「1on1を始めてみたものの、どのくらいの時間が適切なのかわからない」
「日々の業務に追われて、部下と落ち着いて話す時間を確保できない」
こうした悩みを抱えているマネジャーや人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
1on1は「1回30分」がひとつの目安です。ただし、部下との関係性や面談の目的(相互理解なのか、コーチングなのか)によって、必要な時間は変わります。
そこで本記事では、1on1の最適な時間の考え方や判断基準、時間を捻出するコツについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、チームに合った無理のない1on1を設計でき、限られた時間でも「本音の対話」につなげやすくなります。ぜひ最後までご覧ください。
1on1の時間は「1回30分」が基本

1on1の時間を決めるときは、まず「1回30分」を基準に考えてみましょう。30分であれば、以下のような流れで対話を進められます。
【1on1の進め方(30分の場合)】※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 流れ | 時間 | 話す内容 |
|---|---|---|
| アイスブレイク(雑談) | 2〜3分 | 最近の出来事や心身のコンディションなどを軽く確認する |
| 現状の確認 | 5〜8分 | 仕事の進捗や困りごと、気になっている点を整理する |
| 課題の深掘り | 15〜18分 | つまずいている原因や背景を掘り下げ、解決に向けて選択肢を洗い出す |
| 次のアクションの決定 | 3〜5分 | 次回の1on1までにやることを決める |
実際に多くの企業でも、30分を基準に設計しています。ただし、30分にこだわる必要はありません。
「日常のコミュニケーション」なら10分に短縮したり、半期に一度の「進捗レビュー」であれば60分に延長したりと、目的に合わせて最適な時間に調整しましょう。
参考:心理学と組織論からみた理想の1on1|組織心理研究所(リーディングマーク)
「30分〜1時間」の実施で部下の成長度が高くなる
1on1を「30分〜1時間」実施すれば、部下は自分の状況を振り返りながら考えを整理し、内省できます。
その時間を確保することで、「なぜそうなったのか」「次はどうするか」といった学びにつながる対話ができ、成長のスピードが上がりやすくなります。
実際にパーソル総合研究所の調査でも、「1on1の時間・頻度」と「部下の成長度合い」には一定の関連が見られました。
なかでも部下の成長度がもっとも高かったのは、1回あたり「30分以上1時間未満」かつ「月2〜3回以上」の頻度で実施したケースです。
-1024x492.jpeg)
出典:部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査|パーソル総合研究所
つまり、1on1は「長ければいい」というわけではなく、内省できる時間を確保しつつ、定期的に対話を重ねることが重要と言えます。
まずは30〜60分を基準に、部下の状況に合わせて実施回数・時間を調整していきましょう。
グローバル企業のGoogleでは「1回30〜60分」で実施
独自のマネジメント理論を持つGoogleでは、1on1を毎週または隔週で、1回あたり30〜60分実施することを推奨しています。
同社が公開しているガイドライン「re:Work」によると、1on1は単なる進捗確認の場ではなく、部下の成長を後押しする「コーチング」の時間として位置づけています。
-1024x554.jpeg)
出典:Google re:Work(マネージャーにコーチングを指導する)|Google
コーチングは、現状の把握にとどまらず、背景の整理や選択肢の検討を経て「次の行動」に落とし込むマネジメント手法です。こうした対話を一通り行うには、雑談や状況確認も含めて、最低でも30分程度は必要になります。
つまり、世界をリードする企業でも、定期的に30〜60分の対話をすることが、チームの成果と成長を支える取り組みだと考えているわけです。
【目的別】1on1の時間を決める5つの判断基準

1on1の最適な時間は、目的や部下の状況によって変わります。まずは「何のために実施するのか」を明確にし、その目的に合った時間と頻度を設定しましょう。
以下の表では、目的ごとに目安となる時間・頻度を整理しました。
※以下の表は右にスクロールできます
