本レポートは、2022年9月28,29日に開催された、「ウェルビーイングリーダーズサミット by ミキワメ」の基調講演の文字起こしです。ウェルビーイングを牽引する様々なリーダーにご登壇いただき、組織に関する様々なテーマとウェルビーイングの結びつきについてお話しいただきました。
飯田:この時間は、慶應義塾大学の前野先生に講演していただきます。前野先生よろしくお願いいたします。
前野:よろしくお願いします。今日は「ウェルビーイング時代への価値転換 〜私達はいかに生き、いかに働くべきか〜」というテーマでお話しします。それでは画面を共有して始めます。
ウェルビーイング時代への価値転換ということで、先ほどセリグマン先生の話を聞かれてた方も多いと思います。私も幸せの研究をしているので、幸せの条件や、幸せだと生産性が上がるとか寿命が延びるとか同じ話もありますが、なるべく違うところを強調して話していきます。
前野先生の自己紹介
前野:まずは自己紹介です。私はもともと機械工学をやっていたのですが、「ロボットの心を作るより、人間の心を理解することのほうが大事だな」と思うようになりました。
そこで、人間の心がいかにしてイノベーションを起こすのか、まさに今日のテーマである幸福学ですね。人々はどうすれば幸せになるのか、幸せのメカニズム、ポジティブ心理学、幸せな経営学、幸福経営学、それからウェルビーイング。そうした研究を色々してきました。
ウェルビーイングとは?
前野:まず「ウェルビーイング」をご存知でしょうか?もともと健康の定義で使われた言葉で、良好な状態、良い状態という意味です。精神的・身体的・社会的に良好な状態、これがウェルビーイングと言われています。ウェルビーイングは幸せよりも広い概念、健康や福祉も含む概念といえます。
一方で「Happiness」は感情としての幸せです。楽しい・嬉しい・笑顔でニコニコしているということです。「幸せに働く」という意味をハッピーに働くとすると、ニコニコ楽しく働くという意味になります。
ウェルビーイングな状態で働くというと、心理学的に分析してみると幸せと相関することが色々あります。「会社の理念を理解していること」「夢があること」「チャレンジ精神があること」「エンゲージメント」「仕事に没頭していたり職場のことが好きであったりすること」「やる気・思いやりがあること」などが一例です。
こうした状態もすべてウェルビーイングな状態、主観的幸福度が高い状態と言えるわけです。ぜひご理解いただきたいのは、「幸せに働く」というのはハッピーに働く意味だけではなく、ウェルビーイングな状態で働くという意味で、幸せに働く、あるいは幸せに生きるという言葉を使っています。
世界人口の超長期推移
前野:突然ですが人類史の話をします。人類が誕生した時、現生人類が生まれたのは20万年ぐらい前です。
実は、人口は増えて止まってを繰り返しています。リニアなグラフにするとグーンと最近増えたというグラフになりますけど、両対数ですよね。100万年、10万年、1万年、あるいは1万人、1000万人、100億人といったように対数グラフにしてみると、実は増えて止まってを繰り返しています。どういうことなんでしょうか?
前野:京都大学の広井先生が『人口減少社会』という本で書いた図を見ると、最初の増えて止まっての時期は狩猟採集社会なんです。山で木の実を採ったりウサギを獲ったり、海でアサリを採ったり魚を捕ったりと、そういう狩猟採集によって生きていた時、20万年前に生まれた人類が広がっていったわけですね。
ところが、食べ物の量と人間の量が拮抗状態になって定常化します。その後、我々は農耕を発明しましたよね。農耕生活を始めたのでまた増えます。単位面積あたりに住める人口が増えたので、どんどん増えましたが、それがまた止まります。
この止まった時期をご存じでしょうか?「枢軸時代」と哲学者のヤスパースが言っているのですが、紀元前5世紀の枢軸時代というのは非常に面白い時代です。インドにはブッダ、中国には諸子百家、孔子や孟子、老子などが生まれ、古代ギリシャでは、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど。紀元前5世紀の前後数百年の間に、こうした賢人が現れているんです。
ちなみにここの定常期は「心のビッグバン」と言われ、世界中で土器や洞窟の壁画などのアートが栄えた時代と言われています。
つまり、人が増えている時は「経済成長第一だ」「農耕によって経済成長だ」というわけですが、定常期になるとアートが栄えたり思想が栄えたり、人間が文化的に栄える時代がやってきます。
300年から400年前ぐらいから、また人口が増え始めます。ここで産業革命が起きました。産業革命により、単位面積あたりに住める人の数はさらに増加しました。しかし、環境問題や貧困問題、日本であれば少子高齢化などが進み、定常化が世界的に始まっていると言われています。
世界人口は100億人を超えると言われていますが、超えたあとは減少に転じます。つまり、大きな目で環境問題などを見ると、これ以上人口が増えるわけにはいかなくなってくるんです。皆さんどうでしょうか、今の時代はどのような時代になるでしょう?
