AIの導入やDXが加速するなかで、エンジニアを取り巻く環境は大きく変化しています。たとえば、データを活用した予測や問題の早期発見など、これまで以上に高度な技術力が求められるようになっています。
その一方で、エンジニアの半数近くは「自分の技術がいつまで通用するのか」といったキャリアへの不安を抱えているのも事実です。
参考:未来人材ビジョン(P39)|経済産業省
だからこそ、1on1を通じて社員の不安や悩みを聞き、成長を後押しする必要があります。
本記事では、1on1で沈黙してしまう原因や、本質的な対話ができる「7つのテーマ」を紹介します。
- エンジニアが1on1で「話すことがない」と感じてしまう原因
- 1on1を形骸化させないための準備方法・話すべきテーマ
- 部下の本音を引き出す質問のコツ・進め方
この記事を読むことで、1on1で話すべきテーマが明確になり、エンジニアの成長・成果を最大化する対話ができるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
1on1でエンジニアが「話すことがない」と感じる3つの原因

1on1で話題に悩んでしまう背景には、事前の準備不足だけでなく、運用面の課題もあります。主な原因として、以下の3点が挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1on1を進捗報告の場だと勘違いしている
エンジニアの部下が「話すことがない」と感じるのは、1on1の目的が正しく共有されていないためです。その結果、普段のミーティングと同じ「進捗報告の場」だと勘違いしてしまいます。
本来の1on1は、対話を通じて部下の思考を促し、「次にとるべき行動」を決める時間です。しかしその意図が正確に伝わっていないと、部下は定例ミーティングの延長だと捉えてしまいます。
たとえば、すでに朝会や週次ミーティングで進捗報告しているケースです。部下は「また同じ話をするのか」「とくに話すことがない」と感じてしまい、表面的な会話で終わる可能性があります。
1on1で本来扱うべきテーマは、仕事の悩みや開発プロセスの改善点、将来のキャリアなどについてです。まずは、1on1の目的や進め方を明確にし、普段のミーティングとの違いを説明することが大切です。
以下の記事では、1on1と面談の違いを5つの視点で詳しく解説しています。運用に困っている人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。
マネージャーとの信頼関係が築けていない
マネージャーと部下の信頼関係が十分に構築されていないと、1on1を実施しても表面的なやり取りで終わってしまう場合があります。
たとえば、配属されたばかりの新入社員や、人事異動で初めての職場に配属された社員は、マネージャーがどこまで支援してくれるのかを判断できていません。
そのため、困りごとや不安があっても、様子を伺うような姿勢をとります。
また、過去に相談した内容が成果につながらなかった場合には、1on1を実施しても部下は「話しても状況は変わらない」と感じやすくなります。その結果、普段のミーティングと同じような話題になり、部下の本音を引き出せません。
信頼関係が築けていない段階では、上司が「どのような話でも相談に乗る」という姿勢を示し、安心して話せる関係性を作ることが重要です。
なお、部下に「1on1をやめてほしい」と言われる原因と対策については、以下の記事で詳しく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
自分のキャリアプランを言語化できていない
エンジニアの部下が日々の業務に追われ、自分のキャリアプランを言語化できていないことが、「話すことがない」と感じる原因になる場合があります。
マネージャーから将来について質問されても、具体的に「どうなりたいか」を整理できていないと言葉に詰まってしまいます。自分の考えがまとまらない状態では、話題を広げることもできません。
とくにエンジニアは、プログラムの開発やトラブル対応などの業務が忙しく、中長期的なキャリアを考える機会が少ない場合があります。
「この技術を極めたい」「マネジメントに挑戦したい」といった思いがあっても、その理由や方向性が曖昧なままです。
まずは、現在の状態を言語化できるように、「やりがいを感じている業務」や「負担に感じていること」などの質問から始めてみましょう。
1on1は部下との「つながり」を強化する時間

これまで見てきたように、1on1で話すテーマに悩む背景には、部下側の姿勢だけでなく、1on1の位置づけや上司・部下の関係性にも課題が潜んでいることもあります。
