1on1

1on1のアジェンダを目的別に8つ紹介|作成手順と質を高めるポイント

1on1_アジェンダ_目的別_作成手順_質を高めるポイント

「わざわざ1on1の時間を設けているのに、いつも雑談で終わってしまう」
「上司として部下をサポートしたいけど、具体的に何を話せばいいかわからない」

このような悩みを抱える管理職や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

質の高い1on1を実現するためには、話すテーマや時間配分などを決めたアジェンダが必要です。事前に目的に合ったアジェンダを準備しておくことで、話の脱線を防ぎつつ、部下の成長を促す対話ができます。

本記事では、目的別・メンバー別のアジェンダ例や、部下の主体性を引き出す対話のポイントを解説します。

この記事を読むことで、目的に合ったアジェンダが明確になり、部下の本音を引き出す対話ができるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

目次

1on1におけるアジェンダとは?

1on1_アジェンダとは

1on1におけるアジェンダとは、上司と部下が1対1で対話をするときに、あらかじめ準備しておく「議題」や「テーマ」を指します。

1on1の目的は、対話を通じて部下の課題を整理し、成長・成果につながる行動を決めることです。そのため、アジェンダには上司が伝えたい方針や決定事項を並べるのではなく、部下が話したいテーマで構成する必要があります。

【テーマ例】

  • 最近の状況(仕事面、体調面 など)
  • 課題や困りごとの整理
  • 上司に求めるサポート
  • 成長や学びの振り返り
  • 将来のキャリアの方向性
  • 次にとるべき行動(ネクストアクション)

事前にアジェンダを作成しておくことで、話すべきテーマの優先順位が明確になり、限られた時間のなかでも質の高い対話が可能です。

また、部下にとっても「何を話せばいいのか」がわかるため、あらかじめ自分の考えを整理してから1on1に臨めます。

以下の記事では、1on1と面談の違いを「5つの視点」で比較・解説しています。「1on1と面談を混同してしまい、現場にうまく定着していない」と悩んでいる人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。

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1on1でアジェンダを設定すべき3つの理由

1on1て_アジェンダ_設定すべき理由

1on1は、部下の課題や悩みを整理し、具体的なサポートや次の行動(ネクストアクション)につなげるための時間です。

そのため、思いつきで対話をするのではなく、あらかじめ1on1の目的やテーマを決めておく必要があります。アジェンダを設定すべき理由として、以下の3点が挙げられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

対話の質を向上させるため

アジェンダを設定すべき理由の一つは、単に部下の悩みを聞くだけでなく、その背景まで踏み込んだ対話がしやすくなるためです。

アジェンダがないまま実施すると、具体的に何を話せばいいのかがわからず、その場の思いつきで話題を決めてしまいます。その結果、普段のミーティングと同じ進捗報告になってしまい、部下が本当に抱えている悩みにたどり着けません。

一方、アジェンダが事前に共有されていれば、部下は「どの業務のどこでつまずいているのか」「なぜそう感じたのか」を整理してから1on1に臨めます。

上司も質問事項を事前に準備できるため、課題の背景や原因、具体的なサポートまで踏み込んだ対話がしやすくなります。

部下の自律的な成長を促すため

アジェンダに沿って1on1を実施することで、部下は「自分で考え、行動する力(自律性)」を身につけやすくなります。

その理由は、話すテーマを考える過程において、部下は「いま何が順調で、何に課題を感じているのか」を整理する必要があるからです。自分の状態を客観的に振り返ることで、日々の仕事を内省する習慣が身につきます

たとえば、アジェンダとして「最近うまくいったこと」「いま困っていること」を設定すれば、部下は次のような観点で出来事を振り返れます。

「うまくいった理由は何だろう? 次も成功するには何を続ければいい?」
「つまずいた原因は何だろう? 自分でできる打ち手は何がある?」
「上司に相談するとしたら、どんなサポートを頼みたい?」

