適性検査の試験時間は「どのような時間配分で行われるのか」といった疑問を持つ、企業の人事担当の方もいるのではないでしょうか。
一般的な適性検査は「性格検査」と「能力検査」で構成されており、それぞれ試験時間の目安は以下のとおりです。
適性検査には『ミキワメ』や『SPI』といったさまざまな種類があり、種類によって試験時間が異なります。
適性検査を受検した方のなかには「時間切れになって全問解答できなった」という方もいるため、あらかじめ試験時間を把握しておくことが大切です。
本記事では、適性検査の時間切れの原因と対策を詳しく解説しています。
この記事を読むことで、受検者が「どのような対策をして試験に臨んでいるのか」を把握でき、採用時の評価分析にも役立つでしょう。
自社の採用選考に適性検査を導入するか悩んでいる人事担当の方は、本記事の内容を参考にしてみてください。
適性検査に合格するカギは時間配分を意識すること
適性検査に合格するためには、検査の時間配分を意識した解答がポイントです。
なぜなら適性検査は問題数が多いうえに、短時間で解答しなければならず、時間内に全問解答できないと評価に大きく影響するためです。
実際に以下のような手順で対策することによって、時間切れの課題は解決できます。
- 各検査の制限時間と問題数を把握する
- 一問あたりにかける時間を計算する
- タイマーを使って模擬テストをする
適性検査の評価項目には「思考力」や「判断力」があり、難しい問題も出題されるため、慣れていないと全問解答できない可能性があります。
したがって、時間配分を意識して試験に臨むことが、合格するためには欠かせない要素です。
模擬テストを繰り返し行うことで、問題形式や時間配分の感覚を把握でき、本番での焦り・不安も軽減できます。
今回の記事では、適性検査の時間切れ対策を解説していきますが、その他にも対策すべき点はあるので、他の対策を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
そもそも適性検査やSPIの違いはなに?
適性検査は企業の採用試験で行われる筆記試験のひとつで、受検者の性格や基礎的な学力を評価するための検査です。
一方『SPI』は、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供している適性検査の一種で、検査の種類を指します。
適性検査とSPIの違いは、以下の表のとおりです。
名称 | 名称の指す意味 | 内容 |
---|---|---|
適性検査 | 採用試験のカテゴリー | ・自社との相性や基礎能力を評価 ・検査の種類:『ミキワメ』『SPI』など |
SPI | 適性検査の種類 | ・適性検査の一種 ・基礎能力や性格、適性を評価する検査 |
適性検査の結果を面接時に活用することで、候補者の人物像を掘り下げた質問が可能です。
企業の人事担当の方は、適性検査とSPIの違いを把握して、採用試験でどのような検査を導入するか決定する必要があります。
その他にも適性検査の種類は多いため、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
適性検査にかかる目安の時間【種類別】
適性検査の時間は検査の種類によって異なり、以下のような時間配分で実施されます。
企業の人事担当の方は、検査の時間を事前に把握しておくことで、採用試験のスケジュールを立てやすくなり、受検者に対して適切にアナウンスができます。
なお適性検査『ミキワメ』の時間は、以下のとおりです。
- 性格検査:10分
- 能力検査:20分
ミキワメの詳しい検査内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
性格検査:10分〜40分
性格検査の「検査時間」と「質問数」は適性検査の種類によって異なり、主な内容は以下の表のとおりです。
検査種類 | 検査時間 | 質問数 |
---|---|---|
ミキワメ (株式会社リーディングマーク) | 10分 | 103問 |
SPI (株式会社リクルートマネジメントソリューションズ) | 30分 | 約300問 |
GAB (日本エス・エイチ・エル株式会社) | 20分 | 68問 |