要するに、農耕革命・産業革命以来の大転換期の現代、我々はどう生きるべきか。過去の歴史に学んでみると、最初は「心のビッグバン」や「原始宗教」と言われる多神教・自然崇拝みたいな宗教、そしてアートが生まれました。その後、高等宗教と言われる仏教などが生まれ、もう少し時代が進むとキリスト教や哲学などが生まれたんです。それでは、現代は何になるでしょうか?
経済成長から心の成長へ
前野:これは私が勝手に書いたのですが、今までの人類を人類1.0、人類2.0、人類3.0というふうに考えると、これから「人類3.0」の経済成長の時代が終わります。そして、定常化時代になっていくのだと思っています。
過去の歴史に学ぶと、これから3度目の成熟期に入り「ウェルビーイング第一の社会」になるのでは?と私は思っています。
どんな社会かと言いますと、ウェルビーイング産業というものが進展すると思うのです。今まで健康産業はありましたよね。スポーツ、医療、食べ物関連の産業がたくさんありますけど、それに対し、心のウェルビーイングも含めたウェルビーイング産業が進むのではないかと思っています。
ウェルビーイング産業が健康産業のようなものだと思われるかもしれませんが、私はそうではないと思っています。製品やサービス、コミュニティづくりや組織づくりというのは、みんなが幸せになったほうがいいものですよね。ということは、すべての産業がウェルビーイング産業になるのではないでしょうか?
すべての産業がウェルビーイング産業になるということは、世界GDP と同じ規模の産業になるということです。どういうことかというと、経済成長から心の成長への移行が始まります。文化、芸術、感性、創造性、◯◯道(茶道、書道、武士道など)へ価値がシフトしていく状態です。
要するに、新しいアートと古いアートが融合して、世界に日本の良さが広がっていく時代、そのように価値がシフトすると思っています。
「成長、成長」という時は、日本の技術・科学技術が世界に売れる時代だったかもしれません。もちろんそれも使いながら、日本に古来から存在する伝統芸能や伝統工芸といった文化的な技術と融合させ、非常に文化的な時代を日本がリードするだろうと思っています。
「ウェルビーイング時代への価値転換」というのを、私は本気で思っています。農耕革命、産業革命以来の大きな価値転換の時期に私たちはいるんです。
日本には「失われた30年」があったとされています。「成長することこそ素晴らしい」という見方をすると、失われた30年と呼ぶのが妥当です。ですが、人類史で定常期というものが、豊かな文化を育む時期だったことを考えると、日本は世界に先駆けて第三の文化の時代に入っている状態と考えていいかもしれません。
もちろん産業が衰退している状態だと、そうとは思えません。ちゃんとビジネスをして、ある程度の成長を……衰退ではなくて定常化ということです。急激な上昇ではなくて、サステナブル・デベロップメントです。これをしながら、かつ目指すべきものは、文化、芸術、感性、創造性、それからアートという時代ではないかと思います。
さらに言うと、「美しい心・美しい社会の時代」になっていくと思うんです。「美しい心」と言うと、ちょっと哲学や道徳みたいな感じがするかもしれません。ですが実を言うと、人類1や2の時代には、道徳規範がありました。人類1.0の頃は「お天道様が見ているぞ」「何か悪いことしたら、お天道様に恥ずかしいぞ」といったように、自然と人類が一体化していた。
人類2.0になると、仏教だと浄土に行けるかどうか、キリスト教だと地獄に落ちないか。そのように、宗教によって人々は良い人になるメカニズムがあった時代だったんです。
ところが産業革命後は、どちらかというと宗教を信じにくくなりました。科学的に考えて「天国はあるのだろうか?」「輪廻は存在するのだろうか?」と懐疑的な人が増えている時代です。
信じない人がどう生きるかというと、「資本主義というのは、みんなが自分勝手に生きていれば全体としてうまくいくはずだよ」という考え方を持つ。結果、我々は発展してきたのですが、今度は環境破壊や貧困の問題がやってきました。
つまり、「うまくいく」と思っても、全体的な倫理がないまま皆が自分勝手にやってきたため、人類は暴走してしまった状態といえます。ここでウェルビーイングが大事になってくると思うんです。原始宗教や高等宗教の時代には、「利他的なことはいいことです」「感謝することは大切です」といった倫理規範がありました。
現代でも「感謝しましょう」「利他的でありましょう」といったものは、道徳や倫理学で学びます。会社の理念に入っていることもあります。しかし、昔みたいに宗教や専制政治が中心にあった時代と比べると、倫理の強さや深さが異なると思うんです。
ここでウェルビーイングの科学が出てきたんです。セリグマン先生は「PERMA(パーマ)」とおっしゃっていて、PERMAの5つを満たしていると幸せだと唱えています。一方、私は「幸せの4つの因子」と呼ぶものがあります。セリグマン先生に対抗しているわけではありませんよ。私の分析によると、PERMAや幸せの4つの因子、これらを満たしている人は幸せであることがわかってきています。結局、利他的で感謝をする人、あるいは誠実で真面目な人、こういう人が幸せな人だとわかってきたんです。
