用語集

シンギュラリティとは?何が起こるのか、2045年問題について解説!

昨今、AIや科学技術の進化には目を見張るものがあります。
その際、このままAIなどの進化が続くと世の中がどうなるのか、疑問に思ったことはないでしょうか。

現在の調子でAIの進化が続くと、あるタイミングで飛躍的にAIや科学技術が進化することが予想されています。
そのタイミングのことを「シンギュラリティ」と呼びます。

当記事ではシンギュラリティについて、言葉の意味やいつ起こるのか、そしてシンギュラリティにより世界はどう変わるのかを徹底解説しました。
科学技術の進化に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは?

シンギュラリティは、日本語で「技術的特異点」を意味します。
現在、AIは人間主導のもと進化しています。しかし、AIが一定以上の知能を身につけると、今度は技術開発自体をAI自身で行えるようになり、人間の叡智の及ばないところで一気に科学技術が進化していくと言われています。

AIが人類を超える知能を身につけ、私達の生活が大きく変わる転換期のことを、シンギュラリティと呼びます。

参考:シンギュラリティとは

そもそも特異点とは?

そもそも特異点とは何か?という疑問を抱いた方もいらっしゃるでしょう。
特異点という言葉は、これまで数学や物理学などで用いられる言葉でした

数学の特異点はかなり広い意味を持つ言葉で、曲線や平面、関数などが一般的な部分と比較して、異常な形態や値を示す部分を特異点と呼びます。
物理学では、光が脱出できない程の重力を持つブラックホールには、時空的な特異点があると考えられているのです。

数学的・物理学的な特異点と同様に、AIに技術革新が起こることで、これまでとは全く異なるAIや科学技術の進化が訪れることを、技術的特異点(シンギュラリティ)と定義しています。

参考:人工知能とは – コトバンク
参考:特異点とは – コトバンク

レイカーツワイルの「2045年問題」とは?

シンギュラリティは、AI研究者のレイカーツワイルによって提唱された言葉で、2045年に起こる問題(2045年問題)と予想されています。

ここからは、レイカーツワイルと2045年問題についてまとめました。

レイカーツワイルとは?

レイカーツワイルとは、アメリカのAI研究者であり、未来学者です。
マサチューセッツ工科大学在学中に起業し、さまざまな技術を開発・発表してきました。

現在ではGoogleにて、メールの自動返信システムの開発に携わっています。
この自動返信システムは、文章を人間並みに理解し、作文をするAIを作り出すことが目的です。

人間の言語を流暢に話すAIが完成すれば、世の中のさまざまな職業が不要になる可能性があるといえるでしょう
上記システム・AIは、シンギュラリティにも大きな貢献をする可能性があります。

参考:レイ・カーツワイルとは?生い立ちから研究内容まで紹介 | AI専門ニュースメディア AINOW

2045年問題とは?

 
レイカーツワイルは、現在の技術進化が続けば、2045年にシンギュラリティに到達すると主張しています。

2045年にはコンピューターの性能が人間の脳を上回り、コンピューターが作る未来を人間が予測できなくなるという説です。
2045年問題については、さまざまな意見があり、もっと早くシンギュラリティに到達するという意見や、シンギュラリティに到達するにはもっと時間がかかる、という意見もあります。

さらにいえば、シンギュラリティはやってこないという意見もあり、実際にシンギュラリティが実現するかどうかは、意見の分かれるところです。

参考:2045年問題とは – コトバンク

シンギュラリティによって何が起こり、世界はどう変わる?

