「1on1で何を質問すればいいかわからない」
「部下の行動を促すような質問力を身につけたい」
このような悩みを抱えている人事担当者や管理職の方も多いのではないでしょうか。
1on1ミーティングは、部下の課題を早期に発見し、次にとるべき行動を考える重要なマネジメント手法です。しかし、事前の準備に十分な時間がとれず、結果的に普段の面談と同じような質問の仕方になってしまうケースも少なくありません。
そこで本記事では、今日からすぐに使える具体的な質問を、8つのテーマに分けてわかりやすく紹介します。
- 1on1がマネジメントにおいて重要とされる理由
- 部下の本音を引き出す質問テーマ・会話例【80選】
- 質の高い1on1を実現するためのポイント
1on1で話すべきテーマや質問例をまとめていますので、ぜひ活用してみてください。
リーディングマークが提供する『ミキワメ マネジメント』は、社員一人ひとりに合わせたテーマや対話方法がわかる1on1ツールです。詳細は以下の資料にまとめていますので、ご興味のある方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。
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なぜ1on1はマネジメントにおいて重要なのか?

1on1の目的は、対話を通じて部下の思考を促し、仕事にやりがいを持って取り組めるようサポートすることです。
部下の目標設定から日々の行動、成長実感までをつなぐ役割として、多くの企業で1on1が導入されています。
【1on1の主な役割】
それぞれの役割について、以下より詳しく見ていきましょう。
なお、1on1の質を高める方法については、別の記事でわかりやすく解説しています。「沈黙が続いてしまう」「話すことがない」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
上司・部下の相互理解を深め、良好な関係性を築く
1on1が重要とされる理由は、上司と部下がお互いの状況を把握・理解し、関係性を深められる点です。
チームとして成果を出すためには、個人の能力を活かすだけでなく、日々のコミュニケーションの質を高める必要があります。
しかし、メンバー同士がお互いのことを十分に理解できていないと、協力して課題の解決策を考えたり、率直に意見を交わしたりすることが困難です。その結果、学習や改善のサイクルが回らず、チーム全体の成長が停滞してしまいます。
組織を理想的な状態にする方法として、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は、活動の質を4つのフェーズに分けた「成功循環モデル」を示しました。
この理論モデルによると、「関係の質」「思考の質」「行動の質」「成果の質」が連鎖的に高まることで、学習を繰り返す生産的な組織が構築されます。
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出典:心理学と組織論からみた理想の1on1① 〜マネジメントに関わる理論|組織心理研究所
4つのフェーズのなかでも起点となるのが「関係の質」です。関係性が弱い状態では、思考や行動の質が深まりにくく、結果としてチームの成果にもつながりません。
1on1は、こうした関係の質を高めるために、対話の時間を意識的に確保する取り組みです。継続的に対話を重ねることで、相互理解が進み、メンバー同士で感謝や尊重をし合える関係性が育まれていきます。
課題解決に向けて前向きな思考・行動を促す
マネジメントにおける1on1は、部下の目標設定から行動、振り返りまでの「一連のプロセスをつなぐ役割」として位置づけられています。
部下にチームとしての役割や期待していることを伝えなければ、本人は自分の仕事がどう成果につながるのかわかりません。目標・役割・期待値のすり合わせを行うことで、課題解決の方向性が定まります。
1on1で重要なのは、部下の思考・行動を促し、生産性の高い組織をつくることです。理想的な組織の状態として、以下が挙げられます。
- 対話を通じて関係の質を深め、安心して意見を交わせる状態をつくる
- 成果だけでなく背景やプロセスに目を向け、学びにつながる対話を行う
- 具体的な行動目標を本人が描き、裁量を持って実行できる環境を整える
- 職場環境の改善を行い、心身の健康を保てる状態を維持する
また、上司が関心を持って対話する姿勢は、部下に「期待されている」「見守られている」という安心感を与え、前向きな思考や行動につながりやすくなります。
参考:心理学と組織論からみた理想の1on1② 〜マネジメントの流れと1on1の力点の置き方|組織心理研究所
