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メンター制度がいらないと言われる理由は?失敗例から読み解く成功のポイント

メンター制度_解説
この記事でわかること
  • メンター制度がいらないと言われる5つの理由
  • メンター制度の運用に役立つAIツール
  • メンター制度の導入を成功に導くポイント

従業員の早期離職防止やエンゲージメント向上に有効なメンター制度ですが、運用方法によっては期待する効果を得られない可能性があります。

メンターの役割や目的が曖昧なまま導入すると、制度が形骸化する恐れもあるため注意が必要です。

本記事では、メンター制度の見直しや新規導入に悩んでいる人事担当者に向けて、企業のよくある失敗例をもとに、メンター制度がいらないと言われる5つの理由を詳しく解説します。

結果として、自社に合った効果的な運用方法を見極め、従業員の定着率やモチベーションの向上につなげられるようになります。

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メンター制度とは|導入時に知りたい基礎知識

メンター制度_基礎知識

メンター制度は、新入社員や若手社員が職場に早く馴染み、スムーズに成長できるよう支援する制度です。

厚生労働省では以下のように定義しており、社員の早期離職防止やモチベーション向上といった役割を果たします。

メンター制度とは、豊富な知識と職業経験を有した社内の先輩社員(メンター)が、後輩社員(メンティ)に対して行う個別支援活動です。

引用:厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及 マニュアル」|1-2「メンター制度」とは、「ロールモデル」とは p3

メンターにあたる先輩社員は、日々の業務だけでなくキャリア形成や人間関係についても幅広く相談に乗り、メンティの成長や課題解決を支援します。

メンターとメンティの違い

メンター制度に欠かせない「メンター」と「メンティ」には、以下のように異なる役割があります。

立場特徴・役割
メンター・職場で一定の経験を持つ社員
・知識や経験をメンティに伝える役割を担う
メンティ・新人や若手社員
・メンターからフィードバックを受けて自分の仕事に活かしていく

メンターは経験豊富な社員が担当し、仕事関連だけでなく精神的な支援も行う役割があります。メンティが職場に順応できるよう、心理的な安心感を提供することが大切です。

一方、新入社員や若手社員にあたるメンティも、メンターの支援を自身の成長やキャリア設計に活かしていくことが求められます。

一般的に、メンターは直属の上司と異なり、業務上の指示や評価を行う立場ではありません。異なる職場の先輩社員がメンターを担当するケースが多く、利害関係が少ない立場からメンティの相談に乗ります。

メンターとメンティの信頼関係があるほど、メンティの主体的な成長を促すことが可能です。つまりメンターとメンティは、互いに信頼関係を築きながら、成長を目指すパートナーと言えます。

メンター制度の導入効果

メンター制度には、従業員の定着率向上や若手社員の早期育成といった導入効果が期待できます。

実際に厚生労働省の調査によると、以下のような導入効果が示されていました。

出典:厚生労働省|メンター制度導入・ロールモデル紹介・地域ネットワークへの参加マニュアル・事例集 メンター制度を導入する意義

導入効果として挙がった割合がもっとも多いのは「キャリアや仕事に関する不安や悩みの解消」で、次いで「モチベーション向上の支援」「知識・スキル獲得の支援」となっています。

メンター制度の導入効果は、メンティだけに表れるわけではありません。メンター側にとっても、自身の経験や知識を後輩社員に伝えることで、自らの業務理解を深めたりリーダーシップ力を高めたりする効果があります。

結果として組織全体の人材育成力が底上げされるため、メンター制度をうまく活用すれば、企業全体の成長に貢献することが可能です。

【失敗例】メンター制度がいらないと言われる5つの理由

メンター制度_いらない理由

多くの企業で導入が進むメンター制度ですが、必ずしもすべての職場で効果が生まれるわけではありません。

メンター制度の失敗例としては、主に以下5つが挙げられます。

本章では、よくある失敗例を通じてメンター制度がいらないと言われる理由を解説します。メンター制度を効果的に運用するためにも、事前に確認しておきましょう。

メンター制度と他の人材育成制度を混同している

メンター制度がうまく機能しない原因のひとつに、他の人材育成制度との混同が挙げられます。各制度の目的や役割を混同してしまうと、現場での運用が形骸化しやすくなるため注意が必要です。