皆さん、幸せな人生を送りたいでしょうか、不幸せな人生を送りたいでしょうか。幸せな人生を送りたいですよね。それでしたら、サイエンスでわかっている、誠実・利他的で思いやりがあって、リーダーシップを発揮し、自己肯定感が高いといったような、これからお話しする幸せの条件を満たすように生きたほうが幸せになれます。幸せだと健康長寿にもなるので、そのほうがいいですよね。
つまり、従来は哲学の中の倫理学、道徳や宗教が担っていた「どう生きればいいか?」というのが、今はサイエンスによって答えを提示できる時代になっています。それに従って私達も良い人になりましょう。正直に申し上げると、良い人が幸せなんです。自分勝手な人、わがままな人、怒ってばかりいる人、しゃべってばかりいる人、こういう人たちの幸福度は低いことがわかってます。
利他的な人、リーダーシップを発揮する人、思いやりがある人、みんなのことを考える人、視野が大きくて、世界全体がより良い世界になるといいと思っている人……こういった人のほうが幸せなんです。そのことを、世界中のウェルビーイングやポジティブ心理学の研究者が明らかにしました。
ということは、それらを単に学問として使うだけではなく、生き方へも使いましょうということです。予防医学として病気にならないためにも使えますし、「人類全体がより良い方向に向かうにはどうすればいいか?」という、人類全体の考え方にも使えます。
かつて宗教が担っていた役割を、ウェルビーイングの科学が担う時代がやってくる。それが私の考えです。つまり「ウェルビーイング時代への価値転換」というのは、ちょっとウェルビーイングが最近流行っているから、これから10年ぐらいはウェルビーイング時代になる、という意味ではありません。
1万年前の農耕革命、300年前の産業革命に次ぐ大きな転換点が来ています。ある程度の経済成長を目指すのもいいのですが、これからは経済成長ばかりを目指すのではなく、良い人になったほうが幸せで長生きになることがわかっているので、美しい心を持ち、美しい社会づくりを目指していきたいものです。資本主義に限界が来たので、資本主義を修正して新たな資本主義を築きましょうよ、と思っています。
私はウェルビーイングの研究者なので、政治は修正資本主義なのか、ポスト資本主義なのかはわかりませんが、重要なのは「みんなのウェルビーイング」です。自分のウェルビーイングだけではなく、仲間のウェルビーイング、そして世界の人類、生きとし生けるもののウェルビーイングを大事にする生き方、これに変わっていくべき時代であるというのが、今日私が最もお伝えしたいことです。
つまり、私たちはいかに生き、いかに働くべきかということへの答えは「ウェルビーイングに生き、ウェルビーイングに働くべき」ということ。そして、皆さんが作っている製品やサービスも、これからは「美しい心」「美しい社会」「文化」「芸術」「感性」「創造性」といった点を考慮する方向に進んでいくでしょう。
今まで「便利」「効率」「安心」といったことのためにビジネスをしていたとすると、それらに加え「やりがい」「生きがい」「働きがい」を持って働くために何をすべきか、美しい心や美しい社会のために私たちは何ができるのか?という考え方が、新たに出てくる時代だと思ってます。
美しい心というと、封建時代に戻るとか、仏教や神道などの少し古い考え方に戻る印象を受けるかもしれません。そうではなく、テクノロジーAI 、ITなどの力を使いながら、人類80億人が生き生きと生活できるよう考えていく時代ということです。
幸福感とパフォーマンスの関係
前野:ここからはですね、先ほどセリグマン先生が話していたことと同じなので、さらっと話していきます。(表示しているスライドは)心理学の結果です。アンケートをとって分析してみた結果、幸せな人は創造性が3倍高い。生産性は31%高く、売り上げは37%高い。
さらに、欠勤率が41%低く、離職率が59%低い。業務上の事故は70%も少ない結果でした。まぁ、幸せだと仕事できますよね。成長時代から定常化時代と言いましたが、ミクロに会社レベルで見ると、社員を幸せにしている会社は伸びる傾向にあります。
幸せな人は長寿
前野:それから、幸せな人は長寿です。これもセリグマン先生がおっしゃっていました。タバコを吸わないことによる寿命の伸び方よりも、幸せである人の寿命の伸び方のほうが長いという話です。様々なデータによりますと、幸せな人は寿命が7年から10年長くなることがわかっています。
前野:寿命が長くなるということは、高齢者がどんどん幸せになっていくことでもあると思うんです。幸せと年齢のカーブを見ると、このようにUの字状になります。40代〜50代が底ですね。若いうちは幸せですが、40〜50代になると色々悩みもあるためか、幸福度が下がる傾向があります。
注目すべきは、そのあと幸福度が上がっていく点です。40代〜50代は底ですが、そこから上がっていき、なんと90歳や100歳の人は「老年的超越」に達し、幸福度が極めて高い状態であることがわかっています。