1on1ミーティングで話すべき8つのテーマ【質問集】

ここからは、1on1ミーティングで話すべき8つのテーマと質問例を紹介します。上司と部下の会話例も合わせて紹介していますので、ぜひ活用してみてください。
※以下の表は右にスクロールできます
| テーマ | 質問例 | |
|---|---|---|
| 私生活の状況(趣味・休日の過ごし方) | ・この前の休日は、どんなふうに過ごしていましたか? ・最近ハマっていることや、続けている趣味は何ですか? ・平日と休日で、気持ちの切り替えはできていますか? | 会話例を見る |
| 心身の健康状態 | ・最近の体調について、ご自身ではどう感じていますか? ・仕事での集中力について、小さな変化でも教えてくれますか? ・仕事と休息のバランスについて、どう感じていますか? | 会話例を見る |
| 仕事の悩み・不安 | ・仕事を進めるなかで、不安に感じていることは何ですか? ・「もっとこうしたらよかった」と思っている点はどこですか? ・自分なりに不安の原因は何だと思いますか? | 会話例を見る |
| 個人の性格特性・行動パターン | ・仕事を進めるとき、事前に計画を立てたいタイプですか? ・仕事の優先順位は、どのように決めることが多いですか? ・これまでの仕事で、力を発揮できたと感じた場面を教えてくれますか? | 会話例を見る |
| チームワーク・コミュニケーション | ・チームのなかで、相談しやすい雰囲気はありますか? ・困ったとき、まず誰に声をかけることが多いですか? ・他のメンバーとの関わりで、気になっていることはありますか? | 会話例を見る |
| 能力開発・キャリアの展望 | ・将来的に、どのような仕事に挑戦してみたいと考えていますか? ・今後、とくに伸ばしていきたいスキルは何ですか? ・自身の強みを、今後どのように活かしていきたいですか? | 会話例を見る |
| 目標設定・振り返り・フィードバック | ・今回の目標に取り組んでみて、率直にどう感じていますか? ・目標達成に向けて、とくに意識して行動した点はどこですか? ・今回の経験から、学べたことは何だと思いますか? | 会話例を見る |
| 会社の方針・戦略・カルチャー | ・会社が目指している方向性について、共感できている点はどこですか? ・会社の方針と現場の実態に、ギャップを感じる点はありますか? ・方針が変わったとき、どんな説明があると理解しやすいですか? | 会話例を見る |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、1on1のテーマについては、別の記事でも詳しく解説しています。目的別に質問例を紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
1:私生活の状況(趣味・休日の過ごし方)
私生活に関する話題は、部下との心理的な距離を縮め、信頼関係を築くきっかけにもなります。具体的な質問例としては、以下のようなものが挙げられます。
- この前の休日は、どんなふうに過ごしていましたか?
- 仕事以外で、リフレッシュできていると感じる時間はありますか?
- 最近ハマっていることや、続けている趣味は何ですか?
- 平日と休日で、気持ちの切り替えはできていますか?
- 休日は、外に出ることと家で過ごすこと、どちらが多いですか?
- 最近「楽しかったな」と感じた出来事を教えてくれますか?
- 昔好きだったけれど、最近できていないことはありますか?
- 仕事の疲れは、翌週まで残らずにリセットできていますか?
- 朝や夜の時間で、大切にしている習慣は何ですか?
- 今後、時間があったらやってみたいことを教えてくれますか?
いきなり仕事の話題から入ると、部下は「評価されるのではないか」「何か指摘されるのではないか」と身構え、本音を話しにくくなってしまいます。
その点、趣味や休日の過ごし方といった話題は、部下の緊張を和らげ、自然な対話を生み出しやすいテーマです。本題に入る前の雑談として取り入れることで、安心して話せる雰囲気をつくれます。
【会話例】
最近、休日はどんなふうに過ごしていますか?
家でゆっくりすることが多いですね。
動画を見たりしています。
家で過ごす時間が多いんですね。
動画を見ていると、気分転換になったりしますか?
そうですね。平日は忙しいので、何も考えずに見られるのがいいです。
平日の疲れをとる時間になっているんですね。
しっかり休めていますか?
以前よりは休めています。
ただ、少し運動不足かもしれません…。
なるほど。お話を聞いていると、少し体を動かしたい気持ちもありそうですね。
はい。本当は散歩くらいはしたいと思っています。
その気持ちが大事ですね。
無理のない範囲でできそうなことはありそうですか?