そのため、普段のミーティングと同じような運用をしても「質の高い対話」は生まれません。重要なのは、1on1を「部下とのつながりを強化する時間」として位置づけることです。
具体的には、エンジニア特有の悩みや迷いに対し、マネージャーがよき理解者として伴走することで、以下のような本音を話せる関係性を築けます。
【理想的な関係性】
- 設計方針やシステム実装について、抱えている不安を共有できる
- 開発プロセスの課題や、具体的な改善点を話せる
- 業務量やタスク配分に対して、適切かどうかを率直に確認できる
このような関係性が築けると、部下は不安や悩みを抱え込まなくなり、問題が深刻化する前に対処できます。
以下の記事では、社員の離職を防ぐ「1on1の進め方」を詳しく解説しています。よくある失敗例も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
エンジニアとの1on1で準備すべきこと

1on1を有意義な時間にするためには、目的の明確化やテーマ設定が必要です。事前に準備すべきこととして、以下の3点が挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1on1の目的や方向性を明確に定める
1on1を実施するときは、まず「何のために行うのか」「どのような時間にしたいのか」を明確にする必要があります。目的や方向性が曖昧なままだと、部下は何を話せばよいのかわからず、沈黙が生まれやすくなります。
事前に「業務上の悩みを整理する」「成長やキャリアについて考える」といった目的を定め、部下と認識のすり合わせをしておきましょう。具体例は、以下のとおりです。
| 目的 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 業務の振り返り | 最近のプロジェクトを振り返り、うまくいった点や改善したい点を整理する |
| キャリアプランの共有 | 今後伸ばしたいスキルや、中長期的なキャリアの方向性を考える |
| 心身のコンディション確認 | 業務量やストレス度合いを確認し、必要なサポートを検討する |
このように目的を言語化し「何を話す場なのか」を共有することで、沈黙の時間が減り、思いつきで話す場面も少なくなります。
事前にテーマ例を部下に共有する
1on1で話題に困らないように、事前にテーマ例を部下に共有しておくのも効果的です。「話したいことを考えておいて」と伝えるのではなく、以下のようなテーマと具体例を提示しておきましょう。
| テーマ | 具体例 |
|---|---|
| 技術・スキル | ・設計で迷っていること ・調査に時間がかかっている技術的な課題 |
| 業務プロセス | ・開発プロセスで非効率だと感じていること ・開発環境で改善できそうな部分 |
| チーム・人間関係 | ・他チームとの連携状況 ・職場の人間関係で感じていること |
事前にテーマ例を共有しておくことで、部下は業務に取り組みながら「次の1on1でこれを相談してみよう」という視点を持てるようになります。
また、マネージャー側も事前に話の方向性をイメージできるため、その場しのぎの質問が減り、部下の話を丁寧に聞くゆとりが生まれます。
実施頻度や時間を決め、スケジュールに反映する
1on1を形だけの施策にしないためには、あらかじめ実施頻度や時間を設定し、スケジュールに組み込んでおくことが重要です。
エンジニアの作業工程に支障が出ないよう、「週1回15分」や「隔週30分」など、無理のない頻度・時間を決めましょう。具体例を以下に示します。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 実施頻度 | 時間 | 運用シーン |
|---|---|---|
| 週1回 | 15分 | タスク量が多く、こまめに状況確認が必要なとき |
| 隔週 | 30分 | 技術的な相談や業務の振り返りをしたいとき |
| 月1回 | 45分 | 挑戦したい業務やキャリアの方向性など、中長期的なテーマをじっくり話したいとき |
| プロジェクトの節目 | 30〜45分 | 製品リリース後やフェーズ切り替え時の振り返り |
また、固定の予定としてスケジューリングすることで、繁忙期でも後回しにされにくく、1on1を継続しやすくなります。
以下の記事では、1on1の理想的な頻度や時間について詳しく解説しています。「自社に適した運用方法がわからない」と悩んでいる人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。
1on1のネタに困らない!エンジニアが話すべき7つのテーマ