| 目的(判断基準) | 目安の時間 | 目安の頻度 | 主な狙い |
|---|---|---|---|
| 相互理解・期待値の設定 | 1〜3時間 | 年1回、役割変更時 | 部下の強みと組織目標を一致させ、期待値を言語化する |
| 日常のコミュニケーション | 1〜10分 | 週1回以上 | 相談のきっかけをつくり、部下の自律性を育てる |
| 定期的なミーティング | 10〜30分 | 月1〜2回 | 成果・課題を振り返り、優先順位を再設定する |
| 進捗レビュー | 1〜3時間 | 半期に1回 | 前回の振り返りをもとに、次の成長につなげる |
| 育成型のコーチング | 10〜30分 | 必要に応じて | 特定のスキル習得・課題の解決を前進させる |
参考:心理学と組織論からみた理想の1on1|組織心理研究所(リーディングマーク)
以下より、それぞれの判断基準を詳しく解説します。
なお、具体的な1on1の進め方については、別の記事でも紹介しています。「いつも雑談で終わってしまう」と悩んでいる管理職の方は、本記事と合わせて確認してみてください。
【相互理解・期待値の設定】1〜3時間(年1回/役割変更時)
新入社員や配属されたばかりの社員など、これから関係性を構築する段階では、年に1回・1〜3時間ほどの1on1を実施しましょう。
お互いを深く理解するには、短時間のミーティングを重ねるだけでは限界があります。配属直後や役割変更時にまとまった時間を確保することで、理想の働き方や大切にしている価値観などの把握が可能です。
この1on1では、部下一人ひとりの強みを把握し、その強みと組織目標に合致した期待値を言語化していきます。以下のポイントを押さえて対話してみましょう。
- 役割における成功の定義(このポジションで求められる成果は何か)
- 期待値(優先順位、期限、成果の基準は何か)
- 評価の観点(何ができれば順調と判断するか)
- サポート内容(報連相の頻度や手段をどうするか)
関係構築の初期段階でこの工程が抜けると、部下は「何を目標にして働けばいいのか」を見失ってしまいます。
期初に長めの1on1を設定し、期待値をすり合わせておくことで、仕事の意義を感じられるようになります。
【日常のコミュニケーション】1〜10分(週1回以上)
1on1をルーティン化するためには、1回1〜10分の軽いやり取りを、週に1回以上の頻度で実施するのが効果的です。部下と接する回数を増やすことで、相談に対するハードルが下がり、悩みを抱え込む前にサポートできます。
この1on1では、上司が解決策を導き出すのではなく、部下に「次は何をするか」を自分の言葉で決めてもらいましょう。短時間でも、行動を自分で選べる状態にすることで、自律性(自分で考えて動く力)が育ちます。
【コミュニケーションの具体例】
- 今週、最優先する仕事は何ですか?
- その仕事で、一番つまずきそうな部分はどこですか?
- 課題を解決するために、次に何をしますか?
- 私(上司)に手伝えそうなことはありますか?
- 来週までに確認したいポイントは何ですか?
また、上司から定期的に声をかけられると、部下は「気にかけてくれている」と感じます。短時間でも週1回以上のコミュニケーションを心がけ、いつでも相談できる雰囲気をつくりましょう。
【定期的なミーティング】10〜30分(月1〜2回)
部下の業務進捗を確認し、必要なサポートやアドバイスをするときは、10〜30分の1on1を月1〜2回の頻度で実施しましょう。
この1on1では、前回からの進捗を踏まえて成果と課題を振り返り、業務の優先順位を再設定します。期待値や仕事量、目標などについて、計画的に話し合いましょう。
【対話のポイント】
- 前回決めた行動は、どこまで進んでいるか
- うまくいった点は何か、再現できる要因は何か
- つまずいている部分はどこか、原因は何か
- 次の1〜2週間で最優先する仕事は何か
- 抱えている仕事量は適正か、周囲のサポートは必要か
- 次回までにどのような行動を起こすのか
重要なのは、上司と部下が同じ目標・評価基準を共有し、「何ができれば順調と判断できるか」という認識を合わせることです。また、最後に次回までのアクション(誰が・いつまでに・何をするか)を決めることで、成果につながりやすくなります。
なお、1on1のテーマについては、別の記事でも詳しく解説しています。目的別に質問例を紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
【進捗レビュー】1〜3時間(半期に1回)
