のとおりです。
- 業務量や優先順位に関する悩み
- 担当業務でつまずきやすいポイント
- 判断が難しい場面や迷いやすい状況
- スキル不足や知識不足に対する不安
- 新しい業務に対するプレッシャー
悩みや不安は、ひとりで抱え込んでいても解消できないことが多く、気づかないうちに心身の不調を引き起こす恐れもあります。1on1を通じて早めに打ち明けることで、上司は状況に応じた支援や業務調整をしやすくなります。
将来のキャリアについて
将来のキャリアに関する話題は、長期的な目標や働き方の方向性を明確にするうえで重要なテーマです。日々の業務の中では、自分が「どのようなキャリアを築きたいのか」をじっくり考える機会は多くありません。
上司との1on1を通じて、自分の強みや今後挑戦したい仕事を整理しながら確認することで、進むべき方向性が見えやすくなります。具体的なテーマとして、以下のような内容が挙げられます。
- 将来挑戦したい仕事や役割について
- 今後習得したい能力やスキルについて
- 自身の強み・弱みについて
- 管理職や専門職など、キャリアの方向性について
将来のキャリアは、すぐに答えが出るものではありません。定期的に1on1で話し続けることで、自分の価値観や理想の働き方が明確になり、着実に目指すべき方向性が見えてきます。
【上司向け】部下の成長を促す1on1の実践ポイント

部下の成長・成果を最大化させるためには、安心して話せる環境を整える必要があります。ここでは、上司が1on1で意識したい5つの実践ポイントを解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
また、部下の成長を促進させる1on1のコツや、コミュニケーション術をまとめた別の記事もあります。本記事と合わせて確認してみてください。
雑談でリラックスした雰囲気をつくる
1on1を実施するときは、いきなり本題に入るのではなく、まずは軽い雑談(アイスブレイク)から始めてリラックスした雰囲気をつくることが大切です。
急に核心を突くような質問をしてしまうと、部下は緊張のあまり、考えていることをうまく言葉にできなくなる可能性があります。
雑談といっても、特別な話題を準備する必要はありません。週末の過ごし方や最近ハマっていること、健康管理についてなど、日常に関する何気ない話で十分です。
上司は柔らかい言葉遣いや態度を示すことで、部下は「気軽に話していい時間なんだ」と感じるようになります。
また、雑談は部下の価値観や興味関心を把握する点でも有効です。ちょっとした会話から、部下のモチベーションの源泉やストレスの要因が見えてくることがあります。
一方で、上司からの指導やアドバイスばかりの時間になると、部下にとって1on1が負担になる可能性があります。
「1on1をやめてほしい」と言われる原因を詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。事例を交えながら具体的な対策を解説しています。
部下の気持ちを受け止める(傾聴・共感)
1on1では、部下が抱えている悩みや不安に対して否定的な反応をせず、受け止める姿勢を示すことが大切です。強い口調で意見を返したり、話の途中で結論を急いだりすると、部下は「言わなければよかった」と感じてしまいます。
まずは、部下の話を遮らずに最後まで聞きましょう。「どのような背景があるのか」「何をきっかけに悩んでいるのか」を把握するために、「傾聴」と「共感」の姿勢が重要です。
たとえば、部下が「自分の判断に自信が持てない」という悩みを話したときには、以下のような言葉をかけてみましょう。
「その状況だと迷ってしまう気持ちはよくわかる」
「どういう場面でそう感じたのか、もう少し詳しく教えてくれる?」
「話してくれてありがとう。一緒に課題を整理してみましょう」
傾聴と共感は、部下との信頼関係を深めるうえでも必要な対話スキルです。上司が寄り添う姿勢を示すことで、部下は安心して本音を話せるようになり、結果的に心身の不調による休職・離職の防止につながります。
以下の記事では、社員の退職を防ぐ1on1の進め方や、離職防止に取り組んでいる企業事例を解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
オープンクエスチョンで部下の思考を促す
部下と対話するときは、一方的にアドバイスするのではなく、部下が自分の考えを言語化できるようサポートしましょう。とくに効果的なのが、答えを「はい・いいえ」に限定させないオープンクエスチョンを使う方法です。
オープンクエスチョンとは、「どう感じた?」「なぜそう思った?」「今後どうしたい?」といった、自由に答えられる問いかけです。
このような質問を行うことで、普段は漠然と捉えている悩みや課題でも、上司の問いかけをきっかけに具体的な言葉として表現できるようになります。
たとえば、人間関係の悩みがある部下に対しては、以下のような言葉をかけてみましょう。
- どんな場面でコミュニケーションがとりにくいと感じた?
- 相手のどんな行動が気になっているのか、具体的に教えてくれる?
- 理想的な関係性は、どんな状態だと思う?
- 人間関係の改善に向けて、すぐ実践できそうなことはある?
オープンクエスチョンは、部下の思考を促し、主体的な行動につながる有効な手法です。1on1では、新たな気づきを引き出せるように対話を進めていきましょう。
次にとるべき行動を部下と一緒に考える
1on1の後半では、課題解決に向けた「次にとるべき行動」を部下と一緒に考えましょう。
対話を通じて悩みや課題が整理できたとしても、具体的なアクションを決めなければ解決にはつながりません。上司は、一方的に解決策を押しつけるのではなく、部下自身の考えを引き出しながら一緒に整理していく姿勢が重要です。
部下の行動を決めるときは、「できること」「やってみたいこと」「サポートが必要なこと」に分けて整理してみましょう。具体例は以下のとおりです。
| 区分 | 行動 |
|---|---|
| できること | ・タスクを細分化して優先順位をつける ・1日の終わりに明日やることを考える |
| やってみたいこと | ・作業時間を短縮する方法を試す ・別のメンバーにアドバイスを求めてみる |
| サポートが必要なこと | ・業務量の調整を相談する ・業務に活かせる情報や資料を教えてもらう |
1on1で決めた行動をあとから振り返られるように、Excelやスプレッドシートを活用して対話内容を記録しておきましょう。
手作業での管理が負担に感じる場合は、1on1ツールの活用がおすすめです。リマインド機能やテンプレートが用意されているため、入力漏れを防ぎつつ、前回の記録を簡単に振り返られます。
リーディングマークが提供する1on1ツール『ミキワメ マネジメント』には、対話内容の自動文字起こし機能や、「次の行動」を自動生成するAIが備わっています。
詳細は以下の記事にまとめていますので、本記事と合わせて確認してみてください。
対話の内容・ポイントを記録する
1on1実施後は、その場で話した内容や、部下と一緒に考えた「次のアクション」を記録しておきましょう。記録を残していないと、前回の内容を思い出すのに時間がかかるだけでなく、話し合って決めた行動も曖昧になってしまいます。
記録するときは、対話の内容をすべて書き起こす必要はありません。以下のような項目に絞ることで、負担なく習慣化できます。
- 話したテーマの要点
- 部下が抱えていた悩み・背景
- 決定したアクション(いつまでに何をするか)
- 上司としてサポートが必要なこと
- 次回の1on1で確認したいこと
これらの情報を記録し、次回の1on1で振り返ることで、部下の成長を継続的にサポートできます。また、記録をもとに部下と進捗を確認すれば、お互いの認識のズレも起きにくくなります。
事前の準備・テーマ選定をするなら1on1ツールがおすすめ