このような内省を繰り返すことで、部下は上司からアドバイスをもらうだけでなく、次にとるべき行動を自ら考えられるようになります。

短時間でも効率よく実施するため

1on1のアジェンダを設定することで、たとえ短時間でも、要点を押さえながら対話できるようになります。

アジェンダがない状態で進めてしまうと、近況報告や雑談が長引いたり話題が行き来したりして、本題に入った頃には時間が足りなくなることも少なくありません。

一方、アジェンダをあらかじめ共有しておけば、どのテーマをどの順番で話すのかが明確になり、短い時間でも論点を絞って進められます。

1on1を効率よく実施するためには、話す内容や時間配分をもとに、あらかじめ「何を確認し、どこまで決めるか」を考えておくことが大切です。

それでも運用がうまくいかない場合は、1on1の目的や進め方そのものを見直す必要があります。以下の記事では、1on1を有意義な時間にするための方法や具体例を詳しく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。

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【目的別】1on1のアジェンダ一覧(質問例あり)

目的別_1on1_アジェンダ一覧_質問例

ここからは、設定すべき1on1のアジェンダを目的別に紹介します。具体的なテーマや質問例も合わせて紹介しますので、自社の運用に取り入れてみてください。

※以下の表は右にスクロールできます

目的テーマ例質問例
信頼関係の構築・最近の嬉しかった出来事
・興味や関心のあること
・働くうえで大事にしていること
・この1〜2週間で「気分が上がった」と感じた出来事はありましたか?
・最近よく見たり読んだりしているものはありますか?
・仕事で大事にしている考えや行動はありますか?
心身のコンディションの確認・体調、睡眠、疲労感
・業務負担、働き方
・ストレス要因
・最近、睡眠時間は確保できていますか?
・この1〜2週間で負担に感じた業務はありますか?
・どんな状況だとストレスを感じやすいですか?
課題解決に向けた支援策の検討・課題の把握
・原因を深掘り
・解決策の洗い出し
・この業務のなかで、どの部分にやりにくさを感じますか?
・悩んでいる原因は何だと思いますか?
・解決に向けて実行できそうな取り組みは何ですか?
キャリアアップのサポート・得意分野、強み
・伸ばしたいスキル
・次に挑戦したい役割・業務
・最近、自分の力を発揮できたと感じた場面はありますか?
・今後、伸ばしたい能力やスキルは何ですか?
・次にチャレンジしてみたい仕事や役割はありますか?
経営方針に対する考えの確認・経営方針に対する理解度
・現場とのギャップ
・部下の役割
・会社の方針で「理解できている点」「まだ曖昧な点」はどこですか?
・現場目線で「やりにくい」と感じる部分はありますか?
・あなたの業務で、方針に直結する部分はどこだと思いますか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

なお、1on1の話すべきテーマや質問については、以下の記事にもまとめています。上司と部下の会話例も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

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アジェンダ1:信頼関係の構築

部下との信頼関係を築くためには、まず「安心して話せる」と感じてもらえる雰囲気をつくることが重要です。

本質的な課題に踏み込む前に、話しやすいテーマから質問を投げかけてみましょう。具体的なテーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
最近の嬉しかった出来事・この1〜2週間で「気分が上がった」と感じた出来事はありましたか?
・なぜそう感じましたか?背景や理由を教えてください
興味や関心のあること・最近よく見たり読んだりしているものはありますか?
・そこから得られた気づきは何ですか?
今週(今月)達成できたこと・今週「できた」と思えることは何ですか?
・どのような場面で工夫をしましたか?
働くうえで大事にしていること・仕事で大事にしている考えや行動はありますか?
・「これは譲れない」と思うポイントは何ですか?
最近「助かった」と感じたこと・最近、周囲のサポートを受けた場面はありましたか?
・自分と同じ立場の人を助けるなら、何ができそうですか?