半期に一度の大きな節目には、1〜3時間ほどのまとまった時間を確保して「進捗レビュー」を実施しましょう。定期的な1on1では把握しきれない課題や学びを整理し、次のステップに向けた目線合わせを行います。
進捗レビューでは情報量が多くなりやすいため、以下のように「何をテーマに話すのか」を明確にしてから実施してみましょう。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| テーマ | 確認すること(例) |
|---|---|
| 目的 | ・なぜその仕事をしているのか ・何にやりがいを感じているのか |
| 目標 | ・次のステップで何を達成したいか ・達成できたら、どのような状態になっているか |
| 評価基準 | ・何をもって順調と判断するか ・品質や期限など、重視する基準は何か |
| 能力開発 | ・伸ばしたいスキルは何か ・そのスキルが必要だと感じた場面はいつか |
| 戦略 | ・次にとるべき行動は何か ・目標達成の障害となるものは何か |
| チーム | ・部下にとってのベストパートナーは誰か ・困ったときに相談できる人はいるか |
| ウェルビーイング | ・いまの仕事量は適正か ・不調のサインは出ていないか |
進捗レビューは、これまでの「振り返り」と次の「成長」をつなぐ重要な時間です。中長期的な視点で部下の成長を支援するために、年に1〜2回は長めの1on1を設定しましょう。
【育成型のコーチング】10〜30分(必要に応じて)
特定のスキル習得や課題解決を目指す「育成型のコーチング」は、必要に応じて10〜30分の時間を確保しましょう。具体的には、以下のようなケースです。
- 新しい業務・役割を任せる前に、必要なスキルや方向性を整理したいとき
- ミスや手戻りが発生し、原因と対策を検討したいとき
- フィードバック後の改善点を行動計画に反映したいとき
- 部下の挑戦したいテーマを踏まえて、成長機会を具体化したいとき
コーチングで重要なのは、「管理されている」「自由が奪われている」と部下に感じさせないようにすることです。部下の自律性を尊重し、定期的に状況を共有してもらいながら「できていること」への感謝を伝えましょう。
そのうえで、上司は答えを出すのではなく、オープンクエスチョン(「はい・いいえ」で答えられない質問)で部下の思考を整理する役割に徹します。
1on1の時間を最適化する5つのメリット

目的に合わせて適切な時間を設定することで、対話の質が向上するだけでなく、組織全体にポジティブな変化をもたらします。
1on1の時間を最適化するメリットは、以下の5点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
時間を区切ることで「質の高い対話」ができる
1on1の時間をテーマごとに区切ることで、優先すべき論点が明確になり、対話が脱線しにくくなります。人間の心理として、時間が無制限にあると、話題が広がって結論が出にくくなるためです。
これは、「与えられた時間に合わせて仕事の量が膨らむ」とされるパーキンソンの法則と同じ構造です。1on1でも「まだ時間に余裕がある」と考えると、話が間延びしやすくなります。
参考:パーキンソンの法則|三菱UFJリサーチ&コンサルティング
一方、最初から「今日は30分」「このテーマは15分」と区切っておけば、限られた時間のなかで「何を話すべきか」を双方が意識するようになります。
【具体例(30分の場合)】
- 5分:アイスブレイク(体調・負荷・気になっていることを軽く確認)
- 20分:テーマの深掘り(現状・課題・原因などを整理)
- 5分:次回までのアクション決定(具体的な行動に落とし込む)
このように時間配分をあらかじめ決めておくことで、短い時間でも対話の質が向上し、1on1後の行動につながりやすくなります。
定期的な対話により心理的安全性が高まる
1on1を通じて定期的にコミュニケーションをとることで、部下は「いつでも相談していい」という安心感を持てるようになります。
上司と部下の関係性が深まると、仕事での失敗や不安も早めに相談できるようになり、結果として心理的安全性(チーム内で安心して発言できる状態)が高まります。
たとえ仕事が忙しい状況であっても、できるだけ1on1の予定は変更せず、5〜10分の短時間でも実施する姿勢を徹底しましょう。「毎週決まった時間に相談できる」という安心感があるからこそ、部下は小さな悩みでも言葉にできます。
心理的安全性が高まると、以下のような行動変化が起こります。