シンギュラリティによって何が起こり、世界がどう変わるのかをまとめました。

少なくとも、次の6点の変化が起こりうることが予想されます。

  • 人間の働き方が変化する
  • ベーシックインカムが導入される
  • 脳や臓器を人工物で補えるようになる
  • 物価が極端に下がる
  • ストレスの少ない社会になる
  • 科学技術が急速かつ無限に発展する

それぞれ詳しくみていきましょう。

人間の働き方が変化する

まず、シンギュラリティに到達したら、人間の働き方が根本的に変わる可能性があります。
というのも、AIをはじめとした科学技術の革新により、人間の仕事の多くが不要になるからです。

たとえば、

  • レジ打ち
  • タクシー運転手
  • 薬剤師

などは、AIの進化により仕事が激減すると言われています。

すでにセルフレジの普及や、自動運転技術の開発は進んでおり、一部の業界では徐々にマンパワーからAIへと業務実施者をシフトしている動きも見られます。

薬剤師のような高度な知識が必要な職業でも、データベースの強化や、ロボットによる調剤技術の進化、さらには処方箋が正しいかどうかを判断する技術などが発達すれば、職を奪われる可能性もゼロではありません。

将来的には、より広範囲な職業に対してAIが介入してくると予想されているため、AIと共生する働き方が当たり前となっていく可能性もあるでしょう。

ベーシックインカムが導入される

人間の働き方の変化が起こることで、ベーシックインカムという社会制度を導入する可能性が高まると言われています
ベーシックインカムとは、毎月定額を国民に給付する仕組みで、働かずとも最低限の生活を国が保障するというものです。

シンギュラリティの到達により、人間の生産効率をはるかに上回る生産が可能になる社会では、人が働く必要性が極限まで低下します。
そのため、生きるために働くという概念が崩壊し、自己実現や夢、野心などポジティブな意図で仕事を選ぶ世の中が到来する可能性があるのです。

シンギュラリティで人間がAIに職を奪われるのはマイナス面なことかもしれませんが、ベーシックインカム制度が充実していけば、仕事に費やしていた時間を有効活用し、人生を充実させたいと考える人も出てくるでしょう。

脳や臓器を人工物で補えるようになる

脳や臓器を人工物で補える未来も、シンギュラリティによって不可能ではなくなります
AIによる人工臓器の研究が進めば、がんや慢性腎炎などで臓器が機能しなくなった場合でも、人工臓器で補えるようになるでしょう。

最終的に脳も人工物で代替できるようになれば、人間の寿命は果てしなく延び、不死の時代が到来する可能性すらあります。

もちろん、現在の技術では夢物語といえますが、シンギュラリティに到達すれば、私たちの想像をはるかに上回る技術が生まれる可能性が高いため、2045年以降は人間の寿命が一気に延びることも考えられるのです。

物価が極端に下がる

物価の低下もシンギュラリティによって起こりえます。
現在、商品を作るためには、原材料の調達・製品開発・輸送などのコストがかかってきます。

しかし、シンギュラリティに到達し、商品作成までの作業が完全自動化されれば、コストは極限まで抑えられ、物価が極端に低くなる可能性もあります
ベーシックインカム制度と併せて考えると、生活コストは極端に低くなり、生きることへの負担がほとんど無くなる未来も不可能ではありません。

シンギュラリティにより世界の貧困問題も解決できる可能性を考えると、シンギュラリティは人類の希望ともいえるでしょう。

参考:シンギュラリティとは?技術特異点による私たちへの影響を解説 | AI専門ニュースメディア AINOW

ストレスの少ない社会になる

また、シンギュラリティがもたらす完全自動化社会やAIの普及により、人間のストレスを極限まで低下させることも可能になるでしょう

掃除や料理などが自動化され、人間がする必要がなくなれば、人間は自分のしたいことだけをすれば良くなります。
交通についても、AIや交通機関の発達により渋滞が無くなる未来もありえます。このようにAIが飛躍的進歩を遂げれば、私達が今ストレスに感じていることが、未来の世界では存在しない可能性もあるのです。 その結果、エンタメ、娯楽に割く時間が増え、人々が幸福に生活できる未来が来るかもしれません。

科学技術が急速かつ無限に発展する

シンギュラリティによって想定される可能性として最も大きいのは、科学技術の急速かつ無限の発展です。

無限の技術革新は、人間にとって幸と出るか不幸と出るかはまだわかりません。
AIやロボットの過剰進化によって人間との戦争が起こる、などといった映画や漫画のテーマも、遠くない未来で現実味を帯びてくる可能性もあるでしょう。

AIと人間の関係性がシンギュラリティによりどうなるのかは、まだ不明点ばかりなので、楽しみでもあり、不安でもあるところです。

シンギュラリティは実現するのか?