メンター制度に似た制度としては、OJT制度やエルダー制度、コーチングなどがあり、それぞれ以下のような違いがあります。

※以下の表は右にスクロールできます

制度名導入目的支援の内容育成担当者
メンター制度・若手社員のキャリア形成や精神的サポートに重点を置いた制度
・仕事に対する不安や悩みを解消し、中長期的な成長を支援
・悩み相談
・キャリア相談
・会社生活における不安の解消
・上司や同僚以外の先輩社員が一般的
OJT制度・実務を通じて直接仕事を学ばせる教育方法
・若手社員(新入社員)のスキルや知識の早期習得が目的
・実務スキルの指導
・業務の進め方の習得
・直属の上司や先輩社員
エルダー制度(ブラザー・シスター制度)・業務や職場適応をサポートする制度
・職場のルールや人間関係への適応促進のほか、業務上の指導も行い、比較的短期間で新入社員を支援
・仕事の進め方や職場での立ち振る舞いのアドバイス・配属先の部署に所属する、年齢や入社年次の近い先輩社員(実務経験2~3年程度が多い)
コーチング・相手との対話を通じて自発的な気づきや成長を促す
・具体的な助言は行わず、本人が内面から答えを出すサポートを行う
・目標の明確化
・行動変容のサポート
・組織内外の専門コーチやトレーニングを受けた社員(上司や外部コーチの場合もある)


このように、各制度には導入目的や支援内容に大きな違いがあります。各制度をひとくくりにすると、効果的な運用はできません。結果として、メンター制度が「いらない」と考えられてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

ここからは、メンター制度と他の人材育成制度の違いについてさらに詳しく解説します。

メンター制度とOJT制度の違い

メンター制度とOJT制度は、どちらも人材育成を目的とした仕組みですが、役割やアプローチ方法に違いがあります。

OJT制度は、実務を通じて直接仕事を学ばせる教育方法です。直属の上司や先輩が具体的な業務指導を行い、即戦力として育てることに重きを置いています。

一方メンター制度は、業務スキルの指導ではなく、キャリア形成や精神的サポートに重点を置いた制度です。メンターは直属の上司でない場合が多く、評価と切り離された立場からメンティを支援します。

つまりOJTは実務能力の向上に特化し、メンター制度は長期的な成長や精神的な支援を重視する点に違いがあると覚えておきましょう。OJT制度とメンター制度は補完関係にあるため、適切に使い分けつつ人材育成を図ることが大切です。

OJT制度については以下の記事で詳しく解説しているので、メンター制度との棲み分けに迷っている方はぜひチェックしてみてください。

OJTとは?メリットや即戦力を育てる効果的な進め方を解説 OJTとは、新入社員に対し業務に必要なスキルを習得させる教育法です。即戦力となる人材を早期育成できるため、生産性の向上と社員のモチベー...

メンター制度とエルダー制度の違い

メンター制度とエルダー制度は、どちらも新入社員や若手社員のサポートを目的とした制度ですが、担当者や支援の範囲に違いがあります。

エルダー制度は、業務面での実務支援や社内ルールの説明など、比較的短期間での適応を支援する制度です。基本的に配属先の先輩社員がエルダーとして指導にあたり、業務に関する疑問や不安を解消します。

対してメンター制度では、業務以外の悩みやキャリアに関する相談、精神的なフォローを中心に支援が行われるのが特徴です。同部署以外の社員がメンターを担当するケースが多く、より中立的な立場から中長期的にサポートする役割を担います。