エンジニアとの1on1では、技術的な関心事だけでなく、キャリアや人間関係も含めてテーマを選定しましょう。具体的な7つのテーマを紹介します。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| テーマ | 具体例 |
|---|---|
| 挑戦したい仕事・習得したいスキル | ・今後、システムの設計や保守・運用にどの程度関わっていきたいか ・次に習得したいプログラミング言語やフレームワークは何か ・関心のある技術領域は何か(クラウド、セキュリティ など) |
| 中長期的なキャリアプラン | ・技術を極めるエンジニアを目指したいか ・テックリードやマネジメントに関心があるか ・会社でどのように成長していきたいと考えているか |
| 期待されている役割 | ・チームで自分はどのような役割を期待されていると思うか ・現在担当している業務やその責任をどう感じているか ・期待されていることに対して、不安を感じている部分はあるか |
| 開発プロセスの改善提案 | ・開発プロセスで無駄だと感じている工程はあるか ・レビューやテストの進め方で改善したい点はあるか ・ツールや開発環境で不満を感じている部分はあるか |
| 人間関係・コミュニケーション | ・チーム内のコミュニケーションでやりにくいと感じる場面はあるか ・他チームとの連携で困っていることはあるか ・開発レビューの指摘内容について負担を感じていないか |
| 現在の業務量・心身のコンディション | ・現在の業務量は無理なく対応できていると感じるか ・スケジュールに余裕がなく、常に追われている感覚はないか ・精神的な負担を感じている業務や役割はあるか |
| 会社・事業の方向性 | ・現在の事業やプロダクトの方向性をどう理解しているか ・自分が関わっている業務が、事業に貢献していると感じるか ・今後、会社として注力していく領域をどう捉えているか |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、1on1のテーマについては、別の記事でも詳しく解説しています。目的別に質問例を紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
1:挑戦したい仕事・習得したいスキル
部下の「挑戦したい仕事」や「習得したいスキル」をテーマにすることで、関心のある領域や成長への意欲を把握できます。具体例は以下のとおりです。
【具体例】
- 今後、システムの設計や保守・運用にどの程度関わっていきたいか
- 現在の業務でスキル不足を感じていることはあるか
- 次に習得したいプログラミング言語やフレームワークは何か
- 関心のある技術領域は何か(クラウド、セキュリティ など)
- 新規システムの開発や企画に関わりたいか
- 業務外学習で挑戦してみたいことはあるか(資格取得、勉強会参加 など)
技術面に対する好奇心を満たすことは、エンジニアにとって日々のモチベーションを維持する大きな要因になります。対話を通じてスキルを業務に活かせると感じれば、学習意欲が高まり、結果として成果物の品質向上につながります。
また、チーム全体のスキルセットを底上げするためにも、以下のような部下が挑戦したい仕事をしっかりと受け止めましょう。
「フロントエンドだけでなく、インフラ構築にも携わってみたい」
「バックエンドの処理にも関わり、システム全体を理解できるようになりたい」
マネージャーはこれらの要望を聞き、現在の業務に結び付けられるかどうかを一緒に模索することが重要です。
2:中長期的なキャリアプラン
中長期的なキャリアプランは、将来に対する価値観や仕事の方向性を把握するためのテーマです。3年後や5年後に自分が「どのようなエンジニアになっていたいか」を考えることで、いま取り組むべきことが明確になります。
【具体例】
- 技術を極めるエンジニアを目指したいか
- テックリードやマネジメントに関心があるか
- 会社でどのように成長していきたいと考えているか
- キャリアを考えるうえで不安に感じていることはあるか
- 今後のキャリアに必要だと感じている経験やスキルは何か
また、キャリアの方向性は最初から明確にする必要はありません。以下のような、まだ整理しきれていない意見が出てくることもあります。
「技術を極めたい気持ちはあるが、どの役割が自分に向いているのかわからない」
「マネジメントに興味はあるが、具体的なイメージはまだ持てていない」
マネージャーは答えを急がせるのではなく、部下の考えを整理するサポート役に徹しましょう。現在の業務が将来にどう活かせるのかを、一緒に言語化していくことが大切です。
3:期待されている役割