上記のように検査時間に対して質問数が多く、一問あたりにかけられる時間は「約6秒」です。
性格検査の質問には正解がないため、自分の意向に沿った回答を素早く選択し、時間とスピードを意識して検査に臨みましょう。
能力検査:20分〜70分
能力検査も性格検査と同様に、適性検査の種類によって検査時間と問題数が異なります。種類ごとの内容は、以下の表のとおりです。
検査種類 | 検査時間 | 問題数 |
---|---|---|
ミキワメ (株式会社リーディングマーク) | 20分 | 20問 |
SPI (株式会社リクルートマネジメントソリューションズ) | 35分 | 約40問 ※問題数変化 |
GAB (日本エス・エイチ・エル株式会社) | 70分 | 約90問 |
能力検査も短い時間に対して問題数が多く、一問あたりにかけられる時間は「約1分」です。
難しい問題を解くために一点集中するのではなく、全体的な時間配分を考えバランスよく解答するようにしましょう。
【性格検査】適性検査で時間切れになる3つの原因
ここからは、性格検査で時間切れになる原因を3つ紹介します。
性格検査は短い制限時間で多くの質問に回答する必要があり、時間への意識が重要です。
検査の全体像を把握せず本番に臨んでしまうと、一問に時間をかけ過ぎてしまい、時間切れになる可能性があります。
以下より、時間切れになる原因を詳しく解説していきます。
原因1:性格検査の全体像を把握できていない
性格検査の制限時間や質問数を把握していないと、時間内に全問回答できず、時間切れになる可能性があります。
適性検査『ミキワメ』の場合「10分」の制限時間に対して「103問」の質問が用意されており、一問あたり「約6秒」で回答しなければなりません。
性格や思考に対する質問が数多くあるため、「質問に回答するだけ」と安易な考えで検査に臨むと、回答の選択肢に迷ってしまいます。
原因2:質問を何度も読み返して選択に迷う
質問を読んですぐに内容を理解しないと、何度も質問を読み返してしまい、一問にかける時間が増える原因になります。
質問を丁寧に読むことも大切ですが、「質問を読んでも内容が理解できず、何度も読み返す」といった行動は避けましょう。
質問のなかには、受検者の判断力を検査するために、質問自体が複雑な場合もあります。
事前に性格検査の質問形式に慣れておくことで、質問に対する回答速度も上がり、時間を有効に使えます。
原因3:自分の性格や考えを整理できていない
性格検査において、自分の性格や考えを整理できていないと回答の選択に迷いが生じ、時間切れの原因になります。たとえば、以下のような質問が出題されます。
(例題)
A:他人のことにはあまりかまわない
B:面倒見がよいと言われる
上記のような質問に対して回答に迷ってしまう場合、自分の性格を把握できていない可能性もあるため、自己分析が必要です。
また、性格検査では同じような質問が何度も出題されるため、回答に矛盾が生じないように意識しましょう。
【能力検査】適性検査で時間切れになる3つの原因
能力検査で時間切れになる原因を3つ紹介します。
一般的な能力検査は、非言語分野(数学)と言語分野(国語)から構成されており、基礎的な学力が必要です。
出題分野を把握せず検査に臨んでしまうと、問題の解答方法がわからず時間を消費してしまい、時間切れになる可能性があります。
以下より、時間切れになる原因を詳しく解説していきます。
原因1:難しい問題に悩んで必死に解こうとする
能力検査では、時間内にすべての問題を解くことが重要です。
そのため、難しい問題に時間をかけ過ぎて、他の問題に手を付けられない状態になると、時間切れに陥ってしまう可能性が高くなります。
難しい問題で悩んでしまうと「残り時間が足りない」と焦る原因にもなるため、わかる問題から解いていくことが有効な手段です。
事前に勉強をしていても、本番では難しい問題に直面することもありますが、必死に解こうとして考え込むことは避けましょう。
適性検査が難しく感じる理由と対策については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
原因2:解き方がわからず一問に時間を使い過ぎる
能力検査で時間切れになる原因の一つは、問題の解き方がわからず、一問に時間を使い過ぎてしまうことです。
たとえば、数学分野では以下のような問題が出題されます。