とくに新入社員や異動したばかりの社員は、「何を話せばいいかわからない」「上司に悪い印象を与えたくない」と感じやすいものです。

そのため、最初の数回は話しやすいテーマを多めに取り入れ、部下が「話してよかった」「いつでも相談できそう」と思える環境を整えましょう。

アジェンダ2:心身のコンディションの確認

1on1では、仕事の悩みや不安を聞くだけでなく、それが原因で「心身のコンディションを崩していないか」も合わせて確認することが大切です。

体調不良やメンタル不調は、本人が言い出しにくい一方で、放置するとパフォーマンス低下や休職・離職につながるリスクがあります。

1on1を通じて定期的に部下の状態を把握し、早めに対処できる環境を整えましょう。具体的なテーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
体調・睡眠・疲労感・最近、睡眠時間は確保できていますか?
・疲れが蓄積している感覚はありますか?
業務負担・働き方・この1〜2週間で負担に感じた業務はありますか?
・理想とする働き方はどのようなものですか?
ストレス要因・いまストレスになっていることは何ですか?
・どんな状況だとストレスを感じやすいですか?
気分・モチベーション・最近、気分が落ち込みやすいタイミングはありますか?
・逆に、どんなときにポジティブになれますか?
リカバリーの方法・最近、リフレッシュできていますか?
・疲労回復のために今週できそうなことは何ですか?

ただし、心身のコンディションはセンシティブな話題でもあるため、踏み込みすぎには注意が必要です。プライベートを詮索するのではなく、「仕事に影響しそうな範囲」を本人のペースで話してもらうようにしましょう。

もし、1on1だけで部下の状態を把握しきれない場合は、社員一人ひとりの性格や心理状態を可視化できるサーベイの活用もおすすめです。

以下の記事では、サーベイの特徴や具体的な実施方法を解説していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

エンゲージメントサーベイ_目的_効果
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アジェンダ3:課題解決に向けた支援策の検討

1on1を実施するときは、部下の悩みや不安を聞くだけでなく、課題を整理し、解決に向けた支援策に落とし込むことがポイントです。

単に「仕事が忙しい」「思うように進まない」といった抽象的な悩みでは、サポートする上司も的確なアドバイスができません。まずは部下の状況を整理し、何につまずいているのかを明確にしていきましょう。

具体的なテーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
課題の把握・この業務のなかで、どの部分にやりにくさを感じますか?
・いつから悩んでいますか?きっかけは何でしたか?
原因を深掘り・悩んでいる原因は何だと思いますか?
・それが原因だと思う根拠は何ですか?
解決策の洗い出し・解決に向けて実行できそうな取り組みは何ですか?
・チーム内でどんなサポートがあれば前に進めそうですか?
上司の役割・私(上司)が手伝えそうなことは何かありますか?
・どんなサポートがあると行動できそうですか?
ネクストアクション・次回までにやることは何にしますか?
・進捗は何をもって判断しますか?

このアジェンダで意識したいのは、部下に正解を示すのではなく、対話を通じて本人が解決策を考え、自ら前に進める状態になることです。上司としては、部下が自分の言葉で選択肢を導き出せるように、課題や原因の整理をサポートしましょう。

アジェンダ4:キャリアアップのサポート

キャリアについて対話するときは、日々の業務で「成長につながる経験ができているか」を確認しましょう。

1on1を通じて本人の強みやスキルを整理し、次に伸ばすべき能力そのために必要な経験を明確にすることで、具体的なサポートにつなげられます。テーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
得意分野・強み・最近、自分の力を発揮できたと感じた場面はありますか?
・周囲から評価された行動は何でしたか?
伸ばしたいスキル・今後、伸ばしたい能力やスキルは何ですか?
・そのスキルを習得すると、どんな仕事に活かせそうですか?
次に挑戦したい役割・業務・次にチャレンジしてみたい仕事や役割はありますか?
・その挑戦に向けて、足りない経験は何だと思いますか?
中長期の目標・3か月後、どんな状態になっていたら「成長できた」と言えそうですか?
・その状態にするためには、どんな行動が必要ですか?