【具体例】
- ミスやトラブルを隠さず、早めに報告できるようになる
- 会議の場で、周囲の目を気にせず意見を言えるようになる
- 失敗を過度に恐れず、新しい業務に挑戦しやすくなる
1on1の時間を大切にする姿勢が、部下の安心感と挑戦意欲を育て、結果として社員のエンゲージメント(組織に対する貢献意欲)の向上につながります。
業務進捗だけでなく、背景を深掘りできる
月に1〜2回の1on1を実施することで、数字上の結果だけでなく、その背景にある部下の感情や行動プロセスを深く理解できます。
日常の業務連絡だけでは、行動に至った本当の理由や判断基準は見えにくいものです。1on1で背景を掘り下げれば、「なぜそう判断したのか」「どこで迷ったのか」といった思考の流れまで確認できます。
また、1on1では「上司側の関わり方」も成果を左右します。
パーソル総合研究所の調査によると、1on1時に「上司が本音を話してくれている」と部下が感じることが、部下の成長にプラスの影響を与えることがわかりました。
加えて、「上司が新たな視点を提供してくれる」と感じることも、成長にいい影響があると報告されています。
つまり、1on1では「部下の話を聞く」だけでなく、上司も率直に意見を言いながら「別の見方」を提示することが重要なのです。その結果、部下の学びと行動の幅が広がり、成長スピードも上がりやすくなります。
以下の記事では、1on1で「話すことがない」と感じる原因や対策を解説しています。エンジニア特有の課題をまとめた記事も用意していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
深刻な問題になる前にサポートができる
定期的に1on1を実施することで、部下のコンディションの変化を早めに察知し、深刻な問題になる前にサポートできます。
たとえば、「表情が暗い」「返答が遅い」といった変化が見られた場合、業務量の偏りや人間関係のストレスなど、表に出にくい問題が潜んでいるかもしれません。早い段階で原因を特定できれば、以下のような対応が可能です。
- 担当業務の棚卸しをして、今週やるべきタスクを検討する
- 締め切り(納期)の調整を行い、無理のないスケジュールに見直す
- 役割分担の再検討をして、業務負担の偏りを是正する
- 関係者との調整に同席し、認識ズレを早めに解消する
このように組織としてサポートすることは、社員のメンタルヘルス不調や休職・離職といったリスクを下げるうえでも重要です。
株式会社リーディングマークが大企業(従業員1000人以上)の人事担当者303人を対象に行った調査では、約7割が「若手社員の離職対策に取り組んでいる」と回答しました。
実施している施策のなかでもっとも多かったのは、「定期的な1on1面談の実施(76.9%)」です。
-1024x709.jpg)
1on1を通じて、小さな変化を見逃さずに対処し続けることが、組織の離職リスクを下げる重要な施策と言えます。
以下の記事では、社員の離職を防ぐ「1on1の進め方」について詳しく解説しています。よくある失敗例も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
タイムマネジメントの意識が高まり、業務の生産性が上がる
1on1の時間をあらかじめ決めておくことで、上司・部下ともに「限られた時間のなかで要点を伝える」という意識が強くなります。
時間を意識せずに話し続けていると、1on1が「何のための時間なのか」と目的を見失いかねません。
しかし、事前に時間配分を決めておけば、優先順位の高いテーマから話せるようになります。その結果、「誰が・いつまでに・何をするか」が明確になり、組織としての業務スピード(生産性)が上がります。
このタイムマネジメントを意識する習慣は、1on1の場だけに留まりません。日常業務でも、部下はタスクの優先順位をつけ、期限から逆算して行動できるようになります。
上司も「確認すべき点」と「任せる範囲」を早めに整理できるため、余計な確認や差し戻しが減り、結果としてチーム全体の生産性が底上げされます。
忙しい上司が1on1の時間を捻出する4つのコツ

管理職やマネージャーは、会議やチーム運営、突発的な対応などで予定が埋まりやすく、1on1の時間を確保するのは簡単ではありません。
しかし、スケジュールの組み方や準備・記録のやり方を工夫すれば、無理なく継続できます。ここでは、現場で実践しやすい4つの具体策を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