(例題)
28kmの道のりを毎分250mの速さで自転車で走ると、何時間何分かかるか。
上記の例題では「時間・距離・速さ」の公式を覚えていれば、解答を導き出せます。
解き方がわからない原因として、苦手意識があることも考えられますが、事前に公式や解き方を学習しておくことで対策可能です。
原因3:一問あたりに使える時間の感覚がない
能力検査も性格検査と同様に、一問あたりに使える時間の感覚を持っていないと、時間切れになる可能性があります。
能力検査では、長文読解や数式の組み合わせなど時間を要する問題が出題されるため、素早い判断と思考力で解いていく能力が求められます。
各問題で時間オーバーが積み重なると、結果的に時間切れになる可能性があるため注意しましょう。
【性格検査】適性検査で時間切れを防ぐ3つの対策
ここからは、性格検査の時間切れを防ぐための3つの対策を紹介します。
性格検査では、あらかじめ自己分析をして検査の時間配分を意識することで、時間内に全問回答できます。
時間に余裕を持って検査に臨めると、一貫性がある回答にもつながることから企業の評価も高まります。
時間切れを防ぐ対策について、以下より解説していきますので、参考にしてみてください。
対策1:100問以上の質問にスピード重視で回答する
性格検査で時間切れを防ぐには、検査の全体像を把握して100問以上の質問に対し、スピーディーに回答していきましょう。
以下の表のとおり、性格検査の一問あたりにかけられる時間は「約6秒〜約17秒」です。
検査種類 | 検査時間 | 質問数 | 一問あたりの時間 |
---|---|---|---|
ミキワメ | 10分 | 103問 | 約6秒 |
SPI | 30分 | 約300問 | 約6秒 |
GAB | 20分 | 68問 | 約17秒 |
性格検査では、仕事で問題に直面したときの判断力や思考力が問われるため、時間切れで未回答があると評価が低くなる可能性があります。
本番では常に制限時間を意識し、スピードを重視して回答することで、性格検査の時間切れを防げます。
対策2:質問を一度で把握して直感で回答する
性格検査では何度も質問を読み返さず、一度で質問の内容を把握して直感で回答しましょう。
質問を一度で把握することで回答に素早く移れるため、一問にかける時間を短縮できます。
また、性格検査の回答形式を把握しておくことも重要です。
- あてはまる
- どちらかといえばあてはまる
- どちらかといえばあてはまらない
- あてはまらない
上記のように、4つの回答から選択する方法が一般的です。
あらかじめ回答形式を理解しておくことで、質問の理解から回答までスムーズな思考ができ、性格検査の時間切れ防止につながります。
対策3:事前に例題を確認して自己分析しておく
性格検査を受検する前に「どのような質問が出されるか」を把握し、質問に対する自己分析を行うことが重要です。
自分自身の強みや弱みを分析することで「どの性格項目に自信があるか」を把握できるため「自分ならこうする」と迷いのない回答ができます。
適性検査『ミキワメ』では、以下のような質問が出されます。
企業の人事担当の方は、適性検査の種類を事前にアナウンスしておくことで、受検者が自己分析するキッカケにもなり、より正確な検査結果が取得できます。
【能力検査】適性検査で時間切れを防ぐ3つの対策
能力検査で時間切れを防ぐための3つの対策を紹介します。
能力検査では、問題集や適性検査を提供している会社のWebサイトを確認し、出題形式を把握しておくことが大切です。
熟語や確率などの出題形式を学習し慣れておくことで、試験時にスムーズに解答ができ時間切れを防止できます。
以下より、時間切れを防ぐ対策について一つずつ解説していきます。
対策1:難しい問題では粘らずに見切りをつける
能力検査で時間切れを防ぐには、難しい問題に時間をかけ過ぎず、ある程度の時間で見切りをつけて次の問題に進むことが大切です。
以下の表のとおり、能力検査の一問あたりにかけられる時間は「約1分」です。
検査種類 | 検査時間 | 問題数 | 一問あたりの時間 |
---|---|---|---|
ミキワメ | 20分 | 20問 | 1分 |
SPI | 35分 | 約40問 ※問題数変化 | 約1分8秒 |
