下記の3つの質問に答えてみてください。
一つでもNoがある場合、この記事を是非読んでみてください。
検査で活躍人材像を抽出する
コンピテンシー (高業績者に見られる行動傾向) 等の活躍人材像は、企業により異なります。
採用場面ではそれを把握し、
- 採用ブランディング
- 評価軸、基準の定義
- 応募者の選定
を行っていくことが必要とされます。
今回は、適性検査を用いて活躍人材像を抽出する方法をご紹介します。
使用するデータ
今回、ある企業様の社員52名から、ハイパフォーマー分析を行いました。
データは以下の2つです。
①適性検査結果
社員のデータ分析には、制限なく無料で利用できる適性検査「 ミキワメ 」を使用しています。
「 ミキワメ 」、このような項目で設計されております。
②評価リスト
今回はA~Cの1軸で評価をつけてもらったリストを使用しました。
実際活用するときは、評価軸の種類を増やすと(例えばマネジメント、売上、バリュー等)、より精緻な分析が可能です。
もし評価データがない場合は、部署ごとに比較し、部署特徴を抽出するという手もあります。
今回の分析方法
今回は簡易的に、「平均と標準偏差のプロット(折れ線グラフ)」 を使用しています。
その他できる分析として、
- ボックスプロット
- ヒストグラム
- 検定(平均差、中央値の差の検定、因果分析等)
等があります。
全体の分析
まず、「 ミキワメ 」の大枠である”コミュニケーション特性”、”ストレスマネジメント特性”、”バイタリティ特性”がそれぞれ、評価別に差があるかを見ていきましょう。
この図の折れ線は平均値、バーは標準偏差を表しています。
70%程度の人がそのバーの中にいるという状態です。(厳密には違うのですが、ここでは説明を省きます。)
どの特性を見ても、平均差は一定確認できるものの、 標準偏差のバーを見ると重複部分が大きいことが確認されます。
そのため、「これがハイパフォーマーの特徴だ!」とは言い難いです。
次に、詳細に見ていきましょう。
特性の分析
コミュニケーション特性
コミュニケーション特性は、「他者と関わる場面における思考や言動、またはリーダーシップの取り方の傾向」を表しています。
この結果を見ると、「主張力」と「問題解決志向」が評価Aと評価Cで差が大きいことが分かります。
つまり、自社においてこれらの項目が高いことがハイパフォーミングの要因になっている可能性があることが示唆されます。
一方、「傾聴力」や「感情配慮志向」は、平均値が50に近く、分散が大きいことが読み取れます。
ここから、ハイパフォーミングに影響している可能性が低いことが分かります。
ストレスマネジメント特性
ストレスマネジメント特性は、「ストレスの受け取り方、対処法、回復力の傾向」を表しています。
結果を見てみると、「楽観性」、「客観視能力」が高く、評価C群と差があることが分かります。また、「無私性」はA群が低いことが読み取れます。
更に、「協力要請力」に関してはA~C群ともに平均が50に近く、分散も大きくありません。そのため、「協力要請力」が中程度な人が多いことが分かります。
バイタリティ特性
最後に、バイタリティ特性は「課題や人間関係への取り組み、または課題達成や技能習得に注ぐエネルギーの程度」を表しています。
「挑戦心」、「自己効力感」、「やりきる力」、「積極性」、「競争心」、「成長欲」といった項目において、ハイパフォーマー群高いことが分かりました。
特徴が見られた項目と解釈
特徴が見られた項目を並べると以下のようになります。
以上から考察すると、この会社で活躍するには、
- 難しい課題に積極的に挑戦をしている
- 自分に自信をもって、自分の意見を人に伝えて議論ができる
- 主観的ではなく、客観的に物事を捉えることができる
- 挑戦した課題を最後までやり切る
- 一人で悩みすぎず、人に頼りすぎず、適切なタイミングで人に協力を要請できる
このような特徴が見えてきました。
まとめ
この会社の場合は採用場面で、
- 難しい課題に積極的に挑戦をしている
- 自分に自信をもって、自分の意見を人に伝えて議論ができる
- 主観的ではなく、客観的に物事を捉えることができる
- 挑戦した課題を最後までやり切る
- 一人で悩みすぎず、人に頼りすぎず、適切なタイミングで人に協力を要請できる
といった項目を見ることが重要となることが分かりました。
必要とされる特性は、企業によって異なります。
そのため、適性検査から活躍人材像を抽出することにより、
活躍人材の獲得、それによる離職率の低減だけでなく、他社との採用ブランディングの差別化にも用いることができます。
既に適性検査の社員回答結果がある企業様は分析を試してみてはいかがでしょうか。
まだ適性検査を用いていない、また社員が回答していない企業様は、是非導入を検討してはいかがでしょうか。
適性検査を最大限に活用し、採用の質、効率を向上させましょう。
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