チーム内での立ち位置や、求められている行動について、部下自身がどのように認識しているかを把握するテーマです。具体例は以下のとおりです。
【具体例】
- チームで自分はどのような役割を期待されていると思うか
- 現在担当している業務やその責任をどう感じているか
- 期待されていることに対して、不安を感じている部分はあるか
- 周囲から求められていることは何だと思うか
- 役割を果たすうえで、足りないと感じているスキルや経験は何か
役割に対するお互いの認識がズレていると、部下が力を入れているポイントと、マネージャーが評価しているポイントが一致しません。
対話を通じて、期待している役割を明確に伝えることで、部下は「いま何に注力すべきか」を理解できます。その結果、日々の行動に迷いが生まれにくくなり、主体的に行動するようになります。
4:開発プロセスの改善提案
開発プロセスの改善提案をテーマにすることで、エンジニアが日々の業務で感じている課題や違和感を把握できます。現場だからこそ見えている課題があるため、1on1はそれを言語化する貴重な機会です。
【具体例】
- 開発プロセスで無駄だと感じている工程はあるか
- レビューやテストの進め方で改善したい点はあるか
- ツールや開発環境で不満を感じている部分はあるか
- 仕様変更や情報共有のやり方に課題を感じていないか
- 過去のトラブルから見直したほうがよい工程はあるか
システム開発を行う工程で、「もっと効率的なやり方がある」と感じていても、提案の場がなければ口に出しにくいものです。1on1を通じて課題や改善点を聞くことで、部下は「自分の意見で現場が変わる」という実感を得られます。
また、マネージャーは単なる意見として扱うのではなく、すぐに実行できる改善策を一緒に考える姿勢が重要です。小さな改善を積み重ねることで、チーム全体の生産性向上につながります。
5:人間関係・コミュニケーション
人間関係やコミュニケーションをテーマにすることで、業務が円滑に進んでいない要因を把握できます。技術的な問題に見えて、実は「人との関わり方」が原因になっているケースも少なくありません。具体例は以下のとおりです。
【具体例】
- チーム内のコミュニケーションでやりにくいと感じる場面はあるか
- 他チームとの連携で困っていることはあるか
- 開発レビューの指摘について負担を感じていないか
- 意見を言いにくい雰囲気があるか
- 情報共有が不足していると感じることはあるか
とくにエンジニアは、プログラムの実装やトラブル対応を優先し、人間関係の問題を後回しにしてしまう場合があります。
ストレスやパフォーマンス低下にもつながるため、マネージャーは早い段階で変化に気づき、対話の場を設けることが重要です。
6:現在の業務量・心身のコンディション
現在の業務量や心身のコンディションをテーマにすることで、部下が無理をしていないか、精神的な負担を感じていないかを把握できます。体調の問題は口に出しにくい面もあるため、1on1だからこそ確認できる重要なテーマです。
【具体例】
- 現在の業務量は無理なく対応できていると感じるか
- 残業や緊急対応が続いていないか
- スケジュールに余裕がなく、常に追われている感覚はないか
- 睡眠や体調面で気になる変化はないか
- 精神的な負担を感じている業務や役割はあるか
エンジニアは、目の前のタスクを優先するあまり、自分のコンディションの変化に気づかない場合があります。とくに納期が迫っている状況では「踏ん張りどころ」と考え、無理をしている自覚を持ちにくくなります。
マネージャーは、定期的な1on1で部下の状態を確認し、業務量の調整やサポートを行うことが大切です。解決策を提案することで、部下は安定した状態で業務に向き合えるようになり、長期的な活躍や定着にもつながります。
7:会社・事業の方向性
会社や事業の方向性に関するテーマでは、エンジニアの部下が「自分の仕事をどのように捉えているか」を把握します。具体例は以下のとおりです。
【具体例】
- 現在の事業やプロダクトの方向性をどう理解しているか
- 自分が関わっている業務が、事業に貢献していると感じるか
- 今後、会社として注力していく領域をどう捉えているか
- 開発方針や優先順位について疑問を感じている点はあるか
- 会社の方向性に対して、期待や不安を感じていることはあるか
会社の方向性や事業については、開発や保守・運用などの業務との関係性が見えにくく、抽象的に感じられる場合があります。
1on1を通じて「なぜこのシステムを開発するのか」「この業務が会社にどう貢献しているのか」を言語化することで、自分の仕事に対する意義を感じられるようになります。
【部下向け】1on1で話したいテーマを見つける方法とは?