年齢を重ねると、自己中心性が減少します。「ステーキ食べたいな」みたいな気持ちが薄まり、寛容性が高まります。たとえば「ステーキみんなで食べなさい。おばあちゃんはちょっとだけ食べればいいから」みたいに優しくなっていくんですね。
死の恐怖も減少します。また、空間や時間を超越する傾向が高まり、高い幸福感を感じる状態です。90歳から100歳の人が極めて幸福であるということを、スウェーデンの研究者トーンスタム先生が「老年的超越(高齢者の超絶的な幸せ)」と名付けました。
セリグマン先生は、日本人の幸福度は低いと話していました。最悪の人生を0点、最高の人生を10点としたとき、日本人の平均点は低いんです。実はですね、個人主義的な国よりも、集団主義的な国のほうが幸福度を低めに答える傾向があります。
したがって日本の幸福度が低いのは、ひとつは聞き方が世界で平等になっていないという面もあると思います。ちょっと差し引いて考えたほうがいい。つまり、日本というのは、それほど幸福度の低い国ではなく、謙虚なのでアンケートだと低めに答えてしまう国である。それぐらいに思っていいと思います。ただし、そうは言っても、もうちょっと上がる余地はありそうです。
日本はこれから超高齢者大国になっていきます。ということは、老年的超越している人がどんどん増えていく時代になるんですね。50歳を境に、ちょうどUの字状になっているわけです。
「人生100年時代」というのは、生まれてきていろいろ苦労をするものの、後半はずっと幸せになっていく社会といえます。もちろん年金問題や社会福祉の問題もありますが、「みんなで力を合わせて解決し、日本を世界一幸せな高齢者の多い国にする」こう思おうではありませんか。
セリグマン先生も言っています、結局幸せというのは原因なので、ポジティブに思うかネガティブに思うかによって将来は違うと。実際そうなんです。「これから少子高齢化だ、もう先は暗い」と思うと不幸せになります。不幸せになると創造性が3分の1になるので、新しい未来を描けませんよね。
「少子高齢化社会、みんなが幸せになっていく社会を作っていくんだ」と考えると、楽観的で希望を感じます。希望を感じると幸せになり、幸せだと創造性は3倍です。創造性3倍ということは、新しいアイデアも3倍出てくるということです。
年金問題や社会福祉の問題をどうやって解決し、若い人から高齢者まで一緒に力を合わせて生きていくにはどうすればいいかを、日本中で考えましょう。もちろん日本だけではありません。まだまだアジア市場は伸びますし、アフリカ市場も伸びていきます。日本のテクノロジーや勤勉さを活用して世界に出ていき、そしてどうやって世界に貢献できるのか。
高齢者の幸せ、若い人の幸せを考え、社会をどうやって作っていこうかとワクワクしていれば、私たちの国の未来は明るいと思うんです。
感情的幸福と年収に相関はない
前野:「そうは言ってもお金じゃないか?」と思う人もいます。幸せになるには、お金がなければいけない。日本のGDP が伸び悩んでいるから、もうちょっとお金があったほうがいいんじゃないかと……半分正解です。貧しい状態というのは、幸福度が低いんです。ただし、大金持ちになっても別に幸せにならないということを示したのが、行動経済学者のカーネマン先生です。
年収7.5万ドルになるまでは、年収が増えるほど幸せになるという有名な研究結果があります。貧しいときは不幸せなんです。食べるものがない、住むところがない、安全が確保できない、衛生状態も確保できない。こういう状態は不幸ですよね。
ですので、個人であれば、働いてそれなりに給料を増やしたほうが幸せになります。どうしても働けない人のためには社会福祉を整備し、北欧のように税金をたくさんとって医療費・教育費ゼロみたいなことをすると、貧困が少なくなり、幸せな人が増えていきます。
ところが、人間の心はリニアじゃないというのを明らかにしたのが、カーネマン先生の行動経済学です。金持ちになればなるほど幸せになっていくかというと、そうではありません。
幸福のカーブはだんだん曲がっていきます。経済学でいうところの「限界効用逓減の法則」に従っているわけです。カーネマン先生の研究結果で面白い点は、800万円や1000万円を超えると、感情的幸福と年収に相関がないことを明らかにした点です。つまり、年収800万円だろうと800億だろうと、大金持ちになっても幸福度は横ばいです。
「800億あったら幸せなはずだ」と思うかもしれませんが、何百万人からアンケートを取った結果、横ばいでした。もちろん年収800万円でも幸せな人・不幸せな人がいます。年収400万円でも同様です。それらの平均値を取ってプロットしてみたところ、年収800万円以降は横ばいだったということです。
日本の平均年収は400万円台なので、800万円だと高いと思われるかもしれません。ただし、これはアメリカの研究結果です。アメリカの平均年収は6万ドル台なので、この7.5万ドルは平均年収のちょっと上という意味なんです。日本の場合でも、平均年収に近づくと、幸福度の傾きは横ばいになっていきます。