まずは、休日に少し外に出るところから始めようと思います。
2:心身の健康状態
心身の健康状態に関するテーマでは、日々のコミュニケーションでは把握しにくい精神的な負荷や、コンディションの変化を確認します。体調や気分の変化は表に出にくく、本人も自覚していない場合があります。
1on1では、安心して話せる雰囲気をつくりながら、さりげなく状況を確認してみましょう。具体的な質問例は、以下のとおりです。
- 最近の体調について、ご自身ではどう感じていますか?
- ここ最近、疲れがとれにくいと感じることはありますか?
- 睡眠時間や睡眠の質は、安定していますか?
- 仕事での集中力について、小さな変化でも教えてくれますか?
- 気分が落ち込みやすいと感じる日はありますか?
- 最近、心身のリフレッシュはできていますか?
- 体調面で少し気になっていることは何ですか?
- 仕事と休息のバランスについて、どう感じていますか?
- 忙しいとき、無理をしてしまうことはありますか?
- 周囲のサポートは十分だと感じていますか?
心身の不調は、ストレスや疲労の蓄積、生活リズムの乱れといった小さな変化から始まります。大きな問題として表面化する前に気づけるかどうかが、マネジメントの重要なポイントです。
【会話例】
最近の体調や気分について、小さな変化でも教えてもらえますか?
大きな不調はないですが、少し疲れが残っている感じはあります。
そうなんですね。どんなときに疲れを強く感じますか?
夕方になると集中力が落ちている気がします。
夕方は疲れが出やすいですよね。
最近、忙しい状況が続いていましたか?
はい。締め切りが重なっていて、帰りが遅い日が多かったです…。
それは負担が大きかったですね。
睡眠時間は確保できていますか?
正直、少し足りていないと思います。
それだと、体にも負担がかかりそうですね。
何か調整できそうなことがないか、一緒に整理してみましょうか。
ありがとうございます!
業務の優先順位を見直せると助かります。
そうですね。まずは担当の業務をひと通り整理しましょう!
3:仕事の悩み・不安
仕事の悩み・不安に関する話題では、業務を進めるなかで感じている課題や困りごとを言語化してもらうことが重要です。
日々の忙しさや、相談することへの心理的なハードルから、悩みや不安を一人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。
1on1では、問題の大小に関係なく、感じていることを率直に話せるような質問をしてみましょう。具体的な質問例は、以下のとおりです。
- いまの仕事で、やりづらさを感じていることはありますか?
- 仕事を進めるなかで、不安に感じていることは何ですか?
- 誰かに相談したいと思いながら、できていない場面はありますか?
- いま、一番時間がかかっている業務は何ですか?
- 業務量について、負担が大きいと感じることはありますか?
- 最近、仕事のなかでストレスを感じた場面を教えてくれますか?
- 「もっとこうしたらよかった」と思っている点はどこですか?
- 自分なりに不安の原因は何だと思いますか?
- 今後に向けて、早めに整理しておきたい課題は何ですか?
- この場で話しておきたいことがあれば、小さなことでも教えてくれますか?
1on1で重要なのは、結論や解決策を急がず、まずは部下に耳を傾けることです。悩みを自分の言葉で整理することで、部下自身が状況を客観的に捉え、次の行動を考えるきっかけになります。
【会話例】
最近の仕事で、少しでも困っていることはありますか?
実は、新しい業務を担当していますが、まだ自信を持てていません…。
そうなんですね。どのあたりで不安を感じていますか?
自分の判断が合っているのか、いつも迷ってしまいます。
初めての業務だと判断に迷う場面も多いですよね。
何かきっかけになった出来事はありましたか?
前回の対応で、少し指摘を受けたことが影響していると思います。
その経験が、いまも気になっているんですね。
慎重に進めようとしている様子が伝わってきます。
はい。失敗したくない気持ちが強くなっています。
そう感じるのは自然なことだと思います。
ここまで一人で考えてきたのは大変でしたね。
話しができて、少し気持ちが軽くなりました。
そう言ってもらえて嬉しいです。
前に進むために、いま考えていることをもう少し聞かせてもらえますか?