ここでは、部下の立場からテーマを見つけるための具体的な方法を紹介します。
1on1で何を話せばよいかわからない場合は、業務のなかで感じた何気ない課題や悩みを振り返ってみましょう。
【テーマを見つける方法】
それぞれ詳しく見ていきましょう。
日々の業務で感じたことをメモしておく
1on1で話すテーマを見つける方法として、日々の業務で感じたことをメモしておくことが有効です。
業務上の小さな悩みや気づきは、時間が経つほど忘れやすくなります。そのため、「少しモヤモヤした」「喜びを感じた」などの感情が残っているうちに書き留めておきましょう。
詳細に記録する必要はなく、以下のように箇条書きや短い文章で構いません。
- 仕様変更の理由がわからず判断に迷った
- レビュー待ちの時間が長くて、作業が止まってしまった
- このプロジェクトはうまくいったので、次も同じ進め方を試したい
- 他チームとのやり取りで、少し連携ミスが生じた
- 作業が想定より早く終わって、少し余裕を持てた
このように感情や状況をそのまま言葉にしておくことで、1on1の場で自分の考えを整理しやすくなります。まずは、その瞬間の心の動きを記録することから始めてみましょう。
メールやチャットの履歴を振り返る
話すテーマが思い浮かばないときは、直近1〜2週間のメールやチャットの送信履歴を見返してみましょう。
そうすることで、「なぜこの質問をしたのか」「なぜ確認に時間がかかったのか」といった当時の状況を思い出せます。以下のような視点で、気になったやり取りをピックアップしてみましょう。
- 同じ内容を何度も確認していたメッセージはないか
- 回答をもらうまでに時間がかかっていないか
- 説明が長くなり、認識を合わせるのに苦労したことはないか
- やり取りを通じて「助かった」と感じた対応はないか
こうした履歴を見返すことで、自分でも無意識のうちに抱えていたストレスや、チームとして改善すべき課題に気づけます。
最新の業界トレンドを収集する
1on1では、業務に関する話題だけでなく、最新の技術や業界トレンドをテーマにすることも有効です。
エンジニアの世界は変化が激しいため、外部の新しい知見を「組織にどう取り入れるか」を話し合うことで、視野を広げるきっかけになります。具体的なテーマは、以下のとおりです。
- 最近よく耳にするAI技術やツールについて
- 他社事例を見て「自社でも活かせそう」と感じたこと
- 今後需要が伸びそうだと感じた技術領域
- 興味はあるが、まだ学習していない分野
業界のトレンドについて対話することは、エンジニアにとって刺激のある時間になります。1on1では、自分が興味を持っている分野や気になっている技術を積極的に伝えてみましょう。
1on1でエンジニアの本音を引き出す実践ポイント

1on1でエンジニアの本音を引き出すためには、質問内容だけでなく、部下との関わり方にも目を向ける必要があります。具体的な実践ポイントは、以下の3点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、部下の成長段階に合わせた1on1の進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。信頼を深めるためのポイントも紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
仕事の意義やビジョンを明確に伝える
エンジニアの本音を引き出すためには、いま取り組んでいる業務が「誰の、どのような課題解決につながっているのか」を繰り返し伝えることが重要です。
仕事の意義やビジョンを理解しないまま作業を続けた場合、エンジニアは「なぜこの実装が必要なのか」「この仕様変更に意味があるのか」といった疑問を抱きやすくなります。
1on1では、社会やユーザーへの価値提供について、以下のように言語化して伝えてみましょう。
- この機能は、現場のユーザーの負担を減らすために開発している
- この仕組みを作ることで、サポート対応や運用コストの削減につながる
- ユーザーが迷わず操作できるように、離脱を防ぐことを目的に開発している
技術的なこと(How)だけでなく、「なぜそれをやるのか(Why)」を共有することで、仕事に対する納得感が生まれやすくなります。
以下の記事では、部下の成長を促進させる1on1のコツや、コミュニケーション術をまとめています。本記事と合わせて確認してみてください。
タスクの優先順位付けをサポートする
エンジニアとの1on1では、現在抱えているタスクを整理し、優先順位を一緒に考えることも大切です。タスクが多い状態では、考えを整理する時間がとれず、不安や不満があっても言葉にできません。