固定の予定としてスケジュールに反映する
まずは、1on1を固定の予定としてスケジュールに反映し、優先順位を上げましょう。計画するたびにスケジュールを調整しようとすると、他の業務に押し流されてしまい、実施率が低下してしまうためです。
あらかじめ曜日と時間を決めておけば、その日に向けて上司・部下ともに準備ができ、1on1を継続しやすくなります。以下のように、1on1の時間を確保しておきましょう。
| 頻度・時間 | 目的 |
|---|---|
| 毎週月曜・10時 〜 10時30分 | 今週の重要タスクを1〜3件に絞り、期限や優先順位を確認する |
| 毎週金曜・17時 〜 17時30分 | 今週の成果と学びを確認し、未完了タスクの扱いや来週の行動を考える |
| 月1回・15時 〜 15時30分 | 月次目標の達成状況に応じて、仕事量や期待値のズレを修正し、翌月の重点事項を固める |
どうしても時間を確保できない場合は、安易に中止するのではなく、その週のなかで再調整しましょう。決めたスケジュールを守ることが、「あなたとの対話を大切にしている」というメッセージになります。
以下の記事では、1on1の理想的な頻度について詳しく解説しています。「自社に適した運用方法がわからない」と悩んでいる人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。
アジェンダの作成を部下に依頼する
1on1の時間を捻出するためには、事前の準備負担を減らすことも大切です。上司が毎回テーマを考えたり議題を整理したりするのではなく、部下にもアジェンダの作成を依頼してみましょう。
1on1の本来の目的は、部下の成長と成果につながる対話を行い、次の行動を具体化することです。話したいことを本人に考えてもらうことで、部下は受け身にならず、主体的に対話できるようになります。
上司側も事前に論点を把握できるため、当日は短い時間でもスムーズに対話を進められます。部下にアジェンダ作成を依頼するときは、以下のような具体例を共有しておきましょう。
| アジェンダ例 | 作成時のポイント |
|---|---|
| 今回の最優先テーマ | 相談したいことを1点に絞る(複数ある場合は、自分なりに優先順位をつける) |
| 現在の仕事の状況 | 担当業務の進捗や成果をまとめる(主観ではなく客観的な事実が中心) |
| 目標(今回のゴール) | この1on1で決めたいことを明確にする |
| 困りごと(障害) | どの業務のどこで困っているのかを確認する |
| 上司に求めるサポート | 上司に依頼したいことを具体化する(何を・いつまでに・誰へ) |
なお、目的別のアジェンダ(議題・テーマ)を知りたい方は、以下の記事も合わせて確認してみてください。アジェンダを作成する手順やポイントも詳しく解説しています。
10〜15分の短時間でも継続的に実施する
1on1の実施が難しい場合でも、1回あたりの時間を10〜15分に短縮し、継続することを優先しましょう。忙しい時期に30分以上の時間を確保しようとすると、お互いのスケジュール調整が難しくなり、延期・キャンセルせざるを得ません。
10〜15分でも定期的に対話する機会をつくれば、部下は相談のタイミングを逃しにくくなります。むしろ「長く話せない」という前提があることで、事前に話したいテーマを整理するなど、1on1に向けた準備にも意識が向きます。
短時間の1on1を実施するときは、通常の業務報告は省略し、現在直面している課題や悩みに焦点を当てましょう。対話のポイントは以下のとおりです。
| ポイント | 具体例 |
|---|---|
| テーマを限定する | 部下に「今週の悩みを1つだけ教えて」と事前に共有しておく |
| 結論から話す | 背景説明は最小限にし、相談のゴール(どうしてほしいか)から話す |
| 場所を工夫する | 会議室にこだわらず、デスク横・休憩スペース・オンラインなどで実施する |
部下との信頼関係を維持するためには、たとえ短い時間でも、定期的に向き合う姿勢を崩さないことが大切です。
1on1ツールを活用して記録・共有を効率化する
1on1を継続するには、対話内容の記録や振り返りの手間を減らすことも大切です。毎回メモを探したり、記録方法が人によってバラバラだったりすると、事前準備に余計な時間がかかります。
そこで、運用を効率化できる1on1ツールを活用すれば、アジェンダ作成から記録、次回アクションまでを一括で管理できます。