エルダー制度はOJT制度の一種なので実務面のサポートを重視しますが、メンター制度は心理面も含めて包括的に支援する点が大きな違いと言えます。

メンター制度とコーチングの違い

コーチングは、相手との対話や質問を通じて自己成長を促す人材育成手法です。自発的な気づきや行動変容を目的としており、コーチ自身は助言や指示をほとんど行いません。代わりに問いかけを通じて、本人が内面から答えを見出すサポートをします。

一方メンター制度では、先輩社員が直接的なアドバイスや助言を提供するのが特徴です。メンターが自身の経験にもとづいてアドバイスを行い、メンティの悩みや不安を軽減するという側面が強調されます。

メンター制度は「教える役割」、コーチングは「気づかせる役割」を担っているため、育成方針に応じて適切に使い分けるのがポイントです。

メンターとメンティの相性が悪い

メンターとメンティの相性が悪いと信頼関係を築けず、制度がうまく機能しません。とくにメンターの指導方法がメンティの性格や価値観に合わなければ、相談自体を避けてしまい、制度が形骸化するリスクが高まります。

実際にSHLタレントマネジメントソリューションの研究では、メンティは自身と同じコミュニケーションスタイルのメンターを好む傾向にあると示されていました。

メンター制度の利用経験がある「人間関係重視型」と「パワー型」のメンティは、同じコミュニケーションスタイルのメンターを選択する傾向にあります。

また「プロセス型」のメンティは、「人間関係重視型」のメンターを避け、統計的に「プロセス型」メンターを選択していることがわかりました。

参考:SHLタレントマネジメントソリューション|パーソナリティからみるメンターとメンティーの相性について

メンター制度を効果的に運用するには、メンターとメンティの相性をよく考慮し、適切にマッチングすることが大切です。定期的なフォローやマッチングの見直しを行えば、相性の問題が発生した場合にも柔軟に対応できます。

メンターとメンティの相性は、従業員の早期離職にも関係します。以下の記事では、社員の適性を踏まえた配属の決め方を解説しているので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

配属の決め方とは?社員の適性や部署との相性を見極めて早期離職を防ごう 配属先を決める際には、本人の適性と事業計画とのバランスを取りながら、慎重に検討する必要があります。 配属に失敗すると、社員のモチ...

メンターの役割や責任が明確でない

メンターの役割や責任が明確に定義されていないことも、制度が形骸化しやすい要因のひとつです。役割が曖昧なまま運用を始めてしまうと、メンター自身がどのような支援をすればよいのかわからず、メンティも期待するサポートを受けられなくなります。

メンターの役割は多岐にわたるため、事前に責任範囲を明確にしておくことが大切です。制度導入時に「どこまで支援するべきか」「どのように関わるべきか」を明確に定め、メンターに対してガイドラインを提供しましょう。

メンターの能力が不足している

メンターには業務上の経験や知識だけでなく、コミュニケーション力や傾聴力など多様なスキルが求められます。十分な能力が備わっていなければ、メンティの悩みや課題に適切に対応できず、成長支援が難しくなってしまうためです。

厚生労働省は、メンターに求められる態度を以下のように示しています。

メンターには、メンティのよき理解者として、話に耳を傾けることが求められます。メンティの相談に対して、受容・支持する態度を持つことが大切です。

参考:厚生労働省|メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル(p11)

たとえ優秀な社員であっても、必ずしも指導力や共感力に優れているとは限りません。適性がない社員をメンターに任命すると、メンターにもメンティにもストレスがかかり、制度そのものへの不信感が高まってしまいます。