4:個人の性格特性・行動パターン
性格特性・行動パターンに関する話題は、部下が「どのような考えで行動するのか」を理解するために重要なテーマです。
同じ環境であっても、人によって感じ方や行動の傾向は大きく異なります。たとえば、事前に計画を立ててから動きたいタイプもいれば、行動しながら考えるタイプもいます。
以下のような質問を通じて、部下の性格特性や行動の傾向を確認し、仕事の進め方を検討してみましょう。
- 仕事を進めるとき、事前に計画を立てたいタイプですか?
- 判断するとき、どんな情報があると安心できますか?
- 一人で進める仕事と、周囲と相談しながら進める仕事ではどちらが得意ですか?
- 仕事の優先順位は、どのように決めることが多いですか?
- 想定外の変更が生じたとき、どんな点が一番負担に感じますか?
- これまでの仕事で、力を発揮できたと感じた場面を教えてくれますか?
- 逆に、なかなか成果がでなかった業務はありますか?
- 仕事のなかで、大切にしている考え方は何ですか?
- プレッシャーがかかる場面では、どんなサポートがあると助かりますか?
- 自分の強みだと感じている点はどこですか?
また、社員の性格タイプを把握したい場合は、適性検査やエンゲージメントサーベイの活用も有効です。
適性検査は、性格傾向や行動特性を可視化し、活躍できそうな役割・業務を検討するためのツールです。採用で使われるのが一般的ですが、社員の性格診断ツールとしても活用されています。
一方、エンゲージメントサーベイは、仕事への意欲や組織への関わり方を継続的に把握するための調査です。社員の心理状態を数値化できるため、1on1の情報としても活用できます。
【会話例】
普段の仕事の進め方について、ご自身ではどんなタイプだと感じていますか?
どちらかというと、事前にしっかり準備してから動くタイプだと思います。
準備は大切ですね。そうした方が安心して行動できますか?
はい。全体の流れを確認しないと、不安になってしまいます。
見通しが立つと、力を発揮しやすくなるんですね。
逆に、やりにくいと感じる場面はありますか?
急な変更があると、気持ちの切り替えに時間がかかります。
急な変更が続くと、負担になりますよね。
これまで対応するのも大変だったと思います。
そうですね。周囲に迷惑をかけないように対応しています。
その姿勢は大きな強みですね!
事前に情報が共有されると、より動きやすくなりそうですか?
はい。早めに情報をもらえると助かります。
わかりました。情報共有のタイミングを意識して進めてみますね。
5:チームワーク・コミュニケーション
チームワーク・コミュニケーションに関する話題では、チーム内での関わり方や相談のしやすさなど、社員同士で協力する姿勢があるかを確認します。具体的な質問例は、以下のとおりです。
- チームのなかで、相談しやすい雰囲気はありますか?
- 困ったとき、まず誰に声をかけることが多いですか?
- チーム内で、情報共有がうまくいっていると感じますか?
- 逆に、情報が足りないと感じる場面はありますか?
- チームで仕事を進めるなかで、やりづらさを感じることはありますか?
- 会議や打ち合わせで、意見は出しやすい雰囲気ですか?
- 周囲との連携がうまくいったと感じた場面を教えてくれますか?
- チームの役割分担について、わかりにくい点はありますか?
- 他のメンバーとの関わりで、気になっていることはありますか?
- コミュニケーションを活性化するために、できそうな工夫はありますか?
チーム内の関係性は、仕事の進めやすさや成果に影響する要素です。表面的には問題がなさそうに見えても、社員同士で声かけがなかったり、情報が共有されなかったりすると、業務の停滞やミスにつながってしまいます。
1on1を通じてチームワークの状態を確認し、より円滑に仕事を進められる環境をつくりましょう。
【会話例】
チームとして仕事を進めるなかで、やりにくさを感じる場面はありますか?
大きな問題ではないですが、少し相談しづらいと感じることがあります。
そう感じるのは、どんなときですか?