キャリア支援で大切なのは、部下の意向に沿ったキャリアプランを一緒に考え、業務のなかで小さく行動していくことです。

上司としては、本人にアドバイスするだけでなく、仕事のアサインや学習機会の提供など、挑戦できる環境づくりにも踏み込んでみましょう。

アジェンダ5:経営方針に対する考えの確認

1on1では、業務に関するテーマだけでなく、会社の経営方針に対して「どう考えているか」を確認するのも有効です。

方針そのものが全社に共有されていても、社員一人ひとりの解釈や捉え方は異なります。そのため、会社の方針に対して「部下がどう理解し、どこに疑問や違和感を持っているのか」を把握しておくことが大切です。

具体的なテーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
経営方針の理解度・会社の方針で「理解できている点」「まだ曖昧な点」はどこですか?
・その方針が必要だと思える理由は何ですか?
現場とのギャップ・現場目線で「やりにくい」と感じる部分はありますか?
・方針に沿って行動したとき、壁にぶつかりそうな部分はありますか?
改善提案・アイデア・いまの業務プロセスで、どこの工程を省くと効率的に進められそうですか?
・「こうしたらうまくいく」と思う工夫はありますか?
部下の役割・あなたの業務で、方針に直結する部分はどこだと思いますか?
・方針を浸透させるために、チームとしてできることは何だと思いますか?

経営方針に関する話題は、部下を納得させるための時間ではありません。本人が感じている疑問を早めに把握し、必要に応じて補足説明や優先順位のすり合わせを行うことが大切です。

1on1での意見を経営層にフィードバックすることで、現場の実態を踏まえて経営方針や施策をブラッシュアップできます。

【メンバー別】1on1のアジェンダ一覧(質問例あり)

メンバー別_1on1_アジェンダ一覧_質問例あり

部下が抱える悩みは、経験年数や期待される役割によって大きく異なりますそのため、社員一人ひとりの立場に合わせたアジェンダの設定が必要です。

ここからは、新入社員・中堅社員・ベテラン社員に分けて、効果的なアジェンダと質問例を紹介します。

※以下の表は右にスクロールできます

メンバーテーマ例質問例
新入社員・配属直後の状況の確認
・相談のしやすさ
・配属されてみて、想像と違った点はありますか?
・不明な点があるときは、誰にどう聞いていますか?
中堅社員・成果の再現可能性
・優先順位と意思決定
・成果につながった要因を3つ挙げるなら何ですか?
・いま最も優先すべきことは何ですか?
ベテラン社員・ノウハウの言語化
・後進の育成
・あなたの仕事のなかで、経験が必要な部分はどこですか?
・メンバーがつまずきやすい部分はどこだと思いますか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

なお、1on1のテーマについては、別の記事でも詳しく解説しています。目的別に質問例を紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

何を話す_1on1の質が変わる_目的別_テーマ_会話例
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新入社員:心理的安全性を高め、不安を解消させる

新入社員との1on1では、まず「わからないことを遠慮なく聞ける」「困ったらすぐ相談できる」といった状態をつくるのが最優先です。その土台が整ってはじめて、課題解決に向けた対話や成長のサポートができます。

職場に慣れるまでの期間はわからないことも多く、不安が大きくなりやすい時期です。たとえば、社内ルールや業務内容、人間関係といった「覚えること・気を配ること」が一気に増えます。

そのため、新入社員と1on1を実施するときは、成長をサポートするよりも、まずは「安心して自分の意見を言える雰囲気(心理的安全性)」をつくることが重要です。

具体的なテーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
配属直後の状況の確認・配属されてみて、想像と違った点はありますか?
・仕事の進め方やルールで、わからないことは何ですか?
相談のしやすさ・不明な点があるときは、誰にどう聞いていますか?
・聞くタイミングが難しいと感じる場面はありますか?
小さな成果の確認・ここ1〜2週間で「できた」と思えたことは何ですか?
・うまく進んだ要因は何だと思いますか?

