OJTの具体例7選！成功事例から学ぶ効果的な実施のポイント

OJT（On-the-Job Training）は、新入社員や若手社員のスキル向上を目的に、多くの企業で活用されています。しかし「具体的にどのように進めれば効果的なのか」「成功事例から何を学べるのか」といった疑問や悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

本記事では、トヨタ自動車やスターバックスなど有名企業の成功事例を交えながら、OJTの実施方法やポイントを詳しく解説します。OJTを効果的に活用するためのヒントを得られる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

OJTの具体例7選｜企業の成功事例から学ぶ学ぶ効果的な実施のポイント

以下は、OJTによる人材育成に成功している企業です。

各社の成功事例を詳しく解説します。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は、以下のOJTを通じて人材育成に取り組んでいます。

OJTの例	OJTの詳細
業務を通じた教育	新入社員が実際の業務に従事しながら、上司や先輩から直接指導を受ける形式を取っています。これにより、理論だけではなく実践的なスキルを身につけることが可能です。
メンター制度	新入社員にはメンターが割り当てられ、定期的にフィードバックを受けることで、成長を促進します。メンターは、業務の進捗を確認し、必要なサポートを提供します。
定期的な評価とフィードバック	OJTの過程で定期的に評価が行われ、社員の成長を可視化します。これにより、どの部分が強化されるべきかを明確にし、次のステップへ進むための指針を提供します。

OJTの成功事例として代表的なのが、トヨタの「めんどう見」です。「ほめる」「しかる」「見守る」の3つのアプローチを用いて、部下とのコミュニケーションを図ります。

この方法により、部下のモチベーションを高め、業務の効率を向上させることに成功しています。

スターバックス コーヒー ジャパン

スターバックス コーヒー ジャパンは、全スタッフに対して80時間におよぶOJTプログラムを実施しています。 このプログラムは、新入社員だけではなく経験者にも適用され、座学と実践を組み合わせた包括的な内容です。

OJTの例	OJTの詳細
企業理念とミッションの理解	OJTでは、企業理念やミッション、歴史を深く学び、「Third Place」の概念や顧客体験の重要性について理解を深めます。
パーソナライズされた接客の習得	「お客様のための接客」に重点を置き、顧客一人ひとりに合わせたサービスの提供方法や、細かな接客マナー、商品知識の習得に力を入れています。

徹底的なOJTプログラムにより、スターバックスは高品質な顧客サービスの提供を実現し、顧客満足度の向上やブランドロイヤリティの強化につなげています。

また、従業員の高いモチベーション維持にも成功しており、企業文化の形成や組織開発にも寄与しています。 

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は、OJTを通じて効果的な人材育成を行っています。メンター制度を導入し、経験豊富な社員が新人をサポートする体制を整えている点が特徴です。

OJTの例	OJTの詳細
経営人材・経営管理人材育成プログラム	アビームコンサルティングと協働し、次代を担う経営人材・経営管理人材の育成プログラムを開発しました。 このプログラムでは、業務分析を通じて抽出した現場ノウハウを組織的に伝承し、実践的なスキルを体系的に学ぶことが可能です。 事業投資の拡大に伴う人材不足の解消と、投資先のリスク管理や収益確保を担う人材の早期育成を実現しています。
農園合宿研修	新入社員を対象に、滋賀県で農園合宿研修を実施しています。 農園や牧場など第一次産業の現場での作業や琵琶湖の清掃活動を通じて、生産者の気持ちやプロ意識を理解し、製品の流通を担う商社としての責任感や誠実さを育むことを目的としています。

これらの取り組みにより、伊藤忠商事は社員の成長を促進し、組織全体の発展に寄与しています。

キヤノンITソリューションズ株式会社

キヤノンITソリューションズ株式会社は、OJTを活用して技術者の育成を行っています。実際のプロジェクトに新人社員を参加させ、即戦力となる人材を育成している点が特徴です。

また、OJT期間中に2回のフォローアップ研修を実施し、仕事への取り組み方や習得度を確認することで、OJTの失敗リスクを軽減しています。​

OJTの例	OJTの詳細
プロジェクト参加型OJT	新人社員を実際のプロジェクトに参加させ、現場での経験を通じて技術力を高めます。これにより、理論と実践を融合させ、即戦力としての成長を促進します。
フォローアップ研修	OJT期間中に2回のフォローアップ研修を実施し、仕事への取り組み方や習得度を確認します。これにより、OJTの効果を最大化し、失敗を未然に防ぎます。

これらの取り組みにより、キヤノンITソリューションズは効果的な人材育成を実現し、組織全体の技術力向上に寄与しています。

大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、OJTを通じて社員の育成を積極的に行っています。具体的な取り組みとして、以下の制度を導入しています。

OJTの例	OJTの詳細
OJTエルダー制度	新入社員に対して「OJTエルダー」を任命し、職場での指導・育成を推進します。OJTエルダーは新入社員の状況を把握し、部門内外の先輩社員と連携しながら、実務だけではなく人間力の成長も支援します。 また、入社1〜3年目の若年社員は、2週間に一度OJTエルダーと1対1のミーティングを行い、相互理解を深めています。
人財育成ポリシーとエコシステムの構築	「人財育成ポリシー」と「人財育成のエコシステム」を策定し、人的資本経営の基盤を整えました。これにより、社員一人ひとりが常に学び、夢を追求し続ける環境を提供しています。