GAB | 70分 | 約90問 | 約1分16秒 |
難しい問題に直面した場合は、無理に正解を導き出そうと時間をかけず、予想に近い解答を選択するといった見切りをつけ、未解答になることを避けましょう。
Webテストの種類によっては、時間で区切られて次の問題に移ってしまう検査もあるため注意が必要です。
参考:WEB適性検査14つの見分け方・内容・対策法!|しごとウェブ転職
対策2:問題集を使って解き方に慣れておく
能力検査を受検する前には、問題集を使って公式や解き方を学習しておきましょう。
公式や解き方をインプットしておくことで、問題文を見たらすぐに解き方がわかり、時間をかけず解答できます。一般的な能力検査では、以下のような問題が出題されます。
分野 | 出題内容 |
---|---|
非言語(数学) | ・分割払い ・表計算 ・グラフの領域 など |
言語(国語) | ・2語の関係 ・文章の並び替え ・長文読解 など |
出題される問題は『ミキワメ』や『SPI』といった適性検査の種類によって異なるため、企業が採用試験で行う検査を事前に把握しておきましょう。
適性検査『ミキワメ』の出題例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
対策3:本番に近い環境で模擬テストをする
能力検査の時間切れを防ぐため、制限時間をタイマーで測定し、本番に近い環境で模擬テストを行うことが重要です。「対策1」で解説したように、一問あたりにかける時間を意識して模擬テストに取り組みましょう。
模擬テストをすることで、時間を意識した対策ができることに加え、当日の緊張感や不安感も払拭でき、落ち着いた姿勢で検査に臨めます。
模擬テスト形式の書籍やインターネットの対策サイトを活用し、制限時間を考慮して対策しましょう。
適性検査の時間切れで試験に落ちることはある?
適性検査の途中で時間切れになると、企業の合格基準に満たない場合があり、試験に落ちてしまう可能性があります。
時間切れで未解答の問題があると、企業側は「思考力が低い」「基礎学力が身についていない」と判断します。
一般的な適性検査の評価項目は以下のとおりです。
検査種類 | 評価項目 |
---|---|
性格検査 | ・活動意欲 ・社会的内向性 ・自己尊重性 など |
能力検査 | ・言語能力 ・数学的能力 ・論理的思考能力 など |
上記のような項目を総合的に判断して合否を決定するため、時間切れによる未解答数の多さだけが適性検査に落ちる原因ではありません。
しかし、検査時間の全体像を把握して試験に望むことで、焦りのないスムーズな解答ができ、合格に一歩近づきます。
その他の適性検査に落ちる理由と対策について知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ:適性検査は時間とスピードを意識しよう
今回の記事では、適性検査の「時間配分の目安」と「時間切れになる原因や対策」について解説してきました。
性格検査と能力検査でそれぞれ対策が異なるため、以下の表でもう一度確認しておきましょう。
性格検査
時間切れになる原因 | 対策 |
---|---|
性格検査の全体像を把握できていない | 100問以上の質問にスピード重視で回答する |
質問を何度も読み返して選択に迷う | 質問を一度で把握して直感で回答する |
自分の性格や考えを整理できていない | 事前に例題を確認して自己分析しておく |
能力検査
時間切れになる原因 | 対策 |
---|---|
難しい問題に悩んで必死に解こうとする | 難しい問題では粘らずに見切りをつける |
解き方がわからず一問に時間を使い過ぎる | 問題集を使って解き方に慣れておく |
一問あたりに使える時間の感覚がない | 本番に近い環境で模擬テストをする |
適性検査は種類ごとに制限時間が異なりますが、事前に対策をしておけば時間切れになる心配はありません。
企業の人事担当の方も、適性検査の内容や制限時間を把握しておくことで、受検者に対して時間内に解答ができるようサポートできます。
本記事で解説した内容を活用し、適性検査を円滑に進めるための参考にしてみてください。
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