もちろん議論があり、幸福度が横ばいになる年収は研究者によって、800万円であったり150万円であったりと様々です。また、国によっても異なります。発展途上国だと150万円あれば「もう幸せだよ」となり、マンハッタンで調べると10億円ぐらいまでないと幸せになれないとか。金額自体よりも、重要なのは幸福と年収に相関がないという点です。この点をご理解ください。
ウェルビーイングの4つの因子
前野:さて、最後のページです。幸福学の基礎として、セリグマン先生のPERMAに対抗するわけではありませんが、私が唱えるのは幸せの4つの因子です。セリグマン先生は、うつ病の研究者で長く心理学の研究をして、心理学の学会で会長もしていた人なんですね。そういう人たちがたくさんの知識をもとに、洞察から導いたのがPERMAの5つの条件です。
一方、私がやってきたのはデータサイエンスです。要するに、幸せに関する過去の研究結果を集め、それを100問近い質問にし、1500人の日本人に聞いた結果を因子分析して得たのが4つの因子ということです。
そこがセリグマン先生と違うところです。私が4つ求めたわけではなく、コンピューターが求めたんです。以前セリグマン先生が来日された時に、PERMAと私の幸せの4つの因子はどう関係するのかという話をしたことがあるので、その説明をして終わろうと思います。
1つ目の因子「やってみよう因子」
前野:幸せの4つの因子というのは、「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」で構成されています。「やってみよう因子」は、自己実現と成長です。PERMAでいうところのA(Accomplishment)とM(Meaning)の部分。「自分の人生は意味があるぞ」という気持ちは、やりがい、自己実現、成長や強みなどと主体性に関係するため、PERMAの「Accomplishment」と「Meaning」に関係あると思います。
PERMAと幸せの4つの因子は、幸せを別の角度から見ている感じです。たとえば円柱を横から見ると四角に見えますが、上から見ると丸く見えます。それと同じで、どこから見るかでPERMAになったり4つの因子になったりすると思っていただければ幸いです。
2つ目の因子「ありがとう因子」
前野:2つ目は繋がりと感謝の「ありがとう因子」。これはPERMAだとR(Relationship)に該当します。ありがとうと思う人は幸せであり、人と人との繋がりは幸せに寄与するものです。
これは本当に重要なことなのですが、孤独感は幸せではありません。皆さん孤独感を感じているでしょうか?「なんか寂しいな」「仕事で認められていると感じない」「帰属意識を感じられない」とかですね。役に立てていると感じない、こういう人は不幸なんです。
役に立っていないと感じてそうな人がいたら、「最近どうしてる?」「何か困ってることない?」と聞けばいいし、自分がそう感じている側であったら他人へ相談しましょう。心のこもった会話をして、信頼関係や尊重、承認や感謝を感じることが大切です。それからエンカレッジですね。「一緒に頑張ろうよ」「大丈夫だ、いけるよ」といったように。そういうふうに声を掛け合うことによって、人は幸せになるんですよ。
日本人は心配になりやすい遺伝子を持っているので、不安になったり自己肯定感が下がったりして「大丈夫かな……」と思う人も傾向として多いんです。その場合は他者と繋がりを感じられるように、たとえば上司から部下への声がけなら「大丈夫、みんなでバックアップするから」「思いっきりやってくれ、失敗したら責任は俺が取る」と言ってあげれば、部下も思いっきりやれます。
人間関係は本当に重要なものです。繋がりや感謝、そして利他ですね。「利他的になりましょう」というのは、原始宗教や高等宗教の時代でも言われていたことですが、科学的に考えてみても、「人に優しくしたいな」と心から思っている利他的な人と自分勝手な人を比べると、明らかに利他的な人のほうが幸せなんです。
ただし、自己犠牲ではダメです。「利他的にしなければならない」「苦痛だけど、隣の家の前も掃除しておかないと」といったような考えは、幸せではありません。「隣の人にいつもお世話になってるから、ついでに隣の家の前もキレイにしておこう」という優しい利他の気持ち、これがある人は幸せです。
それから多様性。皆さん友達は多様でしょうか、均一でしょうか。均一な友達を持っている人よりも、多様な友達を持ってる人のほうが幸せです。職場でもそうですよね。いつも同じ部署の人とばかり話しているよりも、いろんな部署の人と会話をして、多様な情報を得たりするほうが幸せです。
多様性を持つと、レジリエンスが高まります。要するに、気持ちが折れそうになった時に戻る力が、多様な仲間と繋がっている人は強いんです。繋がりがないと、折れそうなときに「誰にも相談できない」「もう無理だ」となってしまいます。そうならないためには、やはり仲間がいることが大切です。
3つ目の因子「なんとかなる因子」
前野:3つ目は、前向きと楽観の「なんとかなる因子」。リスクを取って新しいことにチャレンジする人は幸せなんです。リスクを取るので失敗することもありますが、「ポスト・トラウマティック・グロース」といって、失敗したあとの成長は大きいんです。