忙しそうな人が多くて、声をかけるタイミングに迷ってしまいます。
周りの様子を見て、遠慮してしまうことがあるんですね。
はい。自分のことで時間をとっていいのか、不安になります…。
その気持ちは自然だと思います。
チームの雰囲気も影響していそうですね。
そうですね。もう少し話しやすい雰囲気になると助かります。
率直に教えてくれてありがとうございます。
話しやすくするために、どんな工夫があるとよさそうですか?
短い時間でも、気軽に声をかけ合える機会があるといいと思います。
なるほど。チーム全体で考える価値がありそうですね。
6:能力開発・キャリアの展望
能力開発・キャリアの展望に関する話題では、「将来どのようなキャリアを目指しているのか」「どのような経験を積みたいと考えているのか」を確認します。
定期的に部下の考えを確認することで、状況に合わせた目標設定や研修・教育など、組織として支援できる環境を検討できます。具体的な質問例は、以下のとおりです。
- 将来的に、どのような仕事に挑戦してみたいと考えていますか?
- 今後、とくに伸ばしていきたいスキルは何ですか?
- いまの業務は、自身の成長につながっていると感じますか?
- これまでの仕事で、成長を実感できた経験を教えてくれますか?
- 今後1〜2年で、できるようになりたいことは何ですか?
- 自身の強みを、今後どのように活かしていきたいですか?
- キャリアについて、いま感じている不安や迷いはありますか?
- 成長するために、どのようなサポートがあると助かりますか?
- 今後、経験してみたい役割やポジションはありますか?
- これからの働き方について、どのようなイメージを持っていますか?
また、キャリアの方向性が決まっていなくても問題はありません。漠然とした不安や関心事を言葉にすること自体が、次の行動を考えるきっかけになります。
【会話例】
今後のキャリアについて、最近何か考えていることはありますか?
正直、まだはっきりしたイメージは持てていません。
そうなんですね。なかなか考える時間をとれなかった感じでしょうか?
はい。目の前の業務で精一杯になってしまっていて…。
日々の業務にしっかり向き合ってきたからこそ、余裕がなかったんですね。
はい。ただ、このままでいいのかという不安もあります。
不安を感じつつも、これからのことを考えたい気持ちはありそうですね。
そうですね。もう少し専門性を高めたいとは思っています。
いいですね!
どんな分野に興味がありますか?
いま担当している業務を、もう少し深く理解したいです!
その意欲は大切にしたいですね。
成長につながる方法を、一緒に考えていきましょう。
7:目標設定・振り返り・フィードバック
目標設定・振り返りに関する話題では、成果・業績だけでなく、その過程や取り組み方に目を向けることが重要です。目標を「達成できたかどうか」だけに注目すると、部下は受け身の姿勢になり、失敗を避ける行動につながる可能性があります。
1on1では、目標に向けてどのような行動をとってきたのか、どのような工夫や学びがあったのかを一緒に整理してみましょう。具体的な質問例は、以下のとおりです。
- 今回の目標に取り組んでみて、率直にどう感じていますか?
- 目標達成に向けて、とくに意識して行動した点はどこですか?
- うまくいったと感じる取り組みを教えてくれますか?
- 思うように進まなかった点はありましたか?
- その結果になったのは、どんな要因があったと思いますか?
- 自分なりに工夫した点や挑戦した点はどこですか?
- 今回の経験から、学べたことは何だと思いますか?
- 次に同じような目標に取り組むとしたら、何を変えたいですか?
- 周囲からのサポートで、助かった点はありましたか?
- 次の目標を考えるうえで、大切にしたいことは何ですか?
対話を通じて成功体験や学びを言語化することで、次のアクションが明確になり「行動の質」が向上します。
【会話例】
この期間の取り組みを振り返ってみて、どう感じていますか?
思ったよりできた部分もありますが、反省点も多いです。
手応えを感じた部分と、課題の両方がありそうですね。
はい。とくに時間の使い方がうまくなかったと思います。
時間の使い方に課題を感じたんですね。
どんな場面でそう思いましたか?
優先順位が曖昧になって、後半に慌ててしまいました…。
進めながら迷う場面もあったんですね。
そのなかで工夫したことはありますか?
途中でタスクを書き出して整理したことは、少し効果がありました。
それはよい工夫だと思います!
ご自身でも手応えを感じていそうですね。
はい。次は、もっと早めに取り組みたいと思います。
その気づきを次の目標につなげられそうですね!