まずは、いま抱えているタスクをすべて洗い出し、「緊急度」と「重要度」の観点で整理してみましょう。「いますぐ対応すべきもの」と「あとでも問題ないもの」を分けることで、優先順位が明確になります。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 区分 | 分類 | 具体例 |
|---|---|---|
| 第1領域 | 重要かつ緊急 | 致命的なバグの修正、障害対応 |
| 第2領域 | 重要だが緊急ではない | リファクタリング(改善)、技術調査 |
| 第3領域 | 緊急だが重要ではない | 重要度の低い会議、一時的なデータ修正 |
| 第4領域 | 重要でも緊急でもない | 無駄な事務作業、目的のない情報収集 |
また、エンジニアは技術的な探究心から、必要以上に複雑な設計や機能追加を行ってしまうこと(オーバーエンジニアリング)があります。
1on1では、「この作業がユーザーにどれくらい影響するのか」を説明し、過剰な作り込みや機能不足が起きない基準を決めることが大切です。
次にとるべき行動を一緒に考える
1on1を有意義な時間にするためには、最後に「次にとるべき行動」を具体化することが重要です。質問の受け答えをするだけでは、せっかくの気づきが行動に結びつかないまま終わってしまいます。
具体的な行動を決めるときは、できるだけ心理的なハードルを下げ、小さな行動から設定してみましょう。具体例は以下のとおりです。
- 業務に関連する技術書を一冊読む
- 対象機能の現状を整理し、簡単なメモを作る
- 他チームに確認したい点を洗い出す
また、技術的な壁や権限の問題など、行動の妨げになっている要因がないかも確認することが大切です。本人だけでは解決できない課題がある場合は、マネージャーが積極的にサポートを行いましょう。
ただし、エンジニアによって「高い目標を持って行動する人」もいれば、「着実なステップを好む人」もいます。
部下一人ひとりに合わせた関わり方を見つけたい場合は、性格検査のデータを活用する『ミキワメAI マネジメント』が有効です。詳細は以下の記事で紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
エンジニアと1on1で話すことがない場合の対処法【Q&A】

1on1でマネージャーが直面しやすい悩みを、Q&Aで解説します。「話すことがない」と感じたときに対応できるよう、具体的な対処方法を押さえておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
沈黙が続くときはどうすればいい?
1on1で沈黙が続いたとしても、無理に会話を続けようとせず、まずは「考える時間」と捉えて、部下の発言を待ちましょう。
エンジニアのなかには、自分の考えを論理的に組み立ててから発言する人もいるため、「沈黙=話すことがない」とは限りません。
しばらく待っても言葉が出てこないようであれば、抽象度を下げて具体的な事柄や出来事について質問してみましょう。たとえば、以下のような質問が効果的です。
- 今週、もっとも時間を使った作業は何でしたか
- いま進めているタスクで、判断に迷っている点はありますか
- 最近「やりにくい」と感じた場面はありましたか
以下の記事では、1on1で話すべきテーマを質問集としてまとめています。本記事と合わせて確認してみてください。
部下に質問しても「とくにありません」と返されたらどうする?
1on1で「とくにありません」という回答が続く場合は、選択肢や具体例を提示しながら質問をしてみましょう。
たとえば、「困っていることはある?」と聞くのではなく、「業務・技術面・人間関係のなかで、いま一番気になっているものはどれですか?」といった選択肢を示します。
答える範囲を絞ることで、部下の考えを引き出しやすくなります。
また、1on1の冒頭で「小さなことでも大丈夫」と前置きし、話しやすい雰囲気を作ることも大切です。「とくにない」という言葉の裏には、何をどのように話せばいいか整理できていないことも考えられます。
そのため、マネージャーは「どのような話でも聞く姿勢」を示し、部下が自分の考えを言葉にできるようサポートしましょう。
継続的に1on1を実施し、エンジニアの成長をサポートしよう

1on1で「話すことがない」と感じる背景には、部下の消極的な姿勢だけでなく、運用方法や関係性の課題も考えられます。
1on1の目的を明確にし、定期的に対話する機会を作ることが重要です。話題に迷ったときは、以下のテーマを参考にしてみてください。
エンジニアの成長を支えるために、継続的に1on1を実施し、信頼関係を少しずつ築いていきましょう。
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