1on1ツールのメリットは、記録を残すだけでなく、前回の内容を振り返りながら「今回のテーマ」や「確認すべきこと」をすぐ決められる点です。

前回の決定事項(サマリー)を一覧で確認できれば、冒頭の振り返りは数分で済みます。異動などで上司が変わった場合でも、過去のやり取りを簡単に追えるため、引き継ぎによる抜け漏れを防ぎやすくなります。
上司の負担を抑えながら、1on1の質を高めたい方は『ミキワメAI マネジメント』の活用を検討してみてください。詳しい機能や特徴は、以下の記事にまとめています。
当日の1on1で「時間が足りない」場合の対処法

1on1の当日になって時間が足りなくなることも珍しくありません。重要なのは、限られた時間で「何を決めて終えるか」を先に決めておくことです。
ここでは、1on1の時間が足りない場合の対処法を2つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アジェンダに優先順位をつけ、重要なテーマから話す
1on1を実施するときは、あらかじめ時間が足りなくなることを想定し、アジェンダに優先順位をつけておきましょう。
すべての話題に同じ時間をかけると、後半に重要なテーマが残ってしまい、次回に持ち越される可能性があります。最初に優先順位を決めておけば、限られた時間でも成果につながるテーマから着手できます。
優先順位をつけるときは、アジェンダを「重要度」と「緊急度」で分けて整理してみましょう。具体例は以下のとおりです。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 最優先テーマ(いま決める必要がある) | ・意思決定の期限が迫っている ・判断待ちで工程が止まっている |
| 次の優先テーマ(方向性を固めて、次に備える) | ・進め方を改善する ・再発防止策を検討する |
| 後回しにするテーマ(時間に余裕があれば話したい) | ・業務進捗を共有する ・雑談や近況報告をする |
当日は冒頭1〜2分で「今日の目的」を確認し、最優先テーマから話を始めます。途中で時間が足りないと感じたら、「次の優先テーマ」は次回の1on1に回しましょう。
業務報告は事前に済ませ、思考の深掘りに時間を割く
当日の時間を有効に使うために、進捗や成果の「業務報告」はチャットや日報などで事前に済ませておきましょう。1on1の貴重な時間を、すでに共有できている情報の確認に使うのは非効率なためです。
当日の1on1では、対話を通じて「なぜそうなったのか」「次はどうしたいか」という思考・感情の深掘りに時間を割きましょう。対話のポイントは以下のとおりです。
- 起きた出来事(事実)と、そう感じた理由(解釈)を確認する
- 判断の根拠を確認する(なぜその選択をしたのか、何を優先したのか など)
- 行き詰まっている原因を見極める(スキル不足、情報不足 など)
- 不安・焦り・イライラなど、行動に影響している感情を深掘りする
- 業務量の調整や他者の協力など、打ち手の選択肢の幅を広げる
当日は「部下の思考を促す対話」に集中することで、短時間でも行動の質が向上し、問題の再発防止につながります。
以下の記事では、部下の成長を促進させる1on1のコツや、コミュニケーション術をまとめています。本記事と合わせて確認してみてください。
1on1の時間に関するよくある質問

1on1を運用していると、時間の使い方について多くの疑問や悩みに直面するものです。ここでは、管理職の方が悩みを抱えやすい4つの質問に回答します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
15分の短時間でも効果はある?
1on1は、1回10〜15分の短時間でも、進め方次第で大きな効果を得られます。大切なのは時間の長さではなく、その時間内で「次の行動」を決め、次回の1on1につなげることです。
たとえば15分しか時間がとれない場合は、以下のように時間配分を決めて進めてみましょう。
【具体例】
- 2分:近況の確認(体調・負荷・気になっていること)
- 5分:最優先テーマの確認(今週もっとも重要な仕事 など)
- 6分:課題の深掘り(原因は何か、選択肢は何か など)
- 2分:次の打ち手を決定(誰が・いつまでに・何をするか)
このときのポイントは、話題を広げすぎず「1つのテーマ」に絞ることです。解決しきれない場合でも、次回までに試す行動を決めておけば、短時間でも部下が前進できる1on1になります。
忙しくて時間がとれない場合はどうしたらいい?
