社内会議で効率よく意見・アイディアを出したい際におすすめする手法が「ブレインストーミング」です。
本記事ではブレインストーミングについて、やり方や、成功させるポイントなどを詳細に解説していきます。
ブレインストーミングとは
ブレインストーミングとは、複数の人が集まって、互いに自由に意見・アイディアを出し合う会議手法になります。日本語では「集団発想法」「ブレスト(ブレインストーミングの略)」とも呼ばれています。
1950年代にアメリカで考案され、今では国内でも多くの企業が導入しています。
ブレインストーミングのメリット
ブレインストーミングのメリットは下記の2点です。
- 多様な意見・アイディアを短時間で効率的に共有できる
- 発想の連鎖が実現できる
多様な意見・アイディアを短時間で効率的に共有できる
多様な意見・アイディアを短時間で効率的に共有することができます。ブレインストーミングは、結論を出していく通常の会議とは異なり、「アイディアを出すこと」を目的に実施します。互いの立場に関係なく、自由にアイディアを出し合っていく形式です。アイディア出しに注力することで、多くの意見・アイディアを共有することが可能になります。
発想の連鎖が実現できる
他人の意見に喚起されて、新しいアイディアが浮かび、そのアイディアがさらに他者の思考を刺激します。互いに相乗効果を受けられるので結果的に質の高い意見・アイディアを出しやすいです。
ブレインストーミングのルール
ブレストのルールとして、オズボーンの4原則があります。オズボーンは、アメリカの広告代理店BBDO創設者の一人で、1948年に『Your Creative Power(創造力を活かす)』を出版しました。彼はこの著書の中で、ブレインストーミングの4原則を提唱しています。
- 結論をすぐに出さない(批判厳禁)
- 発言の質よりも量を重視する(質より量)
- 自由に発言できる環境にする(自由奔放)
- アイディアをひとつにまとめていく(結合改善)
それぞれ詳細を確認していきましょう。
結論をすぐに出さない
すぐに結論を出してしまうと、その時点で出し合いが終了します。多くの意見・アイディアを共有することが、成功につながります。
ブレストはあくまでも「アイディアを出すこと」が目的で、アイディアの評価はやることではありません。会議等、別の時間を設けて下さい。
発言の質よりも量を重視する
発言の質よりも量を重視しましょう。質にこだわると、スピードが遅くなります。また、発言内容を考えすぎてしまい、本来自分が考えた内容と実際の発言がずれてしまうケースも少なくありません。
発言の量を重ねることで、「発言の質」の向上に繋がります。質は後から付いてくるので、まずは量にこだわってブレストを進めましょう。
自由に発言できる環境が理想
「自由に発言できる環境」にするのが理想です。日本企業は上下関係が強いため、部下が上司に遠慮してしまうことが多くあります。
粗削りや非現実的なアイディアも歓迎しましょう。現実離れしたアイディアが、新たな視点の発見に繋がることもあります。
互いの立場・役職を考えずに発言する等、自由に発言できるようルールを決めておきましょう。
アイディアをひとつにまとめていく
常に「他人の意見をより良いものに変えるにはどうすればよいか」の視点を持ってください。互いのアイディアの刺激を受けながら、より良いアイディアを出していくことが理想です。独りよがりの意見にならないよう、相手のアイディアに繋がるような明快な意見を出していきましょう。
また、アイディアをまとめる際は「複数アイディアをまとめるにはどうすればよいか」という点も考慮してください。既存アイディアを組み合わせることで、新規アイディアが生まれることもあります。アイディアの共通部分を探したり、メリットを抽出して結合するなど、工夫を凝らしましょう。
ブレインストーミングの進め方
大まかな流れは下記の通りです。
- 現状を確認する
- 現状に至った経緯を考える
- アイディアを出していく
- 実際の行動計画を作成する
①現状を確認する
企業・組織が直面している現状を具体的に確認します。
②現状に至った経緯を考える
現状の問題・課題が生じた理由・経緯を考えます。全員が参加し、多角的に経緯を見るのがポイントです。
③アイディアを出していく
目的達成のための意見・アイディア出しです。ここのポイントは、後ろで詳しく解説します。
④実際の行動計画を作成する
意見・アイディアが出そろったら、内容をまとめて行動計画を作成します。
詳細な計画は部署ごとで作成する場合もあります。