どんな点を意識したいですか?
まずは周囲と相談しながら、優先順位を明確にすることを意識したいです。
8:会社の方針・戦略・カルチャー
会社の方針・戦略・カルチャーに関する話題では、会社の目指している方向性を「部下がどのくらい理解し、日々の仕事と結びつけているか」を確認します。
社内説明会やメールで一方的に伝えるだけでは、社員一人ひとりまで十分に理解が行き届かないことがあります。
1on1では、会社の方針・戦略について「どこが理解できていて、どこに納得できていないのか」を確認しましょう。具体的な質問例は、以下のとおりです。
- 会社の方針について、どの程度理解していますか?10段階で教えてください
- 会社が目指している方向性について、共感できている点はどこですか?
- 逆に、少しわかりにくいと感じている部分はありますか?
- 組織の文化や価値観について、日々の業務で感じることはありますか?
- 「この会社らしい」と感じる行動や出来事は何ですか?
- 会社の方針と現場の実態に、ギャップを感じる点はありますか?
- 方針が変わったとき、どんな説明があると理解しやすいですか?
- 会社の考えを、自分の仕事にどう活かせそうですか?
- 方針やカルチャーについて、周囲と話す機会はありますか?
- この場で共有しておきたい、会社に対する意見や気づきはありますか?
対話を通じて、会社が大切にしている価値観が「現場でどのように受け止められているか」を確認できます。誤解があればその場でフォローし、部下が納得できる説明を心がけましょう。
【会話例】
最近の会社の方針や取り組みについて、率直にどう感じていますか?
方向性は理解できますが、現場では少し戸惑う場面もあります。
戸惑いを感じることがあるんですね。
どんな点でそう感じていますか?
スピードを重視する方針ですが、準備が追いつかないことがあります。
スピード感と準備のバランスに、難しさを感じているんですね。
はい。気持ちが焦ってしまうこともあります…。
その感覚は自然だと思います。
現場で対応しているからこそ出てくるものですよね。
そう言ってもらえると、少し安心します。
率直に話してくれてありがとうございます。
現場として、もう少し共有してほしい情報はありますか?
方針の背景や狙いを、もう少し噛み砕いて教えてもらえると助かります。
背景がわかると、納得して行動できそうですね。
現場の声として、しっかり受け止めます。
逆効果になる1on1の悪い例とは?

1on1の進め方や質問の仕方を誤ると、部下との信頼関係を深めるどころか、不信感やストレスを生む原因になってしまいます。現場で起こりがちな3つの悪い例を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、部下に「1on1をやめてほしい」と言われる原因と対策については、以下の記事で詳しく解説しています。本記事と合わせて確認してみてください。
追及するような質問でプレッシャーを与える
1on1で避けるべき言動は、部下を追い詰めるような質問で、過度なプレッシャーを与えてしまうことです。進捗や成果を確認するつもりでも、質問の仕方によっては「評価されている」と受け取られてしまいます。
たとえば、「なぜできていないのか」「いつまでに改善できるのか」といった質問が続くと、部下は心理的な負担を避けるため自己防衛的な回答をします。その結果、本音や課題が表に出にくくなり、建設的な対話が成立しません。
1on1では原因を追及するのではなく、部下自身に状況を理解してもらい、解決策を一緒に考える姿勢が大切です。
「どこに難しさを感じているか」「どう改善すれば前に進めそうか」といった質問に置き換え、部下に伴走する意思を示しましょう。
以下の記事では、部下が1on1を苦痛に感じる理由や対策を詳しく解説しています。上司が気をつけるべき言動も紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
上司が一方的に話をする
1on1の悪い例として、部下の話を十分に聞かず、上司の持論やアドバイスばかりになってしまう状態が挙げられます。
たとえば、アドバイスを急ぐあまり話を途中で遮ってしまったり、部下の状況を把握しないまま結論を出したりするケースです。
上司が一方的に話をする状態では、部下は考える時間もなく、受け身の姿勢になってしまいます。上司にとっては善意のアドバイスであっても、状況によっては「指導」や「説教」と受け取られてしまう場合もあります。
1on1では、話すことよりも「聞くこと」に意識を向けましょう。部下の言葉に耳を傾け、質問しながら思考を深めることで、部下自身の「気づき」や「次の行動」につながりやすくなります。
日常的な報告や連絡だけで終わる
本来、部下の成長支援や内省を目的とする1on1が、業務連絡や進捗報告だけで終わってしまうケースも少なくありません。