忙しくて時間が確保できない場合でも、1on1自体を中止・キャンセルするのではなく、時間の短縮や延期(リスケジュール)を検討しましょう。
安易に中止してしまうと、部下に「自分への優先度が低い」という誤解を与えかねません。短時間でも対話する時間をつくることが、部下の安心感につながります。
まとまった時間がとれないときは、5分や10分の軽いやり取り(クイックコネクト)に切り替えてみましょう。
たとえば、移動中に「今週の優先事項だけ確認する」、チャットで「次の行動だけを決める」といった形でも効果は期待できます。
また、どうしても当日の実施が難しい場合は、同じ週の別日に振り替えるなど、必ず代替日を確保しましょう。
早く終わってしまった場合、残りの時間は雑談でいい?
予定より早く終わった場合は、残りの時間を雑談に充てるか、思い切って早めに切り上げるのが賢明な判断です。会話が続かない沈黙は、部下に「気まずい」「苦痛」と感じさせる原因になります。
しかし、リラックスした状態での雑談は、心理的な距離を縮めるだけでなく、お互いの人間性を知るいい機会です。仕事以外の趣味や価値観、最近関心があることなどを深掘りしてみましょう。
【質問例】
- 最近、プライベートでハマっていることはありますか?
- 仕事以外で、興味がある分野はありますか?
- 将来的に、どんなライフスタイルを実現したいですか?
また、部下との関係性が築けている場合は、無理に雑談を続ける必要はありません。予定より早く終わった時点で、「今日はここまでにして、次回は〇〇を話そう」と切り上げましょう。
1on1と評価面談は一緒にしても問題ない?
1on1と評価面談は、原則として明確に切り分けて実施するのが望ましいでしょう。
評価面談は、過去の成果に対して「評価を伝える場」です。一方で1on1は、部下の成長を支援するための「対話の場」になります。
これらを一緒に実施してしまうと、部下は評価を意識しすぎて本音を話せなくなり、1on1のコーチングとしての機能が弱まってしまいます。
どうしても同日に実施しなければならない場合は、以下のように時間枠と議題を分けて運用しましょう。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 区分 | 目的 | 主な話題 |
|---|---|---|
| 前半(1on1) | 部下の成長・成果につながる対話 | ・近況、課題、悩み ・つまずきの原因を深掘り ・必要なサポートの検討 |
| 後半(評価面談) | 過去の成果に基づく評価・処遇の決定 | ・成果の整理 ・評価基準との照合、評価の伝達 ・次期目標の方向性を検討 |
以下の記事では、1on1と面談の違いを「5つの視点」で比較・解説しています。「1on1と面談を混同してしまい、現場にうまく定着していない」と悩んでいる人事担当者の方は、本記事と合わせて確認してみてください。
1on1の時間は30分を目安に、継続できる仕組みを作ろう!

1on1の時間を決めるときは、1回30分をベースにしながら、目的や状況に合わせて柔軟に調整しましょう。
大切なのは、時間の長さではなく、決まった頻度で部下と向き合い続ける「継続性」にあります。10〜15分の短時間でも対話を重ねることで、お互いの信頼関係が深まり、部下の成長・成果につながります。
1on1を運用するときは、アジェンダの作成を部下に依頼したり、専用ツールを活用したりして、上司の負担を減らす工夫を取り入れてみましょう。
>>「忙しい上司が1on1の時間を捻出する4つのコツ」を確認する
リーディングマークが提供する『ミキワメAI マネジメント』は、社員一人ひとりの性格・状態に合わせたテーマや対話方法がわかる1on1ツールです。
詳細は以下の資料にまとめていますので、効率的に1on1の設計や運用をしたい方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。
ミキワメAI マネジメントは、社員の性格・心身状態・目標進捗を踏まえて最適なマネジメントを提供する1on1ツールです。詳細は下記から。






ランキング1位 
ランキング2位 
ランキング3位 