1on1の質を高めるためには、事前準備やテーマ選定をスムーズに進められる仕組みが必要です。
対話内容の文字起こしや要約が可能な「1on1ツール」を活用することで、準備から振り返りまでのプロセスを効率化できます。メモをとりながら話を聞く必要がなくなり、対話に集中できる点も大きなメリットです。
また、過去の記録や進捗状況を一覧で確認できるため、前回の1on1で決めたアクションが「どこまで進んでいるのか」を簡単に振り返られます。
1on1ツールの主な機能は、以下のとおりです。
- 対話内容を自動で文字起こしする機能
- 部下の性格や状況に応じて話題を提案する機能
- 過去の1on1を一覧で確認できる履歴管理
- 目標や議題を事前にまとめられるメモ機能
- 対話内容を踏まえて次のアクションを提案する機能
リーディングマークが提供する1on1ツール『ミキワメ マネジメント』には、テーマ設定や対話の自動記録、AIによるアドバイスなど、豊富な機能が備わっています。詳細は以下の資料にまとめていますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
>>『ミキワメ マネジメント』のサービス資料をダウンロードする
1on1の準備に関するよくある質問

1on1の準備に関するよくある質問について、以下の2点に回答します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1on1で部下が話すことって何?
1on1で部下が話すべき内容は、業務の報告や連絡だけでなく、職場での悩みやキャリアの方向性など、幅広いテーマが対象になります。具体的なテーマは、以下のとおりです。
- いま抱えている業務上の課題や不安
- 仕事を進めるうえで困っていること
- 職場の人間関係で気になっていること
- 今後チャレンジしたい業務や身につけたいスキル
- 将来のキャリアに関する希望や不安
- 心身の状態で気になること(疲労、ストレス など)
- 働きやすい環境にするための会社への要望
1on1は部下主導で対話する場であり、答えが正しいかどうかを評価される面談ではありません。自分が抱えている悩みや不安を率直に話すことで、上司は状況に応じたサポートがしやすくなります。
「沈黙が続いてしまう」「話すことがない」と悩んでいる方は、以下の記事も合わせてご覧ください。上司側・部下側それぞれの対策を詳しく解説しています。
フリートーク(雑談)のテーマには何がある?
フリートークで扱うテーマは、その場の雰囲気づくりを目的とした話題が中心です。具体的には、以下のような話題が挙げられます。
- 最近のニュースで気になったこと
- 職場での小さな変化や嬉しかった出来事
- 新しく取り組んでいる趣味
- 季節に関連した話題(行事、イベント など)
雑談では、プライベートに踏み込みすぎず、「週末はどんな過ごし方をした?」といった程よい距離感のある問いかけをしてみましょう。フリートークを取り入れることで、部下の緊張がほぐれ、スムーズに本題に入れます。
まとめ:事前の準備で部下主導の1on1を実現しよう

1on1は、部下との信頼関係を構築し、成長を支える重要なマネジメント手法です。
しかし、事前の準備が不十分だと、「何を話せばいいかわからない」「いつも同じような話をしている」といった問題が起きてしまいます。
1on1を実施するときは、テーマ選定や課題の言語化など、部下に準備の重要性を伝えておきましょう。
これらの準備を通じて「部下主導の対話」が実現することで、お互いの関係性が深まり、職場全体の活力向上にもつながります。よりよい職場づくりを目指し、1on1を習慣化していきましょう。
ミキワメ マネジメントは、社員の性格・心身状態・目標進捗を踏まえて最適なマネジメントを提供する1on1ツールです。詳細は下記から。






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