メンター制度をうまく機能させるためにも、単なる経験や役職だけでなく、メンターとしての資質を重視して人選することが大切です。

メンターに選ばれる人の特徴

メンターにふさわしい人材には、以下のように共通する特徴があります。

メンターに選ばれる人の特徴理由
共感力が高いメンティの不安や悩みに寄り添うことで、信頼関係を築ける
指導経験がある経験に基づいた実践的なアドバイスを提供できるため、メンティの成長を促せる
傾聴力がある一方的に話すのではなく、相手の話に耳を傾けることで、適切な助言や支援を行える
責任感が強い役割を真摯に果たそうとする姿勢があることで、長期間にわたる支援関係を維持できる
フィードバックが適切にできるポジティブかつ建設的な意見を伝えることで、メンティの行動改善につながる
受容力があるメンティの意見や感情を否定せずに受け入れることで、安心して相談できる関係を築ける
対等な姿勢でコミュニケーションを取れる上下関係を強調せず、フラットな関係で接することで、メンティが本音を話しやすくなり、信頼関係の構築が進む
組織についてよく理解している社内制度や文化、キャリアパスを把握していることで、現実的かつ有益なアドバイスが可能になる

メンターは人格面での信頼感がより重視される傾向にあるため、必ずしも役職や年齢が上である必要はありません。若手社員の相談相手として自然に信頼を得ている人や、普段から他部署の後輩にも気を配れるような人は、メンターとしての素質があると言えます。

厚生労働省は、メンターの選定基準を例として以下のように定めています。

〈メンターの選定基準(例)〉

・高い能力と業務実績を有し、経験が豊富であること
・人材育成の重要性を理解し、育成に熱心であること
・仕事の優先順位がつけられ、時間管理ができていること
・人として信頼でき、誠実であること

引用:厚生労働省|メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル(p11)

メンター制度を導入するときは、このような選定基準や資質を参考に、適切な人材をメンターに選出するのがポイントです。

メンターの負担が大きすぎる

メンター制度の運用において、メンターの負担増加は大きな課題のひとつです。メンターは通常業務と並行してメンティの支援を行う必要があるので、時間的・心理的な負荷が蓄積しやすくなります。

HR総研のデータでは、メンターの負担増が原因で、メンター制度を廃止する企業が一定数いるとわかりました。

前年の調査では大企業の約7割がメンター制度を導入していましたが、今回の調査では54%という結果になりました。

「以前はメンター制度を導入していたが現在は導入していない」という企業も15%に上り、メンターの確保やメンターの負担増といった課題が導入・継続の妨げになっていることがわかっています。

参考:HR総研|人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査 結果報告

このような事態を防ぐには、メンターの業務負担を考慮した制度設計が欠かせません。具体的には、通常の業務量を調整したりメンターのサポート担当を配置したりと、メンターを支える仕組みを構築しましょう。

メンター制度の導入を成功に導くポイント

メンター制度_成功

メンター制度を形だけで終わらせないためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。

それぞれ詳しく解説するので、メンター制度を効果的に運用したい人事担当者はぜひチェックしてください。

また以下の資料では、メンター制度を設計するうえで重要なポイントを紹介しています。初めての制度導入で進め方に迷っている方は、ぜひダウンロードしてみてください。

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メンターとメンティを適切にマッチングする

メンターとメンティの適切なマッチングは、メンター制度の成否を左右する重要な要素です。単に年齢や経験だけでペアを組むのではなく、性格やコミュニケーションスタイルなど、多面的な観点からマッチングを行う必要があります。

いくら制度の内容が整っていても、メンターとメンティの相性が合わなければ、十分な効果を発揮できません。

以下の論文でも、「メンティが自分に合った支援を受けられるか」には相性が関わっていると示唆されています。

メンターとメンティ間における性格タイプの一致・不一致が、メンタリングの支援量に影響を与える可能性は低いと言えます。

しかし、メンティが秩序重視タイプの場合、性格タイプの一致が見られるほうがメンティの自己適応感は高くなることがわかりました。

秩序重視タイプはビジネスライクな人間関係を好み、柔軟性に欠ける特徴があるため、自分と似た性格のメンターのほうがコミュニケーションを取りやすいのではないかと考えられます。