たとえば、「今週のタスクはどこまで進みましたか」「次は何をしますか」といった確認に時間を使いすぎてしまうケースです。これらの情報は、通常のミーティングやチャットでも十分に確認できます。
1on1では、事実の確認よりも「どう感じたか」「何を学んだか」「どう改善したいか」といった振り返りに時間を使うことが重要です。対話を通じて部下の思考を深めることで、課題解決につながる行動を見つけられます。
1on1で質問するときの3つのポイント

1on1の質は、質問の仕方で大きく変わります。ここでは、現場ですぐに実践できる3つのポイントを解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
また、部下の成長を促進させる1on1のコツや、コミュニケーション術をまとめた別の記事もあります。本記事と合わせて確認してみてください。
相手の話した内容(事柄・意図)を深掘りする
1on1では、相手の話をただ聞くだけでなく、話した内容を「事柄」と「意図」の両面で深掘りしてみましょう。部下の思考や価値観、行動を起こした背景を確認できます。
まず意識したいのが、事柄の深掘りです。事柄には、実際の出来事や行動だけでなく、そのときに感じた気持ちや感情も含まれています。
具体的な質問例としては、以下が挙げられます。
「その話をもう少し詳しく教えてもらえますか?」
「そのとき、どんな気持ちでしたか?」
たとえば、部下が何かを失敗した場合、その瞬間は「悔しい」「残念」といった感情があったかもしれません。1on1では、事柄によって生まれたその感情や状態を深掘りし、部下が自分の状態を思い出せるように問いかけてみましょう。
次に、意図の深掘りです。意図とは、会話のなかで出た自身の状態に対して、行動を起こそうとした理由や背景を指します。具体的な質問例は、以下のとおりです。
「なぜその方法を選んだのですか?」
「どんな想いで取り組もうとしていたのですか?」
意図を深掘りすることで、相手が何を大切にし、何を目指していたのかが見えてきます。たとえ結果が伴わなかったとしても、前に進もうとした意思や工夫は、成長のヒントになります。
このように、「事柄」を整理し「意図」を掘り下げることで、部下は自分の行動を客観的に振り返るよい機会になるでしょう。
「人・過去・未来」をイメージさせ、新たな気づきを促す
1on1で部下の思考を深めたいときには、イメージを促す質問が効果的です。
具体的には、部下にある状況を提示し、これまで経験したことがない視点で物事を想像してもらう時間を与えます。事柄に対する自分の考えを整理するだけでなく、想像を通じて新たな気づきを得られる点が特徴です。
イメージを促すときは、「人」「過去」「未来」の3つの視点を活用しましょう。以下は、それぞれの視点と方向性、質問例を整理したものです。
※モバイルでは以下の表を右にスクロールしてご覧ください
| 視点 | イメージの方向性 | 質問例 |
|---|---|---|
| 人 | 他者・第三者の立場で考える | ・あの人の立場であれば、どう感じると思いますか? ・第三者として見ると、いまの状況をどう思いますか? |
| 過去 | 出来事の始まりや原因を振り返る | ・そもそも、この話は何がきっかけでしたか? ・いつ頃から違和感を抱き始めましたか? |
| 未来 | 結果や理想の状態を想像する | ・このまま進むと、どうなりそうですか? ・一番いい終わり方はどんな形だと思いますか? |
このような「人・過去・未来」を意識した質問は、部下の視野を広げ、内省を促します。その結果、部下自身が新たな気づきを得て、次の行動を主体的に考えるきっかけになるのです。
以下の記事では、部下の成長段階に合わせた1on1の進め方を詳しく解説しています。信頼を深めるためのポイントも紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
オープンクエスチョンで問題の本質を見抜く
1on1では、部下の考えや課題の本質を引き出すために、オープンクエスチョンを意識的に使いましょう。
オープンクエスチョンとは、回答の範囲を限定せず、相手が自由に考えて答えられる質問のことを指します。「はい・いいえ」で答えるクローズドクエスチョンとは異なり、理由や背景、考え方を言葉にしてもらう点が特徴です。
たとえば、「この仕事は大変ですか?」と聞くと、答えは「はい」か「いいえ」に限られてしまいます。一方、「この仕事のどんな点が大変でしたか?」と聞けば、部下が感じている具体的な状況が見えてくるのです。
また、オープンクエスチョンには思考を促す効果もあります。質問された部下は、「自分はどう感じているのか」「なぜそう思ったのか」を整理しながら答えを探すため、その過程そのものが内省につながります。
1on1では、すぐに結論を求めるのではなく、オープンクエスチョンで事柄の背景にある考えや感情に向き合うことが大切です。
1on1ツール『ミキワメ マネジメント』で思考を促す質問を!