これらの取り組みにより、大和ハウス工業は社員の業務理解を深め、即戦力としての成長を促進しています。

マルハニチロ株式会社

マルハニチロ株式会社は、OJTを活用して実務に直結した教育を行い、新入社員の成長を促進しています。

OJTの例	OJTの詳細
OJTリーダー制度	入社1年間、新入社員一人ひとりに対し、先輩社員がOJTリーダーとして業務指導や目標設定、日々の悩み相談などをサポートします。これにより、新入社員が一人前の社会人として成長する手助けが可能です。 また、職場全体で新人を育てる意識を大切にしています。
3年間のOJT教育	新入社員に対し、入社後3年間、年間スケジュールに基づいたOJT教育を実施しています。 この教育内容には、業務に必要なスキルの習得にとどまらず、ビジネスパーソンとしての基礎力や人間力の向上も含まれています。

これらの取り組みにより、マルハニチロは新入社員の早期戦力化を実現しています。

アサヒ飲料株式会社

アサヒ飲料株式会社は、OJTを通じて社員のスキル向上を図っています。チームでの協力を重視し、実践的な学びを提供している点が特徴です。

OJTの例	OJTの詳細
動画マニュアルの活用	動画マニュアルツール「tebiki」を活用し、熟練者の暗黙知を形式知化しています。これにより、OJTや手順書作成にかかる工数を大幅に削減し、教育の質の均一化を実現しました。 また、動画を通じて視覚的に作業手順を共有することで、チーム全体の理解度を高め、協力体制を強化しています。​
教育担当者の育成	OJTの効果を高めるため、教育担当者の指導力向上にも注力しています。具体的には、教育手法の研修や指導スキルの向上を図るプログラムを実施し、担当者間での情報共有を促進しています。 これにより、教育の質を高め、新入社員の早期戦力化に成功しています。

これらの取り組みにより、アサヒ飲料は社員のスキル向上とチームワークの強化を実現しています。

OJTによる人材育成に成功している企業の特徴

OJTによる人材育成に成功している企業の特徴は以下の3つです。

• 明確な目標設定がある
• 経験豊富な指導者がいる
• 定期的な評価とフィードバックをしている

それぞれ詳しく解説します。

明確な目標設定がある

OJTによる人材育成に成功している企業に共通しているのが、目標設定を明確にしていることです。各従業員に対して具体的なスキルや知識の習得目標を設定し、それに基づいて教育プログラムを構築しています。

例えば、ある大手製造業では、新入社員に対して入社後3ヶ月、6ヶ月、1年後の目標を明確に定めています。目標には、業務に必要な専門知識の習得や、安全管理に関する理解度の向上などが含まれます。

明確な目標設定により、新入社員は自身の成長の道筋を理解し、モチベーションを高く保つことが可能です。

OJTによる人材育成を成功させるためには、目標設定に力を入れ、従業員の成長をサポートすることが不可欠といえるでしょう。

経験豊富な指導者がいる

OJTリーダー制度やOJTエルダー制度など、企業の成功事例から見ても経験豊富な指導者の存在は、OJTによる人材育成の成功に欠かせない要素です。

優れた指導者は、以下のような特徴をもっています。

優れた指導者のもとで行われるOJTは、従業員が実践的なスキルを身につけ、自信をもって業務に取り組める環境を提供します。

定期的な評価とフィードバックをしている

定期的な評価とフィードバックを実施することも、OJTによる人材育成に欠かせません。

OJTの効果を最大限に引き出すために、企業は従業員の成長と進捗状況を定期的にモニタリングし、適切なタイミングで指導やアドバイスを行う必要があります。

定期的な評価とフィードバックを行うプロセスには、以下のようなメリットがあります。

例えば、ある大手製造業企業では、OJT期間中の従業員に対して月1回の面談を実施しています。面談では、上司が部下の業務遂行状況を確認し、良い点や改善すべき点についてフィードバックを行います。

また、部下の悩みや不安にも耳を傾け、適切なアドバイスを提供しています。これにより、従業員は自分の成長を実感しながらOJTに取り組むことができ、高い効果を上げられるのです。

従業員一人ひとりの成長に寄り添い、きめ細やかなサポートを提供することで、優秀な人材の育成と組織力の強化を実現できます。

効果的なOJTを実施するにはトレーナー選定が重要

OJTを進めるうえでは、相性の良いトレーナーを選定することが重要です。トレーナーとトレーニーの相性が悪ければ、思うように成長できないほか、モチベーションや生産性の低下にもつながりかねません。

相性の良いトレーナーを選定する際に役立つのが、社内の適性検査です。例えば「ミキワメ適性検査」では、社員一人ひとりの適性を検査し、トレーナーを選定する際に役立つ情報が手に入ります。

ミキワメ適性検査の詳細については、以下からお問い合わせください。

自社にあったOJTを取り入れよう

今回はOJTの具体例や、OJTで成功している企業の特徴を紹介しました。OJTは企業の人材育成を進めるうえでとても重要な施策です。企業事例を参考に、ぜひ自社に合った方法でOJTを進めてみてはいかがでしょうか。

なお、OJTについては以下の記事でも詳しくまとめています。あわせてご一読ください。

OJTとは？メリットや即戦力を育てる効果的な進め方を解説 OJTとは、新入社員に対し業務に必要なスキルを習得させる教育法です。即戦力となる人材を早期育成できるため、生産性の向上と社員のモチベー...

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