こうした対話を重ねることで、疑問や不安を抱え込まずに相談できるようになり、配属後のオンボーディングをスムーズに進められます。

中堅社員:育成型のコーチングで視座を高める

中堅社員との1on1では、悩みや不安を聞くだけでなく、対話を通じて「自分を客観的に捉え、自ら意思決定する」ことを習慣化させることが重要です。

担当業務をひと通りこなせる中堅社員には、次も成果を出すには何が必要か、周囲にどのような影響があるかまで考えてもらう必要があります。

そのため、「思考」と「行動」の質を上げるコーチングの場として1on1を設計してみましょう。具体的なテーマ・質問例は、以下のとおりです。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
成果の再現可能性・成果につながった要因を3つ挙げるなら何ですか?
・次も同じ成果を出すために、続けたい行動は何ですか?
優先順位と意思決定・いま最も優先すべきことは何ですか?
・判断に迷っている業務はありますか?
周囲への影響・チーム内で認識のズレが起きそうな場面はどこですか?
・周囲を巻き込むなら、誰に何をどう頼みますか?

こうした1on1を継続することで、中堅社員は経験を学びに変えながら「行動の質」を高め、成果を安定的に出せるようになります。

ベテラン社員:技術継承や人材育成の支援を求める

ベテラン社員との1on1では、本人の成果や課題に加えて、技術継承や人材育成、仕組み化などのテーマを取り入れましょう。

ベテラン社員の強みは、経験に基づく判断の速さや、ノウハウを含む専門性です。一方で、その知見が社内で共有されていないと、異動や退職のタイミングで組織のパフォーマンスが落ちる可能性があります。

そのため、本人の知見を次世代に引き継ぎ、成果を出し続けられる組織づくりを進めていくことが重要です。ベテラン社員との1on1では、以下のようなテーマを設定してみましょう。

※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください

テーマ例質問例
ノウハウの言語化・あなたの仕事のなかで、経験が必要な部分はどこですか?
・よくある失敗パターンと、その予防策は何ですか?
後進の育成・メンバーがつまずきやすい部分はどこだと思いますか?
・伸びている人の共通点は何だと思いますか?
業務の仕組み化・手順書やテンプレ化できそうな業務はありますか?
・品質を落とさずに効率化できる工程はありますか?

このようなテーマを扱うことで、ベテラン社員の知見が組織に蓄積され、技術継承や人材育成の質を高められます。

1on1のアジェンダを作成する手順3ステップ

1on1_アジェンダ_作成手順_3ステップ

1on1を実施するときは、目的に合ったアジェンダを設計する必要があります。以下の手順に沿って実践していきましょう。

それぞれ詳しく解説します。

1:目的とゴールを明確にする

1on1のアジェンダを作成するときは、まず「何のためにこの時間があるのか」を明確にすることが重要です。

目的が曖昧なままだと、近況報告や雑談で終わったり、課題に触れても結論が出ないまま忘れ去られたりする可能性があります。以下のように、1on1の目的とゴールを決めてから対話しましょう。

目的ゴール
信頼関係の構築安心して話せる状態をつくり、相談のハードルを下げる
コンディションの確認業務過多や人間関係による心身の不調を把握し、必要な対策を講じる
課題解決の支援課題を整理し、すぐに実行できる行動に落とし込む
キャリア支援伸ばす力と必要な経験を具体化し、将来のキャリアを設計する

ゴール(到達点)を設定するときは、1on1が終わった時点で「実行できる行動に落とし込めているか」を基準に考えてみましょう。目的とゴールが明確になれば、アジェンダの内容も絞り込みやすくなります。

2:部下に話したいテーマを考えてもらう

目的とゴールが決まったら、次は部下に「今回の1on1で話したいテーマ」を考えてもらいましょう上司が一方的にテーマを決めてしまうと、部下は受け身の姿勢になりやすいです。