メンタリングはメンターとメンティの関係に基づくため、お互いの性格特徴やコミュニケーションスタイルについて認識することが大切です。

人事側でも、メンティの性格に合わせてメンターを選定することで、運営を効果的に進められます。

参考:仁田光彦|企業内での公式メンタリングと若手の自己適応感との関係についての探索的研究

メンターとメンティの相性をはかるときは、事前に適性検査やキャリアアンケートを行うのがおすすめです。双方の希望や適性を考慮してペアを決定すれば、信頼関係を築きやすくなります。

マッチング後も定期的にフォローアップを行い、相性の問題が生じた場合は柔軟に組み合わせを見直すことも重要です。

メンター制度の導入目的を明確にする

メンター制度を効果的に機能させるためには、まず導入目的を明確にすることが大切です。目的が曖昧なままでは制度運用の方向性が定まらず、現場で活用されない恐れがあるため注意しましょう。

メンター制度の導入目的は以下のようにさまざまで、目的に応じてメンターの役割や支援内容も異なります。

〈メンター制度の導入目的(例)〉

  • メンティの早期戦力化
  • 中堅社員のキャリアアップ支援
  • 若手社員の早期離職防止・定着率向上
  • 女性社員の活躍推進
  • リーダー育成
  • 社内コミュニケーションの活性化

導入目的や期待される効果を関係者全員で共有しておけば、メンターやメンティの納得感や参画意識を高められます。

また、目的が明確に定まっていることで、制度の評価指標や成功基準を設定しやすくなり、成果を可視化することも可能です。

メンターのサポートを徹底する

制度を導入すると、メンターはメンティに多くの時間を割くことになるため、サポート体制の構築も欠かせません。

メンターの心理的なプレッシャーを軽減するには、まずメンター向けの研修やガイドラインを整備しておくことが大切です。基本的な心構えやコミュニケーションの取り方を共有しておけば、制度開始前の不安を取り除けます。

業務との両立を考慮し、スケジュールや業務量の調整を行うことも重要です。とくに業務量が多いとメンタリングに十分な時間を取れず、制度が形骸化してしまうリスクがあります。

加えて、困ったときに相談できる窓口を設置しておけば、メンターが安心して活動できます。

メンターに対するフィードバックや評価体制を整える

メンター制度を持続させるには、メンターに対するフィードバック体制を整えることも重要です。定期的にフィードバックを行えば、メンター自身の能力が向上し、メンティにもプラスの影響が期待できます。

具体的には、メンティとの面談頻度や成果報告を簡易的に提出してもらい、上司や人事がフォローアップしましょう。

また、メンターの努力や成果は、人事評価に反映させるのが理想です。制度運用に貢献したことを正当に評価すれば、メンターのモチベーション向上につながり、持続的な運用を実現できます。

人事評価の基準や方法について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

人事評価とは?目的・考え方・評価の方法を解説
人事評価とは?目的と評価基準、方法を理解して人材を管理・育成しよう人事評価は、人材の育成と管理を目的とした評価制度です。本記事では人事評価の概要と目的、評価基準とともに人事評価制度の適切な運用方法を解説しますので、人事担当者の方は参考にしてみてください。...

メンターの選定には『ミキワメ 適性検査』が有効

メンター制度の導入を成功させるには、適切なメンターを選定することが大切です。客観的かつ効率的に適任者を見極めたいなら、適性診断ツールの『ミキワメ 適性検査』を活用してみましょう。

『ミキワメ 適性検査』は性格診断に特化したツールで、客観的な視点から候補者の資質や適性を把握できるのが特徴です。採用のミスマッチや離職防止はもちろん、候補者の適正配属にも役立ちます。

従業員は何度でも利用可能で、共感力や傾聴力といったメンターに求められる資質を可視化できるのが魅力です。あらゆる要素を総合的に評価できるので、いままで感覚的に行われていたメンター選定も、データに基づいて合理的に進められます。