ブレインストーミングを成功させるポイント
ブレストを成功させるポイントは下記の6点です。
目的を明確にする
目的が明確でないと、問題解決に対する意見・アイディアが出にくいです。
数値や範囲などを絞って具体的に設定しましょう。たとえば、「売上を伸ばすために何をするべきか、アイディアを出す」という目的は「売上を伸ばす」が抽象的です。「○○部門の売上を前年同期比で30%伸ばす」のように極力具体化しましょう。
時間を決める
時間を決めないと時間が無為に過ぎます。制限時間を決めることで、参加者が集中して発言しやすくなります。ブレインストーミングは短期集中型の会議手法である点を理解しておきましょう。
役割を決める
ブレストを成功させるためには「進行役」と「書記」を決めることが必須です。進行役は参加者に意見を促したり、議論が脱線しないよう調整を行います。進行役はあくまでも議論の補佐役であって、議論全体を取り仕切る訳ではありません。参加者が自由に、活発に意見を出すためのサポート役だと考えてください。
書記はブレストで出てきた意見・アイディアを記録するのが役割です。書記のおかげで、参加者は意見・アイディア出しに集中できます。
アイディアの数を競う
個人差はありますが、競争意識の有無は積極性に影響を与えます。アイディアを一番多く出した人にインセンティブを与える等も、発言の活性化に繋がります。
互いのアイディアを称賛し合う
称賛されることで発言意欲が高まります。
相手の意見やアイディアを否定せず、良い部分を積極的に称え合えば、自然と発言が活発になります。
4~6人で実施する
一般的に10人以下が推奨されています。少人数ほどメンバー同士の距離が縮まりますが、あまりにも少ないと意見・アイディアの量が不足します。そのため4~6人が丁度良い塩梅と言われています。もちろん、この人数はあくまでも参考なので柔軟に調整しましょう。
ブレインストーミングが失敗する原因
ブレストが失敗する主な理由は下記の4点です。
- やりっぱなし
- 話の脱線
- 質問が悪い
- 環境が悪い
やりっぱなし
議論につい熱中してしまい、「やりっぱなし」の状態になってしまうと、せっかく出てきたアイデアを拾うことができません。結論を出す必要はありませんが、出た意見・アイディアは必ず整理・記録して今後に活用にしてください。
話の脱線
ブレインストーミングを成功させるには、自由に発言できる点が重要ですが、あまりにも本題から脱線してしまうのはよくありません。進行役が議論の流れをコントロールして、うまく本題に戻すことが大切です。
質問が悪い
回答しにくい質問・抽象的な質問だと、スムーズに回答できず、考え込んでしまう時間が長くなる可能性が高いです。具体的で回答しやすい質問をするために、質問の角度や切り口を変えることも肝要になります。
環境が悪い
上司の参加によって部下たちが緊張してしまったり、反対にフランクすぎて集中できない環境だと、議題に対して適切な意見・アイデアが出にくいです。「自由に発言」できて、かつ「議題に対して真剣に取り組める」環境を整備することも、ブレインストーミングを成功させるために必須です。
ブレインストーミングで活用できるアイディアのまとめ方
下記の3つの方法は、効率よくまとめるのに有効です。
マインドマップ
ブレストの目的・議題を紙・ボードの中心に書き、その周りに意見・アイディアを放射状に記載していく手法です。意見・アイディアを関連付けて記載することで、情報を把握しやすいです。
KJ法
カードに意見・アイディアを記載して、それらに見出しを付けてまとめていく手法です。グルーピングしやすくなり、既出の意見・アイディアをすぐに確認できる点も、KJ法のメリットです。
セブンクロス法
優先順位をつけ整理していく手法です。
- 出てきた意見・アイディアをカードに記載
- それぞれを7つのカテゴリーに分けて、重要度が高い順に左から右へ並べる
- 各カテゴリー内で重要度の高い順に上から下に並べる
こうすることで、重要度の高い意見・アイディアが左上に集まります。全体の俯瞰と、高重要度要素の確認が同時に可能です。
ブレインストーミングを活用して、効率よくアイディアを出していこう
ブレストを活用することで、短時間で集中的に意見・アイディアを出すことができます。特別な準備や道具はいらず、参加人数と筆記用具さえあれば、すぐに実施できます。まだこれを機にぜひ実践してみてください。
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