ダメージが大きすぎるとよくありませんが、ちょっとしたストレスを受け、頑張って乗り越えると幸せなんですよ。今の社会は、「ストレスを受けすぎると良くないから、みんなに優しく」となりすぎている気がします。優しすぎると、退屈で幸せではありません。
ストレスを受けすぎるとツラい、でも簡単すぎると退屈。どうすればいいかというと、自分にとってギリギリできるレベルのことをやる人が一番幸せです。
ギリギリできそうなことをやって、頑張って成し遂げる。こうしたチャレンジは、やろうか迷ったら是非やってください。大体やったほうがよくて、やめたら後悔します。やったら成功か失敗します。ただし、失敗しても後悔はしません。「失敗だったから、違うほうにいこう」「学びになった」と考えられます。それで成功したらラッキーですよね。やるかやらないかで迷ったら、チャレンジです。なんとかなります。
4つ目の因子「ありのままに因子」
前野:そして4つ目が、独立と自分らしさの「ありのままに因子」です。人と自分を比べすぎる人は、幸福度が低い。日本人は人と自分を比べがちですが、アメリカだと全然比べません。人と自分を比べて……たとえば肌の色が違うとか言うと、それはアウトな国です。人と自分の違い、差別に対して進んでいる国がアメリカといえます。もちろん裏で差別もあったりするため、アメリカが100%日本より素晴らしいとは言えません。
しかし、無意識の差別、男女差別、多様性に対する理解不足というのは、日本にまだ残っていると思います。アメリカや北欧に行ってみるとわかります。差別をしないことも大事ですし、自分らしくありのままに生きていくことが、幸せに繋がります。
これを言うと、日本で「いや、それはわがままじゃないんですか?」「ありのまま因子って書いてあるけど、わがまま因子なんじゃないですか?」という質問がきます。たしかに似てますよね。でも、ありのままは「Be yourself」なんです、あなたの良さを活かすという意味です。一方、わがままは「Selfish」ですよね、自分勝手ということです。
これら4つの因子をすべて満たしている人が幸せです。4(ありのままに因子)だけ高い人はわがままになります。ただし、利他とありのままが両方ある人はわがままではありません。みんなのために個性を発揮する人。すごい個性的だけど「あの人は新しいアイデアがどんどん出る人で、みんなのために頑張ってるよね」と思われる、こういう人はわがままではありません。
2(ありがとう因子)と4(ありのままに因子)が一緒にある状態は、「和して同ぜず」の状態といえます。仲良くしているけど個性がある、これが幸せです。あるいは2(ありがとう因子)だけ強い人もいます。利他的だけど「貢献しなければいけないと思っている」「自己犠牲で貢献して疲れた」といった人たちです。「利他と自己犠牲はどう違うんですか?」と質問されたことがありますが、全然違います。
自己犠牲というのは、嫌々の利他です。「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」といった気持ちで行う利他があります。ガンジーなどの偉人は、利他だけではない。自分なんかどうなってもいい、といった利他の気持ちではなく、「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」といった気持ちを強く持っています。こうした気持ちを持つと、ドーパミンがたくさん出て幸せを感じられます。
一方で、繋がりと感謝の「ありがとう因子」の幸せというのは、セロトニンやオキシトシンという愛情ホルモンが出る幸せなんです。つまり、「やってみよう因子」「なんとかなる因子」「ありのままに因子」は強いドーパミンの幸せで、「ありがとう因子」は優しいセロトニン、オキシトシンの出る幸せであり、これが両方あると幸せなんです。
「ありがとう因子」だけだと、「みんなのためにやらなきゃいけないから大変」となります。強い幸せと優しい幸せの両方を持っている状態になってはじめて「よしやった、みんなで頑張ったおかげだ」「みんなのおかげだぞ、また次も頑張ろうな」といった幸せの状態になれるのです。
地球全体のウェルビーイングを考えていく
前野:最後のスライドです。「From personal well-being to planetary well-being」と書きました。ウェルビーイングとは、個人のウェルビーイングの問題ではなく、地球全体の生きとし生けるもののウェルビーイングを考えていくのが、これから必要になってくると私は思っています。
まずは自分の幸せからです。自分の幸せから他者の幸せを考えていくと、幸せはうつります。広がっていき、最終的に世界中のウェルビーイングに繋がると思います。そしてその動きは、日本からだと思っているんです。
日本はもともと和の国です、「Peace and Harmony」の国ですよ。それも大乗仏教では、「すべての生きとし生けるものが幸せでありますように」と願います。もちろんこれを信じている人もいない人もいるでしょうが、こうした思想が原点にある日本から、世界の幸せや平和を願っていこうではありませんか。
ご清聴どうもありがとうございました。
質疑応答1:幸せになるには何をすればいいのか?