『ミキワメ 適性検査』を新卒社員の適正配属や社員の特性把握に役立てている事例として、株式会社フィッツコーポレーションの事例を紹介します。

株式会社フィッツコーポレーションでは、従来の適性検査を活用しきれず、採用業務の見直しが課題となっていました。

データの信頼性や活用方法に疑問を抱いていたところ、客観的なデータと面接による主観的評価で自社人材を見極められる『ミキワメ 適性検査』の存在を知り、導入を決めました。

導入後は、候補者が複数いる場合の選考サポートツールとして分析結果を活用し、採用の優先順位づけに役立てています。メンターや教育担当者とのマッチング測定にも活用しており、社員が馴染みやすい部署選びに貢献しました。

また、全社員に性格検査を受けてもらうことで、組織全体の傾向や多様性を把握できるようになったといいます。

結果として内定承諾率は60%から83%に向上し、今後は中途採用や社員のマネジメントへのデータ活用を視野に入れているそうです。

参考:株式会社フィッツコーポレーション様 導入事例|株式会社リーディングマーク

メンター制度の導入企業と成功事例3選|制度設計のポイントとは

メンター制度_成功事例

メンター制度は、企業の課題や目的に合わせて適切に運用することが大切です。制度設計や運用の方法に迷ったら、他社の成功事例を参考にしてみましょう。

本章では、メンター制度の導入企業と成功事例を以下3社紹介します。

どのようにメンター制度を活用しているのか、具体的な取り組み内容を交えて見ていきましょう。

また、以下の記事ではメンター制度の導入企業と成功事例を紹介しているので、ぜひご覧いただき、自社における導入イメージをつかむ参考にしてください。

メンター制度の成功事例を解説|導入効果を高める3つのポイントとは 【この記事でわかること】 メンター制度の成功事例 メンター制度のメリット・デメリット メンター制度の導入効果を高めるポイ...

株式会社髙島屋|目的別に3つのメンター制度を実施

企業が抱えていた課題・社内コミュニケーションの希薄化・若手人材の育成と中核人材の早期育成
・女性社員のキャリア形成支援、管理職登用の促進
取り組み内容・入社4年目の社員をメンティ、入社10年目前後の課長層をメンターとするペア制度を導入
・契約社員にもメンター制度を公募制で導入し、全従業員に育成機会を提供
・育児で短時間勤務をしている社員を対象に、ワークショップを開催
メンター制度の導入効果・メンティのキャリア形成意欲向上
・職場定着率の向上・女性社員のキャリア意識向上

※モバイルでは上の表を右にスクロールしてご覧ください

髙島屋では、ダイバーシティ経営の推進や女性活躍の強化を重要な経営課題と位置づけ、メンター制度を導入しました。

「入社4年目対象」「契約社員対象」「育児短時間勤務者対象」という3つのメンター制度を導入しており、目的に応じて異なる仕組みを採用しています。

入社4年目の社員を対象としたメンター制度では、異なる部門に所属する10年目の社員がメンターです。若手社員の最初の昇格に対する動機づけを目的としており、メンティのプロフィールシートを踏まえてメンターとのマッチングを行っています。

メンターにも、eラーニングでの研修やガイドラインの配布を行い、必要なサポートを徹底しているのが特徴です。

髙島屋では、新入社員ではなく4年目の社員にメンター制度を取り入れることで、応用力の習得と伸長を図っています。同時に若手社員と中堅社員のコミュニケーションの機会となり、組織全体の活性化にもつながっているそうです。

株式会社ティー・アイ・シー|キャリアコンサルタントの有資格者がメンター担当に

企業が抱えていた課題・女性社員のキャリア形成支援
・女性社員のロールモデルの不足
・若手社員の早期離職
取り組み内容・キャリアコンサルタント有資格者をメンターに任命し、定期的な面談やキャリア相談を実施
・女性社員限定のランチ会や座談会を通じ、情報共有を促進
メンター制度の導入効果・若手社員の離職率低下
・出産や育児を機に退職する女性社員の減少