一方、本人が話したいテーマを持ち込むことで、事前に現状や課題を整理しやすくなり、1on1が「部下のための時間」として機能します。

ただし、部下に「何か話したいことを考えておいて」と丸投げするのではなく、イメージしやすいように「テーマ例」を渡しておきましょう。

【具体例】

  • 最近の状況(うまく進んでいること、チーム内の状況)
  • 困りごと(行き詰まっている工程、判断に迷う点)
  • 支援してほしいこと(頼みたいこと、教えてほしいこと)
  • キャリア(挑戦してみたい仕事、身につけたいスキル)

以下の記事では、1on1で「部下が準備すべきこと」について詳しく解説しています。部下との向き合い方や対話のコツも紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

1on1_部下_準備すべきこと_成長加速_話題_向き合い方
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3:テーマの優先順位と時間配分を決める

部下から話したいテーマが出てきたら、最後にどれを優先して話すか」「時間をどう配分するかを決めます。優先順位を決めるときは、以下の視点を活用してみましょう。

  • 緊急度:先延ばしすると影響が出ないか
  • 重要度:中長期的な成果につながるか
  • 問題解決:1on1で前進できそうなことはあるか
  • 本人の意向:いま一番話したいことは何か

1on1の時間は限られているため、テーマを詰め込みすぎず、目的・ゴールと照らし合わせて「話すべき範囲」を決めましょう。また、時間配分を決めておくことで、脱線せずに対話を進められます。

【具体例(30分の場合)】

  • アイスブレイク(3分)
  • 課題・困りごとの整理(12分)
  • 具体的な支援策の検討(8分)
  • ネクストアクションの決定(7分)

もし複数のテーマを扱う場合は、「テーマA:10分」「テーマB:5分」のように、テーマ別の時間配分も決めておきましょう。

1on1アジェンダの質を高める5つのポイント

1on1_アジェンダ_質を高めるポイント

1on1のアジェンダを作成するときは、テーマ設定や時間配分だけでなく、運用方法を含めて設計することが重要です。アジェンダの質を高める5つのポイントを紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アジェンダの項目は部下と一緒に検討する

1on1のアジェンダは、上司が一方的に決めるのではなく、部下と一緒に考えることが重要です。

上司がテーマや時間配分を決めてしまうと、指導やアドバイスに意識が向きすぎて、対話が一方通行になってしまいます。その結果、部下は受け身の姿勢になり、本音や困りごとを言い出せません。

部下を巻き込んでアジェンダを検討すれば、本人に「この時間は自分のための時間だ」という意識が生まれます。さらに、上司側も部下の関心事や気になっている点を事前に把握できるため、質問を準備しやすくなります。

アジェンダを検討するときは、以下の点を考慮してみましょう。

  • 部下に「話したいテーマ」を3つ挙げてもらう
  • 「いま一番話したいテーマ」を1つ選んでもらう
  • 上司は目的と照らし合わせて、今回扱うテーマをすり合わせる
  • 部下に「1on1でどう関わってほしいか」を共有してもらう

このようにアジェンダを組み立てることで、部下は自分の状態を主体的に話せるようになり、1on1後の「行動の質」にもいい影響を与えます。

決定したアジェンダは事前に共有する

1on1の質を高めるためには、決定したアジェンダを事前に共有する必要があります。1on1で「何を話すのか」が当日までわからないと、部下は話す内容を整理できません。

事前にアジェンダを共有しておけば、部下は「このテーマについて話すから、過去の実績を振り返っておこう」といった心構えができます。

部下にアジェンダを共有するときは、以下のような情報を伝えましょう。

  • 今回の1on1で扱うテーマ(1〜2つ)
  • 目的・ゴール(何を解決できればよいか)
  • 事前に整理してほしいこと(課題、成果 など)
  • 上司に求めること(話を聞いてほしい、アドバイスがほしい など)