飯田:先生どうもありがとうございました。ご講演の内容もそうですし、最後のメッセージも含めて、心に響くものがありました。チャットでも「共感した」といったコメントが多く寄せられています。
残りの時間は、視聴者からのコメントをピックアップしながら先生と議論していきます。
まず、幸せの4つの因子についてです。幸せになるための因子を教えていただきましたが、因子はわかっても、「自分はそういう状態になれない……」と苦しんでいる人もたくさんいらっしゃると思います。そういう人たちが幸せになっていくためには、どうすればいいでしょうか?
前野:セリグマン先生のPERMAでもいいですし、4つの因子でもいいと思いますが、いきなり「人生でこれを成し遂げよう」「やってみようを見つけよう」「ありがとうって世界中に感謝しよう」「すごいチャレンジをして、ありのままの個性を活かせ」とか言われると、荷が重いですよね。ですので、これをもうちょっと小さく考えてください。
「ちょっとワクワクする・楽しいことをやってみよう」「仕事のちょっとした改善をやってみよう」「自分でできる範囲のことを、ちょっとやってみよう」といったように。感謝も「ありがとう助かったよ」と、家族・同僚・上司・部下などに、ちょっとだけ感謝の言葉を伝えてみましょう。チャレンジに関しても、小さいことでも新しい改善や仕事とか、やるやらないで迷ったらちょっとだけやってみましょう。
「ありのままに」でも同じです。急に個性的な人になれと言われても難しいですが、いつもと違う服を着てみたり髪型を変えてみたり、いろんな方法があります。
やはり無理すると不幸せになります。「幸せになりたい」と思いすぎると、自分は今不幸だと思ってしまうので。私からのおすすめは、人生100年時代なので、100歳の時に完璧になっていればいい、まだまだ時間はあるから少しずつ階段を登っていこう。このようなマインドセットがいいと思いますね。
飯田:なるほど、ありがとうございます。一歩一歩ということですね。
質疑応答2:歳を取ると幸せよりイライラを感じないでしょうか?
飯田:途中「老年的超越」のお話がありました。一方で、脳科学的に前頭葉がだんだん退化していき、年を取ると怒りやすくなるといった話も耳にしたことがあります。
老年的超越の一方で、イライラするシニアの方も多いように体感的に感じてしまうのですが、前野先生のご見解はいかがですか?
前野:先ほどグラフで示したように、多数の人にアンケートして平均値をとると、50歳と80歳とでは80歳の人のほうが穏やかな人が多いんです。イライラしている人は、目立ちますよね。電車に乗っていても町内会の会合でも。そういう人を見ると、「高齢者はイライラしている」という感覚になるかもしれませんが、ばらつきがあるんです。
イライラしている状態というのは、不安がいっぱいで、自分に自信がなかったり悩みがあったり、社会に対して怒りがあったりといったように、前向きや楽観とは真逆の状態です。
皆さん自身がイライラした老人にならないためには、何をすればいいのでしょうか?答えは幸せの4つの因子や、PERMAを意識しながら生きることだと思います。
健康に気をつけるのと同じように、幸せにも気をつける。たとえば「笑顔でいる」「挨拶する」「やるか迷ったらやる」といったように。今日お伝えたしたことを少しずつやっていくと、イライラした高齢者ではなく、穏やかでニコニコしているおばあちゃんみたいになれると思います。そうなったほうが、幸せですよね。
飯田:そうですね。一歩ずつかもしれませんが、自分で作っていくといいますか。自分のウェルビーイングに自分で責任を持つというのが、大事なことのように思えます。
前野:健康は「身体のウェルビーイング」、幸せは「心のウェルビーイング」といえます。ジョギングや腕立てが続く人と続かない人がいますよね。幸せも「ちょっと感謝しよう」「ちょっとチャレンジしてみよう」「ちょっと自分らしさを磨いてみよう」といったアクションが、長続きする人としない人がいるんです。
でも、やはりジョギングはしたほうがいいですよね。そして、ジョギングしたほうがいいように、ちょっと感謝したり、ちょっと挨拶したりすることも、習慣化して伸ばしたほうがいいんです。人生100年と考えてみると、大きな差がつきます。将来、イライラしたおじいさんになるか、ニコニコしたおじいさんになるかは、皆さんの心がけ次第なんですよ。脅すわけではありませんが、楽しみながら少しずつチャレンジしていただきたいですね。
飯田:ありがとうございます。
質疑応答3:コントロールできない社会の変化に、どのように向き合えばいいのか?