※モバイルでは上の表を右にスクロールしてご覧ください

株式会社ティー・アイ・シーでは、女性社員のキャリア形成支援や職場定着率の向上を目的に、メンター制度を導入しました。入社1〜4年目の若手社員を対象としており、女性社員が働き続けられる環境整備に取り組んでいます。

同社のメンター制度では、キャリアコンサルタントの有資格者をメンターに任命しているのが特徴です。これによりメンティとなる社員は、専門的な知見を持つメンターから、キャリアや業務上の悩みに関するアドバイスを受けられるようになっています。

メンタリングの実施頻度は2〜3か月に1回で、女性社員限定のランチ会や座談会も定期的に開催しています。導入後は若手社員の離職率が低下したほか、出産を機に辞める女性社員も減少傾向にあるとのことです。

参考:厚生労働省|メンター制度導入・ロールモデル紹介・地域ネットワークへの参加マニュアル・事例集(p70)

株式会社共同テレビジョン|メンター制度で新入社員の早期離職を防止

企業が抱えていた課題・若手社員の早期離職
・長期的なキャリア形成支援の不足
・脆弱なサポート体制
取り組み内容・メンター制度では、年間スケジュールを作成し、メンターとメンティ間で成果や今後の方針を共有
・メンター向けの研修を実施
・メンター、メンティへのフォロー体制強化として各部署に人事室担当者を設置
メンター制度の導入効果・質問しやすい組織風土の醸成
・女性社員の活躍推進

※モバイルでは上の表を右にスクロールしてご覧ください

株式会社共同テレビジョンでは、若手社員の早期離職防止と成長促進を目的に、メンター制度を導入しています。同社では、かつて若手に仕事を教えるという風土がなく、入社1〜2年目の早期離職が大きな課題となっていました。

課題解決を目的にメンター制度を導入し、メンターとメンティの共通意識として年間スケジュールを作成しました。時期ごとに目標を定め、面談時に毎回スキルや評価の振り返りを行っています。

また、同社では各部署に人事室担当者を設けており、メンターやメンティのフォロー体制を強化しているのが特徴です。個別のケアが必要な社員には人事室が面談を行い、安心してメンター制度を進められる環境を整備しています。

参考:厚生労働省|メンター制度導入・ロールモデル紹介・地域ネットワークへの参加マニュアル・事例集(p60)

今回紹介した事例から、若手社員の離職対策には「メンター制度の導入」が効果的であるとわかります。

自社調査でも、若手の離職対策としてメンター制度を導入している企業の割合は57.5%という結果になりました。

以下の記事では、若手社員の離職対策に関するアンケート調査をまとめています。若手社員の離職理由についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【大企業が実践する若手の離職対策】効果があった離職対策!第1位は定期的な1on1面談の実施!若手が離職した意外な理由も明らかに 株式会社リーディングマーク(本社:東京都港区、代表取締役社長:飯田 悠司)は、大企業(1,000名以上)の人事担当者303名を対象に、...

AIツールを活用し、メンター制度を効果的に運用しよう

メンター制度は、新入社員や若手社員の不安を軽減し、キャリア形成を支援する人材育成手法のひとつです。従業員の定着率向上やモチベーション向上といったメリットを期待できますが、効果を最大化するには明確な目的設定や適切なメンター選定が欠かせません。

メンターの選定に迷っている場合は、AIによる適性検査ツール(※参考)を利用するのもひとつの方法です。指導力や共感力など必要な資質を客観的に可視化できるため、メンターに適した人材を選出しやすくなります。

本記事で解説した失敗例や成功のポイントを参考に、まずはメンター制度の導入目的や設計を見直すところから始めてみましょう。

ABOUT ME
佐藤 透
ミキワメラボの編集者・コンテンツマーケティングを担当。大学卒業後、複数のIT企業で勤務。HR領域や新しい働き方のトレンドに興味を持ち、2022年からリーディングマークに従事。

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