適性検査

生みの親 曽和利光が適性検査「キャリアベース(現:ミキワメ)」に込めた想い(後編)

※本記事は、2019年9月に公開された記事を転載したものです。

このたび、曽和利光氏が当社リーディングマークの顧問に就任した。
曽和氏といえば、企業人事部の採用コンサルスペシャリストとして大変高名であり、また先日当社が吸収合併した株式会社キャリアベースの創業メンバーでもある。そんな曽和氏が、適性検査キャリアベースと、そこに込めた思いを、リーディングマーク代表取締役の飯田に語った。

※2020年4月より、「キャリアベース」は「ミキワメ」へと名称を変更し、サービスも大幅にアップデート致しました。 従来の適性検査のみを行う検査サービスではなく、その先の検査結果の分析を自動で行い、ひと目で「自社の社風と候補者が合っているのか」を見極めるクラウドサービスとなっております。 本記事執筆時は、キャリアベースとしてご提供をしておりましたが、現在は名称やサービス内容が一部変更となっております。

採用から会社を変える組織開発クラウド「ミキワメ」については
こちら:https://mikiwame.com/

前編では、就活生が「超買い手市場」の大企業に殺到する背景を踏まえ、「自分のパーソナリティに合っているか」という軸で企業選びをする必要性を話していただいた。

前編はこちらから↓

生みの親 曽和利光が適性検査「キャリアベース(現:ミキワメ)」に込めた想い(前編) ※本記事は、2019年9月に公開された記事を転載したものです。 このたび、曽和利光氏が当社リーディングマークの顧問に就任した。曽...

応募者が自身のパーソナリティを踏まえて企業を選ぶ世界へ

曽和)過去にも、キャリアベースのようにパーソナリティを測定する試験はありました。ただ、今までは会社が人を採用するのに測定するものであり、測定基準や結果がオープンにはされなかったため、人が会社を選ぶためには使えませんでした。人が会社を選ぶために使えるところに、キャリアベースの独自性があると思います。

企業を選ぶ際にキャリアベースを利用する。これは自己認識、すなわちパーソナリティを知る事であり、企業を選ぶ際に、なんとなく好きだからではなく、明確にパーソナリティが合うか合わないかで決める事が出来ます。

実際に、気軽に思いつく企業は誰もが思いつくので、人気企業となって合格率が数百倍になる。それで不合格がが何回も続けば、心も折れ、鬱や自信喪失に繋がるでしょう。

キャリアベースというパーソナルデータを自身で理解し、それを軸に就活する事ができれば、合格率数百倍といった非効率な世界が10倍くらいになり、10倍くらいだったら耐えられるレベルなのでは?と思います。キャリアベースのリコメンドシステムの発展、開発により、さらなる効率化に繋がります。

キャリアベースはパーソナルデータの民主化を実現する

ただそのためには、企業も受験者もお互いを見るための軸、マッチングロジックとしてキャリアベースを使用して、お互いがお互いを選びあって効率化していく必要がありますね。

企業側は、セルフスクリーニングの促進という意味で、欲しい人材をキャリアベース軸を持って示す。受験者は、自分のパーソナリティを見て、その企業に合う合わないを判断する。

飯田)まさに、パーソナルデータの民主化ですね。キャリアベースは受験者に対して結果を見せています。 これまでは、企業にどう診断されているか、どういう基準で選ばれているのか、受験者はわかっていないですから。

曽和)自分のパーソナルデータなのに自分が知らない状態だったのが、パーソナルデータを自分の元に取り戻すといった感じですね。ひとりひとりが自分のパーソナルデータの結果を知れる。自分のパーソナルデータを軸に、どこの会社が合っているのか見えるようにする事が、キャリアベースの最初のイメージ構想でしたから。

今後の研究の中で、機能は追加されても方向性は変わりません。最初の想いが表れていますが、キャリアベースは候補者視点から付けた名前です。キャリアのベース、そのままです。スクリーニングするためのテストではないのです。

飯田)キャリアはまさにひとりひとりの行き方、進む道ですものね。

ベンチャー・中小企業の採用の非効率を解き放つ

飯田)そういう世界になってくると、大企業の採用効率化もそうですが、一方で、知られていなかった中小企業が自社に合った人材にアプローチをするとか、学生が知らなかった会社だけどパーソナルデータと合っている会社で、気持ち良く活躍して、仕事ができることを見つけるということにも繋がっていきますね。