シンギュラリティが実現するのか、といった疑問にもお答えしていきます。
結論から申し上げると、現在の状態では「実現する」という意見と「実現しない」という意見が混在している状況です

それぞれの意見について解説していきます。

シンギュラリティが起こると考えられる理由

まずはシンギュラリティが起こると考えられる理由について解説していきます。

シンギュラリティの実現可能性を強める根拠としては、現在すでにシンギュラリティが起きている事実があるというものです

たとえば、囲碁や将棋の世界では、トッププロでもAIには勝てない状況となっています。
人間が思いつく手を超える手をすでにAIが使用できるという意味では、一部シンギュラリティに到達しているとも考えられるでしょう。

また、ゲームに関してだけでなく、医療分野などでもAIは人間より勝る結果を出す場合があります。
例を挙げると、がんの診断における画像解析では、AIが医師より正確な判断を下せるという結果も出ているのです。

科学実験でも、ロボットと人間が同じ実験をした場合、ロボットの方が正確かつ詳細な結果を出せるという事例もあります。

このように、すでにシンギュラリティに到達していると思われる分野が出てきているため、この調子で進化が続けば、いつか完全にAIが人間を超える時が来ると主張する人が多いのです。

シンギュラリティが起こらないと考えられる理由

一方、シンギュラリティが起こらないと考える人も存在します。

ゲームなどに使われるAIは、あくまで特化型AIと呼ばれるディープラーニングによる特定分野にのみ活用できるAIです
すでにある事例を読み込ませ、膨大なデータの中から最適な一手を選んでいるだけに過ぎない、という意見があります。

人間の脳のように柔軟に物事を思考し、新たなものを生み出すことは不可能だと考える人も少なくありません。

参考:シンギュラリティとは?技術特異点による私たちへの影響を解説 | AI専門ニュースメディア AINOW

シンギュラリティに対して私たちができることは?

ここまでシンギュラリティについて説明してきましたが、シンギュラリティが起きたとき、人間がどのように対応していけばいいのか、気になりますよね。

シンギュラリティが起こることで、

  • 人間の労働の価値観が変わる
  • 社会制度が変わる

といった事柄が、私たちにとって一番身近な変化といえるでしょう。

私たちが行なっている仕事は、AIやロボットに取って代わられる可能性があります。
ただ、それに伴い社会制度が充実されていく可能性も高いため、働かずとも生活ができる未来もありえるでしょう。

つまり、人間の労働が「生きるため」ではなく「自己実現のため」に変わる可能性があるということです

たとえば、お金にならない分野で挫折する人は、今の世の中では珍しくありません。。
しかし、シンギュラリティ後の世界では、生きるには苦労しないため、自分のやりたいことを自由に謳歌できるという時代が来る可能性があります。
そうなると、生産活動はAIに任せ、人間はより自分の願望や希望を満たすことに集中できるようになるでしょう。

シンギュラリティによって職を奪われることはネガティブなことですが、ポジティブな面も同時に存在することを覚えておきましょう。

参考:シンギュラリティ(技術的特異点)とは|研究者の主張・AIによる仕事の変化 | Ledge.ai

まとめ:シンギュラリティは可能性の段階

シンギュラリティは日本語で「技術的特異点」と訳されます。
人間の知能や技術をAIが上回ることにより、人間が想像もつかない進化を遂げるようになるタイミングを意味する言葉です

シンギュラリティが起これば、世界は大きく変わるでしょう。
労働の価値観や社会制度、物価などが今の基準と劇的に変わる可能性があります。

ただし、シンギュラリティは起こるかどうかは、現状ではまだわかりません。
2045年にシンギュラリティに到達すると言われていますが、シンギュラリティ自体が起こらないと主張する人たちも少なくありません。

今後もシンギュラリティに関するニュースや報道から、目を離せません。

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