なお、1on1の具体的な進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。アジェンダを設計するときの参考にしてみてください。

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冒頭に数分間の雑談(アイスブレイク)を入れる

1on1の冒頭に数分間の雑談(アイスブレイク)を入れることで、その場が話しやすい雰囲気となり、本題にスムーズに入れます。

とくにセンシティブなテーマ(メンタル面の不調、人間関係の悩み など)の場合、いきなり本題から入ると、部下は緊張して身構えてしまいます。冒頭に2〜5分のアイスブレイクを挟み、心理的なハードルを下げましょう。

雑談では、以下のように答えやすい質問が有効です。

【質問例】

  • 今日は移動や準備で忙しくなかったですか?
  • 最近、疲れは溜まっていないですか?無理していないですか?
  • この週末、リフレッシュできましたか?
  • 今日はこのテーマについて話そうと思いますが、大丈夫ですか?

また、雑談のなかで部下の反応を確認し、必要に応じてアジェンダの順番を調整しましょう。たとえば、「声がいつもより小さい」「元気がない」といった状態であれば、心身のコンディションを重点的に確認する必要があります。

アジェンダに固執せず、話の流れを重視する

1on1のアジェンダは、会議のような「決めなければならない議題」ではありません。スムーズに対話するための「ガイド」のようなものです。

順番どおり話すことに固執してしまうと、部下の感情(不安・焦り・迷い)が強く出ている話題を見逃す可能性があります。そのため、話の流れに合わせて柔軟にテーマを変えることも大切です。

ただし、流れを重視するあまり脱線し続けると、「結局、何も解決できなかった」といった状態になりかねません。上司としては、以下のような進め方を意識してみましょう。

  • 重要そうな話が出たら、一旦論点をまとめてみる
  • 残り時間を確認して、深掘りするかどうかを決める
  • 部下の反応を見て、アジェンダの順番は入れ替える

以下の記事では、部下の成長を促進させる1on1のコツや、コミュニケーション術をまとめています。本記事と合わせて確認してみてください。

部下_成長_促進_1on1_コツ_コミュニケーション術
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次の行動(ネクストアクション)を決める時間をつくる

1on1の最後には、課題解決に向けて行動できるように、次にとるべき行動(ネクストアクション)を決める時間を必ず確保しましょう。

次の行動を決めるときは、抽象的な目標(例:〇〇を意識する など)ではなく、「いつまでに・何をするか」まで落とし込むのがポイントです。具体例は以下のとおりです。

  • 〇〇の資料を明日17時までに作成し、関係部署に確認を依頼する
  • 来週のタスクを整理し、金曜15時までに上司に相談する
  • 木曜までにチェックリストを作成し、運用プロセスの見直しをする

このように「次にとるべき行動」を具体化することで、部下はすぐに行動しやすくなります。上司も進捗を確認しながら部下をサポートできるため、持続可能な組織づくりの観点でも効果的です。

『ミキワメAI マネジメント』で1on1アジェンダの作成を効率化!

ミキワメAIマネジメント_1on1アジェンダ_作成_効率化

1on1の課題として、「アジェンダの作成に時間がかかる」「部下の目標達成を支援できていない」といった点が挙げられます。

とくに中小企業では、マネージャー自身が現場の業務を兼務していることも多く、1on1の準備や振り返りに十分な時間を確保できていないのが現状です。

そこで有効なのが、1on1の準備・実施・振り返りを支援する『ミキワメAI マネジメント』 です。1on1で「何を話すか」を考える負担を減らし、対話を通じて「行動」「成果」につなげるための仕組みを整えられます。

社員の性格や心身状態、過去の1on1履歴などを踏まえ、AIが話すべきテーマを提案してくれるため、効率的にアジェンダを作成できます。

マネージャーへの負担を抑えつつ、質の高い1on1を実現したい方は、ぜひ『ミキワメAI マネジメント』をご活用ください。詳しい機能や特徴については、以下の記事にまとめています。

ミキワメAI_マネジメント
『ミキワメAI マネジメント』の機能や使い方を解説!1on1を起点に成果向上を実現『ミキワメAI マネジメント』は、1on1を起点に社員の行動を促し、成長とパフォーマンスを最大化させるサービスです。メンバーの性格や心理状態を踏まえた1on1で、社員に寄り添ったアドバイスが可能です。...