曽和)まず、大手企業ばかり見てる学生と上位校ばかり見てる企業、このクロスを解き放すことができます。本当に自分に合ったものを別の軸(キャリアベース)で測ることで、結果として中小企業とかベンチャーなどの見えていなかったものが見える。自分が入社を考えていた大手企業は、自分のパーソナリティから見たら合っていない、そんな時ふと奇跡的に合う会社があって、受けてみることもできます。余裕ができると、1社1社の最後の確認もでき、本当にマッチしたところで、知名度はなくても幅を広げて行くことができます。

100分の1しかない大企業の受験ばかりに就活のパワーの大半を使うのは非効率です。大企業を否定してるわけではなく、現実として一部上場の会社に新卒で入るのは10万人ほどで2割かそれ以下と言われ、8割くらいはだいたいベンチャーや中小企業に入ることになります。その非効率に加え、さらに中小企業はどこを受けていいかわからない非効率も生じています。

飯田)それが別の形で提供できるのがキャリアベースですね。
キャリアベースは日本人のモチベーション構造に合っている。

曽和)日本人は職場型モチベーション。何をやるかより、誰と働くか、どんな雰囲気の組織なのか、結局そこを重視する人が多いです。ということは、パーソナリティ軸のマッチングがものすごく重視されるべきところです。パーソナリティの民主化により、それがようやくできるようになります。

飯田)キャリアデータの民主化と同時にキャリアベースを利用する企業が増えれば、日本中の企業がどういう人を活かすのかというデータが集まるので、それを基にベストマッチングを実現できますね。 今回のキャリアベースの、学術面から見たときの従来の試験との違いはどんなところですか?

曽和)共通言語を目指したことです。 たくさんの企業が求める要素や人物像ができるだけコンパクトに、かつしっかりと項目に入っているということです。例えていうなら幕の内弁当ですかね。いろいろな目的、パーソナリティを測るためにキャリアベースがあるので、思想や感覚も極めて標準的であり、偏りのないことが一番だと考えました。

企業が求める人物像も、時代と共に変わってきています。ネガティブ要因やストレス項目も一から作ることで、時代に合わせた項目で、今のニーズに合った幕の内弁当を作り続けたいですね。(笑)

適性試験は「落とすためのテスト」から「個性を生かすテスト」へ

飯田)今までは、企業で一心不乱に働く人が重宝される中で、人を落とすためのテストが求められていたと思います。今はひとりひとりの活躍が重要であり、優劣よりはむしろ人の個性や特徴がフォーカスされるという時代の要請があります。

キャリアベースは数値の高低で優劣をつけるものではないと注釈があるくらいなので、今の時代の要請に非常に合致したテストだと思います。

曽和)はい、むしろテストはそうあるべきなのです。 それぞれの項目に対しては、ある項目の数値結果が高い方が良い会社もあれば、低い方が良い会社もあるというようにして、基本的に優劣をつけるものではなくしています。 また特徴としては、組織分析の際のパーソナルデータ結果指標というようなメンタルヘルスがあるのがポイントです。

キャリアベースが目指す世界

飯田)最後に、相当オファーがある中でリーディングマークの顧問になっていただいた理由と、キャリアベースを活用しながらどういう世界を作りたいか教えてください。

曽和)シンプルです。最初に構想したキャリアベースの目的と価値が、リーディングマークがもつ顧客数、使われた方や展開方法がブレずに実現化しているので、付き添わないわけにはいかないと思いました。(笑)むしろ見させて欲しいと。

たくさんの人がキャリアベースを使うことで、共通言語化が進み、パーソナルデータが民主化されます。キャリアベースが広がれば広がるほど、企業と学生のお互いの見る目が肥えて、世の中の効率化が進み、よりコアな企業とよりコアな学生のコミュニケーションに必要なパワーを割くことができます。

学生は適切なパワーを就活にかけることで、企業選択のミスマッチがなくなり、就活鬱や就活自殺がゼロになる。そういった世の中が実現したら良いなと思っています。

飯田)そうですね、本当にその通りだと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。

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