1on1の質を維持しつつ効率的に運用するには、テーマ設定や対話の進め方を仕組み化するツールが必要です。毎回その場で質問を考える状態では、進め方や話題にばらつきが生じやすくなります。
『ミキワメ マネジメント』は、社員の性格・心身状態・目標進捗を踏まえて、一人ひとりに最適なマネジメントを提供する1on1ツールです。
性格特性や行動傾向のデータをもとに、AIが「いま話すべきテーマ」を自動生成しアドバイスしてくれます。
社員のパフォーマンスを改善・最大化するために、ミキワメでは以下のような1on1サイクルを重視しています。
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また、対話内容の自動文字起こしや、次の行動を決めるネクストアクション提案など、部下の主体的な行動を促すための機能が豊富です。
詳細は以下の記事で紹介していますので、本記事と合わせて確認してみてください。導入時には専任の担当者が丁寧にサポートいたします。
1on1に関するよくある質問

1on1に関するよくある質問について、以下の2点に回答します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
どうすれば質問力を高められる?必要なスキルは?
質問力を高めるには、まず相手の話を理解しようとする姿勢を身につけましょう。
1on1では、質問を通じて情報を引き出す必要があるため、相手への関心がなければ表面的な問いかけになってしまいます。具体的には、傾聴力や共感力、深掘りするスキルが必要です。
| 1on1で必要なスキル | 概要 |
|---|---|
| 傾聴力 | 相手の話を遮らず、事実と感情の両方に意識して聞く力 |
| 共感力 | 相手の気持ちや立場を理解し、受け止める力 |
| 深掘りするスキル | 話の背景や意図を質問で掘り下げる力 |
質問力はすぐに身につくものではありません。日々の1on1で意識して実践し、自身のマネジメントを振り返ることで、部下の思考を促す質問ができるようになります。
部下に言ってはいけない言葉は何?
1on1で部下に言ってはいけない言葉は、部下の思考を止めたりプレッシャーを与えたりする表現です。具体的には、以下のような言葉がそれに該当します。
- それ、前にも言いましたよね(過去を持ち出して責める)
- 結局、何が言いたいのですか?(結論を急がせる)
- 普通はそういう対応はしませんね(価値観を押しつける)
- それはあなたの問題ですね(部下に責任を負わせる)
たとえ悪気がなくても、言い方次第で「否定された」「叱責された」と受け取られてしまう可能性があります。
1on1に限らず部下をマネジメントするときは、良し悪しを決める言葉ではなく、事実の背景にある「価値観」や「感情」に焦点を当てた対話を心がけましょう。
まとめ:1on1では部下との関係性に応じた質問をしよう

1on1を有意義な時間にするためには、誰にでも同じ質問をするのではなく、一人ひとりの状況に合った問いかけをする必要があります。
まずは、私生活や健康状態といった話しやすいテーマから入り、部下が安心して話せる環境をつくることが大切です。
信頼関係が深まってきた段階で、仕事の悩みやキャリア、目標設定など、内省を促す質問へと広げていきましょう。
1on1の目的は、正解そのものを導き出すことではなく、部下自身が考え、新たな気づきや「次にするべき行動」を見つけることです。
部下との関係性やタイミングを見極めながらテーマを選び、1on1を成長につながる対話の時間にしていきましょう。
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