1on1のアジェンダに関するよくある質問

1on1_アジェンダ_よくある質問

1on1のアジェンダに関する「よくある質問」について、以下の2点に回答します。

それぞれ詳しく解説します。

部下に「話すことがない」と言われたらどうすればいい?

1on1で部下に「話すことがない」と言われた場合は、事前にテーマ例を共有し、自分の状態を振り返る時間を与えてみましょう

多くの場合は、本当に話題がないわけではなく、「こんなことを話していいのか不安」と感じています。そのようなときは、いきなり本題から入らず、以下のような切り口で質問してみましょう。

  • 最近うまくいったこと、少し手応えを感じたこと
  • 課題を感じている業務、判断に迷っている業務
  • 業務量や進め方で負担に感じていること
  • 上司にサポートしてほしいこと

1on1は、最初から深い話をする必要はありません。回数を重ねるなかで、「こういう内容を話してもいいのか」という理解が進み、徐々に部下から話題が出るようになります。

以下の記事では、1on1で「話すことがない」と感じる原因や対策を解説しています。エンジニア特有の課題をまとめた記事も用意していますので、本記事と合わせて確認してみてください。

1on1ミーティングの適切な頻度と時間は?

1on1ミーティングの頻度の目安は週に1回、時間は30分です。ただし、1on1の目的や部下の役割によって、適切な頻度・時間は異なります。

一般的な目安は、以下のとおりです。

  • 人間関係構築の初期段階:年1回(1〜3時間)
  • 日常のコミュニケーション:週1回以上(1〜10分)
  • 定期的なミーティング:月1〜2回(10〜30分)
  • 進捗レビュー:半期に1回(1〜3時間)

また、実施頻度や時間は固定せず、状況に応じて見直すことも大切です。たとえば、繁忙期やトラブル発生時は短時間で実施する、状態が悪化しているときは頻度を上げるなど、柔軟に調整しましょう。

以下の記事では、1on1の理想的な頻度や時間について詳しく解説しています。「自社に適した運用方法がわからない」と悩んでいる人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。

目的に合わせたアジェンダを設定し、1on1の質を高めよう!

目的_アジェンダ_設定_1on1の質を高めよう

1on1で部下の成長をサポートするためには、何のために行うのか(目的)を明確にし、それに合ったアジェンダを設計する必要があります。

本記事で紹介したアジェンダ例を参考に、自社の運用に応じて使い分けてみましょう。

目的テーマ例
信頼関係の構築・最近の嬉しかった出来事
・興味や関心のあること
・働くうえで大事にしていること
心身のコンディションの確認・体調、睡眠、疲労感
・業務負担、働き方
・ストレス要因
課題解決に向けた支援策の検討・課題の把握
・原因を深掘り
・解決策の洗い出し
キャリアアップのサポート・得意分野、強み
・伸ばしたいスキル
・次に挑戦したい役割・業務
経営方針に対する考えの確認・経営方針に対する理解度
・現場とのギャップ
・部下の役割

また、アジェンダは上司が一方的に決めるのではなく、部下に「話したいテーマ」を共有してもらいながら検討することがポイントです。

目的や部下の状態に合ったアジェンダを取り入れ、1on1の質を高めていきましょう。

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ABOUT ME
佐藤 透
ミキワメラボの編集者・コンテンツマーケティングを担当。大学卒業後、複数のIT企業で勤務。HR領域や新しい働き方のトレンドに興味を持ち、2022年からリーディングマークに従事。

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