飯田:資本主義からウェルビーイングの時代になっていくというポジティブな出来事やニュースが多い反面、たとえばロシアとウクライナの戦争問題であったり、少し不幸なニュースもこの数年間、世間を賑わしているような印象があります。
大きな歴史の流れを見たときに、今後はウェルビーイングの幸せの流れになっていくのか、あるいは不幸な時代に逆戻りするのではないかという恐怖感も、少なからず存在すると思います。それについてどう思われるでしょうか?また、コントロールできない社会の変化に対して、どのように向き合えばいいのでしょうか?
前野:現在は、「成長、成長」の時代から、ウェルビーイングの時代という大きな変曲点、変化点にいるわけです。変化点にいる時というのは、たとえば明治維新前夜や第二次対戦前夜などと一緒で、両極端の考え方が出てきます。
黒船に迎合するのか、反対するのかで戦争になりましたよね。ロシアも、ロシア帝国や中世に戻ろうと考える動きを見せ、トランプ大統領も「もっと保守的に昔に戻ろう」みたいな姿勢を見せています。一方で、それからトマ・ピケティやユヴァル・ノア・ハラリ、広井先生などのように新しい国を創ろうという思想も出てきています。
なぜかというと、今が変革期だからです。みんな恐いんです。恐いから過去に戻ろうとする人と、未来を創ろうという両方の考えが出てくる。カオスの時代とも言えるでしょう。
どうすればいいのかというと、「暗黒の時代になって、日本は周りの国から攻められる。しょうがないから軍国主義化するか」ではなく、現代のテクノロジーなどを使いながら「新しい時代にはどうすればいいか?」としっかり考えることが大切です。戦争や大恐慌、円の大暴落などに陥らないためにも、未来を考える人を増やしていく必要があると思います。
世の中は、大多数の考えに流れるものです。第3次世界対戦が、冗談ではなくありえる時代に来ています。そうならないためにも、日本は他の国との友好や、自分自身のウェルビーイング、世界のウェルビーイングを願う国になる必要があります。一人ひとりが行動を起こす必要のある、本当に重要な局面が今この瞬間だといえるでしょう。
飯田:たしかにそうですね。最後のスライドでのメッセージのように、「地球的な規模での幸せ」を実現していけば、領土を拡張したいとか、自分の国を「Great again」にしていこうというのは、ウェルビーイングとは真逆の発想だと整理できますね。
前野:そうですね。過去に戻る国と新しい時代を創ろうとする国、どちらが正しいのか。大きく歴史を見ると、揺れ戻しもあるかもしれません。50年ぐらい過去に戻るかもしれませんが、大きな流れは止められません。我々が不幸のうちに人生を閉じるのではなく、我々の生きている時代から良い未来・時代にすることが、子孫のためにも責務だと思っています。
質疑応答4:ウェルビーイングを測る指標は存在するのか?
飯田:ちなみに、資本主義にはお金というわかりやすい指標がありますが、ウェルビーイングの時代において、指標や測定する方法は存在しますか?それとも、ウェルビーイングは人々に心の中にあるものなので、可視化できないのでしょうか?
前野:私はまさに最新刊で「ウェルビーイング資本主義」と言っているのですが、要するにお金を中心に考える時代から、みんなのウェルビーイングを考える時代に入っていくと思います。
製品開発・サービス開発、あるいは人的資本経営なんかもそうですね。人という存在をどのように考え、形容するかということです。ウェルビーイングは、実はアンケートでも測れます。日立の矢野さんがやっているように加速度センサーで測るとか、バイタルデータ測定などでも測定可能です。
今はアンケートが一番精度が高い状態ですが、今後はAIなどを活用した計測によって、ウェルビーイングが本当の意味でのKPIになるべきですし、なっていくと思います。
飯田:ありがとうございます。早いもので、まもなくお時間です。最後に前野先生から視聴者の皆様へのメッセージを頂いて、本セッションを終了とします。
前野:本日はウェルビーイングについて色々話しました。セリグマン先生も話されていたように、様々なデータを見ると、ウェルビーイングを考えない理由がないんです。考えたほうがお得です。損か得かで考えるべきではありませんが、悩んで苦しんで喧嘩して、それで結局短命で終わるよりも、逆のほうがいいですよね。
今日ハッとした方は、これからウェルビーイングを学んだり実践したり計測したりして、みんながウェルビーイングである地球を、共に作り上げていこうではありませんか。ぜひ一緒にやりましょう。
飯田:ありがとうございます。この時間は慶應義塾大学から前野先生にお越しいただきまして、「ウェルビーイング時代への価値転換 〜私達はいかに生き、いかに働くべきか〜」
というテーマでディスカッションしてきました。前野先生どうもありがとうございました。
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